異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活怨怨怨恩怨怨怨呪呪祝呪呪呪~

福郎

文字の大きさ
33 / 51
悍ましき眷属達

四葉小夜子の敗北

しおりを挟む
 未だかつてあれほど無駄な時間を過ごした事があっただろうか。いや無い。なにせ半裸のおっさんが戦っているのを見てただけなのだ。一刻も早く戦闘会をしている、橘お姉さまと佐伯お姉さまの応援に行かねば。確か第一屋外訓練場だった筈。

「私はあなたと手を繋げて満足だけど、そうじゃなかったら面倒で堪らなかったでしょうね」

「僕もですお姉様! 一人でこの広いとこ歩くなんてうんざりします!」

 だがこの学園広すぎるのだ! はっきり言って自転車がいる! これは内政する必要がありますね。最低でも学内自転車の設置だ。

 あ、あそこだあそこだ。

 見えてきたのはローマの闘技場の様な建物、というか作りはほぼ一緒で階段のある観客席と、中央に複数のタイマンエリアがある。やっぱり剣闘士じゃねえか! 

 ま、まあいい。お姉さまと一緒に観客席の方の最前列……は一杯だな。おんやあ君達ぃ、どうして女性しか写真のレンズに収めてないんだい? しかも複数のだ。上手く隠してるつもりだろうけど、頭から出てるピンクの煙は隠せてないぞ。という訳で食らえ! カメラのレンズ越しに女性を見ると、とんでもなく腹を下す呪い!

「うっ!? ちょっとトイレに!」
「お、俺も!」
「いたたたたた!?」

 悪は去った。後でその写真は俺に渡す事。

 あれ!? どうして最前列のここだけ席が空いてるんだ!? お姉さまここ座れますよ!

「ふふ。いい席が取れたわね」

「ですね!」

 いやあ、まさに日頃の行いがいいからだろう。
 さて試合場はっと。6つも戦闘場があるとか、やっぱりそれくらいじゃないと人数的に捌き切れないんだろうな。そんでもって今日は対人らしく、1対1で殺し合ってるみたいだ。

「前の私なら興味なかったけど、あなたと一緒ならいい見世物と思えるから人生って不思議ね」

「お、お姉さま! ぼ、僕はあああああああ!」

 橘お姉さま達の応援に来たのに、ずっとお姉さまの事見てしまいそうだ!
 こら隣の先輩、なんだこいつら余所でやれとか思うんじゃない!

『おーっと! 一年の伊集院和弘と京極道隆が、お互い力を使い果たして単なる殴り合いになったぞ!』

 え!? うちの名家の人達じゃないっすか!? 確か初日にメンチ斬り合ってた2人だ!

「うひょおストリートファイトだ」

 見ると確かにウチのイケメン2人がぶん殴り合ってた。あれが名家ファイトか。どことなく気品を感じは、しないな。これには観戦してる生徒達も苦笑い。

「いいぞやれええええ!」
「蹴るんだ!」
「足笑ってるぞおおお!」
「そこだ一年坊主!」

 してないな。うん。馬券でも買ってそうな雰囲気だ。やはりここはローマの闘技場に違いない。待てよ? 古代ローマという事は、全ての道はローマに通じているのだ。つまりローマ帝国はブラックタール帝国という事になる。国名もブラックタールローマ帝国にした方がいいか? 名乗っちゃうか? 正統ローマ名乗っちゃうか?

「あれが殿方の友情なのね」

 ああ! お姉さまがいつもの素敵なニタニタ笑いで殴り合いを観戦している! いいぞ2人とももっとやれ!

『隣では同じクラスの東雲沙織と氷室美奈が取っ組み合いになってるぞ!』

 この2人も同じクラスのメンチ斬り合ってた2人じゃねえか! ウチの組どうなってんだよ、単なるキャットファイトになってるぞ! 相続制で先祖の恨みも相続してても、遡るのめんどくさいから俺はノータッチだからな!

「麗しい友情だこと」

 2人とも頑張えー。流石に野郎共程頑張らなくていいけど頑張えー。

 いやあ、しかし戦闘会というのはこういうものなのかあ。思ったより地に足付いた戦いなんだなあ。人類最古の武器は手ってはっきり分かるなあ。

『ダ、ダブルノックダウンだーーーー!』

 ダ、ダブルノックダウンーーーーー!? すげえよイケメン2人! そんなの狙って出来ないよ! 流石名家だ!

『おおっと隣は引き分けの裁定だ』

 一方キャットファイトは見かねた審判役の先生が止めに入った。まあ一生決着付きそうになかったから仕方ない。

『えー次は1年生橘栞と2年生風間良太、1年生佐伯飛鳥と2年生飯沼亮一です!』

 きたあああああああああ! って両方とも2年じゃねえかどうなっとんじゃ運営ゴラァ!

「橘も佐伯も、同年は相手にならないから丁度いいかもしれないわね」

「そうですよねお姉さま! 同級生はけちょんけちょんでしょうし!」

 確かにお姉さまの言う通り、何度か授業であった対人訓練ではお二人とも無敵だ。ちなみにお姉さまとは俺以外誰もやりたがらない。それがどれ程光栄な事か全く分かって無い奴等だ。

「と、思ったんだけど楽勝かもね」

「いやあ本当ですね」

 そんなお二人でも流石に上級生相手はどうなるかと思ったんだけど、なんと言うか対戦相手が小物なのだ。今もニヤニヤしながら、この美人な姉ちゃんを今から俺がぐふふって言いだしそうだ。つまり完全に舐め切ってる。これは俺が呪わなくても大丈夫そうだ。

「橘お姉様も佐伯お姉様も頑張えー!」

『試合開始!』

「おおおおおおお! 超爆撃魔法三式裏れっ」

「凍れ」

「あ」

『勝負ありいいいいいい! 風間が凍ってしまったあああああああ! 橘の勝利!』

 橘お姉さまが短く呟いたと同時に、冷気を纏った浄力が何とかに襲い掛かって何とかは凍ってしまった。
 笑えばいいのだろうか。い、いや、魔力の高まり的にかなりの威力の魔法が飛び出しそうだったけど、お姉さまが選んだのは早撃ちの決闘なんだわ。迫撃砲組み立ててる間にやられちゃ世話ない。

「食らえ鎌鼬飛ばし!」

「薪よ燻ぶれ枝よ燃えろ木々よ大火となれ」 

『おおっと! 飯沼が飛ばした風の刃が熱に負けて霧散していく!』

「火が世界を照らし出す 最初の炎!」

「そ、そんな馬鹿な!? ぎゃああああああ!?」

『飯沼戦闘不能! 佐伯の勝ち!』

 こっちは真逆になってしまった。早撃ちで佐伯お姉さまの魔法が完成する前に潰そうとした何とかだったが、完全に弾を間違えたとしか言いようがない。佐伯お姉さまの呪文とともに一気に立ち上った熱気に風の刃が負けてしまい、完成した魔法の火炎放射に巻き込まれて何とかは場外に叩き出されてしまった。

 パチパチパチ

「いいぞー!」
「今年の1年はすごいな」
「キャー佐伯お姉さまー!」

 1年生ながら勝利したお姉さま方に拍手が巻き起こる。

「ぷ、ぷふ。ぷふふふ。あって、ぎゃあって。ぷふふ。だめあなた。ここにいたら死んじゃいそう。ぷふふ」

 一方お姉さまは敗者に称賛を送っていた。
 どうやら何とか達の断末魔がツボに嵌まったらしく、長い髪を垂らしながら俯いて肩を震わせているのだ。可愛い。

「じゃあ式符の訓練場の方に行ってみましょうか!」

「そ、そうね。ぷぷっ」

 あのカメラ小僧達からカメラ奪っとけばよかった。今のお姉さまの写真を撮れたら家宝にしたのに。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...