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第四章 歴史と、運命(十四歳)
029 見た目は子ども、中身は
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有無を言わさぬ勢いで、私は父と共に、王家のクリスタルと呼ばれる物に触れた。
そしてまさに瞬きをする間に、私は見たことのない場所に立っていた。
「ここは……」
私が立つ場所は、何とも表現し難い空間だった。
壁も床も全て真っ白。天井にはところどころ美しいステンドグラスがはめ込まれており、色とりどりの光が地面を照らし、幻想的な雰囲気を醸し出している。
私は興味本位で地面を照らす光をのぞく。すると、突然私の体はその光に吸い込まれる。
(うわぁぁぁぁ、なにっ!?)
私は大慌ててもがくと、今度はまた違う場所に立っていた。
先程と違い、周囲には木々が静かにそびえ立っている。私の髪は風に揺れ、全身を取り囲む空気は清らか。耳を澄ますと、微かに神秘的な音までもが聞こえる気がする。
そして木の葉から射し込む太陽の光が輝きを増し、周囲を照らし出す。するとそこはまるで、神様が手を触れたかのように全ての物がキラキラと輝く世界だった。
「え、何これ」
私は驚いたまま、周囲を見回す。
「ルシア」
数歩離れたところに現れた父がこちらを振り返り、口を開く。
「これは一体どういう事?」
ここはどこなのか。母やルーカスはどこへ行ったのか。
そんな疑問が次から次へと溢れてくる。
「それは」
父が答えようとしたその時。
「ようこそ、私の世界へ」
突如聞こえてきた声に、私と父は弾かれたように振り返る。そこには銀髪に金色の瞳をした、一人の可愛らしい少年が立っていた。
(私の世界?)
謎の少年が発した言葉の意味。それも気になるが、私は彼が身にまとう服により、全ての思考が奪われる。
少年が身にまとっているのは、この国の男性にとってマストアイテムといっても過言ではない、全体的にどこか古風でクラシカルな雰囲気漂うスリーピーススーツだ。ただし私から見て右側にあたる部分が黒で左が白。キレイなシンメトリーで構成された、幾分奇抜な服である。
それはフェアリーテイル魔法学校における、ホワイト科とブラック科を示す制服が合体したような感じ。善と悪を示しているように、見えなくもない。
(というか、むしろわかりやすいような)
なんとも言えない気持ちになりながら、少年を眺めていると。
「私はミュラー。この国の観察者だ」
幼い見た目とはそぐわない、しっかりとした口調で少年が名乗った。
そして私の前に手をかざすと、またもや私を取り巻く景色が一瞬で変化する。
まるでどこかの城の中にある、謁見室といった感じだ。
前方には、一つの玉座がそびえ立ち、その椅子は豪華な紫色の布で覆われていた。椅子には金の飾りが施されており、椅子の上には繊細な刺繍が施された、真っ赤なクッションが置かれている。
玉座の両側には、二本の大きな燭台が立っていた。燭台は黄金色に輝き、その先には真っ赤な炎が揺らめいている。その炎の光が、玉座をより一層神聖な雰囲気に包み込んでいる。
「私はこの世界における創造神の遣い、と言ったらわかりやすいだろうか」
ミュラーが王座に置かれた豪華な椅子に深く腰掛け、足を組む。
「つまり神様の一種ってことですか?」
私は自分が口にした言葉をバカバカしいと感じつつ、真相を確かめるよう、父を見つめる。
「本当だよ」
父は静かに頷く。
だったら。
「どうしてこんなところに?」
「どうしてとは?」
父に尋ねたはずなのに、ミュラーが不思議そうに小首を傾け聞き返す。
「だってここは何というか」
見た目が次々と変化するこの場所。しかしはっきり言ってしまえば、ここはクリスタルの中だ。
これは個人的な意見ではあるが、神の住まいは人々を見下ろす天界であって、キラキラ光るクリスタルと呼ばれる石の中ではない気がする。
(ましてやここは霊廟だし)
言い方は悪いが、死体と共に住んでるも同然と言える。ちょっと、いや、相当クールではあるが不気味な気もするし、神ではなくむしろ悪魔が好みそうな場所だと感じた。
「ここは神々の声が届く、特別な場所だ」
(霊廟だから?)
死者を天国にでも連れ去る場所だということだろうか。
私は意味がよく理解出来ないまま、ジッとミュラーの愛らしい顔を見つめる。
「私は神にこの国を見守るよう、言いつけられている」
「見守る?でも……」
国を襲った謎の病。それをきっかけとしたクーデターが起こり、人間とグールが対立しているという構図を描くのが、現在のローミュラー王国だ。だとすると、一般的な神という存在が好むであろう、平和とは言い難い状態である気がした。
もし神の遣いを名乗るならば、こんな不穏で憎悪溢れる状態を、平気で放置しておくのは何だか腑に落ちない。
(あ、でも)
ミュラーは今、『守る』ではなく『見守る』と口にした。
つまり今の私と同じ立場なのかも知れない。
そもそもグール対人間という構図は私には関係のないことだ。
何故なら、私がローミュラー王国に対し抱く感情は『復讐』という、一点のみだから。
それは父と母を国外追放した国に住まう、全ての者に向けたもの。
よって、グールだろうと人間だろうと、私が復讐したいと願う気持ちに差はない。
つまりローミュラー王国で人間とグールが争う中、その全てを憎む私は最強の悪だと言える。
「その様子では、何も知らぬようだな」
ミュラーが私を見つめたまま告げる。
「知らない?」
「君に課せられた使命を」
復讐以外、他に何があるのだろうかと、私は父を見つめる。すると父は何故か、私に対しまるで罪を抱えているかのように、辛そうな顔をして見せた。
「ルドウィン、お前は今なお、己に課せられた使命から逃れようとしているのか?」
何処か非難するような口調で、ミュラーが父に尋ねる。すると父は否定するよう、小さく首を横に振った。
「私はただ、娘を守りたいだけだ」
「……ならば良い」
ミュラーはそれだけ言うと、私の方に視線を向けた。
「さて、ルシア。君は私と共に来てもらう。己の使命を理解するために」
「どういう事?」
私の言葉に、ミュラーはふっと口角を上げると、おもむろに立ち上がる。
「私と一緒に来るのだ。そうすれば君の知りたいことを全て明かしてやろう」
「本当?」
「ああ。ただし、条件があるが」
ミュラーはそう口にしながら、私に一歩近づき手を差し出した。
「君がここで見た事は、ルドウィン以外、他の誰にも知らせてはならない」
「それは、誰かに言ったり、書いたりするなってこと?」
「そうだ」
ミュラーが真っ直ぐな瞳で私を見つめる。
「もし破ったらどうなるの?」
「その時は、相応の罰を受けてもらうことになる」
ミュラーがニヤリと笑う。
(この人、絶対何か企んでる)
私は直感的に思った。
しかし、先程ミュラーが口にした、私に課せられた使命。
それが一体何の事なのかは気になる。
(あぁ、もう疲れたんだけど)
今日は色々ありすぎた。
新たに仕入れた情報で頭がパンクしそうでもある。
(でも、ここまで来ちゃったし)
後戻りするという、選択をする余地もなければ、ここで何もせず引き返すという選択も、もはや私には残されていない気がした。
私は少しだけ悩んだ後、ミュラーの小さな手を取った。
「わかったわ。誰にも言わない」
「君の覚悟が出来たとみなそう」
ミュラーが微笑むと、王座の奥に新たな大きな木の扉が現れた。
「では行くぞ」
私はミュラーに手を引かれるまま歩き出す。
最後に未練がましく父の方を振り返る。
「父さん、よくわからないけど、とりあえず行ってくる」
「……あぁ」
父は私を見て、何か言いたそうな表情を浮かべた。
「娘をしばし借りるぞ」
ミュラーが私の手をぐいぐい引っ張る。
仕方がないので私は父から顔をそらし、目の前に迫る扉に視線を向ける。
「覚悟はいいな」
「……はい」
私はそう答えるしかない状況に、渋々頷いた。
そしてミュラーが扉の取手に手を触れた。次の瞬間、私は扉から漏れ出す、新たな光に全身が包み込まれたのであった。
そしてまさに瞬きをする間に、私は見たことのない場所に立っていた。
「ここは……」
私が立つ場所は、何とも表現し難い空間だった。
壁も床も全て真っ白。天井にはところどころ美しいステンドグラスがはめ込まれており、色とりどりの光が地面を照らし、幻想的な雰囲気を醸し出している。
私は興味本位で地面を照らす光をのぞく。すると、突然私の体はその光に吸い込まれる。
(うわぁぁぁぁ、なにっ!?)
私は大慌ててもがくと、今度はまた違う場所に立っていた。
先程と違い、周囲には木々が静かにそびえ立っている。私の髪は風に揺れ、全身を取り囲む空気は清らか。耳を澄ますと、微かに神秘的な音までもが聞こえる気がする。
そして木の葉から射し込む太陽の光が輝きを増し、周囲を照らし出す。するとそこはまるで、神様が手を触れたかのように全ての物がキラキラと輝く世界だった。
「え、何これ」
私は驚いたまま、周囲を見回す。
「ルシア」
数歩離れたところに現れた父がこちらを振り返り、口を開く。
「これは一体どういう事?」
ここはどこなのか。母やルーカスはどこへ行ったのか。
そんな疑問が次から次へと溢れてくる。
「それは」
父が答えようとしたその時。
「ようこそ、私の世界へ」
突如聞こえてきた声に、私と父は弾かれたように振り返る。そこには銀髪に金色の瞳をした、一人の可愛らしい少年が立っていた。
(私の世界?)
謎の少年が発した言葉の意味。それも気になるが、私は彼が身にまとう服により、全ての思考が奪われる。
少年が身にまとっているのは、この国の男性にとってマストアイテムといっても過言ではない、全体的にどこか古風でクラシカルな雰囲気漂うスリーピーススーツだ。ただし私から見て右側にあたる部分が黒で左が白。キレイなシンメトリーで構成された、幾分奇抜な服である。
それはフェアリーテイル魔法学校における、ホワイト科とブラック科を示す制服が合体したような感じ。善と悪を示しているように、見えなくもない。
(というか、むしろわかりやすいような)
なんとも言えない気持ちになりながら、少年を眺めていると。
「私はミュラー。この国の観察者だ」
幼い見た目とはそぐわない、しっかりとした口調で少年が名乗った。
そして私の前に手をかざすと、またもや私を取り巻く景色が一瞬で変化する。
まるでどこかの城の中にある、謁見室といった感じだ。
前方には、一つの玉座がそびえ立ち、その椅子は豪華な紫色の布で覆われていた。椅子には金の飾りが施されており、椅子の上には繊細な刺繍が施された、真っ赤なクッションが置かれている。
玉座の両側には、二本の大きな燭台が立っていた。燭台は黄金色に輝き、その先には真っ赤な炎が揺らめいている。その炎の光が、玉座をより一層神聖な雰囲気に包み込んでいる。
「私はこの世界における創造神の遣い、と言ったらわかりやすいだろうか」
ミュラーが王座に置かれた豪華な椅子に深く腰掛け、足を組む。
「つまり神様の一種ってことですか?」
私は自分が口にした言葉をバカバカしいと感じつつ、真相を確かめるよう、父を見つめる。
「本当だよ」
父は静かに頷く。
だったら。
「どうしてこんなところに?」
「どうしてとは?」
父に尋ねたはずなのに、ミュラーが不思議そうに小首を傾け聞き返す。
「だってここは何というか」
見た目が次々と変化するこの場所。しかしはっきり言ってしまえば、ここはクリスタルの中だ。
これは個人的な意見ではあるが、神の住まいは人々を見下ろす天界であって、キラキラ光るクリスタルと呼ばれる石の中ではない気がする。
(ましてやここは霊廟だし)
言い方は悪いが、死体と共に住んでるも同然と言える。ちょっと、いや、相当クールではあるが不気味な気もするし、神ではなくむしろ悪魔が好みそうな場所だと感じた。
「ここは神々の声が届く、特別な場所だ」
(霊廟だから?)
死者を天国にでも連れ去る場所だということだろうか。
私は意味がよく理解出来ないまま、ジッとミュラーの愛らしい顔を見つめる。
「私は神にこの国を見守るよう、言いつけられている」
「見守る?でも……」
国を襲った謎の病。それをきっかけとしたクーデターが起こり、人間とグールが対立しているという構図を描くのが、現在のローミュラー王国だ。だとすると、一般的な神という存在が好むであろう、平和とは言い難い状態である気がした。
もし神の遣いを名乗るならば、こんな不穏で憎悪溢れる状態を、平気で放置しておくのは何だか腑に落ちない。
(あ、でも)
ミュラーは今、『守る』ではなく『見守る』と口にした。
つまり今の私と同じ立場なのかも知れない。
そもそもグール対人間という構図は私には関係のないことだ。
何故なら、私がローミュラー王国に対し抱く感情は『復讐』という、一点のみだから。
それは父と母を国外追放した国に住まう、全ての者に向けたもの。
よって、グールだろうと人間だろうと、私が復讐したいと願う気持ちに差はない。
つまりローミュラー王国で人間とグールが争う中、その全てを憎む私は最強の悪だと言える。
「その様子では、何も知らぬようだな」
ミュラーが私を見つめたまま告げる。
「知らない?」
「君に課せられた使命を」
復讐以外、他に何があるのだろうかと、私は父を見つめる。すると父は何故か、私に対しまるで罪を抱えているかのように、辛そうな顔をして見せた。
「ルドウィン、お前は今なお、己に課せられた使命から逃れようとしているのか?」
何処か非難するような口調で、ミュラーが父に尋ねる。すると父は否定するよう、小さく首を横に振った。
「私はただ、娘を守りたいだけだ」
「……ならば良い」
ミュラーはそれだけ言うと、私の方に視線を向けた。
「さて、ルシア。君は私と共に来てもらう。己の使命を理解するために」
「どういう事?」
私の言葉に、ミュラーはふっと口角を上げると、おもむろに立ち上がる。
「私と一緒に来るのだ。そうすれば君の知りたいことを全て明かしてやろう」
「本当?」
「ああ。ただし、条件があるが」
ミュラーはそう口にしながら、私に一歩近づき手を差し出した。
「君がここで見た事は、ルドウィン以外、他の誰にも知らせてはならない」
「それは、誰かに言ったり、書いたりするなってこと?」
「そうだ」
ミュラーが真っ直ぐな瞳で私を見つめる。
「もし破ったらどうなるの?」
「その時は、相応の罰を受けてもらうことになる」
ミュラーがニヤリと笑う。
(この人、絶対何か企んでる)
私は直感的に思った。
しかし、先程ミュラーが口にした、私に課せられた使命。
それが一体何の事なのかは気になる。
(あぁ、もう疲れたんだけど)
今日は色々ありすぎた。
新たに仕入れた情報で頭がパンクしそうでもある。
(でも、ここまで来ちゃったし)
後戻りするという、選択をする余地もなければ、ここで何もせず引き返すという選択も、もはや私には残されていない気がした。
私は少しだけ悩んだ後、ミュラーの小さな手を取った。
「わかったわ。誰にも言わない」
「君の覚悟が出来たとみなそう」
ミュラーが微笑むと、王座の奥に新たな大きな木の扉が現れた。
「では行くぞ」
私はミュラーに手を引かれるまま歩き出す。
最後に未練がましく父の方を振り返る。
「父さん、よくわからないけど、とりあえず行ってくる」
「……あぁ」
父は私を見て、何か言いたそうな表情を浮かべた。
「娘をしばし借りるぞ」
ミュラーが私の手をぐいぐい引っ張る。
仕方がないので私は父から顔をそらし、目の前に迫る扉に視線を向ける。
「覚悟はいいな」
「……はい」
私はそう答えるしかない状況に、渋々頷いた。
そしてミュラーが扉の取手に手を触れた。次の瞬間、私は扉から漏れ出す、新たな光に全身が包み込まれたのであった。
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