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えっ!!? は??! 何!? 魔力が使えないって……!!
それが本当ならば王国を揺るがすほどの一大事ではないですか!!
余りの事実に手がガタガタ震え、カップからビチャビチャとお茶がこぼれている。
それを見て微かに眉間に皴を寄せたキースは「おい、お茶」とお茶の心配をした。
「あんまり大きな声を出すな。皆に知られるだろう。それと、新しいお茶を入れてきてくれ」
「す、すみませんでした。ですが、ど、どうして魔力が使えないなんてことに」
新しいお茶を入れ直すためにもう一度実験室に向かう。そして入れ直しながら考える。
これが驚かずにいられますか。でも、……確かに、こんなことが外に知れては大変なことになる。この機に魔術師棟を、果てはこの国を狙ってくる輩がわんさかといるかもしれない。
なんてことだ。と思いつつもとりあえず入れ直したお茶を慎重に運び、そして誰にも聞かれないように声を潜めて話をすることにした。
「ふぅ、少し落ち着いた。魔力が使えないのは正確には一時的にだ。二時間ほどで効果は切れるからあまり騒ぐほどではないがな。ただ、ちょっと、その、相手を怒らせてしまってな、そっちのほうが俺にとっては問題だ」
一気にお茶を飲み、少し落ち着いたらしいキースは椅子にもたれかかりながら一時的に魔力が使えないことに対し、なんてことのないような態度で話しをする。
「お、怒らせてって……。でもいくらなんでも相手が怒った位で魔力が使えなくなるなんて、そんな事ってあるんですか!?」
驚き慌てるのも無理もない。だってこの人は『黒の賢者』と呼ばれるほどの魔力の持ち主。
多少怒ったくらいでこの人に勝てるなんてありえない。
それなのに一時的にとはいえ魔力を封じられるなんてよっぽどの強い敵なのか。それともよっぽど油断をしていたのか。どちらにしろすぐに信じられる話ではない。
……僕ならば例えキース師長が寝ているときに攻撃したって完全に返り討ちにあうと思うけど。もちろん、瞬殺ものだ。
「それが不可能では人だ。相手にもよるけどな。うちの家だけに伝わる秘術なら可能だ。誰かが教えたんだろう。ちっ、余計なことを」
「はぁ……。それは、本当に……大変なことですね」
なんだかよくわからないけど、師長に魔術封じを掛けた人物はどうや師長の知り合いらしい。
秘術ってそんなに簡単に会得できるものではないから、その相手というのは師団長と同じくらいにとにかくすごい人なんだろう。
でもなんだか本人は魔術が使えないことに特に焦っているように見えなく、何故だかこの状況を面白がって嬉しそうにも見えるんだけど。
どうしたらいいのかな、そっとしておけばいいのかな。
飲み終えたカップを戻しに行きつつ、そこではたと気が付く。
今、キース師長は一時的とはいえ魔術が一切使えない。
……ということは、補佐である自分がこの魔術師棟を代わりに守らねば!!
きっと、キース師長はそのことを伝えようとして僕を呼んだんですね!
任せてください! ライル・アスケンバー、今すぐ男になります!!
それが本当ならば王国を揺るがすほどの一大事ではないですか!!
余りの事実に手がガタガタ震え、カップからビチャビチャとお茶がこぼれている。
それを見て微かに眉間に皴を寄せたキースは「おい、お茶」とお茶の心配をした。
「あんまり大きな声を出すな。皆に知られるだろう。それと、新しいお茶を入れてきてくれ」
「す、すみませんでした。ですが、ど、どうして魔力が使えないなんてことに」
新しいお茶を入れ直すためにもう一度実験室に向かう。そして入れ直しながら考える。
これが驚かずにいられますか。でも、……確かに、こんなことが外に知れては大変なことになる。この機に魔術師棟を、果てはこの国を狙ってくる輩がわんさかといるかもしれない。
なんてことだ。と思いつつもとりあえず入れ直したお茶を慎重に運び、そして誰にも聞かれないように声を潜めて話をすることにした。
「ふぅ、少し落ち着いた。魔力が使えないのは正確には一時的にだ。二時間ほどで効果は切れるからあまり騒ぐほどではないがな。ただ、ちょっと、その、相手を怒らせてしまってな、そっちのほうが俺にとっては問題だ」
一気にお茶を飲み、少し落ち着いたらしいキースは椅子にもたれかかりながら一時的に魔力が使えないことに対し、なんてことのないような態度で話しをする。
「お、怒らせてって……。でもいくらなんでも相手が怒った位で魔力が使えなくなるなんて、そんな事ってあるんですか!?」
驚き慌てるのも無理もない。だってこの人は『黒の賢者』と呼ばれるほどの魔力の持ち主。
多少怒ったくらいでこの人に勝てるなんてありえない。
それなのに一時的にとはいえ魔力を封じられるなんてよっぽどの強い敵なのか。それともよっぽど油断をしていたのか。どちらにしろすぐに信じられる話ではない。
……僕ならば例えキース師長が寝ているときに攻撃したって完全に返り討ちにあうと思うけど。もちろん、瞬殺ものだ。
「それが不可能では人だ。相手にもよるけどな。うちの家だけに伝わる秘術なら可能だ。誰かが教えたんだろう。ちっ、余計なことを」
「はぁ……。それは、本当に……大変なことですね」
なんだかよくわからないけど、師長に魔術封じを掛けた人物はどうや師長の知り合いらしい。
秘術ってそんなに簡単に会得できるものではないから、その相手というのは師団長と同じくらいにとにかくすごい人なんだろう。
でもなんだか本人は魔術が使えないことに特に焦っているように見えなく、何故だかこの状況を面白がって嬉しそうにも見えるんだけど。
どうしたらいいのかな、そっとしておけばいいのかな。
飲み終えたカップを戻しに行きつつ、そこではたと気が付く。
今、キース師長は一時的とはいえ魔術が一切使えない。
……ということは、補佐である自分がこの魔術師棟を代わりに守らねば!!
きっと、キース師長はそのことを伝えようとして僕を呼んだんですね!
任せてください! ライル・アスケンバー、今すぐ男になります!!
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