召喚勇者は怪人でした

丸八

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一章 変身

17話

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「騎乗用ゴーレム売って下さい」

 リコラからウマコのスペックを聞き終わった時、自然と口からこの台詞が出てきた。

 このダンジョンに来る時に思ったのだが、徒歩での移動がダルすぎる。

 体力的には問題はないのだが、いかんせん時間がかかりすぎるんだ。

 車や公共交通機関が発達した世界から来た俺としては、たかだか20キロの移動を四時間以上もかけたくない。

 乗合い馬車みたいなのがあるそうだけど、何かある度に運休になっていたら行きたい所にもいけやしない。

 身体能力は上がっているはずなので、全力で走れば良いのだろうが、移動だけで体力を使いきるのもダメだろう。

 その点、ウマコは時速20キロで走れるらしい。しかも、移動に特化したゴーレムならその数倍で走る事も可能だそうだ。

 おまけに、機能の拡張やカスタムもできるとか。

 こんなん欲しくなるよね。

「毎度あり」

 リコラもにっこりだ。

「あ、でも今は中級の試験に出す作品造らなきゃいけないから、その後でも大丈夫?」

「う~ん、どれくらいかかりそう?」

「材料はほぼ揃ったから、一週間はかからないと思う。まぁ、納期が十日後だからそれ以上かけられないけどね。その後で製作に取りかかるから、ユースケさんのゴーレムは半月後には何とかなるわ」

「OK。それくらいなら全然問題ないよ。で、お値段はおいくらくらい?」

「う~ん、だいたい150万ゼニダくらいかな」

 うわっ、だいぶ予算オーバーだ。

 監察官にもらったお金の三倍だよ。ちょっと冷や汗出てきちゃった。

「あ、その顔はお金が足りないって顔だね」

「あ、あははは」

「まぁ、今回お世話になったから、ゴーレムコアや魔石なんか現物を用意してくれたら、50万ゼニダにしてあげる」

 そのくらいなら何とかなるかな?

 俺はそっと胸を撫で下ろす。

「おぉ、ありがとう。じゃあ、それでお願いします」

「商談成立ね。また今度、仕様の詳細を詰めましょう」

 その後、もう1ヶ所マッドゴーレムの出現ポイントに行き、そこでも7つのコアをゲットして、俺たちはゴーレムダンジョンを出るのだった。
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