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第107話 作戦
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最近、スーとアレンと三人で遊ぶことはほとんどない。三人で遊ぶと、アレンが死ぬ死なないの話になり揉めてしまうからだ。
今日は、アレンの部屋で、アレンと二人で遊んでいた。遊ぶというより、「元クラスメイト皆殺し計画」の打ち合わせといった感じた。
僕一人の頭ではどうすればいいか悩んでいたことがいろいろあった。いつどこで殺害するかとか、遺体の処理をどうするかとか、いろいろなことだ。この辺については、アレンと一緒に考えて必要な物を準備したりしている。
「うーん、どうやったところで、元クラスメイトを皆殺したら、僕の両親、気がつくよねえ」
頑張って考えてもここで行き詰まった。というか殺害だけなら呪文一つでできるんだからそんなに困ることはない。僕が即死魔法で人を殺しても犯罪には問われないから、その心配もいらない。
いくら僕が倫理観ズレ気味とはいえ、人を殺すのはいけないことなのは知っているし、僕が私怨で人殺ししたら両親が悲しむことぐらいはわかっている。しかし、両親に悟られないように元クラスメイト皆殺しは多分難しい。
「それについても考えてたんですが……」
「なに? アレン。なにかいい考えがあるの?」
僕は身を乗り出した。
「はい。キルルさんの元クラスメイト、今居場所が割れているだけで20人います。これを全員殺すとなると、一回ぐらいは失敗して、キルルさんが死んでしまう可能性がそこそこあります」
「うん」
「キルルさんが、失敗して死んでしまったら、キルルさんの死体を誰かに目撃させましょう。キルルさんも、この『皆殺し事件』の被害者の一人になってしまった、という流れにするのです」
「おお!」
「そして、キルルさんの死体を確認させたら、同行した僕がキルルさんの学校に連絡して蘇生してもらえばいいのです。キルルさんは特殊魔道士なので蘇生してもらえる権利があって、殺されたけど生き返してもらえた、という体にするのです」
「なるほど! いいね! だけど、運悪く(?)失敗しなかったらどうしよう?」
「キルルさんって、自分に即死魔法かけて死ねないんですか?」
「え?」
「自分に即死魔法をかけて死んでさっき言った作戦にしたらいかがでしょう」
「な、なるほど……即死魔法って自分にかけられるのかな? これはわからないや……」
「じゃあ、キルルさんが即死魔法を自分にかけられない場合も考えておきます」
「ああ、ありがとう! それにしても、アレンすごい! 賢いね!」
「いえ、たいしたことないですよ」
「アレン、そんなに賢かったら魔法なくてもなんとかなりそうだけど、そうはいかないもんなの?」
「魔力のなさを凌駕できるほどの知能はありませんよ」
アレンはすぐさま言い返した。やはり気持ちは変わらないようだ。
その日、寮の部屋に帰ると、母さんから手紙が来ていた。
「キルル、だいぶ『即死魔法』のレベルが上がっているようですね。魔法を頑張るのはいいけど、くれぐれも無益な殺生はしないこと。あなたの力は人のためになることに使ってください。それから、どんなに害があるものでも、殺していたら心が荒れてしまうから、自然に触れたり、お友達との交流も忘れちゃいけませんよ。せっかく王都に来てお友達ができたんですもの、大事にしてちょうだいね。
何が良くて何が悪いのか、判別できるように、普段から勉強をきちんとやること。学校の勉強はもちろん、新聞や本なども読むのですよ」
母さんには、即死魔法の詳細は伝えていないはずなのだが、相変わらず何もかも見透かしたような内容の手紙が来て驚く。親というのは子供のことを思いの外わかっているんだなと、母さんの手紙が来る度に思う。アレンの作戦ですら、母さんの目をごまかしきれない気がして、少し不安になってしまった。
今日は、アレンの部屋で、アレンと二人で遊んでいた。遊ぶというより、「元クラスメイト皆殺し計画」の打ち合わせといった感じた。
僕一人の頭ではどうすればいいか悩んでいたことがいろいろあった。いつどこで殺害するかとか、遺体の処理をどうするかとか、いろいろなことだ。この辺については、アレンと一緒に考えて必要な物を準備したりしている。
「うーん、どうやったところで、元クラスメイトを皆殺したら、僕の両親、気がつくよねえ」
頑張って考えてもここで行き詰まった。というか殺害だけなら呪文一つでできるんだからそんなに困ることはない。僕が即死魔法で人を殺しても犯罪には問われないから、その心配もいらない。
いくら僕が倫理観ズレ気味とはいえ、人を殺すのはいけないことなのは知っているし、僕が私怨で人殺ししたら両親が悲しむことぐらいはわかっている。しかし、両親に悟られないように元クラスメイト皆殺しは多分難しい。
「それについても考えてたんですが……」
「なに? アレン。なにかいい考えがあるの?」
僕は身を乗り出した。
「はい。キルルさんの元クラスメイト、今居場所が割れているだけで20人います。これを全員殺すとなると、一回ぐらいは失敗して、キルルさんが死んでしまう可能性がそこそこあります」
「うん」
「キルルさんが、失敗して死んでしまったら、キルルさんの死体を誰かに目撃させましょう。キルルさんも、この『皆殺し事件』の被害者の一人になってしまった、という流れにするのです」
「おお!」
「そして、キルルさんの死体を確認させたら、同行した僕がキルルさんの学校に連絡して蘇生してもらえばいいのです。キルルさんは特殊魔道士なので蘇生してもらえる権利があって、殺されたけど生き返してもらえた、という体にするのです」
「なるほど! いいね! だけど、運悪く(?)失敗しなかったらどうしよう?」
「キルルさんって、自分に即死魔法かけて死ねないんですか?」
「え?」
「自分に即死魔法をかけて死んでさっき言った作戦にしたらいかがでしょう」
「な、なるほど……即死魔法って自分にかけられるのかな? これはわからないや……」
「じゃあ、キルルさんが即死魔法を自分にかけられない場合も考えておきます」
「ああ、ありがとう! それにしても、アレンすごい! 賢いね!」
「いえ、たいしたことないですよ」
「アレン、そんなに賢かったら魔法なくてもなんとかなりそうだけど、そうはいかないもんなの?」
「魔力のなさを凌駕できるほどの知能はありませんよ」
アレンはすぐさま言い返した。やはり気持ちは変わらないようだ。
その日、寮の部屋に帰ると、母さんから手紙が来ていた。
「キルル、だいぶ『即死魔法』のレベルが上がっているようですね。魔法を頑張るのはいいけど、くれぐれも無益な殺生はしないこと。あなたの力は人のためになることに使ってください。それから、どんなに害があるものでも、殺していたら心が荒れてしまうから、自然に触れたり、お友達との交流も忘れちゃいけませんよ。せっかく王都に来てお友達ができたんですもの、大事にしてちょうだいね。
何が良くて何が悪いのか、判別できるように、普段から勉強をきちんとやること。学校の勉強はもちろん、新聞や本なども読むのですよ」
母さんには、即死魔法の詳細は伝えていないはずなのだが、相変わらず何もかも見透かしたような内容の手紙が来て驚く。親というのは子供のことを思いの外わかっているんだなと、母さんの手紙が来る度に思う。アレンの作戦ですら、母さんの目をごまかしきれない気がして、少し不安になってしまった。
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