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殲滅戦。
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さて、と呟き、私は窓から外を眺めた。
数こそ減ってはいるものの、いまだ化け物達がうぞうぞと蠢いているのが見える。
チャビのおかげで気力体力共に回復したし。
こきこきと首を鳴らす。
「行きますか」
あっと、いかん。
その前にレオ達を回収しないと。
慌ててレオ達の元へ戻る。
ベルは疲れたように座り込んでいたが、意識はあるようだ。
心配そうにマリアが側に付き添っている。
「キング、マリア達を門の外へ〈空間転移〉。終わったら合流して」
「俺もつかさ達と一緒に行きます」
きっ、とレオが顔を引き締める。
「無理しないでいいよ。それに、外にも護衛は必要だしね」
コハクはこちらに戻すから、マリアはドラゴンライダーのスキルが使えない。
「頑張ったな、勇者様」
私が軽く肩をどつくと、レオの身体がふらついた。
え? あれ? そんなに強かったか?
そりゃ私はバカ力だけど……。
レオの目が潤んだと思うと、ぼろぼろと涙をこぼし始めた。
ぐしぐしと両手で涙を拭い、なんとか泣き止もうとしている。
ああ、気が抜けたのか。
レオもまだ子供だものな。
「マリア達のこと、任せたからね」
泣いていることにはあえて触れず、今度は意図的に強めに背中を叩く。
「……痛い。つかさ、力加減考えてくださいよ」
赤くなった目で、レオが私を軽く睨む。
剣を握り、キングへ向き直る。
「キング、お願いします」
キングが瞬きをすると、レオ達の姿が消えた。
よし。
それじゃあ。
私は窓のへりに足をかけた。
りゅうたろうが口をにゃーの形に開け、コハクを呼ぶ。
ぼふんっ、とおこんが巨大なキャットタワーを〈創生魔法〉で作り出して窓の外へ設置する。
「行くよ!!」
私と猫達は、城の窓から飛び降りた。
りゅうたろうを乗せたコハクが、空へと舞い上がる。
くぅとチャビは、それぞれまとった炎と雷を翼のように操り滑空する。
おこんやせり達はキャットタワーをひらりひらひらりと飛び降りた。
私もキャットタワーを足場に、地面へ向かう。
だんっ、と地面を踏みしめ、赤い刃の大鎌を構える。
「こいつ! よくも!」
「民間人の救助が先だ!」
「隊長!」
「俺にかまうな! 急げ!」
「大丈夫、こっちにおいで。……お母さんは、あとで連れて行ってあげるから」
ぼろぼろになりながら、この国の兵士達が必死に奮闘していた。
私はすぅ、と息を吸うと、声を張り上げた。
「化け物達が出てきた所は塞いだ! もう現れない!」
兵士達の目に、かすかな希望の光が浮かぶ。
「ここさえ凌げば、私達の勝ちだ!!」
私が叫ぶと、一瞬の沈黙のあと、わああっと兵士達が声を上げた。
「行くぞ!」
「大丈夫だ、俺に任せろ!」
「隊長、なに弱気になってんスか!?」
「負けるもんか!」
兵士達の動きが変わった。
それを確認し、私は大鎌を振りかざし化け物達の群れへと飛び込んだ。
一体を切り捨てると同時に、もう一体を蹴り倒す。
「チャビは〈回復〉! せり、よつばはサポート!」
ふっ、と空間が揺らぎキングが姿を現した。
「福助は〈風の盾〉で守備に専念して!」
コハクとりゅうたろうは、空の化け物達を蹂躙している。
「あとは各自、お好きなように!」
猫達は私の言葉を聞き、暴れ回る場所を求めて、それぞれ好き勝手に散らばって行った。
ぶんっ、と大鎌を振り回し化け物達を切り倒す。
よし、絶好調。
私は化け物達の群れに向かって、にやりと笑ってみせた。
さあ、来い。
この国の惨劇に幕を下ろそう。
数こそ減ってはいるものの、いまだ化け物達がうぞうぞと蠢いているのが見える。
チャビのおかげで気力体力共に回復したし。
こきこきと首を鳴らす。
「行きますか」
あっと、いかん。
その前にレオ達を回収しないと。
慌ててレオ達の元へ戻る。
ベルは疲れたように座り込んでいたが、意識はあるようだ。
心配そうにマリアが側に付き添っている。
「キング、マリア達を門の外へ〈空間転移〉。終わったら合流して」
「俺もつかさ達と一緒に行きます」
きっ、とレオが顔を引き締める。
「無理しないでいいよ。それに、外にも護衛は必要だしね」
コハクはこちらに戻すから、マリアはドラゴンライダーのスキルが使えない。
「頑張ったな、勇者様」
私が軽く肩をどつくと、レオの身体がふらついた。
え? あれ? そんなに強かったか?
そりゃ私はバカ力だけど……。
レオの目が潤んだと思うと、ぼろぼろと涙をこぼし始めた。
ぐしぐしと両手で涙を拭い、なんとか泣き止もうとしている。
ああ、気が抜けたのか。
レオもまだ子供だものな。
「マリア達のこと、任せたからね」
泣いていることにはあえて触れず、今度は意図的に強めに背中を叩く。
「……痛い。つかさ、力加減考えてくださいよ」
赤くなった目で、レオが私を軽く睨む。
剣を握り、キングへ向き直る。
「キング、お願いします」
キングが瞬きをすると、レオ達の姿が消えた。
よし。
それじゃあ。
私は窓のへりに足をかけた。
りゅうたろうが口をにゃーの形に開け、コハクを呼ぶ。
ぼふんっ、とおこんが巨大なキャットタワーを〈創生魔法〉で作り出して窓の外へ設置する。
「行くよ!!」
私と猫達は、城の窓から飛び降りた。
りゅうたろうを乗せたコハクが、空へと舞い上がる。
くぅとチャビは、それぞれまとった炎と雷を翼のように操り滑空する。
おこんやせり達はキャットタワーをひらりひらひらりと飛び降りた。
私もキャットタワーを足場に、地面へ向かう。
だんっ、と地面を踏みしめ、赤い刃の大鎌を構える。
「こいつ! よくも!」
「民間人の救助が先だ!」
「隊長!」
「俺にかまうな! 急げ!」
「大丈夫、こっちにおいで。……お母さんは、あとで連れて行ってあげるから」
ぼろぼろになりながら、この国の兵士達が必死に奮闘していた。
私はすぅ、と息を吸うと、声を張り上げた。
「化け物達が出てきた所は塞いだ! もう現れない!」
兵士達の目に、かすかな希望の光が浮かぶ。
「ここさえ凌げば、私達の勝ちだ!!」
私が叫ぶと、一瞬の沈黙のあと、わああっと兵士達が声を上げた。
「行くぞ!」
「大丈夫だ、俺に任せろ!」
「隊長、なに弱気になってんスか!?」
「負けるもんか!」
兵士達の動きが変わった。
それを確認し、私は大鎌を振りかざし化け物達の群れへと飛び込んだ。
一体を切り捨てると同時に、もう一体を蹴り倒す。
「チャビは〈回復〉! せり、よつばはサポート!」
ふっ、と空間が揺らぎキングが姿を現した。
「福助は〈風の盾〉で守備に専念して!」
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「あとは各自、お好きなように!」
猫達は私の言葉を聞き、暴れ回る場所を求めて、それぞれ好き勝手に散らばって行った。
ぶんっ、と大鎌を振り回し化け物達を切り倒す。
よし、絶好調。
私は化け物達の群れに向かって、にやりと笑ってみせた。
さあ、来い。
この国の惨劇に幕を下ろそう。
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