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対公爵 対邪神
第167話 新たなる装備品?
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月の魔女と聖剣
第167話 新たなる装備品?
辺境伯の屋敷を出た荒野の狼の面々は、一度冒険者ギルドに顔を出すことにした。依頼の確認もそうだが、北方に行っている間の情報の確認の為でもあった。
冒険者ギルドに行ってみれば、ルーカが待っていた。
「北方まで行って戻ってきたとしては早すぎると思うわ」
「ああ、ウィリアム殿下の依頼でね。その依頼も終わったところさ」
「ガーゼルベルト様名義でパウエルさんたちに報酬が支払われています。なんだか、もうパウエルさんたちは辺境伯家のお抱えみたいな形になってしまいましたね」
「セーナちゃん関連で、懇意にさせてもらっているからだろう。俺やヘレナだけならここまでにはなってないさ」
パウエルがそう答えるとルーカは苦笑を浮かべる。パウエルの腕もかなりの物であるし、ガレムやミリアが凄すぎるだけで十分一流と呼べるだけの腕を持ち合わせていると判断しているからだ。
とびきりは沙更であるが、そこは最初から考慮されている。あれだけの魔法を使いこなせる時点でこの国での最高峰の冒険者だと認識されているからだ。ミリアもガレムもBランクの冒険者として登録されているが、既にAランクと同等の扱いを受けている。
Bランクでありながら、Aランクを超える実績を残しているのが荒野の狼である。オークエンペラーなど本当ならば国家レベルで戦力を集めなければ話にならない。それをあっさりと片付けたことは、ギルドに相当な衝撃を与えていたのだが、知らぬは当人達ばかりでルーカもサブギルドマスターとして情報だけはつかんでいた。
「パウエルさんたちにAランクの昇格試験を受けさせるべきじゃないかって話も出ているわ。王都がああいったことになっているから今すぐではないでしょうけど、それでもBランクのままでは支障が出そうとギルドの上層部も考えているみたい」
「オークエンペラーの話か、あれもセーナちゃんの後押しがなければ勝てるはずがなかったがそう思って貰えるのなら悪くないのかもな。それにしても、ウエストエンドも依頼はあまりない感じか?」
「それだけ、あのクエストが超高難易度だったってことだわ。王都のトップ冒険者たちを総動員しなければ勝てるかも怪しかったのに、他の高難易度クエストで出払っていて間に合わない状態だったのを救ったのは相当よ。極星騎士団が出張らなければならないほどのクエストだったのは確定していたようだわ。それと、ウエストエンドは静かなものよ。1年前が懐かしいくらいね」
ルーカに言わせればそう言うことになるらしい。ウエストエンドはもとより辺境と呼ばれる地域は月が昇って以後、月からの魔力が降り注ぐようになった為瘴気の発生が抑制されていることが大分効果を上げているようだ。モンスターの抑制だけでなく、作物の実りも増えてきている。
辺境は変わりつつある。ウエストエンドの再開発でスラムが消えた。孤児の数もここ一年で大分減った。暮らしていけない人が減ったことにより、絶対数が減ってきているのだ。そもそも辺境は好景気の波に乗っている。だけに、しばらくはこの状態が持続しそうである。領主が発注した工事がいろいろと進んでいるし、戦関係で作物はあって困ることは無い。辺境で作られた野菜や穀物などは領主が買い上げていることもあり、民達がお金を持てるようになっているのもかなり効いていた。
「やはり、辺境だとそろそろ俺たちはお役御免か?」
「ランクの高い冒険者に所属しておいて欲しいのは、どこのギルドもそうよ。他に良いところがないのなら、移動はしないでくれると嬉しいけれど、強制はしないわ」
ルーカとしてはウエストエンド所属のままでいて欲しい。その辺は沙更も納得しているし、何かあった時の為に高ランク冒険者が常駐しているのとしていないのではかなり違う。頼むだけで数日かかる上に、受けてくれるか分からないとなれば、高ランク冒険者に出来れば在籍して欲しいと思うのは無理も無い事だと思ったからだ。
「そういえば、そろそろ防具を作り替えたほうが良いかもしれません。1年前に作ったものですし、そろそろ交換が必要じゃないですか?」
沙更がそう言えば、ルーカが首をかしげる。荒野の狼の面々の装備の大半は沙更の魔力を糸にした魔法糸によって作られた一点物で、重さを感じない上に下手な金属製の鎧以上に頑丈な代物で傷を徐々に治す付与すら付いた物すらあった。それらを作り替えると言うのはどれだけの労力がかかるのかルーカには分からなかったからだ。
「作り替えって、ボロボロにもなってるようには見えないけれど?」
「作った時よりも魔力が増えていますし、これからさらに強いモンスターと対峙する可能性が増えるとなれば今のままではちょっと心許ない気がしてきまして」
ルーカの問いに沙更はそう答える。渡して一年沙更もだが、ミリアはまだ成長期である。サイズが変わることも頭に入れての作り替えであった。
第167話 新たなる装備品?
辺境伯の屋敷を出た荒野の狼の面々は、一度冒険者ギルドに顔を出すことにした。依頼の確認もそうだが、北方に行っている間の情報の確認の為でもあった。
冒険者ギルドに行ってみれば、ルーカが待っていた。
「北方まで行って戻ってきたとしては早すぎると思うわ」
「ああ、ウィリアム殿下の依頼でね。その依頼も終わったところさ」
「ガーゼルベルト様名義でパウエルさんたちに報酬が支払われています。なんだか、もうパウエルさんたちは辺境伯家のお抱えみたいな形になってしまいましたね」
「セーナちゃん関連で、懇意にさせてもらっているからだろう。俺やヘレナだけならここまでにはなってないさ」
パウエルがそう答えるとルーカは苦笑を浮かべる。パウエルの腕もかなりの物であるし、ガレムやミリアが凄すぎるだけで十分一流と呼べるだけの腕を持ち合わせていると判断しているからだ。
とびきりは沙更であるが、そこは最初から考慮されている。あれだけの魔法を使いこなせる時点でこの国での最高峰の冒険者だと認識されているからだ。ミリアもガレムもBランクの冒険者として登録されているが、既にAランクと同等の扱いを受けている。
Bランクでありながら、Aランクを超える実績を残しているのが荒野の狼である。オークエンペラーなど本当ならば国家レベルで戦力を集めなければ話にならない。それをあっさりと片付けたことは、ギルドに相当な衝撃を与えていたのだが、知らぬは当人達ばかりでルーカもサブギルドマスターとして情報だけはつかんでいた。
「パウエルさんたちにAランクの昇格試験を受けさせるべきじゃないかって話も出ているわ。王都がああいったことになっているから今すぐではないでしょうけど、それでもBランクのままでは支障が出そうとギルドの上層部も考えているみたい」
「オークエンペラーの話か、あれもセーナちゃんの後押しがなければ勝てるはずがなかったがそう思って貰えるのなら悪くないのかもな。それにしても、ウエストエンドも依頼はあまりない感じか?」
「それだけ、あのクエストが超高難易度だったってことだわ。王都のトップ冒険者たちを総動員しなければ勝てるかも怪しかったのに、他の高難易度クエストで出払っていて間に合わない状態だったのを救ったのは相当よ。極星騎士団が出張らなければならないほどのクエストだったのは確定していたようだわ。それと、ウエストエンドは静かなものよ。1年前が懐かしいくらいね」
ルーカに言わせればそう言うことになるらしい。ウエストエンドはもとより辺境と呼ばれる地域は月が昇って以後、月からの魔力が降り注ぐようになった為瘴気の発生が抑制されていることが大分効果を上げているようだ。モンスターの抑制だけでなく、作物の実りも増えてきている。
辺境は変わりつつある。ウエストエンドの再開発でスラムが消えた。孤児の数もここ一年で大分減った。暮らしていけない人が減ったことにより、絶対数が減ってきているのだ。そもそも辺境は好景気の波に乗っている。だけに、しばらくはこの状態が持続しそうである。領主が発注した工事がいろいろと進んでいるし、戦関係で作物はあって困ることは無い。辺境で作られた野菜や穀物などは領主が買い上げていることもあり、民達がお金を持てるようになっているのもかなり効いていた。
「やはり、辺境だとそろそろ俺たちはお役御免か?」
「ランクの高い冒険者に所属しておいて欲しいのは、どこのギルドもそうよ。他に良いところがないのなら、移動はしないでくれると嬉しいけれど、強制はしないわ」
ルーカとしてはウエストエンド所属のままでいて欲しい。その辺は沙更も納得しているし、何かあった時の為に高ランク冒険者が常駐しているのとしていないのではかなり違う。頼むだけで数日かかる上に、受けてくれるか分からないとなれば、高ランク冒険者に出来れば在籍して欲しいと思うのは無理も無い事だと思ったからだ。
「そういえば、そろそろ防具を作り替えたほうが良いかもしれません。1年前に作ったものですし、そろそろ交換が必要じゃないですか?」
沙更がそう言えば、ルーカが首をかしげる。荒野の狼の面々の装備の大半は沙更の魔力を糸にした魔法糸によって作られた一点物で、重さを感じない上に下手な金属製の鎧以上に頑丈な代物で傷を徐々に治す付与すら付いた物すらあった。それらを作り替えると言うのはどれだけの労力がかかるのかルーカには分からなかったからだ。
「作り替えって、ボロボロにもなってるようには見えないけれど?」
「作った時よりも魔力が増えていますし、これからさらに強いモンスターと対峙する可能性が増えるとなれば今のままではちょっと心許ない気がしてきまして」
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