りぷれい

桃青

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30.川の字

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 ゆっくり時間をかけてご飯を食べて、三人でテレビを見て、夜中になると、布団を川の字に敷いて、眠りについた。父と母は道子が真ん中で眠りなさいと言って、幼かった子供のころのように、両親に挟まれて寝ることにになった。
 隣にいる母の存在を感じると、泣きそうになってしまう。お母さんは私を愛していた?
 私だって愛していたわ。でもお母さんが生きていたときに、私が何よりも望んでいたこと、それは母から自由になること。そのためには何だってやってやると覚悟をし、色々なことを試してきた、今までの三十年の人生だった。
 そんな私を許して、認めてください。
 私は心の中でそう叫んだ。
 隣では母がスースーと、安らかな寝息を立てて、眠り込んでいる。何も心配事なんて存在しないみたいに。
  …*…*…
人生にはタイムリミットがある。だからやりたいことがあるのだったら、やっておいた方がいい。
 生き返った母にもタイムリミットがあり―。母に対して何をすべきか、私には未だに見えていない。
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