143 / 172
お家騒動編
ようやくサーカスへ
しおりを挟む
リガの街 ユーゴ邸
「ただいま皆!」
朝早くのユーゴ邸に、ようやく帰宅した、この家の主人の声が響き渡る。
「パパ!」
「パパ!」
「コレットー!クリスー!パパも寂しかったよおおお!」
真っ先にやって来たのは、彼の子供達であった。どうやら父親と半月以上会っていないせいでかなり寂しかったらしく、そのまま笑顔でしゃがんだユーゴに抱き着いた。
ユーゴもそれが嬉しくてたまらないと言った様子で、コレットとクリスを抱き上げる。
「おじさんおかえりなさい!」
「どこいってたの?」
「また足に乗っていい?」
「ただいま。よっしゃ、久しぶりに皆を乗せよう」
「お帰りなさいあなた」
「ただいま皆!」
その後すぐにやって来た、ソフィアたちを肩や足に乗せながら、出迎えてくれた妻達に、笑顔で帰宅を報告するユーゴであった。
◆
「なんと!?もう暗殺の心配はないと!?」
「ええ。暗殺組織の方は、祈りの国に目を付けられて壊滅しました。それとこれは内密でお願いしたいのですが、守護騎士が言うには、湖の国の国王は、国庫から秘密裏に暗殺組織への前金を出していたことを宰相に問いただされ、それが原因でしょう、かなり吐血してしまい、恐らく亡くなったのではないかと」
帰宅したユーゴは、子供達との触れ合いの時間を惜しみながらも、ダン老人に双子の暗殺の危機は去ったことを告げる。
尤も、流石に自分が皆殺しにしたとも、王城に忍び込んで、その吐血したところを見たという訳にもいかず、ダンが、リリアーナに祈りの国の護衛が付いているという勘違いを利用して、あくまで彼等から聞いたという体であったが。
「そうなると2人は国へ帰れるのですな…」
「ええ。大手を振って。祈りの国から湖の国へ、王位継承者がここに居る事を知らせてもらいましょう」
(こういう政治的な話なら、ドナート枢機卿だな)
全く会わなかった昔を考えると、ここ最近ありえないくらい関わっている枢機卿を思い出しながら、ユーゴは勝手に予定を立てていく。
(根無し草だが自由に生きるのと、王族として生きる…。どっちがあの2人にとっていいのかは、神でもない俺には分からん…。だが、母親の墓参りくらいはした方がいいだろう…)
いくらユーゴが、神々を殺せるものであっても、神そのものではないのだ。双子達がどちらの生き方をした方がいいのかは分からない。しかし、せめて国元へと帰って、彼等が生きる事を望んだ、母親の墓にくらいは行った方がいいだろうとは考えていた。
「ユーゴ殿、なんとお礼を言っていいか…」
「いえお気になさらず」
(よし!これで一件落着!家族でお出かけだ!)
外見では神妙そうなユーゴであったが、内心はというと、ようやく家族と約束していた、サーカスに出向ける事を喜んでいるのであった。
◆
「よーし!それじゃあ行こうか!」
『おー!』
ユーゴが子供達を全身に乗せた、いつものスタイルで宣言すると、体中から返答の掛け声が上がった。
「私、聖女を長くやってましたから、こういう催し物は初めてです!」
「そういえば私達も、見た事はなかったな」
「でもお姉ちゃん、暗殺の訓練で似たようなことはしてたよね」
「わしもあまり城から出んかったからのう」
「私もです」
「大陸の大道芸…。いったいどうのような」
ユーゴの妻達も、実はこの日を楽しみにしていたようで、足取りも軽やかに街の外へと歩いて行く。
「おや、ユーゴの所の皆だ」 「おやまあ、子供が皆引っ付いて可愛らしいね」 「腕に乗ってるユーゴさんのとこの子供、暫く見ないうちに大きくなったな」
ユーゴの家族が全員で移動するのは珍しく、知り合いだったとしても大所帯であるから、驚いたように眺めていた。
「おいなんだ、あの美しい女性たちは!?」 「そこのご婦人!どうか絵を描かせてくれませんか!?」 「どうか私の詩を受け取って下さい!」 「私と交際してください!」
そして、リガの街の住人と違って、一行に、特にジネット、リリアーナ、アレクシアに慣れていない、街の外にいる大道芸の一団や、それに引っ付いて来た者達にとっては、急に女神が現れたのではないかという騒ぎを引き起こしていた。
「どけ」
「すいません、私人妻ですので」
「私の胸に話しかけるのは止めてください。このハエ野郎」
尤も、彼女達も慣れたもので、ジネットは冷たく、リリアーナはやんわりと、アレクシアは無表情に罵倒して、あしらっていた。
「わしらに話しかけてこんとは、わかっとらんのう」
「あはは。面倒が無くていいじゃないですか」
「私はそんなに幼児体系ではないのだが」
一方、ルー、セラ、凜の3人の方には誰も来てなかったが、口では文句を言っているセラも含めて、3人とも面倒が無くてよかったと思っていた。
「絵…。絵かあ…。写真と違って味があるな…。今度どっかに頼んでみようかな…。せっかく家も大きいし、家族の肖像画を飾るとか」
所で彼女達の夫はと言うと、自分には声を掛けられていないにも関わらず、絵を描くという言葉に引っ掛かっており、今度暇な時にでも、ちゃんとした画家を探そうかと1人で呟いていた。
「おっと、着いたか!」
「パパ!ママ!」
「えっへ!」
「うわあ、おっきいー」
「客として入るのは初めてだなあ」
「ちょっと新鮮」
そんなこんなで、気がつけばサーカスのテント前まで来たユーゴと、彼にくっ付いている子供達は、興奮したように次々とはしゃぎ始めるのであった。
「ただいま皆!」
朝早くのユーゴ邸に、ようやく帰宅した、この家の主人の声が響き渡る。
「パパ!」
「パパ!」
「コレットー!クリスー!パパも寂しかったよおおお!」
真っ先にやって来たのは、彼の子供達であった。どうやら父親と半月以上会っていないせいでかなり寂しかったらしく、そのまま笑顔でしゃがんだユーゴに抱き着いた。
ユーゴもそれが嬉しくてたまらないと言った様子で、コレットとクリスを抱き上げる。
「おじさんおかえりなさい!」
「どこいってたの?」
「また足に乗っていい?」
「ただいま。よっしゃ、久しぶりに皆を乗せよう」
「お帰りなさいあなた」
「ただいま皆!」
その後すぐにやって来た、ソフィアたちを肩や足に乗せながら、出迎えてくれた妻達に、笑顔で帰宅を報告するユーゴであった。
◆
「なんと!?もう暗殺の心配はないと!?」
「ええ。暗殺組織の方は、祈りの国に目を付けられて壊滅しました。それとこれは内密でお願いしたいのですが、守護騎士が言うには、湖の国の国王は、国庫から秘密裏に暗殺組織への前金を出していたことを宰相に問いただされ、それが原因でしょう、かなり吐血してしまい、恐らく亡くなったのではないかと」
帰宅したユーゴは、子供達との触れ合いの時間を惜しみながらも、ダン老人に双子の暗殺の危機は去ったことを告げる。
尤も、流石に自分が皆殺しにしたとも、王城に忍び込んで、その吐血したところを見たという訳にもいかず、ダンが、リリアーナに祈りの国の護衛が付いているという勘違いを利用して、あくまで彼等から聞いたという体であったが。
「そうなると2人は国へ帰れるのですな…」
「ええ。大手を振って。祈りの国から湖の国へ、王位継承者がここに居る事を知らせてもらいましょう」
(こういう政治的な話なら、ドナート枢機卿だな)
全く会わなかった昔を考えると、ここ最近ありえないくらい関わっている枢機卿を思い出しながら、ユーゴは勝手に予定を立てていく。
(根無し草だが自由に生きるのと、王族として生きる…。どっちがあの2人にとっていいのかは、神でもない俺には分からん…。だが、母親の墓参りくらいはした方がいいだろう…)
いくらユーゴが、神々を殺せるものであっても、神そのものではないのだ。双子達がどちらの生き方をした方がいいのかは分からない。しかし、せめて国元へと帰って、彼等が生きる事を望んだ、母親の墓にくらいは行った方がいいだろうとは考えていた。
「ユーゴ殿、なんとお礼を言っていいか…」
「いえお気になさらず」
(よし!これで一件落着!家族でお出かけだ!)
外見では神妙そうなユーゴであったが、内心はというと、ようやく家族と約束していた、サーカスに出向ける事を喜んでいるのであった。
◆
「よーし!それじゃあ行こうか!」
『おー!』
ユーゴが子供達を全身に乗せた、いつものスタイルで宣言すると、体中から返答の掛け声が上がった。
「私、聖女を長くやってましたから、こういう催し物は初めてです!」
「そういえば私達も、見た事はなかったな」
「でもお姉ちゃん、暗殺の訓練で似たようなことはしてたよね」
「わしもあまり城から出んかったからのう」
「私もです」
「大陸の大道芸…。いったいどうのような」
ユーゴの妻達も、実はこの日を楽しみにしていたようで、足取りも軽やかに街の外へと歩いて行く。
「おや、ユーゴの所の皆だ」 「おやまあ、子供が皆引っ付いて可愛らしいね」 「腕に乗ってるユーゴさんのとこの子供、暫く見ないうちに大きくなったな」
ユーゴの家族が全員で移動するのは珍しく、知り合いだったとしても大所帯であるから、驚いたように眺めていた。
「おいなんだ、あの美しい女性たちは!?」 「そこのご婦人!どうか絵を描かせてくれませんか!?」 「どうか私の詩を受け取って下さい!」 「私と交際してください!」
そして、リガの街の住人と違って、一行に、特にジネット、リリアーナ、アレクシアに慣れていない、街の外にいる大道芸の一団や、それに引っ付いて来た者達にとっては、急に女神が現れたのではないかという騒ぎを引き起こしていた。
「どけ」
「すいません、私人妻ですので」
「私の胸に話しかけるのは止めてください。このハエ野郎」
尤も、彼女達も慣れたもので、ジネットは冷たく、リリアーナはやんわりと、アレクシアは無表情に罵倒して、あしらっていた。
「わしらに話しかけてこんとは、わかっとらんのう」
「あはは。面倒が無くていいじゃないですか」
「私はそんなに幼児体系ではないのだが」
一方、ルー、セラ、凜の3人の方には誰も来てなかったが、口では文句を言っているセラも含めて、3人とも面倒が無くてよかったと思っていた。
「絵…。絵かあ…。写真と違って味があるな…。今度どっかに頼んでみようかな…。せっかく家も大きいし、家族の肖像画を飾るとか」
所で彼女達の夫はと言うと、自分には声を掛けられていないにも関わらず、絵を描くという言葉に引っ掛かっており、今度暇な時にでも、ちゃんとした画家を探そうかと1人で呟いていた。
「おっと、着いたか!」
「パパ!ママ!」
「えっへ!」
「うわあ、おっきいー」
「客として入るのは初めてだなあ」
「ちょっと新鮮」
そんなこんなで、気がつけばサーカスのテント前まで来たユーゴと、彼にくっ付いている子供達は、興奮したように次々とはしゃぎ始めるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる