りぷれい

桃青

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0.まずは

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 母が死んでから一年が経った。慌ただしく、物と心の整理をし続けた一年だった。さみしさとか、悲しさがあるというよりも、私の心は常に何かと戦っている感じだった。何と戦っているのかというと、それは母の思い出や、暗い現実、後悔や怒りといった、後ろ向きの考えに対してであり、時として〈人生とは何だろう〉と、哲学的な深さまで思考が落ちていくこともある。
 
思えば私と母の関係は、最悪だった。
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