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第44話 クロと散歩
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季節は秋が終わり冬に差し掛かっていた。なんとか一般教養のテストを終えた僕は、クロと外出することにした。
ジャケットの中にクロを入れて、クロはジャケットの胸元から顔を出せるようにした。首輪とリードもつけているし、爪さえ出さなければ大丈夫だろう。
ただ、クロと外出したのがバレたらコール先生と校長先生に怒られるかもしれないから、学校から離れるまではクロをマントで隠して、学校からそこそこ離れた公園にやってきたところでようやくクロは外に顔を出した。
「クロ、ごめんね、苦しかったろ」
「ニャーオ」
僕はクロの頭を撫でた。外はだいぶ寒いがクロのおかげで温かい。人気のない公園だったので、クロを地面に降ろして、リードをつけた状態で公園を散歩した。
しばらく公園を散歩したあと学校に戻る道中で、
「キルル!」
聞き覚えのあるかわいい声に呼び止められ振り向いた。リリイだ。
「リリイ! どうしたの」
「少し用事があって出かけていたの。あら、かわいい猫ちゃん」
リリイは、僕のジャケットから顔を出しているクロにすぐ気がついた。クロも大人しくリリイを見つめている。
「キルルのペットなの?」
「うん」
「撫でていい?」
「う、うん」
クロに触らせてもいいものか一瞬悩んだが、
リリイの申し出を断ることもできなかった。リリイは、クロの頭を撫でた。リリイは僕でも見下ろせるぐらい背が低い。
クロが何かやらかさないかとヒヤヒヤしていたのだが、それよりリリイをすごく近くで見下ろせるドキドキの方が上回ってしまい、リリイは結構長くクロと触れ合ってしまった。
「キルル、この子、本当に猫?」
「へ?」
「モンスターのような雰囲気だけど……」
「え、ええと……」
「ニャーオ」
「本人もそう言っているし」
「リリイはモンスターの言葉がわかるの?」
「なんとなくなくだけど、わかるわ」
リリイの薄い水色の瞳は、何もかも見透かしているようだった。
「そうなんだ、ソクシクロネコモドキ」
「ええ!? それって、こないだ警告が出ていたモンスターじゃないの」
モンスターとは見抜けても、さすがにソクシクロネコモドキは想定外だったようだ。
「一応、校長先生には許可もらったし」
リリイの顔が今まで見たことないほど険しくなっていく。
「そんな、そういう問題? キルルが死んじゃったらどうするの。危ないわ。今キルルが死んじゃったら私のお母様の蘇生魔法で生き返れる可能性もあるけど、うちの村から王都にやってくるのが間に合わないこともあるのよ」
「リリイ、僕が死んだら嫌なの?」
「当たり前じゃないの!」
う、嬉しい。こんなに心配してもらえるならむしろクロを飼っているほうがいいんじゃないだろうか。
「大丈夫だよ。クロは僕の言うことはよく聞くんだよ。ねえ、クロ?」
「ニャーオ」
僕は学校へ向かって歩きだした。リリイも学校に戻る途中だったので一緒に横を歩いてくる。
「キルル、どうしてモンスターなんて飼っちゃったの」
リリイが少し怒り気味に話かけてくる
「懐かれちゃったから、愛着沸いちゃったんだもん。最初はただの黒猫だと思ってたし……」
「そう……クロ、キルルを殺さないでね」
「ニャーオ」
クロは従順に返事をした。
ジャケットの中にクロを入れて、クロはジャケットの胸元から顔を出せるようにした。首輪とリードもつけているし、爪さえ出さなければ大丈夫だろう。
ただ、クロと外出したのがバレたらコール先生と校長先生に怒られるかもしれないから、学校から離れるまではクロをマントで隠して、学校からそこそこ離れた公園にやってきたところでようやくクロは外に顔を出した。
「クロ、ごめんね、苦しかったろ」
「ニャーオ」
僕はクロの頭を撫でた。外はだいぶ寒いがクロのおかげで温かい。人気のない公園だったので、クロを地面に降ろして、リードをつけた状態で公園を散歩した。
しばらく公園を散歩したあと学校に戻る道中で、
「キルル!」
聞き覚えのあるかわいい声に呼び止められ振り向いた。リリイだ。
「リリイ! どうしたの」
「少し用事があって出かけていたの。あら、かわいい猫ちゃん」
リリイは、僕のジャケットから顔を出しているクロにすぐ気がついた。クロも大人しくリリイを見つめている。
「キルルのペットなの?」
「うん」
「撫でていい?」
「う、うん」
クロに触らせてもいいものか一瞬悩んだが、
リリイの申し出を断ることもできなかった。リリイは、クロの頭を撫でた。リリイは僕でも見下ろせるぐらい背が低い。
クロが何かやらかさないかとヒヤヒヤしていたのだが、それよりリリイをすごく近くで見下ろせるドキドキの方が上回ってしまい、リリイは結構長くクロと触れ合ってしまった。
「キルル、この子、本当に猫?」
「へ?」
「モンスターのような雰囲気だけど……」
「え、ええと……」
「ニャーオ」
「本人もそう言っているし」
「リリイはモンスターの言葉がわかるの?」
「なんとなくなくだけど、わかるわ」
リリイの薄い水色の瞳は、何もかも見透かしているようだった。
「そうなんだ、ソクシクロネコモドキ」
「ええ!? それって、こないだ警告が出ていたモンスターじゃないの」
モンスターとは見抜けても、さすがにソクシクロネコモドキは想定外だったようだ。
「一応、校長先生には許可もらったし」
リリイの顔が今まで見たことないほど険しくなっていく。
「そんな、そういう問題? キルルが死んじゃったらどうするの。危ないわ。今キルルが死んじゃったら私のお母様の蘇生魔法で生き返れる可能性もあるけど、うちの村から王都にやってくるのが間に合わないこともあるのよ」
「リリイ、僕が死んだら嫌なの?」
「当たり前じゃないの!」
う、嬉しい。こんなに心配してもらえるならむしろクロを飼っているほうがいいんじゃないだろうか。
「大丈夫だよ。クロは僕の言うことはよく聞くんだよ。ねえ、クロ?」
「ニャーオ」
僕は学校へ向かって歩きだした。リリイも学校に戻る途中だったので一緒に横を歩いてくる。
「キルル、どうしてモンスターなんて飼っちゃったの」
リリイが少し怒り気味に話かけてくる
「懐かれちゃったから、愛着沸いちゃったんだもん。最初はただの黒猫だと思ってたし……」
「そう……クロ、キルルを殺さないでね」
「ニャーオ」
クロは従順に返事をした。
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