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第32話 リリイとの旅2
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もう後期の授業が始まっているから、王都に着くまで寄り道をするわけにもいかず、僕達は真っ直ぐ王都に向かった。道中に現れたモンスターは、リリイと協力して倒しつつ。
僕とリリイは馬車の中でいろいろ会話していた。
「リリイはレベルが上がるのが早いけど、一体何してるの?」
「何してるのって、特に特別なことは……授業で教えられた通りにしているだけだし……ただ、私は魔力自体が高いらしくて、一日に使える魔法の回数が、他の人より多いらしいわ」
「なるほど……」
「ここだけの話だけど、一般魔法は学校に通う前からこっそり使っていたの」
「ええ!?」
「家にある魔道士を読んで、見よう見まねで……簡単なものしか使えなかったけど」
リリイはもともと、魔法の才能が高いということか……
「そうだ、リリイのお父さんは? こないだお家にはいなかったけど、どうしてるの?」
「それが、お母様と喧嘩して家出中なの」
「ええ!?」
「いつものことよ。離婚だ離婚だって言ってしょっちゅう別居するのにいつの間にか仲直りして、いきなりお父様が帰ってくるの。仲がいいのか悪いのかさっぱり」
「そう……」
僕は家の中は平和だったから、こういう話はは新鮮だ。いろんな家があるんだなあ。
「うちのお母様、結構わがままだから。しょうがないわ。お父様以外の人とは結婚生活できないのはわかっているみたい。校長先生とも……ああっと」
リリイが何か言いかけて踏みとどまった。
「リリイ、どうしたの」
「ううん、なんでもないの」
「校長先生とリリイのお母さん、昔付き合ってたんだよね?」
「なんで知ってるの!?」
「校長先生、みんなの前で話してたよ」
「そんな話をみんなの前で!?」
僕はこないだの校長先生の話をした。
「なるほど、キルルが家に来てくれたのはそういうことだったの。うちのお母様と校長先生の喧嘩に巻き込んでしまって、申し訳ない……とはいえ元々は私が学校に行くのをぐずったばかりにこうなったのよね……」
リリイはうなだれた。
「リリイ、もうそこは、気にしなくていいから……リリイさ、その、王都とか、学校、そんなに楽しくない?」
「楽しくないわけじゃないんだけど、王都も学校も人が多くて落ち着かないの」
「そっかあ。僕は何もない故郷より王都の方がいろいろあって楽しいと思うけど、それは人それぞれなんだね」
「ええ。ショウもキルル同じようなこと言ってて、王都のいろんなところに連れて行ってくれたけど、私はあまり……」
「ショウが? ショウとどこに行ったの?」
ショウはかなり変わってるから、変なところに連れて行ったんじゃなかろうか。
聞いてみたら、案の定だった。見世物小屋、モンスター肉専門の料理店、謎の雑貨屋……ニッチな場所ばかり行っていた。
「他にもっと楽しいところあるよ。ショウのお気に入りの場所が変なんだよ」
「そうなの? 他にも楽しいところがあるなら、王都を案内してくれる?」
「え? いいよ! どこでも連れて行ってあげるよ!」
おお、なんだかデートのような流れになっている!僕はショウに心の中で感謝した。
そのころ、学校のホームルームでは、来月開催される文化祭についての話が行われていた。
「せんせー! 今年の文化祭はバトルロワイヤルやりますか!?」
トイが聞いた。
「やりますとも! 特殊クラスにこれだけ人がいれば盛り上がるでしょう! やるっきゃないですよ」
校長先生が楽しそうに答えた。
「バトルロワイヤルって、なんですか? 先生」
ポールトーマスが聞いた。
「殺し合いです! と言いたいところなんですが、皆レベル15から20ぐらいなんで殺し合いにはなりませんよ。一般魔法クラスも混ぜて一年生全員で一つのフィールドで戦って、勝者を決めるイベントです。ちなみに、去年の優勝者はトイくんですよ」
「特殊クラスって特殊魔法と一般魔法両方使えるから、圧倒的に有利なんだよねえ。去年は特殊クラス俺一人だから余裕で優勝。あ、ネルもいたか。全然戦ってなかったけど」
「優勝までしたやつが留年したのか……」
みんなは不思議がったが、
「あまりにもあっけなく優勝できたから、この学校つまんねーなってなって、そっからさぼっちゃったんだわー」
「今年は特殊クラスが人数多いので誰が優勝するかわかりませんね。今年は、ルール次第で優勝者が変わると思うんで、ルールをきちんと決めないといけませんね……」
「あっ、先生、一個提案なんですけど」
「なんですか、トイくん」
「優勝に縁遠い人もいると思うんで、優勝者を予想して、優勝者を当てた人にも賞金くれる企画やってくれませんか?」
「おお、いいですね! それもやりましょう!」
この「優勝者予想」が加わったことで、今年のバトルロワイヤルは大騒ぎになることになる。
僕とリリイは馬車の中でいろいろ会話していた。
「リリイはレベルが上がるのが早いけど、一体何してるの?」
「何してるのって、特に特別なことは……授業で教えられた通りにしているだけだし……ただ、私は魔力自体が高いらしくて、一日に使える魔法の回数が、他の人より多いらしいわ」
「なるほど……」
「ここだけの話だけど、一般魔法は学校に通う前からこっそり使っていたの」
「ええ!?」
「家にある魔道士を読んで、見よう見まねで……簡単なものしか使えなかったけど」
リリイはもともと、魔法の才能が高いということか……
「そうだ、リリイのお父さんは? こないだお家にはいなかったけど、どうしてるの?」
「それが、お母様と喧嘩して家出中なの」
「ええ!?」
「いつものことよ。離婚だ離婚だって言ってしょっちゅう別居するのにいつの間にか仲直りして、いきなりお父様が帰ってくるの。仲がいいのか悪いのかさっぱり」
「そう……」
僕は家の中は平和だったから、こういう話はは新鮮だ。いろんな家があるんだなあ。
「うちのお母様、結構わがままだから。しょうがないわ。お父様以外の人とは結婚生活できないのはわかっているみたい。校長先生とも……ああっと」
リリイが何か言いかけて踏みとどまった。
「リリイ、どうしたの」
「ううん、なんでもないの」
「校長先生とリリイのお母さん、昔付き合ってたんだよね?」
「なんで知ってるの!?」
「校長先生、みんなの前で話してたよ」
「そんな話をみんなの前で!?」
僕はこないだの校長先生の話をした。
「なるほど、キルルが家に来てくれたのはそういうことだったの。うちのお母様と校長先生の喧嘩に巻き込んでしまって、申し訳ない……とはいえ元々は私が学校に行くのをぐずったばかりにこうなったのよね……」
リリイはうなだれた。
「リリイ、もうそこは、気にしなくていいから……リリイさ、その、王都とか、学校、そんなに楽しくない?」
「楽しくないわけじゃないんだけど、王都も学校も人が多くて落ち着かないの」
「そっかあ。僕は何もない故郷より王都の方がいろいろあって楽しいと思うけど、それは人それぞれなんだね」
「ええ。ショウもキルル同じようなこと言ってて、王都のいろんなところに連れて行ってくれたけど、私はあまり……」
「ショウが? ショウとどこに行ったの?」
ショウはかなり変わってるから、変なところに連れて行ったんじゃなかろうか。
聞いてみたら、案の定だった。見世物小屋、モンスター肉専門の料理店、謎の雑貨屋……ニッチな場所ばかり行っていた。
「他にもっと楽しいところあるよ。ショウのお気に入りの場所が変なんだよ」
「そうなの? 他にも楽しいところがあるなら、王都を案内してくれる?」
「え? いいよ! どこでも連れて行ってあげるよ!」
おお、なんだかデートのような流れになっている!僕はショウに心の中で感謝した。
そのころ、学校のホームルームでは、来月開催される文化祭についての話が行われていた。
「せんせー! 今年の文化祭はバトルロワイヤルやりますか!?」
トイが聞いた。
「やりますとも! 特殊クラスにこれだけ人がいれば盛り上がるでしょう! やるっきゃないですよ」
校長先生が楽しそうに答えた。
「バトルロワイヤルって、なんですか? 先生」
ポールトーマスが聞いた。
「殺し合いです! と言いたいところなんですが、皆レベル15から20ぐらいなんで殺し合いにはなりませんよ。一般魔法クラスも混ぜて一年生全員で一つのフィールドで戦って、勝者を決めるイベントです。ちなみに、去年の優勝者はトイくんですよ」
「特殊クラスって特殊魔法と一般魔法両方使えるから、圧倒的に有利なんだよねえ。去年は特殊クラス俺一人だから余裕で優勝。あ、ネルもいたか。全然戦ってなかったけど」
「優勝までしたやつが留年したのか……」
みんなは不思議がったが、
「あまりにもあっけなく優勝できたから、この学校つまんねーなってなって、そっからさぼっちゃったんだわー」
「今年は特殊クラスが人数多いので誰が優勝するかわかりませんね。今年は、ルール次第で優勝者が変わると思うんで、ルールをきちんと決めないといけませんね……」
「あっ、先生、一個提案なんですけど」
「なんですか、トイくん」
「優勝に縁遠い人もいると思うんで、優勝者を予想して、優勝者を当てた人にも賞金くれる企画やってくれませんか?」
「おお、いいですね! それもやりましょう!」
この「優勝者予想」が加わったことで、今年のバトルロワイヤルは大騒ぎになることになる。
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