146 / 211
聖剣の鞘の行方
第135話 古代遺跡に向けて3
しおりを挟む
月の魔女と聖剣
第135話 古代遺跡に向けて3
ウエストエンドを出た馬車の馬にマイティアップと馬車にエアウォーク、さらに車体まで魔法で強化したことで一気に加速していく。加速すれば振動が強くなり、乗り物酔いになりやすくなるのが普通だがエアウォークも使っていることで衝撃を上手く逃がすことが出来ていた。大気をサスペンション代わりにするなど、現代魔法ではまずあり得ない話であったし、しかも速度は軽く通常の馬車の3倍は出ていたのだ。
あまりにも窓の景色が早く通り過ぎていくことから、ウィリアムは流石に驚きを隠せなかった。
「こんなに速い馬車など乗ったことが無いが、大丈夫なのか?」
普通に考えれば、こんな速度で土の道を爆走しようものなら木製の車輪が確実に持たない。それに、馬の体力を考えればこれだけの速度が続けられるわけもないのだが、それを可能にしてしまうのが沙更の魔法。
「幼い治癒士様の魔法ならば、このくらいはなんともありません。ウィリアム様は初めてですから驚くのも分かりますけれど」
「リエット嬢は彼女の魔法の凄さを理解しているのか…。確かに王国でこれだけの魔法を使いこなす魔法士など見たことが無い。王宮魔法士ですら、こんな芸当は不可能だった」
「今の魔法士が失ってしまった物を持ち合わせるのが幼い治癒士様ですから、私もお母様もこの辺境も救って貰ったのですよ」
カイゼルラントでも沙更ほどの魔法士はいない。治癒士としても魔法士としてもずば抜けているのはウィリアムも認めるしかなかった。
しかも、沙更に負担がかかっているようには一切見えない。ウエストエンドから一気に辺境の奥へとひた走る異様な速度の馬車は街道を使う人たちに驚かれつつも通りすぎていく。そんな旅人達を横目に、街道をひた走っていくのだった。
ウエストエンドからクルシスを経由し、元エンシェントゲートと呼ばれていた町に着いたのは夕刻にほど近い時間であった。ウエストエンドからエンシェントゲートまで半日と言う時点でかなりの快速だと言うことに変わりは無いし、他の誰もが出来ると言う話ではない。
1年前、エンシェントゲートは住人が逃げ出していったん無くなることとなった。その後、再建されたわけだがその時に町の名前を変えて、今ではロストガーデンと変わっていました。
「流石に久しぶりに来たが、1年前の感じとは大分違うな」
「開拓村が壊滅して、ここも放棄してしまったことからお母様がかなり手を入れたようです」
「フィリエス卿なら、そのくらいはやってのけるだろう。女性貴族は珍しいが、その上有能なのだからかなり有名ではあるのだ」
ウィリアムはカタリーナの事をそう表す。女性の貴族はカタリーナ以外には数人いるかどうかであり、その上上位貴族はカタリーナが唯一であった。
第135話 古代遺跡に向けて3
ウエストエンドを出た馬車の馬にマイティアップと馬車にエアウォーク、さらに車体まで魔法で強化したことで一気に加速していく。加速すれば振動が強くなり、乗り物酔いになりやすくなるのが普通だがエアウォークも使っていることで衝撃を上手く逃がすことが出来ていた。大気をサスペンション代わりにするなど、現代魔法ではまずあり得ない話であったし、しかも速度は軽く通常の馬車の3倍は出ていたのだ。
あまりにも窓の景色が早く通り過ぎていくことから、ウィリアムは流石に驚きを隠せなかった。
「こんなに速い馬車など乗ったことが無いが、大丈夫なのか?」
普通に考えれば、こんな速度で土の道を爆走しようものなら木製の車輪が確実に持たない。それに、馬の体力を考えればこれだけの速度が続けられるわけもないのだが、それを可能にしてしまうのが沙更の魔法。
「幼い治癒士様の魔法ならば、このくらいはなんともありません。ウィリアム様は初めてですから驚くのも分かりますけれど」
「リエット嬢は彼女の魔法の凄さを理解しているのか…。確かに王国でこれだけの魔法を使いこなす魔法士など見たことが無い。王宮魔法士ですら、こんな芸当は不可能だった」
「今の魔法士が失ってしまった物を持ち合わせるのが幼い治癒士様ですから、私もお母様もこの辺境も救って貰ったのですよ」
カイゼルラントでも沙更ほどの魔法士はいない。治癒士としても魔法士としてもずば抜けているのはウィリアムも認めるしかなかった。
しかも、沙更に負担がかかっているようには一切見えない。ウエストエンドから一気に辺境の奥へとひた走る異様な速度の馬車は街道を使う人たちに驚かれつつも通りすぎていく。そんな旅人達を横目に、街道をひた走っていくのだった。
ウエストエンドからクルシスを経由し、元エンシェントゲートと呼ばれていた町に着いたのは夕刻にほど近い時間であった。ウエストエンドからエンシェントゲートまで半日と言う時点でかなりの快速だと言うことに変わりは無いし、他の誰もが出来ると言う話ではない。
1年前、エンシェントゲートは住人が逃げ出していったん無くなることとなった。その後、再建されたわけだがその時に町の名前を変えて、今ではロストガーデンと変わっていました。
「流石に久しぶりに来たが、1年前の感じとは大分違うな」
「開拓村が壊滅して、ここも放棄してしまったことからお母様がかなり手を入れたようです」
「フィリエス卿なら、そのくらいはやってのけるだろう。女性貴族は珍しいが、その上有能なのだからかなり有名ではあるのだ」
ウィリアムはカタリーナの事をそう表す。女性の貴族はカタリーナ以外には数人いるかどうかであり、その上上位貴族はカタリーナが唯一であった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界子供ヤクザ【ダラムルバクト】
忍絵 奉公
ファンタジー
孤児院からスラムで育ったバクト。異空間収納と鑑定眼のダブルギフト持ちだった。王都西地区20番街では8割を縄張りとする先代のじいさんに拾われる。しかしその爺さんが死んだときに幹部同士のいざこざが起こり、組は解散。どさくさにまぎれてバクトが5・6番街の守役となった。物語はそこから始まる。7・8番街を収めるダモンとの争い。また後ろ盾になろうと搾取しようとする侯爵ポンポチーコ。バクトは彼らを越えて、どんどん規格外に大きくなっていく。
没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました
藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。
逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、
“立て直す”以外の選択肢を持たなかった。
領地経営、改革、そして予想外の縁。
没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。
※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
イジメられっ子世に憚る。
satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる