92 / 172
待ち望んだ日編
像の行方
しおりを挟む
祈りの国 闘神マクシム神殿
祈りの国に存在する闘神マクシムの神殿で、あるお披露目式の様なものが開かれようとしていた。
マクシム神が最も高名な神の1柱であるため、その神殿は首都の本殿からほど近い場所にあり、噂を聞きつけた多くの者達が見物に来ていた。
「ん?ベルトルドではないか」
「おおドナート」
その中には、私的に神殿に訪れいた枢機卿ドナートと、守護騎士団総長ベルトルドの姿もあった。
「体調の方はいいのか?」
「あ、ああ。もう大丈夫だ」
「それならいいんだが」
かつて共に勇者を務めていた2人は親友同士であり、プライベートで来ていることもあって気安く話をしていた。
また、長く勇者として活躍し現在でも高い地位にある2人であるため、注目も少し集めていた。
「しかし驚いたぞ。お前が急に倒れたと聞いたときは」
「ああ、もう歳かもしれん」
「ん?」
「しかし、先輩が我々にも来て欲しいとはな。休んでいて噂に疎いのだが、何か知っているか?」
「なんでも見事なマクシム像の寄付があったとか」
どこか苦虫を噛み潰したような顔のベルトルドに、どうかしたのかと疑問に思うドナートであったが、ベルトルドに話を変えられる。
それこそが、この2人がここに来たわけであった。この神殿の神殿長は、彼等が勇者に就任したばかりの時の先輩であり、今でも元気な老人であったが、その先輩が是非にと2人を招いたのだ。
「ほう?余程見事なのだろうな。これほど人が集まるとは」
「ああ。それに先輩が像の見事さを力説していたらしい」
「ははは。それは楽しみだ。しかし、中央の空いた台にその像を置くとして、左右の空いた台は何を置くのだろうな」
「それは私も気になっていた。3つの台全部が神殿入って直ぐ正面とはな」
彼等の言う通り、神殿を入って直ぐと言う最も目立つ空間に、3つの空いた台座が置かれており、まるで主役の像は一つだけではないといった感じであった。
「先輩だ。となるとあれかな?」
「なかなか大きいな。さて、どんな像か」
2人が疑問に思っていると、神殿長と共に、布を被せられた像だと思われる物が、お付きの司祭の魔法によって、浮かせられながら運ばれていた。
布を被っているためハッキリと分からなかったが、それでもその大きさは、大体人の2倍から3倍はあり、本殿にある神々の像と比べてもそう変わらないほどであった。
「皆様、わざわざお集まりくださり感謝しております。まあ、長い挨拶はよしましょう。それではご覧ください!」
ある意味で闘神の神殿長らしく、挨拶を省いて像に掛かっていた布を魔法で外す。
「おお!」 「なんと見事な!」 「まるで生きているようではないか!」 「あれこそまさに闘神マクシム!」
大きなざわめきが起こる。
姿を現したマクシムの像は、竜の首に巻きつかれ絞められながらも、殺意溢れる顔をしながら、その足で竜の頭を踏みつけ、槍を頭蓋に突き立てている姿であった。
白石で作られているにも関わらず、竜の首をものともせずに盛り上がった筋肉には力強さを感じ、竜の頭部に向けられた厳めしい顔と目は、裂帛の気が宿っている様であった。
「なんと見事な」
「ああ…」
驚嘆のため息を吐くドナートとベルトルド。かつて戦士であった元勇者2人は、この像が動き出したら、竜の頭を槍が粉々にするだろうと確信し、もし本当に動けば、ただの像であるにも関わらず、かつての自分達ですら敗北するだろうと感じるほどであった。
「何たる事だ。像に勝てる気がせんとは」 「ダメだ。串刺しにされて終わりだ」 「これが闘神マクシム…」
2人だけでなく、闘神の神殿だけあり、集まっていた武芸者や腕自慢達も像の迫力に飲まれていた。どんなに戦うイメージをしても、戦いにすらならなかったのだ。
「見事でしょう。この像をお持ちになっていた御方が、我が国のマクシム神殿に置かれていることが最も相応しいと寄進されたのです。お名前は言えませんが、この場で改めて感謝申し上げます」
ある好事家が一目ぼれしてオークションで手に入れたマクシム像であったが、見れば見るほどもっと相応しい場所があるのではないかと思い、思いついたのが神々の総本山とも言える祈りの国に寄進する事だった。
そしてその好事家が寄進したのはこの像だけでは無かった。
「皆様も、左右の空いた台座は何かと思ったのではないでしょうか?その御方から寄進されたのは一つでは無いのです。こちらもお見せしましょう」
そう言いながら、運ばれてきた2つの像の布を外す神殿長。
マクシム像の左右に置かれたのは、2つとも男が盾と剣を構えている像であった。どちらも少し腰を落としながら盾を前に出し、剣はどのような事態でも対処できるように力強く握られていた。
そしてその表情は絶対にここは退かないという決意に溢れており、まさに不動と言っていい像であった。
「むう…。なんという気迫」 「モチーフは誰だ?凄まじい男達だが」 「どこかで見た様な…」
あまり像の男達と馴染みが無いのか、マクシム像と同じく気迫を感じながらも、首をひねる見物客達。
「ベルトルド…ひょっとして…」
「ああ…。俺とお前だ」
そんな中、ドナートとベルトルドはいち早くモチーフに気がついた。なにせ勇者をしていた頃の自分達の顔と装備だ。昔は鏡があれば毎日見ていたのだから当然気がつく。
「この像の男達に馴染みが無い方もいらっしゃるでしょう。彼等は、左は勇者ドナート。右は勇者ベルトルドと言い、今は枢機卿ドナート、守護騎士団総長ベルトルドと言った方が馴染みがあるでしょう」
「あれが武名高い勇者ドナートとベルトルド!」 「これほどだったとは…」 「そうだ!枢機卿と総長だ!」
神殿長の言葉にざわめきが大きくなる。どちらの勇者も、大陸の危機にあっては祈りの国から派遣され、その勇名は各地に残っている。
その勇者達が当時の姿で、今にも動き出しそうなのだ。感嘆と驚愕の声が漏れる。
「これらも寄進されたものです。本当に感謝申し上げます」
「先輩が私達を呼んだのはこれだな」
「ああ。間違いない。気恥ずかしいんだが」
「私もだ」
神殿長が自分達を呼んだ理由を察した2人であったが、若い頃の自分の像が一番目立つ台座に置かれたことに羞恥心を覚えてしまう。
周りも察し始めたのか視線が集まる。
「それでは皆様。是非ごゆっくりとご鑑賞ください」
「誰が作ったのか気になるな」
「ああ、先輩に聞いてみよう」
これほど見事な作品であるし、自分達をモチーフにして作成したのだ。気になったため、親しい仲でもあるから教えてくれるだろうと思い、去っていく神殿長の後を追う。
◆
「驚いたろう?」
「ええ」
「勿論です」
神殿長の部屋に入った2人は、素直な感想を口にする。まさか自分の像が置かれるとは夢にも思っていなかった。
「製作者はどなたです?私達を作ったのはまあいいとして、あのマクシム像は見事でした。気になります」
「本当にそれだけか?文句の一つもあるだろう」
「いや、それは」
ドナートが聞いたが、勝手に作られたのだ。そういう気持ちがあるのは否定しずらかった。
「冗談だ。実のところオークション経由で連絡は取れるが、詳細は教えてくれんかった。必要以上に目立って、他の造形師に目を付けられたくないらしい。あれだけ大きく値段が張る像は、得意な闘神とか戦士しか作らんとも」
「なるほど…」
非常に気になるが、そういう事なら仕方ない。実際あの腕の作品が溢れたら、世の造形師は職を失うだろう。
「オークションに直接行ったときに、お前達用に土産として小さい方も買っておいた。自分達の方は嫌がると思って、マクシム神の方だ」
「おお。ありがとうございます」
「小さいと言っても見事な」
実際自分達の方ならどこかへ隠していただろうが、マクシム神とならば話は別だ。これもまた見事な出来のため、2人とも自分の執務室にでも置こうかと考えた。
「それでは自分達はこれで」
「お邪魔しました」
「ああ」
その後世間話をした2人は神殿長の部屋を辞し、自分の執務室にマクシム像を置くことにした。
「うむ」
執務室の自分の机の後ろにある棚に、マクシム像を置いたベルトルドは満足げに頷いた。この時は無邪気に満足していた。この時は…。
◆
「あれ?私の作品を置いてくれてるとは嬉しいですね」
ー"造形師"ユーゴー
◆
ベルトルド総長がもう少し休みが欲しいとの事なので、引き続き業務を副長の私が代行する。また、ドナート枢機卿の体調が悪いらしいので、お手を煩わせない事。
ー守護騎士団に貼られた連絡ー
祈りの国に存在する闘神マクシムの神殿で、あるお披露目式の様なものが開かれようとしていた。
マクシム神が最も高名な神の1柱であるため、その神殿は首都の本殿からほど近い場所にあり、噂を聞きつけた多くの者達が見物に来ていた。
「ん?ベルトルドではないか」
「おおドナート」
その中には、私的に神殿に訪れいた枢機卿ドナートと、守護騎士団総長ベルトルドの姿もあった。
「体調の方はいいのか?」
「あ、ああ。もう大丈夫だ」
「それならいいんだが」
かつて共に勇者を務めていた2人は親友同士であり、プライベートで来ていることもあって気安く話をしていた。
また、長く勇者として活躍し現在でも高い地位にある2人であるため、注目も少し集めていた。
「しかし驚いたぞ。お前が急に倒れたと聞いたときは」
「ああ、もう歳かもしれん」
「ん?」
「しかし、先輩が我々にも来て欲しいとはな。休んでいて噂に疎いのだが、何か知っているか?」
「なんでも見事なマクシム像の寄付があったとか」
どこか苦虫を噛み潰したような顔のベルトルドに、どうかしたのかと疑問に思うドナートであったが、ベルトルドに話を変えられる。
それこそが、この2人がここに来たわけであった。この神殿の神殿長は、彼等が勇者に就任したばかりの時の先輩であり、今でも元気な老人であったが、その先輩が是非にと2人を招いたのだ。
「ほう?余程見事なのだろうな。これほど人が集まるとは」
「ああ。それに先輩が像の見事さを力説していたらしい」
「ははは。それは楽しみだ。しかし、中央の空いた台にその像を置くとして、左右の空いた台は何を置くのだろうな」
「それは私も気になっていた。3つの台全部が神殿入って直ぐ正面とはな」
彼等の言う通り、神殿を入って直ぐと言う最も目立つ空間に、3つの空いた台座が置かれており、まるで主役の像は一つだけではないといった感じであった。
「先輩だ。となるとあれかな?」
「なかなか大きいな。さて、どんな像か」
2人が疑問に思っていると、神殿長と共に、布を被せられた像だと思われる物が、お付きの司祭の魔法によって、浮かせられながら運ばれていた。
布を被っているためハッキリと分からなかったが、それでもその大きさは、大体人の2倍から3倍はあり、本殿にある神々の像と比べてもそう変わらないほどであった。
「皆様、わざわざお集まりくださり感謝しております。まあ、長い挨拶はよしましょう。それではご覧ください!」
ある意味で闘神の神殿長らしく、挨拶を省いて像に掛かっていた布を魔法で外す。
「おお!」 「なんと見事な!」 「まるで生きているようではないか!」 「あれこそまさに闘神マクシム!」
大きなざわめきが起こる。
姿を現したマクシムの像は、竜の首に巻きつかれ絞められながらも、殺意溢れる顔をしながら、その足で竜の頭を踏みつけ、槍を頭蓋に突き立てている姿であった。
白石で作られているにも関わらず、竜の首をものともせずに盛り上がった筋肉には力強さを感じ、竜の頭部に向けられた厳めしい顔と目は、裂帛の気が宿っている様であった。
「なんと見事な」
「ああ…」
驚嘆のため息を吐くドナートとベルトルド。かつて戦士であった元勇者2人は、この像が動き出したら、竜の頭を槍が粉々にするだろうと確信し、もし本当に動けば、ただの像であるにも関わらず、かつての自分達ですら敗北するだろうと感じるほどであった。
「何たる事だ。像に勝てる気がせんとは」 「ダメだ。串刺しにされて終わりだ」 「これが闘神マクシム…」
2人だけでなく、闘神の神殿だけあり、集まっていた武芸者や腕自慢達も像の迫力に飲まれていた。どんなに戦うイメージをしても、戦いにすらならなかったのだ。
「見事でしょう。この像をお持ちになっていた御方が、我が国のマクシム神殿に置かれていることが最も相応しいと寄進されたのです。お名前は言えませんが、この場で改めて感謝申し上げます」
ある好事家が一目ぼれしてオークションで手に入れたマクシム像であったが、見れば見るほどもっと相応しい場所があるのではないかと思い、思いついたのが神々の総本山とも言える祈りの国に寄進する事だった。
そしてその好事家が寄進したのはこの像だけでは無かった。
「皆様も、左右の空いた台座は何かと思ったのではないでしょうか?その御方から寄進されたのは一つでは無いのです。こちらもお見せしましょう」
そう言いながら、運ばれてきた2つの像の布を外す神殿長。
マクシム像の左右に置かれたのは、2つとも男が盾と剣を構えている像であった。どちらも少し腰を落としながら盾を前に出し、剣はどのような事態でも対処できるように力強く握られていた。
そしてその表情は絶対にここは退かないという決意に溢れており、まさに不動と言っていい像であった。
「むう…。なんという気迫」 「モチーフは誰だ?凄まじい男達だが」 「どこかで見た様な…」
あまり像の男達と馴染みが無いのか、マクシム像と同じく気迫を感じながらも、首をひねる見物客達。
「ベルトルド…ひょっとして…」
「ああ…。俺とお前だ」
そんな中、ドナートとベルトルドはいち早くモチーフに気がついた。なにせ勇者をしていた頃の自分達の顔と装備だ。昔は鏡があれば毎日見ていたのだから当然気がつく。
「この像の男達に馴染みが無い方もいらっしゃるでしょう。彼等は、左は勇者ドナート。右は勇者ベルトルドと言い、今は枢機卿ドナート、守護騎士団総長ベルトルドと言った方が馴染みがあるでしょう」
「あれが武名高い勇者ドナートとベルトルド!」 「これほどだったとは…」 「そうだ!枢機卿と総長だ!」
神殿長の言葉にざわめきが大きくなる。どちらの勇者も、大陸の危機にあっては祈りの国から派遣され、その勇名は各地に残っている。
その勇者達が当時の姿で、今にも動き出しそうなのだ。感嘆と驚愕の声が漏れる。
「これらも寄進されたものです。本当に感謝申し上げます」
「先輩が私達を呼んだのはこれだな」
「ああ。間違いない。気恥ずかしいんだが」
「私もだ」
神殿長が自分達を呼んだ理由を察した2人であったが、若い頃の自分の像が一番目立つ台座に置かれたことに羞恥心を覚えてしまう。
周りも察し始めたのか視線が集まる。
「それでは皆様。是非ごゆっくりとご鑑賞ください」
「誰が作ったのか気になるな」
「ああ、先輩に聞いてみよう」
これほど見事な作品であるし、自分達をモチーフにして作成したのだ。気になったため、親しい仲でもあるから教えてくれるだろうと思い、去っていく神殿長の後を追う。
◆
「驚いたろう?」
「ええ」
「勿論です」
神殿長の部屋に入った2人は、素直な感想を口にする。まさか自分の像が置かれるとは夢にも思っていなかった。
「製作者はどなたです?私達を作ったのはまあいいとして、あのマクシム像は見事でした。気になります」
「本当にそれだけか?文句の一つもあるだろう」
「いや、それは」
ドナートが聞いたが、勝手に作られたのだ。そういう気持ちがあるのは否定しずらかった。
「冗談だ。実のところオークション経由で連絡は取れるが、詳細は教えてくれんかった。必要以上に目立って、他の造形師に目を付けられたくないらしい。あれだけ大きく値段が張る像は、得意な闘神とか戦士しか作らんとも」
「なるほど…」
非常に気になるが、そういう事なら仕方ない。実際あの腕の作品が溢れたら、世の造形師は職を失うだろう。
「オークションに直接行ったときに、お前達用に土産として小さい方も買っておいた。自分達の方は嫌がると思って、マクシム神の方だ」
「おお。ありがとうございます」
「小さいと言っても見事な」
実際自分達の方ならどこかへ隠していただろうが、マクシム神とならば話は別だ。これもまた見事な出来のため、2人とも自分の執務室にでも置こうかと考えた。
「それでは自分達はこれで」
「お邪魔しました」
「ああ」
その後世間話をした2人は神殿長の部屋を辞し、自分の執務室にマクシム像を置くことにした。
「うむ」
執務室の自分の机の後ろにある棚に、マクシム像を置いたベルトルドは満足げに頷いた。この時は無邪気に満足していた。この時は…。
◆
「あれ?私の作品を置いてくれてるとは嬉しいですね」
ー"造形師"ユーゴー
◆
ベルトルド総長がもう少し休みが欲しいとの事なので、引き続き業務を副長の私が代行する。また、ドナート枢機卿の体調が悪いらしいので、お手を煩わせない事。
ー守護騎士団に貼られた連絡ー
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる