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第12話 新生魔王軍本部基地の日常
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ここは現在建設中の新生魔王軍本部基地の、演習場の隣にある空き地。ここには今、即席の巨大なプールが設置されていた。
そしてそのプールには巨大な浄化装置が取り付けられ、それは轟々と響きを上げて稼働していた。ちなみに動力源は大型のゴーレムである。大型ゴーレムが巨大なハンドルを延々と回し、浄化装置を駆動しているのだ。
プールに満たされているのはただの水ではなく、特殊な薬液である。プールの傍らでは、錬金術系の魔道の術や魔法を駆使して創造された、作業用ロボットたちが何体も歩き回っている。彼らはプールに満たされた薬液の濃度などをチェックし、場合によっては調節したりしていた。
わたしはその様子を眺めつつ、プールの中に沈められている巨大な生き物……魔竜将オルトラムゥに念話を送る。
『調子はどうかね? 体調は?』
『魔王様か。おかげ様で、上々とはいかんものの、そこそこ快調だ。しかし、四六時中この臭いクソ不味い薬液に浸かっていなければならんのは閉口するな。魔法で治療すれば、手っ取り早かったろうに』
『魔法での治療は手っ取り早いが、あれ程の重傷だと後々後遺症が残りかねん。少々時間はかかるが、この治療法ならば完全に元通りにできる。この調整培養槽なら、ね。
まあ、怪我させたわたしが言う事じゃないかも知れんがね』
その時、大空に巨大な物がはばたく音が響いた。わたしは顔を上げる。上空では魔竜たちが、4体1組になっての編隊飛行の訓練をしていた。
別の方向に眼を向けると、そちらでは別の魔竜の編隊が、低空進入からの地上掃射訓練を行っている。練度はまだまだだが、基本はできている様だ。
「たしか人類には、竜騎士なぞと言った航空戦力も、一部の国には少数ながら存在するんだったな。空対空、地対空の訓練もさせておくべきかね」
「あっ!まおうさま! おい、おまえら! まおうさまに、ささげー、つつ!」
「「「「「は、はいっ!」」」」」
「うむ、楽にしていい。訓練に戻れ」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
今わたしに捧げ銃の敬礼をして来たのは、演習場で射撃訓練を行っていた犬妖である。わたしは彼らに答礼をして、訓練に戻らせた。そう、彼らに行わせていたのは、射撃訓練である。比較的最近の話ではあるが、わたしは実用型の銃を開発したのだ。
まあ、元の世界で使われていたライフル銃のコピー品でしかないのだが、器用で従順な犬妖に装備させてみたところ、驚くべき適正を見せた。なまじ力自慢ではあるが不器用な大犬妖や豚鬼よりも、銃士としての犬妖の方が戦力になるぐらいだった。
ちなみにそのライフル銃は、拳銃、銃弾と共に既に量産ラインを確立している。生産ラインの動力になっているのは、これも大型ゴーレムである。
……ゴーレム、便利すぎる。蒸気機関か、さもなくば内燃機関を開発するまでは、工業製品の大量生産は不可能だと思っていたのだが。他にも鉱山労働にも従事させているし。本当は、作業ロボットたちの方が頭もいいから良いかと思ってたんだが。
だけど作業ロボット始めロボット・ドロイド連中は、充電の要があるからなあ。今は新生魔王軍本部基地の近隣にある河川に建設した、水力発電所から送電線引っ張って充電してるんだコレが。
水力発電所については、魔道軍団長ザウエルと二人掛かりで魔法で地形を造成して、大きなダム造ってやった。いや、大変だったよね。でもおかげで、新生魔王軍本部基地については、中枢部分を電化できた。だけどオール電化はまだまだ先だ。
いや、だって蛍光灯はおろか電球すらも数が揃って無いんだよ。電気は供給されても、それを実際に使うための電化製品が存在しないんだ。水力発電所に設置した発電機なんかも含め、数少ない電化製品はわたしが錬金術系の術法で創り上げたんだ。
いや、色々魔道の術や魔法などの訓練になって、良かったと言えば良かったんだが……。だけで電化製品、全部わたしのお手製だってのは……。わたし他にもやらなきゃいけない事多いから、それだけに時間取られてられないんだよね。なんとか技術者を育成しなきゃ……。
閑話休題。
ゴーレムを鉱山に配備できたおかげで、鉱山から犯罪奴隷以外の奴隷を解放することができた。解放奴隷たちは、魔道軍団の魔法使いのうちで教員の適性がある者に教えさせ、読み書き計算などの最低限の教育を施した上で他の仕事に充当している。
「ゴーレム、ほんと便利だよね。一度創れば、周囲の大気や大地の魔力を吸収して動き続けるし。この世界でゴーレムって、戦いなんかにしか使ってなかったんだよな?なんてもったいない……」
「ゴーレムをこんなにポコポコ生み出すのは、せめて僕ぐらいの魔力が無ければ無理ですよ。と言うか、僕だったらゴーレム創るより別のことに魔力使います。こんなに魔力無駄遣いできるのは、魔王様ぐらいですよ。
必然的に、ゴーレムは希少品……のハズだったんです」
「ああ、ザウエル。もう休憩時間は終わりか。今戻るよ」
いつの間にかやって来ていた大魔導師ザウエルが、こめかみを揉みながら言う。まあ、いつの間にかとは言うが、一応最初から気付いてはいたんだが。
「余裕ができたら、支配地域内の農村にも、ゴーレムを配備しようか。土地の開墾や耕作に役立つだろう。ほんとはゴーレムよりも、トラクターやコンバインみたいな専門の機械の方がいいんだろうが。
……農村と言えば、連作障害の緩和のために、輪作を奨励しないと。あと化成肥料と農薬を量産して……」
「将来の計画もいいですけれど、とりあえず手近な問題をどうにかしないといけませんよ」
「ああ。魔獣軍団の件だね。一応考えてはあるんだ。まず探し出さなければならない者がいる……」
ザウエルと話しながら、わたしは本部基地の本部棟へと戻って行った。
そしてそのプールには巨大な浄化装置が取り付けられ、それは轟々と響きを上げて稼働していた。ちなみに動力源は大型のゴーレムである。大型ゴーレムが巨大なハンドルを延々と回し、浄化装置を駆動しているのだ。
プールに満たされているのはただの水ではなく、特殊な薬液である。プールの傍らでは、錬金術系の魔道の術や魔法を駆使して創造された、作業用ロボットたちが何体も歩き回っている。彼らはプールに満たされた薬液の濃度などをチェックし、場合によっては調節したりしていた。
わたしはその様子を眺めつつ、プールの中に沈められている巨大な生き物……魔竜将オルトラムゥに念話を送る。
『調子はどうかね? 体調は?』
『魔王様か。おかげ様で、上々とはいかんものの、そこそこ快調だ。しかし、四六時中この臭いクソ不味い薬液に浸かっていなければならんのは閉口するな。魔法で治療すれば、手っ取り早かったろうに』
『魔法での治療は手っ取り早いが、あれ程の重傷だと後々後遺症が残りかねん。少々時間はかかるが、この治療法ならば完全に元通りにできる。この調整培養槽なら、ね。
まあ、怪我させたわたしが言う事じゃないかも知れんがね』
その時、大空に巨大な物がはばたく音が響いた。わたしは顔を上げる。上空では魔竜たちが、4体1組になっての編隊飛行の訓練をしていた。
別の方向に眼を向けると、そちらでは別の魔竜の編隊が、低空進入からの地上掃射訓練を行っている。練度はまだまだだが、基本はできている様だ。
「たしか人類には、竜騎士なぞと言った航空戦力も、一部の国には少数ながら存在するんだったな。空対空、地対空の訓練もさせておくべきかね」
「あっ!まおうさま! おい、おまえら! まおうさまに、ささげー、つつ!」
「「「「「は、はいっ!」」」」」
「うむ、楽にしていい。訓練に戻れ」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
今わたしに捧げ銃の敬礼をして来たのは、演習場で射撃訓練を行っていた犬妖である。わたしは彼らに答礼をして、訓練に戻らせた。そう、彼らに行わせていたのは、射撃訓練である。比較的最近の話ではあるが、わたしは実用型の銃を開発したのだ。
まあ、元の世界で使われていたライフル銃のコピー品でしかないのだが、器用で従順な犬妖に装備させてみたところ、驚くべき適正を見せた。なまじ力自慢ではあるが不器用な大犬妖や豚鬼よりも、銃士としての犬妖の方が戦力になるぐらいだった。
ちなみにそのライフル銃は、拳銃、銃弾と共に既に量産ラインを確立している。生産ラインの動力になっているのは、これも大型ゴーレムである。
……ゴーレム、便利すぎる。蒸気機関か、さもなくば内燃機関を開発するまでは、工業製品の大量生産は不可能だと思っていたのだが。他にも鉱山労働にも従事させているし。本当は、作業ロボットたちの方が頭もいいから良いかと思ってたんだが。
だけど作業ロボット始めロボット・ドロイド連中は、充電の要があるからなあ。今は新生魔王軍本部基地の近隣にある河川に建設した、水力発電所から送電線引っ張って充電してるんだコレが。
水力発電所については、魔道軍団長ザウエルと二人掛かりで魔法で地形を造成して、大きなダム造ってやった。いや、大変だったよね。でもおかげで、新生魔王軍本部基地については、中枢部分を電化できた。だけどオール電化はまだまだ先だ。
いや、だって蛍光灯はおろか電球すらも数が揃って無いんだよ。電気は供給されても、それを実際に使うための電化製品が存在しないんだ。水力発電所に設置した発電機なんかも含め、数少ない電化製品はわたしが錬金術系の術法で創り上げたんだ。
いや、色々魔道の術や魔法などの訓練になって、良かったと言えば良かったんだが……。だけで電化製品、全部わたしのお手製だってのは……。わたし他にもやらなきゃいけない事多いから、それだけに時間取られてられないんだよね。なんとか技術者を育成しなきゃ……。
閑話休題。
ゴーレムを鉱山に配備できたおかげで、鉱山から犯罪奴隷以外の奴隷を解放することができた。解放奴隷たちは、魔道軍団の魔法使いのうちで教員の適性がある者に教えさせ、読み書き計算などの最低限の教育を施した上で他の仕事に充当している。
「ゴーレム、ほんと便利だよね。一度創れば、周囲の大気や大地の魔力を吸収して動き続けるし。この世界でゴーレムって、戦いなんかにしか使ってなかったんだよな?なんてもったいない……」
「ゴーレムをこんなにポコポコ生み出すのは、せめて僕ぐらいの魔力が無ければ無理ですよ。と言うか、僕だったらゴーレム創るより別のことに魔力使います。こんなに魔力無駄遣いできるのは、魔王様ぐらいですよ。
必然的に、ゴーレムは希少品……のハズだったんです」
「ああ、ザウエル。もう休憩時間は終わりか。今戻るよ」
いつの間にかやって来ていた大魔導師ザウエルが、こめかみを揉みながら言う。まあ、いつの間にかとは言うが、一応最初から気付いてはいたんだが。
「余裕ができたら、支配地域内の農村にも、ゴーレムを配備しようか。土地の開墾や耕作に役立つだろう。ほんとはゴーレムよりも、トラクターやコンバインみたいな専門の機械の方がいいんだろうが。
……農村と言えば、連作障害の緩和のために、輪作を奨励しないと。あと化成肥料と農薬を量産して……」
「将来の計画もいいですけれど、とりあえず手近な問題をどうにかしないといけませんよ」
「ああ。魔獣軍団の件だね。一応考えてはあるんだ。まず探し出さなければならない者がいる……」
ザウエルと話しながら、わたしは本部基地の本部棟へと戻って行った。
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