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一章 変身
12話
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「流石C級ですね!鮮やかな手並みです!」
ホクホクした顔でリコラは蜘蛛に近寄ると、おもむろに解体し始めた。
「ファミリアスパイダーの牙に毒腺、糸袋がこんなに綺麗な状態でとれるなんて!」
ファミリアスパイダーというのはこの蜘蛛の魔物の事だろう。
そのファミリアスパイダーを捌いて必要な素材をテキパキと仕分けると、最後に魔物の核とも言える魔石を取り出した。
魔石を抜かれたファミリアスパイダーは、1分も掛からず溶け崩れて地面に返っていった。
魔石の無くなった魔物は全身に毒素が回り、直ぐに崩れてしまうそうだ。
だから魔石を取り出す前に素材になる部位をよけておくのだ。
「へぇ、手慣れたもんですねぇ」
「素材は鮮度が命ですからね。同行出来る時は頑張りますよ」
リコラの就いている錬金術師は魔物素材も使うらしく、素材の良し悪しを見る眼は厳しく、それに見合った解体技術を持っているようだ。
「さて、行きましょうか」
ウマコに備え付けられた大きな箱にファミリアスパイダーの素材を入れると、リコラは先を急かしてきた。
「はいはい、じゃあ、出発しましょうか」
幸い行く手にはあの嫌な視線は無い。
道を外れた森の奥にはいそうだけど、道の周りは木々はまばらで見通しは悪くない。
さっさと行けばなんとかなるか。
警戒しつつもさっきより足早に歩きだす。
リコラも流石に眠気が飛んでいるようで、しっかりと目を開いて辺りをキョロキョロ見回している。
「いません、よね?」
「そうですね。少し遠くにいそうな気もしますけど、こっちに向かってくる気配はないですね」
リコラは怯えている様子はないが、何処から出てくるか分からない魔物に不安がってはいるようだ。
「リコラさんはあまりこういったクエストは受けないんですか?」
「え、ええ。そうね、いつもはポーションの材料を探しに草原へ行くくらいね。たまに出てくる魔物の相手をすることもあるけど、ホーンラビットなんかのもっと弱い魔物よ」
錬金術師であるリコラは薬草を採集して、それを調合してから納品しているようだ。
こういった見通しのあまり良くない場所に来ることも滅多に無いらしい。
そんな雑談をしていると、森の出口が見え始めた。
ホクホクした顔でリコラは蜘蛛に近寄ると、おもむろに解体し始めた。
「ファミリアスパイダーの牙に毒腺、糸袋がこんなに綺麗な状態でとれるなんて!」
ファミリアスパイダーというのはこの蜘蛛の魔物の事だろう。
そのファミリアスパイダーを捌いて必要な素材をテキパキと仕分けると、最後に魔物の核とも言える魔石を取り出した。
魔石を抜かれたファミリアスパイダーは、1分も掛からず溶け崩れて地面に返っていった。
魔石の無くなった魔物は全身に毒素が回り、直ぐに崩れてしまうそうだ。
だから魔石を取り出す前に素材になる部位をよけておくのだ。
「へぇ、手慣れたもんですねぇ」
「素材は鮮度が命ですからね。同行出来る時は頑張りますよ」
リコラの就いている錬金術師は魔物素材も使うらしく、素材の良し悪しを見る眼は厳しく、それに見合った解体技術を持っているようだ。
「さて、行きましょうか」
ウマコに備え付けられた大きな箱にファミリアスパイダーの素材を入れると、リコラは先を急かしてきた。
「はいはい、じゃあ、出発しましょうか」
幸い行く手にはあの嫌な視線は無い。
道を外れた森の奥にはいそうだけど、道の周りは木々はまばらで見通しは悪くない。
さっさと行けばなんとかなるか。
警戒しつつもさっきより足早に歩きだす。
リコラも流石に眠気が飛んでいるようで、しっかりと目を開いて辺りをキョロキョロ見回している。
「いません、よね?」
「そうですね。少し遠くにいそうな気もしますけど、こっちに向かってくる気配はないですね」
リコラは怯えている様子はないが、何処から出てくるか分からない魔物に不安がってはいるようだ。
「リコラさんはあまりこういったクエストは受けないんですか?」
「え、ええ。そうね、いつもはポーションの材料を探しに草原へ行くくらいね。たまに出てくる魔物の相手をすることもあるけど、ホーンラビットなんかのもっと弱い魔物よ」
錬金術師であるリコラは薬草を採集して、それを調合してから納品しているようだ。
こういった見通しのあまり良くない場所に来ることも滅多に無いらしい。
そんな雑談をしていると、森の出口が見え始めた。
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