41 / 51
悍ましき眷属達
仮想敵4
しおりを挟む
「放課後だが特鬼との戦いに、私を含めた学園の単独者達と推薦組、アメリカ校の教官達と生徒全員が参加する事になった。実際の特鬼戦はもう少し数を抑えての戦いだが、単独者ではなくてもベテラン達が補佐をする形となるため連携が肝心となる」
また学園長唐突ですね。というかウチの最上級生と、アメリカの新兵君達合わせたら100人近いでしょう。幾ら猿君が単体で集団を圧殺するコンセプトでも、それだけ囲まれるときついですよ。いや、推薦組とはいえまだ学生だからそこまでか?
「それでは予定のないものは見に来て欲しい。以上解散」
じゃあ猿君の応援に行こうかね。
◆
猿君頑張えーってやっぱダメだろこれ!
「流石にこれだけいれば私も楽しめるかしら?」
お姉さまは楽しそうに笑っているけど、訓練場に100人もいたら流石に洒落にならん! 蜘蛛君も呆れてるよ。猿君はやる気満々だけど……。
「どうでしょうねえ」
そうは言っても多分お姉さまの総力には劣る筈だ。流石お姉さま!
「それでは早速開始する」
学園長早いよ。これがアメリカ校との最後の交流なんだから、もう少し何と言うかですね……情緒と言うか……脳筋には無理な話か。
「すまん言い忘れていた。この後ジュースと菓子で打ち上げがある。費用はアメリカ校が出してくれたから、参加する生徒は礼を言うように」
脳筋って言って悪いな学園長。ちゃんと考えてたか。向こうのお礼で他人の金だが。
「では開始する。起動」
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
表れたのは我がブラックタール帝国の武官こと猿君。全長20メートルの威容は相変わらずで、参加している生徒の皆さんは早くも腰が引けている。まあそこらのロボットよりもデカいのだ。そりゃビビるよ。
『全員で拘束しろ! 聖なる鎖よ悪しきモノを捉え給え!』
『サーイエッサー!』
『グオオオ!?』
あ、やっぱ対策してるよねそりゃ。三猿のデバフかけるには手を使う必要があるから、今みたいにアメリカの皆さんが猿君の腕を拘束するのは当然だろう。これが学園長が言うところの、調査の重要性というやつだな。初見殺しが効かない。しかも鎖の数は60本。いやになるね。
「我々は足だ! 大地よ凍れ!」
「念力砲!」
『オオオオオオオオオ!?』
そんでもって足の方は、我が校の先輩達がひたすら膝カックンしている。いやこれ冗談じゃなく膝カックンなのだ。正面からなら余裕だろうが、関節の構造上どうしてもそれをやられると弱い。その上床は氷でツルツルときた。あ、超能力でも摩擦ってある程度無くせるんだ。へえ勉強になるなあ。周りの皆さんもノート書きまくりだ。
って暢気に観戦してたけど猿君ヤバいぞ。2本足で身長がデカい事を徹底的に突かれている。重心が高いのに腕を引っ張られて、その上足元が虐められているのだ。得意の腕力にものをいわせて鎖を引きちぎる事も出来ない状態だ。
「目は効かなかったけど膝は効く様ね!」
「抑え付けろ不動金剛力士!」
「掛けまくも畏き伊邪那岐大神」
てめえ単独者共! 前回猿君にボコボコにされたくせに調子乗ってんじゃねえ!
猿君聞こえますか? そうですブラックタール帝国皇帝です。単独者共です。とにかく単独者共を狙うのです。今度は100回パンチをお見舞いするのです。え? 今それどころじゃない?
『ゴアアアアア!?』
さ、猿くーん!?
猿君こけたーー!?
つるっといっちゃったよ! やべえよやべえよ! まな板の猿だよ!
「いざ我求むるはこの世全てを止める永劫の」
猿君ヤバいって! 前防いだ魔法完成しちゃうって! 何とか手で口閉じて!
「氷獄」
あ。
迸る絶対零度。
マイナス273度の吐息。
それが猿君に完全に決まった。
もう誰が見たって氷像だ。こんなのまともに食らって生きている存在などいないだろう。
「勝った?」
「やったぞ!」
「やったああああ!」
『特に危険に勝ったぞ!』
『神よ!』
『流石にこれだけの数が居れば特に危険でもこうなるか』
いやあ皆さんおめでとうございます! 見事特鬼の猿君を打倒出来ましたね! これぞまさに友情努力物量物量物量勝利! 猿君もお疲れ様。流石に単独者みたいな人がウチに来るには時間が空きそうだから、それまでゆっくりしててね!
あれ? 猿君?
もしもーし?
なにこのパキパキって音? ひょっとして動いてる?
『グッグッグオオオオオオオオオオオオ!』
「なんだ!?」
「こいつまだ!?」
「気を抜くな!」
さ、猿くーん!? 空気読めえええええ! そこは負けちまった流石だなって言うところだろ!
『ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン』
「なん……だと……」
猿君真言唱えちゃったよ……俺しーらね……。
猿君の体を纏っていた黒い筋繊維が、腕に、頭に伸びていく。
いやあ、それはそれとして地下訓練場で学園長に言いたかったんですよ。奇しくも同じ構えですねって。
『オオオオオオオオオオ!』
『ガアアアアアアアアア!』
『グウウウウウウウウウ!』
鈍っていない単独者達への訓練状態にして猿君のもう一つの姿。
出来上がったのは黒いもう二つの顔。黒いもう四つの腕。
合わせて三面六臂。
それぞれに剣、槍、金剛杵。
猿君は強き強き強き猿であり。
そして言葉通り、強き強き強き猿なのだ。
人は言うだろう。
阿修羅だと。
『ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアあああああああああaaaaaaaaaaa!』
天ヨ見ヨと阿修羅が叫ぶ。
我歩道修羅道也。
「お"っ!?」
「がっ!?」
「っ!?」
塵も積もれば単なる塵である。
阿修羅が携えた槍の一振りで10が20が吹き飛ぶ。
金剛杵から迸る雷で10が20が吹き飛ぶ。
剣が足が体が10が20が30が40が
「空間さっ!?」
「祓いっ!?」
「金剛っ!?」
そこに単独者などという肩書も塵芥。
全てが
「ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン!!!」
再び紡がれる阿修羅の真言。
アンタやっぱりすごいよ学園長。
誰が信じる、あの精度の阿修羅を一個人が招いたと。仏門の全てが敬服するだろう。
蜃気楼でもなし影絵でもなし影法師でもなし。
悪修羅の威体に劣るところなし。
鎧纏いて六腕全てに剣。
面は哀など一つも無し三面全て闘。
あれこそまさしく仏門守護戦闘神阿修羅。
あれこそまさしく日ノ本最強の使い手。
「阿修羅三世三善道!」
『『『三悪四悪我修羅道!!!』』』
お互い既に必殺の間合い。
守護神と悪鬼神、それぞれの面を強調された阿修羅が、小細工抜き、霊力最大、全ての武器を大上段に構えて一刀の下切り掛かる。
結果は一瞬。学園長は吹き飛び悪修羅は元の紙に。
二体の阿修羅は完全にお互いを切り伏せあったのだ。
いやあ、凄いもの見ちゃったなあ。20メートル同士の阿修羅の対決なんて見られるもんじゃない。周りの皆さんも全員ポカンとしているよ。学園長、歳食ってこれだから若い頃はどんだけだったんだ? 相打ちだけど、特鬼のほぼ最上位の猿君を一人で倒しちゃったよ。そりゃ昔に異の剣が学園長に、親父を何とかしてくれって頼むはずだ。親父に連絡しとこ、学園長はよくやってるって。やっぱり今度飲み会のセッティングをしてやるか? 昔話に花を咲かせるだろう。ね、お姉さま。
「ふふ。うふふふ。うふふふふ」
お姉さま?
「式神のインスピレーションが湧いたわ。同じだと面白みに欠けると思ってたけど、数も丁度だしこれで行きましょう。うふふふふ」
よく分からないけどお姉さまが嬉しそうで僕も嬉しいです!
「という訳で帰ったら少し血を頂戴な。ね。あ、な、た」
「ほああああああああ!」
だからだめですってお姉さま! そうやって顔を指先でつーってされると僕はああああああ!
「あ、すいませんお姉さま。よかったら式符を1つ僕にくれませんか?」
初めまして皆さん。実は皆さんにお願いがありまして。恨みは晴れても未練、残ってますよね? ええそうでしょうとも。残ってない筈が無いですよね。そこでお願いがあるのですが、その未練解消する代わりに、これに皆さんの想いを少し分けて貰えませんかね? 恐らく皆さんの二番目の未練、もう二度とこんな事が起こらないようするため。ええ、当事者だからこそあなた方は知っている筈です。あれの恐ろしさを。だからお願いします。ああ、足りない分はこちらで増幅します。皆さんも覚えがありますよね? ははは、そうです。倅です。
ええ、人の為、世界の危険に対して世界の為。
交渉成立ですね。では始めましょうか。
変身 真形態
あなた方の愛を形に
また学園長唐突ですね。というかウチの最上級生と、アメリカの新兵君達合わせたら100人近いでしょう。幾ら猿君が単体で集団を圧殺するコンセプトでも、それだけ囲まれるときついですよ。いや、推薦組とはいえまだ学生だからそこまでか?
「それでは予定のないものは見に来て欲しい。以上解散」
じゃあ猿君の応援に行こうかね。
◆
猿君頑張えーってやっぱダメだろこれ!
「流石にこれだけいれば私も楽しめるかしら?」
お姉さまは楽しそうに笑っているけど、訓練場に100人もいたら流石に洒落にならん! 蜘蛛君も呆れてるよ。猿君はやる気満々だけど……。
「どうでしょうねえ」
そうは言っても多分お姉さまの総力には劣る筈だ。流石お姉さま!
「それでは早速開始する」
学園長早いよ。これがアメリカ校との最後の交流なんだから、もう少し何と言うかですね……情緒と言うか……脳筋には無理な話か。
「すまん言い忘れていた。この後ジュースと菓子で打ち上げがある。費用はアメリカ校が出してくれたから、参加する生徒は礼を言うように」
脳筋って言って悪いな学園長。ちゃんと考えてたか。向こうのお礼で他人の金だが。
「では開始する。起動」
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
表れたのは我がブラックタール帝国の武官こと猿君。全長20メートルの威容は相変わらずで、参加している生徒の皆さんは早くも腰が引けている。まあそこらのロボットよりもデカいのだ。そりゃビビるよ。
『全員で拘束しろ! 聖なる鎖よ悪しきモノを捉え給え!』
『サーイエッサー!』
『グオオオ!?』
あ、やっぱ対策してるよねそりゃ。三猿のデバフかけるには手を使う必要があるから、今みたいにアメリカの皆さんが猿君の腕を拘束するのは当然だろう。これが学園長が言うところの、調査の重要性というやつだな。初見殺しが効かない。しかも鎖の数は60本。いやになるね。
「我々は足だ! 大地よ凍れ!」
「念力砲!」
『オオオオオオオオオ!?』
そんでもって足の方は、我が校の先輩達がひたすら膝カックンしている。いやこれ冗談じゃなく膝カックンなのだ。正面からなら余裕だろうが、関節の構造上どうしてもそれをやられると弱い。その上床は氷でツルツルときた。あ、超能力でも摩擦ってある程度無くせるんだ。へえ勉強になるなあ。周りの皆さんもノート書きまくりだ。
って暢気に観戦してたけど猿君ヤバいぞ。2本足で身長がデカい事を徹底的に突かれている。重心が高いのに腕を引っ張られて、その上足元が虐められているのだ。得意の腕力にものをいわせて鎖を引きちぎる事も出来ない状態だ。
「目は効かなかったけど膝は効く様ね!」
「抑え付けろ不動金剛力士!」
「掛けまくも畏き伊邪那岐大神」
てめえ単独者共! 前回猿君にボコボコにされたくせに調子乗ってんじゃねえ!
猿君聞こえますか? そうですブラックタール帝国皇帝です。単独者共です。とにかく単独者共を狙うのです。今度は100回パンチをお見舞いするのです。え? 今それどころじゃない?
『ゴアアアアア!?』
さ、猿くーん!?
猿君こけたーー!?
つるっといっちゃったよ! やべえよやべえよ! まな板の猿だよ!
「いざ我求むるはこの世全てを止める永劫の」
猿君ヤバいって! 前防いだ魔法完成しちゃうって! 何とか手で口閉じて!
「氷獄」
あ。
迸る絶対零度。
マイナス273度の吐息。
それが猿君に完全に決まった。
もう誰が見たって氷像だ。こんなのまともに食らって生きている存在などいないだろう。
「勝った?」
「やったぞ!」
「やったああああ!」
『特に危険に勝ったぞ!』
『神よ!』
『流石にこれだけの数が居れば特に危険でもこうなるか』
いやあ皆さんおめでとうございます! 見事特鬼の猿君を打倒出来ましたね! これぞまさに友情努力物量物量物量勝利! 猿君もお疲れ様。流石に単独者みたいな人がウチに来るには時間が空きそうだから、それまでゆっくりしててね!
あれ? 猿君?
もしもーし?
なにこのパキパキって音? ひょっとして動いてる?
『グッグッグオオオオオオオオオオオオ!』
「なんだ!?」
「こいつまだ!?」
「気を抜くな!」
さ、猿くーん!? 空気読めえええええ! そこは負けちまった流石だなって言うところだろ!
『ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン』
「なん……だと……」
猿君真言唱えちゃったよ……俺しーらね……。
猿君の体を纏っていた黒い筋繊維が、腕に、頭に伸びていく。
いやあ、それはそれとして地下訓練場で学園長に言いたかったんですよ。奇しくも同じ構えですねって。
『オオオオオオオオオオ!』
『ガアアアアアアアアア!』
『グウウウウウウウウウ!』
鈍っていない単独者達への訓練状態にして猿君のもう一つの姿。
出来上がったのは黒いもう二つの顔。黒いもう四つの腕。
合わせて三面六臂。
それぞれに剣、槍、金剛杵。
猿君は強き強き強き猿であり。
そして言葉通り、強き強き強き猿なのだ。
人は言うだろう。
阿修羅だと。
『ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアあああああああああaaaaaaaaaaa!』
天ヨ見ヨと阿修羅が叫ぶ。
我歩道修羅道也。
「お"っ!?」
「がっ!?」
「っ!?」
塵も積もれば単なる塵である。
阿修羅が携えた槍の一振りで10が20が吹き飛ぶ。
金剛杵から迸る雷で10が20が吹き飛ぶ。
剣が足が体が10が20が30が40が
「空間さっ!?」
「祓いっ!?」
「金剛っ!?」
そこに単独者などという肩書も塵芥。
全てが
「ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン!!!」
再び紡がれる阿修羅の真言。
アンタやっぱりすごいよ学園長。
誰が信じる、あの精度の阿修羅を一個人が招いたと。仏門の全てが敬服するだろう。
蜃気楼でもなし影絵でもなし影法師でもなし。
悪修羅の威体に劣るところなし。
鎧纏いて六腕全てに剣。
面は哀など一つも無し三面全て闘。
あれこそまさしく仏門守護戦闘神阿修羅。
あれこそまさしく日ノ本最強の使い手。
「阿修羅三世三善道!」
『『『三悪四悪我修羅道!!!』』』
お互い既に必殺の間合い。
守護神と悪鬼神、それぞれの面を強調された阿修羅が、小細工抜き、霊力最大、全ての武器を大上段に構えて一刀の下切り掛かる。
結果は一瞬。学園長は吹き飛び悪修羅は元の紙に。
二体の阿修羅は完全にお互いを切り伏せあったのだ。
いやあ、凄いもの見ちゃったなあ。20メートル同士の阿修羅の対決なんて見られるもんじゃない。周りの皆さんも全員ポカンとしているよ。学園長、歳食ってこれだから若い頃はどんだけだったんだ? 相打ちだけど、特鬼のほぼ最上位の猿君を一人で倒しちゃったよ。そりゃ昔に異の剣が学園長に、親父を何とかしてくれって頼むはずだ。親父に連絡しとこ、学園長はよくやってるって。やっぱり今度飲み会のセッティングをしてやるか? 昔話に花を咲かせるだろう。ね、お姉さま。
「ふふ。うふふふ。うふふふふ」
お姉さま?
「式神のインスピレーションが湧いたわ。同じだと面白みに欠けると思ってたけど、数も丁度だしこれで行きましょう。うふふふふ」
よく分からないけどお姉さまが嬉しそうで僕も嬉しいです!
「という訳で帰ったら少し血を頂戴な。ね。あ、な、た」
「ほああああああああ!」
だからだめですってお姉さま! そうやって顔を指先でつーってされると僕はああああああ!
「あ、すいませんお姉さま。よかったら式符を1つ僕にくれませんか?」
初めまして皆さん。実は皆さんにお願いがありまして。恨みは晴れても未練、残ってますよね? ええそうでしょうとも。残ってない筈が無いですよね。そこでお願いがあるのですが、その未練解消する代わりに、これに皆さんの想いを少し分けて貰えませんかね? 恐らく皆さんの二番目の未練、もう二度とこんな事が起こらないようするため。ええ、当事者だからこそあなた方は知っている筈です。あれの恐ろしさを。だからお願いします。ああ、足りない分はこちらで増幅します。皆さんも覚えがありますよね? ははは、そうです。倅です。
ええ、人の為、世界の危険に対して世界の為。
交渉成立ですね。では始めましょうか。
変身 真形態
あなた方の愛を形に
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる