異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活怨怨怨恩怨怨怨呪呪祝呪呪呪~

福郎

文字の大きさ
39 / 51
悍ましき眷属達

仮想敵2

しおりを挟む
「お姉さまあーん」

「あーん」

 お昼休みは当然、恋人達の聖地校舎の屋上だ。
 お姉さまにあーんをすると、手が震えて箸もプルプルしてるが根性だ俺!
 でへ。でぇへへ。

 いやあしかし、クラスの皆さんに主席としての頑張りを見せられなかったのは残念だったなあ。あれから更に蜘蛛君が色々ばら撒いたから主席としてアピールできたのに……。

「あなたあーん」

「あーん」

 お姉さまにあーんされると、嬉しすぎて意識を失いそうだが根性だ俺!

 あ、猫君を持って来ているのに学園長に提出するの忘れてた。この後行かないと。

「今朝すっごく気分が悪かったの……」
「私も……」
「朝だけだったから風邪じゃないと思うんだけど……」

「え、病院行こうよ。僕も付いて行くから」

 出たな爽やかイケメン先輩。相変わらずハーレム満喫しやがって呪うぞコラ。ま、呪ったのはあんたじゃなくてあんたの嫁さん達なんだけどな! だーはっはっはっは! そんなに女を連れてるから邪神に呪われるんだよ! 大事な人達が呪われてどんな気持ち? ねえどんな気持ち?

「今は大丈夫だから。はい龍太あーん」
「私も。あーん」
「こっちもあーん」
「はは、はは。あ、あれ?」

 どうしました先輩? 嫁達の出して来たのがダークマターじゃなくて、何とか食い物に見えるから戸惑ってますね?

「……」

 慎重に口に入れて確かめてますけどぶっ倒れる程じゃないでしょ?
 いやあ、しかしすいませんね嫁さん達呪っちゃって。実はポイズンクッキングとかデスクッキングしようとすると猛烈に気分が悪くなって、今やってる料理の手順変えたほうがいいかもって思うようになる呪いかけたんですわ。ついでに言うと、呪いが自分で判断するなんていう上位の呪いだぞ。つまりあんたの嫁さん達は俺の毒牙に掛かっているのだ! だーはっはっはっは!

 割とマジで感謝してくれ。砂糖と塩間違えたくらいじゃ反応しないあれが発動したって事は、本当にデスクッキングしてるって事だから。ま、少しの間心配だろうけど、段々と消えていくから安心してくれ。ついでに言うとその気分の悪さは、あんたが飯食った時の気分の悪さそのままだから。よく耐えたよ。

 いやあそれにしても、あんないい人の嫁さん達を呪っちゃって僕ってなんて悪い子なんでしょ。邪神の子だったわ。もうちょっと上だった。なら仕方ないよね。

「そういえばお昼休みに学園長室に御呼ばれしたみたいね」

「そうなんです! お姉さまとのひと時を邪魔するなんて……!」

 許すまじ学園長! 寝起きの枕に必ず10本以上髪の毛が抜け落ちてる悪夢を見せるぞ!

「あの紙屑を混ぜた猫ちゃんの事かしら?」

「いえ、多分解呪の授業に使う壺が届いたんじゃないかなって」

 本当は俺が呪いを掛けるなら石ころでもいいんだけど、古くて強力なものとなるとやっぱり壺とかその辺になるから、安くていいから壺とかにしてくれって学園長に頼んでたのだ。特に強力なものとなると、呪われているのは古い骨董品っていう世間のイメージすら吸収してるから、実践を想定するならやっぱりそこらがいい。

 ◆

「よく来てくれた。早速だがこれを使って教材を作って欲しい」

「分かりました!」

 やって来ました学園長室。所狭しと段ボールが置かれているな。やっぱり教材用の壺だ。
 ったくしょうがねえなあ。まあこれも栄光あるブラックタール帝国の発展のためだ。皇帝自らやってやろうじゃないか。

「失敗した時の効果はどうします? やっぱり箪笥の角に足の小指をぶつけたくらいですかね?」

「その痛みは全身にいけるか?」

「勿論です」

「では全身で頼む。この世界に安全な物などないからな。練習とはいえ緊張感が必要だ」

「分かりました」

 ふっふっふ。宰相、お主も悪よのう。分かったやってやるよ! 全身飛び上がるくらいの奴をな!

「大陸のにヨーロッパのまで。色々買ったのね」

「地域ごとに呪いも若干違いますからね」

 面倒だっただろうが妥協は無しだ。東方系はじわじわ系のパニック物で、洋物は一発ドカンと来るパニック物なのだ。一長一短あるがどちらも面倒という事に変わりない。そしてこれだけ数があれば、よっぽどドマイナーな方法や神以外の呪詛を込めれるだろう。

「うふふ。旦那様の仕事ぶりを見させてもらうわ」

「是非ご覧になって下さい!」

「よろしく頼む。いや本当にありがたい」

 学園長、あんたには言ってねえよ!

 全く……まずはオーソドックスな単なる恨みがこびり付いた奴からだな。あと蠱毒に使われた奴とか。

「上はどこまで見ます?」

「ふうむ。スペシャリストに教えを請うが、現実的に出て来るものの最大値はどのあたりだ?」

 しゃあねえなあ! スペシャリストとして答えてやるか!

「ギリ1000年モノ辺りですかねえ。流石にそれ以上のモノとなると、それを見つけた時代の天才やら誰かしらが対処してますから。何と言ってもそれくらいになると、確実に死ぬような危険物ですからね。あ、エジプトのモノは例外です」

 あの辺りは平気で紀元前モノが出て来るからな。出たら近くのバチカンに直送してくれ。一番確実なのは親父にぶち込むことだが。何と言っても親父は億年モノなのだ。

「なるほど。では念のため1500年モノと1000年モノを1つづつ頼む」

「分かりました」

 もうその辺りになると、作るのはある意味簡単ではある。一周回って悪辣とか狡賢いのレベルじゃなくなって、さっきも言ったが触ると即死するレベルなのだ。だが呪いという意味では弱体化してるな。全く苦しまないのだから。

 えーっと後は、普段は完全に擬態してる奴、本人だけじゃなくて一族郎党に広がる奴、ただひたすら不幸になる奴、壺から飛び出して宿主を変える奴、ダミーを使って死んだふりする奴、神話とか古事に習って作られた奴、逸話がそのうち本当になってしまった奴。それと学園周辺の恨みを吸収して、再充填される機能も付けてっと。ああ忙しい忙しい。だがこれもブラックタール帝国発展のためだ。

 目指せ世界に誇れる大帝国!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

処理中です...