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第八話
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――お前は……フェンリル!
不味い事になった。
この地には、童話や神話に現れるような怪物は存在しない。
人類史となれば話は別だが。
最早理解の範疇を凌駕する生物だ、どのような攻撃をしてくるか検討もつかない。
狼はラクトの前に立ち、何処に惚れたか理解できない“主人”に、忠誠か軽蔑かも分からぬ眼差しを向ける。
そしてこちらに振り返り狼は遠吠えを上げる、数キロ先まで伝わりそうな勢いだ。
――体が痺れる、立っているので精一杯だ。
その様子をみて先ほどの泣き面は何処へ行ったのか、ラクトは勝ち誇ったような顔を向ける。
「フェンリル召喚、これが……! 俺のスキル!」
スキルという言葉は聞き覚えがないが、恐らくあれが男の聖遺物の力だろう。
であれば、過程もなく偶然貰い受けただけの”スキル“とやらに一体何の意味がある。
角でも生やした兎のような器量と、首をはねられた女と同程度の知性。
たとえ何を与えられても大成することはないだろう。
だが今状況が逆転したのも事実、セルジオは意を決して剣を再び構える。
狼もそれに呼応するように構え、目が青く光り出した。
「ガアアアァァァゥッッ!!」
狼が先手を打って飛びかかる。
とても剣で受け止めきれないと判断し、セルジオは辛うじて後ろに回避する。
地面の装飾を削りながら着地する狼に、セルジオは反撃の一撃を与えた。
剣は肉まで到達したが明らかに入りが浅い。
これは想像以上に難儀な相手になりそうだ。
狼は突進し剣ごと体を吹き飛ばした。
セルジオはなんとか受け身を取る、見上げると狼は目を更に青く光らせ、体の周囲から人魂のような光を纏わせた。
遠吠えと同時に弧を描きながら光が向かってくる。
――駄目だ、かわしきれない。
セルジオは咄嗟に聖遺物による障壁を使い身を守った、熱線から身を守ってくれた力だ。
向かいくる光の数々の衝撃に数歩後退するが何とか受け止め切るも、後続の狼の突進には耐えきれなかった。
「ぐあぁッ!!」
主人や女よりも知能の高い波状攻撃。
橋の欄干に激突すると、狼はそのままセルジオの左半身を咥え、振り回した。
噛みちぎる勢いで地面に衝突させてくる、長剣は通じないなら、内側から狼の体を突き破れるほどの何かがあれば。
するとその意思に応えるように聖遺物は巨大な槍を形成し、狼の上顎を貫いた。
思わず狼は口を離し、セルジオを放り投げる。
先ほどの剣の一撃よりは効いているようだが、それ以上にこちらの損耗が激しかった。
剣を杖にしながら何とか立ち上がる、動かない左腕を見るに、もう聖遺物の力は使えない。
朦朧とした意識の中、怒りの表情が見える狼の体から再び光を纏い放った。
――万事休すか。
衝突する瞬間、何かの力で光が遮られる。
明らかに自分の力ではない。
「大丈夫ですか!」
悪魔の使いと忌み嫌われた黒い肌と青い目、見覚えのある姿だ。
「お前は……サムエルか……?」
「その声と姿……もしかして、セルジオ先生!」
かつての教え子だ、複雑な感情が湧き起こる。
するとサムエルの手が光り、セルジオのものよりも強固な障壁を展開した。
そして何者かがセルジオの体を抱き抱える。
いつしか見た赤毛の髪だ。
「ニコラ! ここは僕が守ります! 一刻も早く先生の治癒を!」
「分かった! 先生、すぐに助けます!」
ニコラがセルジオの手の甲に口付ける。
するとセルジオの体は淡く光り、体の損傷が癒えていくのが分かった。
無論、狼も黙って見ていない。
障壁を食い破るように狼が歯を突き立てる。
火花を散らしながら、一進一退の攻防が続く中、セルジオの体は完全に傷が癒えた。
反撃の時だ。
「サムエル、下がるんだ!」
その言葉を信じたサムエルが障壁を閉じる。
そしてセルジオは先ほどの槍を形成し、口内目掛けて放り投げた。
槍は喉の奥深くまで突き刺さり、悲鳴を上げながら主人の元まで後ずさる。
少しずつ形勢が不利になっていく様を見て、ラクトに焦りが見える。
「どうしたフェンリル! お前の力はそんなもんじゃないだろ!」
大層な名前を与えられても、主人には恵まれなかったか。
血を零し、よろめきながらも立ち上がる狼の姿には哀愁すら覚える。
だがここで立ち止まっている暇はない、一刻も早くとどめを刺さなければ。
狼が吐血しながら口を開けると、周囲の空気が揺れ魔力が収束していく。
奴も賭けに出たようだ。
「ニコラ! 時間は稼ぎます! あの技を!」
ニコラは頷き、詠唱を始める。
徐々に彼女の地面に魔法陣が形成されていく。
「サムエル! 私も行くぞ!」
「お願いします! 先生!」
二人は合わせて障壁を作り障壁を展開する。
そして次の瞬間、凄まじい熱線が橋一杯の幅で放たれた。
赤髪の魔女の熱線とは比べ物にならない威力だ、弾かれた熱線が周囲の木々を消し飛ばしていくのが振り返らずとも分かる程に。
「ぐうぅ……! うううぅぅぅぅ……!!!」
「くっ……!!! ああああぁぁぁ……!!!」
手の平が焼けていくのが分かる、踏ん張っているがそれでも少しずつ後ろに押し出されていく。
「うあああぁっっっ!!」
サムエルが吹き飛ばされた、先ほどの障壁展開の疲れもあったに違いない。
「ニコラ! まだか!!」
セルジオの障壁も残り僅かだ。
ついに障壁が消えようとする瞬間、狼を覆うように数多の魔法陣が展開され、熱線が降り注いだ。
「ウワアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!」
女の首がはねられた時よりも、一層酷い叫び声が聞こえる。
狼は焼き尽くすような熱線を受け、主人諸共消滅した。
「先生、ご無事ですか?」
傷も癒え、セルジオは礼を言う。
そして二人の成長した顔を見て、自身の心境を告げた。
「サムエル……ニコラ……私は……」
「私はもう人ではない……最早そう呼ばれる資格はない……」
覚悟の上とはいえ、人の道に背く行為をしてきたのだ。
このような形で再開するとは思ってもいなかった。
「何言ってるんですか先生」
サムエルが答える。
「もうこの世界には善も悪もありません、迷った時は自分の中の正義に従えと、そうおっしゃっていたじゃないですか」
ニコラが続けるようにして口を開く。
「その教えは今でも私たちの胸の中に生きている、先生がどんな姿になろうと変わらず私達の先生なんです」
「だから、こうしてまた巡り会えたんですよ」
「お前たち……立派になって……」
逞しく成長した姿に思わず涙がこぼれそうになるが、感傷に浸っている時間は無さそうだ。
気持ちを切り替え、セルジオはサムエル達に語りかける
「もう少し色々と話したい事はあるが、時間がない」
「私はこの先にあるサンヴェルクへ向かう、だがそれにはお前達の力が必要だ」
サムエル達は快諾した。
「勿論! 僕はついていきます!」
「私も知らなければいけないことが、沢山ありますから!」
セルジオはどこか嬉しそうに頷き、再び歩み出す。
かつての教え子達と共に。
――報告します、聖体セルジオがサンヴェルクへ到達したようです。
――あの惨状でも心折れずに生きていたとは、感心させられますね
セルジオの名を聞き、獣のような唸り声が聞こえてくる。
――どうです? 久方振りに顔を会わせにいくというのは?
――かつての戦友、ウィスレイさん
不味い事になった。
この地には、童話や神話に現れるような怪物は存在しない。
人類史となれば話は別だが。
最早理解の範疇を凌駕する生物だ、どのような攻撃をしてくるか検討もつかない。
狼はラクトの前に立ち、何処に惚れたか理解できない“主人”に、忠誠か軽蔑かも分からぬ眼差しを向ける。
そしてこちらに振り返り狼は遠吠えを上げる、数キロ先まで伝わりそうな勢いだ。
――体が痺れる、立っているので精一杯だ。
その様子をみて先ほどの泣き面は何処へ行ったのか、ラクトは勝ち誇ったような顔を向ける。
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スキルという言葉は聞き覚えがないが、恐らくあれが男の聖遺物の力だろう。
であれば、過程もなく偶然貰い受けただけの”スキル“とやらに一体何の意味がある。
角でも生やした兎のような器量と、首をはねられた女と同程度の知性。
たとえ何を与えられても大成することはないだろう。
だが今状況が逆転したのも事実、セルジオは意を決して剣を再び構える。
狼もそれに呼応するように構え、目が青く光り出した。
「ガアアアァァァゥッッ!!」
狼が先手を打って飛びかかる。
とても剣で受け止めきれないと判断し、セルジオは辛うじて後ろに回避する。
地面の装飾を削りながら着地する狼に、セルジオは反撃の一撃を与えた。
剣は肉まで到達したが明らかに入りが浅い。
これは想像以上に難儀な相手になりそうだ。
狼は突進し剣ごと体を吹き飛ばした。
セルジオはなんとか受け身を取る、見上げると狼は目を更に青く光らせ、体の周囲から人魂のような光を纏わせた。
遠吠えと同時に弧を描きながら光が向かってくる。
――駄目だ、かわしきれない。
セルジオは咄嗟に聖遺物による障壁を使い身を守った、熱線から身を守ってくれた力だ。
向かいくる光の数々の衝撃に数歩後退するが何とか受け止め切るも、後続の狼の突進には耐えきれなかった。
「ぐあぁッ!!」
主人や女よりも知能の高い波状攻撃。
橋の欄干に激突すると、狼はそのままセルジオの左半身を咥え、振り回した。
噛みちぎる勢いで地面に衝突させてくる、長剣は通じないなら、内側から狼の体を突き破れるほどの何かがあれば。
するとその意思に応えるように聖遺物は巨大な槍を形成し、狼の上顎を貫いた。
思わず狼は口を離し、セルジオを放り投げる。
先ほどの剣の一撃よりは効いているようだが、それ以上にこちらの損耗が激しかった。
剣を杖にしながら何とか立ち上がる、動かない左腕を見るに、もう聖遺物の力は使えない。
朦朧とした意識の中、怒りの表情が見える狼の体から再び光を纏い放った。
――万事休すか。
衝突する瞬間、何かの力で光が遮られる。
明らかに自分の力ではない。
「大丈夫ですか!」
悪魔の使いと忌み嫌われた黒い肌と青い目、見覚えのある姿だ。
「お前は……サムエルか……?」
「その声と姿……もしかして、セルジオ先生!」
かつての教え子だ、複雑な感情が湧き起こる。
するとサムエルの手が光り、セルジオのものよりも強固な障壁を展開した。
そして何者かがセルジオの体を抱き抱える。
いつしか見た赤毛の髪だ。
「ニコラ! ここは僕が守ります! 一刻も早く先生の治癒を!」
「分かった! 先生、すぐに助けます!」
ニコラがセルジオの手の甲に口付ける。
するとセルジオの体は淡く光り、体の損傷が癒えていくのが分かった。
無論、狼も黙って見ていない。
障壁を食い破るように狼が歯を突き立てる。
火花を散らしながら、一進一退の攻防が続く中、セルジオの体は完全に傷が癒えた。
反撃の時だ。
「サムエル、下がるんだ!」
その言葉を信じたサムエルが障壁を閉じる。
そしてセルジオは先ほどの槍を形成し、口内目掛けて放り投げた。
槍は喉の奥深くまで突き刺さり、悲鳴を上げながら主人の元まで後ずさる。
少しずつ形勢が不利になっていく様を見て、ラクトに焦りが見える。
「どうしたフェンリル! お前の力はそんなもんじゃないだろ!」
大層な名前を与えられても、主人には恵まれなかったか。
血を零し、よろめきながらも立ち上がる狼の姿には哀愁すら覚える。
だがここで立ち止まっている暇はない、一刻も早くとどめを刺さなければ。
狼が吐血しながら口を開けると、周囲の空気が揺れ魔力が収束していく。
奴も賭けに出たようだ。
「ニコラ! 時間は稼ぎます! あの技を!」
ニコラは頷き、詠唱を始める。
徐々に彼女の地面に魔法陣が形成されていく。
「サムエル! 私も行くぞ!」
「お願いします! 先生!」
二人は合わせて障壁を作り障壁を展開する。
そして次の瞬間、凄まじい熱線が橋一杯の幅で放たれた。
赤髪の魔女の熱線とは比べ物にならない威力だ、弾かれた熱線が周囲の木々を消し飛ばしていくのが振り返らずとも分かる程に。
「ぐうぅ……! うううぅぅぅぅ……!!!」
「くっ……!!! ああああぁぁぁ……!!!」
手の平が焼けていくのが分かる、踏ん張っているがそれでも少しずつ後ろに押し出されていく。
「うあああぁっっっ!!」
サムエルが吹き飛ばされた、先ほどの障壁展開の疲れもあったに違いない。
「ニコラ! まだか!!」
セルジオの障壁も残り僅かだ。
ついに障壁が消えようとする瞬間、狼を覆うように数多の魔法陣が展開され、熱線が降り注いだ。
「ウワアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!」
女の首がはねられた時よりも、一層酷い叫び声が聞こえる。
狼は焼き尽くすような熱線を受け、主人諸共消滅した。
「先生、ご無事ですか?」
傷も癒え、セルジオは礼を言う。
そして二人の成長した顔を見て、自身の心境を告げた。
「サムエル……ニコラ……私は……」
「私はもう人ではない……最早そう呼ばれる資格はない……」
覚悟の上とはいえ、人の道に背く行為をしてきたのだ。
このような形で再開するとは思ってもいなかった。
「何言ってるんですか先生」
サムエルが答える。
「もうこの世界には善も悪もありません、迷った時は自分の中の正義に従えと、そうおっしゃっていたじゃないですか」
ニコラが続けるようにして口を開く。
「その教えは今でも私たちの胸の中に生きている、先生がどんな姿になろうと変わらず私達の先生なんです」
「だから、こうしてまた巡り会えたんですよ」
「お前たち……立派になって……」
逞しく成長した姿に思わず涙がこぼれそうになるが、感傷に浸っている時間は無さそうだ。
気持ちを切り替え、セルジオはサムエル達に語りかける
「もう少し色々と話したい事はあるが、時間がない」
「私はこの先にあるサンヴェルクへ向かう、だがそれにはお前達の力が必要だ」
サムエル達は快諾した。
「勿論! 僕はついていきます!」
「私も知らなければいけないことが、沢山ありますから!」
セルジオはどこか嬉しそうに頷き、再び歩み出す。
かつての教え子達と共に。
――報告します、聖体セルジオがサンヴェルクへ到達したようです。
――あの惨状でも心折れずに生きていたとは、感心させられますね
セルジオの名を聞き、獣のような唸り声が聞こえてくる。
――どうです? 久方振りに顔を会わせにいくというのは?
――かつての戦友、ウィスレイさん
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