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時空乃香菜梅
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【第六章】新しい世界
どれくらい眠っていたのだろう。目を開けると。また空を飛んでいた。
「前と同じだわ。でも着地しないと。どこがいいのかしら…あそこがいいわ。あそこはたしか五号館だわ。いきましょう。」
私は目的の場所にたどり着いた。
「ここはどこ? 校舎が多いわ。学校みたい…大学ね。料理系みたいだわ。この状況だと大学二年生ね。つまり成人式が近いってことだわ。まずは何かあったらいけないから仲間を作らないと。あいつから逃げるために。」
私が歩き続けていたとき。
声がした…。
「おはよう。」
振り返るとショートカットの髪をした少女が立っていた。
私は尋ねた。
「あなた誰?」
「何言ってるの? 私よ。人美だよ。」
「人美?」
私は現代の大学時代を思い出してみた。その瞬間、私が彼女と友たちだったということに、そして一緒にご飯食べたりしていたこと。そして、大好きな事務の職員とお話ししたり、三年の時にゼミの先生に図書館のインターシップに参加させていただいたりしたことを思い出した。
それが、私がたどり着いたこの世界と同じだということに。
「覚えてないの?」
「覚えてるよ。だって初めてできた友だちですもの。ところで香奈梅ってさ。空から降ってきたんでしょ?」
「なんで私が空から降ってきたってわかるの?」
「見たからよ、降ってくるの。それに香奈梅ちゃん、そんなシンプルな服着てないし。」
「さすが私の親友ね。人美の言うとおり、私が空から降ってきたのは確かよ。服装が違うのも。でも自分で飛びたいって思って飛んではいないの。」
「どういうこと? 私には魔法をかけられたようにしか想像がつかないんだけど。」
「確かに。魔法かもしれない。でも本当のことを言うとね。悪の魔法にかけられ現代から過去の世界に飛ばされた。」
「誰に飛ばされたの?」
「願い主」
「ひどいことをするわね。邪悪な願い主はどんなことができるわけ?」
「人を殺したり、時空へ飛ばしたりする。それ以外は知らない。だからこの世界で幼なじみを見つけ、奴らを倒し、この世界から脱出し元の世界に帰るの。」
「待って一人じゃ無理よ。」
「大丈夫。仲間がいるわ。」
「そうだけど。誰がいるの。」
「豊田先生と愛野美由紀先生と赤城先生、原井、三保、佐藤亜由美ちゃんがいるわ。私が掛け合うからついてきて欲しいの。」
「わかった。でも私たち人間よ。」
「例えそうであっても絆があれば勝てるの。そしたら私はこの世界から去り、別世界で救いを求め合い、帰ることができるから。もし足止めされたら? 誰かに私たちと力を合わせて戦っても相手が強かったらの話。その時は彼に助けてもらうわ。」
人美は尋ねた。
「彼って誰? 香奈ちゃんの恋人?」
「違うわ。幼なじみよ。幼少期の頃から一緒だった浩雪君よ。彼はね。未来から降ってきた私を助けてくれたの。」
「そうだったの。その人、今でも助けてくれてるの?」
「そうだよ。彼はね、私が別の空間に連れて行かれたときも、別の空間から救い出す道を作ってくれたの。彼は強いわ。私をこの場所に命がけで戦って、守りながら私を連れてきてくれたの。未来の世界に。」
「そうだったの。ごめんね。変な勘違いして。」
香奈梅は言った。
「気にしなくていいわ。それより仲間を集めましょう。」
「うん。ねえ、どんな奴が襲ってくるの?」
「悪魔ね。そんな悪魔、私が退治する。でも契約は結んでるの。この世界だけの恋人でいようと。それが彼との契約。」
人美は言った。
「なるほど。でも戻っても恋人でいようとは思わないの?」
「そんなことはない。友だちでいようという約束はしたわ。目印はしてるわ。」
人美は尋ねた。
「どんな目印?」
「喉に目印よ。そうしないと戻れない。だから私は彼といないといけないの。」
「じゃあその彼も後から行けるのね。」
「彼は来ないわ。」
「どうして?」
「いざという時にしかこちらに来れない。彼の力は私を守るための力。だからこの世界の時空の道に私を連れてくることしかできなかったの。」
「そうだったの。でもどういうときに現れるの?」
「私に何かあったら。だから今は自分の力で歩くしかないの。だから力を借りたい。」
「納得したわ。じゃあまずはどうしようか。」
「力を持つ少女がいるわ。その子は私がいた世界でも支えになってくれた人なの。性格はまじめで明るく、優しいけどすごく頭がいいのよね。頭脳的な力を持つ人よ。同じ学科よ。急ぎましょう。食堂にいるはずよ。」
「いいわよ。何ていう人?」
「佐藤亜由美ちゃんよ。」
「どんな力を持つの?」
「それは知らない。向こうでは普通の子よ。この世界では知らないけど…でもまじめな子は確かよ。」
「そうなんだ。」
私たちはその子がいる聖徳天にいった。
「いたいた。亜由美ちゃん。久しぶり。」
亜由美は言った。
「久しぶりじゃなくてはじめまして、でしょう?」
香奈梅は言った。
「なによ。昨日会ったのに。」
亜由美は言った。
「別人だから。それに昨日会った香奈梅はそんな格好してないし。」
「すごいね。亜由美ちゃんは」
「…別に」
「あっ、紹介するね。私の友だちの人美。教育学科の。」
人美は挨拶した。
「よろしく。」
亜由美は言った。
「はじめまして、佐藤亜由美です。よろしく。」
人美は頷いた。
香奈梅は亜由美に言った。
「早速の話だけど私、亜由美ちゃんの言うとおり別世界から来た香奈梅だよ。」
亜由美は言った。
「ほらな。」
香奈梅は言った。
「でも自分で来たわけじゃないから。」
亜由美は言った。
「確かに。誰かの攻撃で来たんでしょ。それをする奴は何でも願いどおり変える敵。願い主でしょう?」
香奈梅は驚いて言った。
「ちょっと! なんで詳しいの。まだ何も話してないのに。」
「そうだよ。」
亜由美は言った。
「決まってるだろ。私はあいつと強敵同士なんだぜ。」
香奈梅は尋ねた。
「どういうこと?」
亜由美は言った。
「簡単に言うと、あいつは時空と君を自由自在に邪悪に操ることができる。」
香奈梅は言った。
「亜由美ちゃん。話してくれてありがとう。あなたなら力になってくれるって思ってる。だから力を貸してほしい。」
亜由美は言った。
「なるほど。まずは仲間だな。私は力貸すけど。彼女の力も必要だし。」
香奈梅は言った。
「三保を探さないと。」
人美は言った。
「その人を探しに行くのね?」
香奈梅は言った。
「学生会に所属してるはずよ。この時間だと授業前よ。行きましょう、彼女を探しに。」
人美は言った。
「これで仲間が私と亜由美ちゃん、合計二人になったね。」
亜由美は言った。
「これだけじゃだめだ。まだまだ集めないと。」
人美は言った。
「そうだね。この戦い、終わること可能なの?」
亜由美は言った。
「可能だろ。今度は倒す。だって奴と同じ能力持ってるし。逆に言うと、私は時空を自由に操り、香奈梅を元の世界に戻せるってことだよ。」
人美は言った。
「なるほど。前に戦ったことあるの?」
亜由美は言った。
「あるよ、時空間で。陣取ろうとしてきたけど、私の方が強かったから。奴は撤退し新たな支配の道が作った。だから今度は私が押され、時空は半分になった。まあ時空は私が作り上げたようなものね。」
香奈梅は言った。
「それが原因で私、未来から消えたのね。」
亜由美は言った。
「うん。ごめんよ、巻き込んで。」
香奈梅は言った。
「いいよ。そのおかげで幼なじみと会えたし。」
亜由美は言った。
「まじで! じゃあ、例の救世主に!」
香奈梅は言った。
「まあね。でもまた助けてくれるの、この世界で。で、亜由美ちゃんにお願いがあるんだ。」
彼女は尋ねた。
「なに?」
香奈梅は言った。
「成人式の世界に連れて行ってほしいの。彼に会わないといけないから、帰るために。」
亜由美は言った。
「いいけど。今の私の力じゃ無理だけど、仲間と身内と君をここまで連れてきてくれた彼にも頼まないと。」
香奈梅は尋ねた。
「どうやって?」
亜由美は言った。
「まずは先生に頼んでみるんだ。きっと力になってくれる。他の奴はそれから集めればいい。先生の力は特別だから。」
香奈梅は言った。
「わかった。あと頼むね。」
亜由美は言った。
「おう。俺たち、ここで待ってる。」
香奈梅は言った。
「ちょっと待って。行く前に聞きたいことがあるの。」
人美は言った。
「なに?」
香奈梅が尋ねた。
「蘭ちゃんは、どうして言葉がおかしいの?」
人見は笑いながら、
「ああ、それね。亜由美ちゃん、兄が二人もいるからその影響かもね。でも亜由美ちゃん、女らしいところもあるから大丈夫。」
「そうなんだ。」
香奈梅は言った。
「じゃあ私、行くね。」
人美は頷いた。
私は笑って先生の元に行った。
亜由美は言った。
「私たちも行こう。私たちからも頼めば信じてくれるはず。」
人美は言った。
「そうね。行こう。」
人見と亜由美は香奈梅が向かった事務所に行った。
「こんにちは、豊田先生。」
先生は言った。
「こんにちは。あれ? 香奈梅さん、服装変わった?」
香奈梅は言った。
「うん。でも先生は変わらないね。」
先生は言った。
「ですね。それで、授業の単位は取れていますか?」
香奈梅は言った。
「まだ取れていないのが必修科目に何教科か残っています。」
先生は言った。
「卒業は難しいですね。あと半年ですよ。」
香奈梅は言った。
「知っています。」
「よろしい。それで、今日は何しに来たの?」
香奈梅は言った。
「先生に助けてもらおうと思って来たんです。」
先生は言った。
「そうですか。内容によりけりですが、私が何を助けるの?」
香奈梅は言った。
「私、時空に行きたいんです。」
先生は尋ねた。
「難しいことを言うんですね。ちなみにどうして時空のことを知ってるんですか?」
香奈梅が答えを考えていたその時、亜由美たちが来た。
「着いたぜ、人美。あの先生に声をかけてみてよ。そうすれば道は開ける。」
人美は頷いた。そして先生に声をかけた。
「…先生。」
私が後ろを振り返ると亜由美たちが立っていた。
「亜由美ちゃん。」
亜由美は先生に言った。
「私たちは彼女を助けたいと思っています。」
先生は言った。
「あなたたちは?」
亜由美は言った。
「香奈梅の友だちの亜由美と人美です。香奈梅はこの世界の人ではないです。それは先生もご存じのはずです。」
先生は言った。
「そうですね…。」
亜由美は言った。
「香奈梅は化け物により飛ばされてここに来たのです。幼なじみの助けを借りて。今も香奈梅は家族や友たちの力を借りながらここにいます。香奈梅を助けてください。私たちも香奈梅を 助けるためにここにいるんです。」
香奈梅は言った。
「みんな…。先生、お願いします。時空のことは聞いたことがあるでしょう?」
先生は言った。
「そうですか。わかりました。ではみなさんを信じて助けてあげましょう。」
香奈梅は言った。
「では助けてくれるんですね。ありがとうございます。」
先生は言った。
「けれど先生の力には難点があるんですよ。」
香奈梅は尋ねた。
「難点とはいったい何ですか?」
「先生は別の時空で瀕死状態になっている人を助け、力を与えることしかできないの。仮に、もしけがが癒えて歩けるようになっても、その世界を出ることができない。連れ出すことも。本人の力と最も大切な人の救いがないと不可能なの。ごめんなさい。」
香奈梅は言った。
「それでもいいです。助かります。」
先生は笑って言った。
「ええ。生徒のためなら何でもしますよ。ではまた連絡ください。」
香奈梅は頷いた。
亜由美は言った。
「これで一人確保ね。」
「そうね。じゃあ後は三保ね。たぶんまだ食堂にいるはず。行ってみよう。」
「先生ありがとうございました。また連絡します。」
先生は頷いた。
私たちは食堂を目指した。そして、食堂にたどり着いた。
「こんにちは、香奈梅。ずいぶん変わった服着てるね。褒めてるのよ、これ。」
振り返ると少女が立っていた。
「ちょっと気になってただけ。」
私は少女に言った。
「これ未来の服よ。」
少女は言った。
「だと思ったよ。見かけない服だから。」
亜由美たちは少女に言った。
「私たちさ、香奈梅の付き添いで動いてるんだ。」
少女は尋ねた。
「そうなんだ。それで、みんなしてどうしたの?」
亜由美は言った。
「君には関係ない。行こう。」
少女は言った。
「…わかった。」
香奈梅は頷いた。
私たちは再び事務室の前に行った。
その時、先生が再び声をかけてきた。
「香奈梅さん。」
香奈梅は言った。
「先生。先ほどはありがとうございました。」
先生は言った。
「いいえ。何かできたらと思って言っただけです。」
香奈梅は言った。
「先生。ありがとう。」
先生は言った。
「力不足ですが助っ人に沙織先生も連れて行くよ。赤城先生は扉を開けることもできるから連れて行くよ。三人先生がいれば安心でしょう?」
亜由美は言った。
「ありがとうございます。」
先生は尋ねた。
「いいえ。それで決行はいつですか?」
香奈梅は言った。
「あしたの十二時です。池の前です。扉の入口が開きそうな場所なんですが、明日お伝えします。今、亜由美ちゃんが調べてくれています。」
先生は言った。
「了解です。」
香奈梅は言った。
「それと、あと二人来ます。原井三保ちゃんと美由紀先生が来てくれます。」
人美は言った。
「赤城先生は調理の先生よ。きっと力になってくれるはず。」
香奈梅は言った。
「そうよね。」
先生が言った。
「ただし、卒業単位も取ることですよ。」
香奈梅は言った。
「わかっています。ではまた明日会いましょう、先生。」
「では、また明日。赤城先生にはあなたたちが頼みに行くといいですよ。明日は連れて行きますけど。」
人美は言った。
「わかりました。」
事務室を私たちは去った。
香奈梅は言った。
「ひとまず揃ったかな?」
人美は言った。
「いや。あと一人赤城先生が。紗綾と豊田先生は揃ったけど。三保もなんとかなるわ。」
人美は言った。
「そうね。とりあえず実習室に行こう。」
私は頷いた。
実習室にたどり着いた。
「ほら、席についてください。」
私たちは赤城先生のところへ行った。
「先生、こんにちは。あの、話があるんですが。」
赤城先生は言った。
「授業が終わってからです。」
香奈梅は言った。
「はい。わかりました。」
亜由美が来た。
「何やってるの、香奈梅?」
私は言った。
「授業を受けないと聞いてくれないみたい。」
亜由美は言った。
「わかった。人美、あんたは自分の授業を受けに行っててくれない? 終わったら合流よ。五号館で合流ね。」
人美は言った。
「わかったわ。」
授業が始まった。
亜由美は三保に授業中に尋ねた。
「三保、ちょっと聞いていい?」
「なに?」
「剣だよ。ただし、もし手伝えるなら魔法になるけど…。」
亜由美は言った。
「その魔法戦争だよ。」
三保は言った。
「じゃあやるよ。私の能力はこの剣よ。召喚魔法少女も出せるのよ。」
三保は剣を出してくれた。
「手から剣が出てきた。どうやって手から剣が?」
三保は言った。
「それはね、私は、昼間は勇者で朝は普通の学生なの。でも学生が本来の姿なのよ。」
亜由美は言った。
「へー。いろんな姿するんだ。」
三保は笑って言った。
「これは勇者の剣。人助けの剣だけど、敵を倒すのにはちょうどいいかな。」
香奈梅は言った。
「どう? 役に立つかな?」
三保は言った。
「立つわよ。」
亜由美は言った。
「三保は強い。前回の戦いも助けてくれたから。」
香奈梅は言った。
「そうね。亜由美ちゃんの言うとおりだわ。三保ちゃん、じゃあ明日、あの池の前に来て。明日詳しいことは連絡するから。」
三保は言った。
「了解。ねえ、どうしてそこまでするの?」
香奈梅は言った。
「世界を浩雪君が救ってくれるから。」
三保は言った。
「なるほどね。」
一方、反対側の世界では大学生の浩雪が空に向かって香奈梅に想いを伝えていた。
「君が望み過ぎたら君を返せなくなり、君はこの世界に閉じ込められるはめになる。そんなの僕は嫌だよ。だから俺を信じてくれ。別の空間にいるんだろう。香奈梅、もしいるのならこの場所まで名前を呼んでくれ。香奈梅…俺は君を救いたいんだ。」
一方、私は三保の話を聞きながら窓を見ていた。
誰かが私を呼んでる声が聞こえたからだ。
「浩雪君…。」
三保は私の様子が変だと思い、肩を叩いた。
「香奈梅、香奈梅!」
私は我に返った。
「なに?」
三保は言った。
「どうしたの。ボーっとして。なんか名前呼んでたけど。」
香奈梅は言った。
「なんでもない。誰かの声が聞こえたような気がして…でも、気のせいだったみたい。」
三保は言った。
「そうなんだ。それよりこのあと先生と打ち合わせよね。何があるの?」
亜由美は言った。
「明日のことだよ。」
三保は言った。
「わかった…どうすればいい、私?」
「とりあえず、授業が終わったら一緒に来て。まず授業が終わってからね。」
「わかったわ。」
「私さ、人美のところに行ってくる。明日の打ち合わせ。すぐ戻る。」
香奈梅は言った。
「うん。気をつけてね。」
亜由美はうなずき、人美のところへ行った。
人美はまだ近くにいた。
「人美。」
人美は振り返って言った。
「亜由美ちゃん。どうしたの?」
亜由美は言った。
「明日十二時に池の前で集合だ。それと先生が二人参加する。あと、原井三保も参加する。先生はこれからするところだ。」
人美は言った。
「わかった。明日、予定どおり行くね。」
亜由美は言った。
「ああ。よろしく頼む。」
「うん。あっ、香奈梅。私、子供教育の授業があるから行くね。また明日。」
亜由美は言った。
「うん。また明日。」
亜由美は人美と別れ、授業に参加した。
「今日は何作るのかな?」
亜由美は言った。
「あっ、今日はハンバーグとプリンだよ。あと炒飯かな?」
香奈梅は言った。
「じゃあ私、プリン作るよ。」
亜由美は笑って頷いた。
私は思った。
( ああ、こんな世界でみんなと過ごすのも久しぶりだな。ずーと過ごせたらいいのに。)
…声がした。
( そんなふうにのぼせたらだめだ、香奈梅。)
私はあたりを見渡しながら尋ねた。
「懐かしい声…。誰?」
彼は言った。
「俺だよ。」
「浩雪君…。」
「ああやっと連絡がきた。今、俺は君を助けるために世界を光で包み込んでる。ああ、時間がきた。また後で話す。」
私は手を伸ばし叫んだ。
「ちょっと!」
声は消えた。
三保が来て私に言った。
「香奈梅、今誰と話してたの? 叫んでたけど?」
香奈梅は言った。
「別に…話してないよ。」
三保は言った。
「いやさ。行動が止まっていたときがあったから。もしかして過去の人と話してたかなって。」
香奈梅は頷いた。
三保が尋ねてきた。
「なんて言ってたの、その声の人?」
「話はそれからだ。また後で必ず連絡するって。」
「わかった。それってなにか事件が起こりそうってことかもよ。」
「…うん」
料理とプリンが完成した。
「おいしい。香奈梅が作ったプリンも美味しいぜ。」
香奈梅は言った。
「本当? ありがとう。」
亜由美は言った。
「お菓子作るの好きなんだな。」
香奈梅は笑って言った。
「お母さんが作ってるからかな。」
三保は言った。
「親の影響か。じゃあ将来はお菓子屋にでも勤めるの?」
「違うよ。掃除だよ。」
亜由美は尋ねた。
「なんで掃除? もしかして香奈梅、未来では掃除の仕事についてるの?」
「…うん」
亜由美は言った。
「だからか。いいよ、その答えで。帰る道が開けるなら。なあ、三保もそう思わない?」
三保は言った。
「まあ、さっきも話したからいいか。」
亜由美は言った。
「…まあね。人と話してるのかなって思ってさ。」
香奈梅は言った。
「亜由美ちゃんには隠せないよ。亜由美ちゃんの言うとおり、過去の人と通じてたんだ。」
亜由美は言った。
「もしかして例の契約した幼なじみ?」
香奈梅は頷いた。
三保は言った。
「で、なに話したんだ?」
香奈梅は言った。
「まだ。でも彼は今、光をこの世界に送り続けてるの。私の帰る道ができるように。それが仕事らしいよ。」
三保は言った。
「なるほどね。で、他には?」
香奈梅は言った。
「また後で話すと。授業が終わってから。」
三保は言った。
「了解。私たちも香奈梅を助けるから、聞く権利はあると思うの。聞いてもいいかな?」
香奈梅は笑顔を振り巻きながら言った。
「もちろんよ。」
亜由美は言った。
「サンキュー!」
【授業終了後】
私たちは先生のいるゼミ室に行った。
「先生、お願いがあります。」
先生は言った。
「授業が終わってからでしたね。用件はなんですか?」
香奈梅は言った。
「私を助けてください。」
先生は言った。
「急に言われても困るわ。原因を言ってからにしてもらえない?」
亜由美は言った。
「原因ならあります、香奈梅に。根拠は香奈梅がこの世界の香奈梅でないことです。」
赤城先生は言った。
「それが原因ですか。ではどう助けてほしいの?」
香奈梅は言った。
「道を作る手助けをお願いしたいのです。」
赤城先生は言った。
「わかりました。でしたら、協力します。大した能力ではありませんがよろしいですね?」
亜由美は言った。
「構いません。」
赤城先生は言った。
「ありがとう。ではまた明日。」
私たちはお辞儀をしてゼミ室を後にした。
【帰り道】
「緊張したよ、先生と話するの。」
亜由美は言った。
「まあしょうがない。でも協力してくれるんだし、ありがたいじゃん。」
香奈梅は言った。
「うん。」
三保は言った。
「ねえ、例の幼なじみから連絡きた?」
香奈梅は言った。
「まだだよ。でももう来ると思う。」
再び声がした。
私は耳を澄ませた。
「浩雪君…。」
彼は言った。
「その声は香奈梅か。すまん、敵の影響で連絡がうまく通じなくて時間かかった。」
香奈梅は言った。
「いいよ。だって私のために動いてくれてるんだから、罪ないよ。」
彼は言った。
「ありがとう。ところで現状報告を頼めるか。今どんな様子だ?」
香奈梅は言った。
「仲間を集めたところ。で、明日みんなで別空間の入口の扉を開く予定。」
浩雪は言った。
「そうか、順調だな。今から君の援助に行く。」
香奈梅は言った。
「大丈夫だよ、私は。」
彼は言った。
「大丈夫じゃない。危険なんだ。」
香奈梅は言った。
「どういうこと?」
彼は言った。
「光の糸が出ないからだ。」
香奈梅は驚いた。
「そんな!」
「おそらく奴の仕業だ。」
香奈梅は窓を眺めながら言った。
「願い主…。」
一方、願い主は別空間の支配を考えていた。
【時空間】
「さあ我が妹よ。邪魔者は消えたわ。セイ二ア、一緒に彼女を殺し、迷宮に封印しましょう。」
セイ二アは言った。
「はい、お姉様。さあ参りましょう。おほほ…。」
その戦いは終りが来るのだろうか。未来と過去に…。
香奈梅は仲間と浩雪君とともに兄を救うことができるのであろうか。
姉と連絡を通じ合うことができるのであろうか。
運命の闘いが迫っていた…。
続く
次回 時空間編スタート
【時空間】
「さあ我が妹よ。邪魔者は消えたわ。セイ二ア、一緒に彼女を殺し、迷宮に封印しましょう。」
セイ二アは言った。
「はい、お姉様。さあ参りましょう。おほほ…。」
その戦いは終りが来るのだろうか。未来と過去に…。
香奈梅は仲間と浩雪君とともに兄を救うことができるのであろうか。
姉と連絡を通じ合うことができるのであろうか。
運命の闘いが迫っていた…。
【時空乃香菜梅】時空編
第一話 時空乃扉
願い主により過去に飛ばされた香菜梅。
中学の世界で出会った同級生の浩之達と未来に帰還するため時空で願い主家と戦う香菜梅たち。
一方、兄友也は妹を助けるため、過去の時空に車ごとタイムワープするが願い主に時空間に閉じ込められる。あきらめきれない友也は青龍の力に目覚める。
青龍の力で願い主家に立ち向かうため願い主、巫女と戦う。
一方、香菜梅は大学時代の時空にタイムワープする。
そこでであった仲間たちと時空の扉を見つけるためホテルに向かうことを決行する。果たして香菜梅は友也を助けることができるのか
運命の幕が今開ける。
願い主は別空間の支配を考えていた。
【時空乃空】
未来から過去に飛ばされた香菜梅は、幼馴染の浩之達と力を合わせ、願い主と戦いを繰り広げながらいくつもの時空を超えた。
一方、香菜梅の義理の兄、友也は妹の声が空から聞こえたことに気付き、時空乃空を見つける。時空乃糸を見つけることができた友也は、衣装をまとい、車に乗り、タイムワープするが、そこで謎の巫女と遭遇し、襲撃を受け、過去に閉じこまれるが神の力を解き放ち、巫女に立ち向かう。
一方、香菜梅は別の時空間で友也を救うため願い主と戦闘に挑む。
「みんな来たわね。これからお兄ちゃんを別の空間から救い出し、願い主をうつ。そのためにみんなの力を貸してほしい。お願い」
「了解。時空の扉を開く方法がある。三保。明日、時空乃光の探索をしてくれないかな。お前の光の透視術でできるよね。頼めるか?」
「うん。任せて。亜由美ちゃん。」
「おう。それと香菜梅は扉が開いたら君のピアノで扉をこじ開けてくれ。扉が開いたら俺は時空扉に入る。香菜梅は扉が完全に空いたら香菜梅も扉の中に入れ、おそらくその先は俺と香菜梅で行く。浩之とその先で連絡が取れるかもしれない。
だが道中は何があるかわからない。奴らがいる可能性もあるからな。」
「わかった。じゃあまた明日」
三保とあゆみはうなずいた。
翌朝、いよいよ時空乃扉を開く時が来た。私達は、あるホテルに着いた。
「ここね。」
「ああ。三保、光の術を頼む。」
「わかった。古の光よ。汝のあるべき場所を開き給え、ラートンスノーホワイト!」
バン
三保が放った光はホテルの客室すべてを包み込んだ。
「見えたわ。十六階の12号室よ。そこに扉らしきものの気配がするわ」
「十二号室だな。けど人がいる可能性もある。まず部屋に親友しないといけない。なんかいい方法があれば。」
「ひとつだけあるわ。メイドになればいい。」
「なるほど。けどホテルのチーフに開けてもらわないと入れない。それにいちいち面接してたら扉が消えるぞ。」
「そこは私に任せて。全部なんとかするから私についてきて。」
「うん。」
亜由美と三保は香菜梅と共に社員のエレベーターに乗った。
そして十六階に着いた。
私達は十六階の12号室の前に着いた。
「ここから感じる。強い光の気配。」
三保はつぶやいた。だが部屋は閉まっている。香菜梅が来るのを待とう。
一方、香菜梅はチーフに話をしに行っていた。
「あの私、未来からきた桜綾香菜梅です。私はいずれあなた達のもとに来るかもしれない。いまあの部屋には謎の扉がお客様しています。おそらくモニターではアウトになっているかもしれない。あと部屋も使われていないかもしれない。」
チーフはモニターを確認すると。12号室はアウト状態だった。
お客さんがいる気配もなかった。
「あなたの言う通り確かにお客様はいないわね。でも仮に扉のお客様がいたとしても私達は部屋を点検しないといけない。洗いもあなたはどうするの?」
チーフは香菜梅に尋ねた。
「その時は私が清掃します。たとえきれいな状態の部屋でも。」
チーフは笑って言った。
「わかりました。力をお貸ししましょう。ただしもう一人メイドを入れます。よろしいですね。」
「はい。」
チーフは香菜梅の前にメイドを連れてきた。それは戸井さんっていうメイドだった。
「はじめまして。戸井和水です。」
チーフは言った。
「戸井さんにベットメイクしてもらいます。私はのちに部屋の点検をします。気をつけて。もし会えたら未来で会いましょう。」
チーフは香菜梅に手を差し伸べた。
「はい。また未来で。」
チーフは頷いた。
香菜梅はチーフとメイドを連れ、十六階の12号室の前に来た。
「みんな。遅くなってごめん。」
「いいよ。」じゃあ行こう香菜ちゃん。」
「うん。」
「香菜梅さん。このものはあなたの仲間ですか?」
「はい。」
「いい人ね。」
チーフは微笑んでいった。
チーフはカギをあけた。
扉を開けると誰もいなく、あるのは光の扉だけ。
チーフ、メイドは驚いた。
「人がいない。あの扉がお客様なのね。あなたの言う通りだったわ。あとはお願いね。」
「はい。」
チーフは部屋を去った。
「亜由美ちゃん、三保ちゃん。扉をお願い。」
三保は呪文を唱えた。
「いにしえの光よ。汝に答え光を解き放ちたまえ。閃光光烈風光!」
ピカー
三保が放った光は扉を包み込んだ。その瞬間、黒い扉は光の扉に変化した。次の瞬間、扉が開いた。
「開いた。香菜梅、三保、こい。」
「うん。行こう三保ちゃん。」
三保は頷き、香菜梅の手を取った、
私と三保は亜由美と共に扉の中に入った。
その光景を目撃した、メイドの戸井さんは扉の方を向いて叫んだ。
「香菜ちゃん。どこ行くの?一緒にご飯食べに行こうや。」
その声を聴いた香菜梅は扉の中で彼女に言った。
「ありがとう。戸井さん。でも私この世界の人じゃないから行かないといけない。もしまた未来で私にあったら一緒に行こうね。じゃあ私行くね、未来に。また会おうね。」
戸井さんは笑って微笑んだ。
扉は閉じ、香菜梅たちは過去のホテルの部屋から消えた。
私達は、扉の中にある時空間を歩き続けた。
「糸がたくさんある。この赤い糸は、時空の扉につながっている。さっきの扉は入口だ。この時空間には扉は数々存在する。」
「じゃあ友也お兄ちゃんがいる時空の扉はどれなの?周り見ると扉がたくさんあってわからない。」
香菜梅は亜由美に尋ねた。
「奥の扉だ。だがほかの扉が開き、攻撃を受ける可能性がある。気をつけろよ。」
「うん。」
私達は赤い糸をたどり、空間の奥に進んだ。
その時、次々に時空の扉が開き、願い主のピンク光が扉から解き放たれ、
私達は吹き飛ばされた。
「危ない。時空ソード!」
亜由美は時空剣で抑えた。だが時空剣の力は扉の力に押された。
「くっ三保、香菜梅。俺の手をつかめ!」
「うん。」
三保と香菜梅は亜由美の手をつかんだ。
「よし。行くぞ!時空空間防衛ソード!」
亜由美は時空剣の防衛術を使い、三保と私を願い主の力から救った。
「大丈夫か。三保、香菜梅!」
「うん。ありがとう。」
亜由美は頷いたその時、香菜梅が消えた。
香菜梅は叫んだ。
「きゃー」
「香菜梅。誰がどこにやった。姿を出せ。時の化け物!」
「それは私のことかしら。」
現れたのは願い主家、二女の姫セイニアだ。
「セイニア。香菜梅をどこにやった。」
「お願い。私達の友達を返して。」
亜由美と三保はセイニアに尋ねた。
「残念だけどこの場所に戻って来ることはない。私が別の時空に落としたから。あなたたちにはあの子を助けることはできない。」
「くっ」
追い詰められた二人の前に少女が現れた。
「そんなことない。妹は助かるわ。」
「貴様誰だ。」
セイニアは扇子と剣を向け尋ねた。
「私は桜綾紗綾。香菜梅の姉よ。友君の波長をたどり、妹を助けるため未来から来たのよ。あなたは私達三人にやられここで死になさい。」
願い主は笑って紗代を見つめた。
「あなたたち行くわよ。あきらめるのはまだ早いわ。」
「はい。」
果たして香菜梅は助かるのか。紗代たちはセイニアを倒し、友也を助けることができるのか運命の戦いが始まる。
続く。
【第二話】 時空間の戦い
香菜梅は亜由美達と時空の扉を見つけた。
亜由美達は時空の扉の中を歩き始めた。その時、突如現れた。セイニアにより、香菜梅は別の扉の中に落とされた。一方、亜由美達は香菜梅を助けようとするが願い主に足止めを食らう。
「紗綾といったな。貴様が何をしようと。香菜梅は助からない。」
紗綾は言った。
「いいえセイニア。あなたの思う奇蹟は起きないわ。私がそれを証明してあげる。行くわよ。時空の波動。時の精霊ソード!」
紗綾が放った力はセイニアに襲いかかった。
「そうはいかないわ。時空バスター!」
セイニアは時空の波動術で紗綾の時空の力を貫いた。
「くっ」
紗綾は危機に陥った。
「そうはさせないぞ。食らえ。時空空間リバイスソード!」
バン
亜由美が放った時空剣の力は紗綾の力を吸い込み、セイニアの力を切り裂いた。
「くっ。私の力を砕くとはやるわね。ならこれはどうだ。これで終わりよ。時空乃扉よ。我が力となり。邪悪な時空の力を持つ小娘を焼き払え。時空破壊烈風ダークネス!」
バン
セイニアが解き放った力は扉の時空の力と融合し、紗綾、亜由美を破壊しようとした。
「くっ、三保、今だ。」
「うん。食らえ。時空乃光よ。汝の命にこたえ、いにしえの光を解き放て。時空紅蘭ソード!」
バン
三保が放った力は時空扉と融合したセイニアの力を打ち砕き、セイニアを砕いた。
「あーすごく痛いじゃないの。この私を砕いたのはそなたらが初めてだ。褒めてやろう。だがこれでは私は倒せない。私を倒しても彼女は倒せない。我が一族すべてを倒さないとな。だがそなたらはまだ希望がある。時空家で待ってるわ。また会いましょう。ほほほ。」
セイニアは笑いながら姿を消した。
「終わったの。?」
三保は剣をしまい、亜由美に尋ねた。
「ああ。けど香菜梅の居場所を聞けなかった。」
亜由美は悲しい顔をしながら時空の天所を見上げた。
剣をしまい。
「諦めるのはまだ早いわ。香菜梅の気配を感じる。みんな行くわよ。私について来て。それとさっきは助けてくれてありがとう。このお礼は帰る前に必ず返すわ。私は姉の紗綾。よろしく。」
「ああ。こちらこそ来てくれてありがとう。俺は亜由美。こっちは三保。よろしくな。」
「うん。じゃあ行こうか。」
二人は頷き、香菜梅の姉と共に、香菜梅の気配を感じながら香菜梅を探した。
一方香菜梅は別の扉の中の空を飛んでいた。
「くっ体が重い。このままじゃ私死んじゃう。」
香菜梅は以前落ちた過去の世界の空を真っ逆さまに落ちた。その時、浩雪が学校の窓から空へ舞い降りた。
「香菜梅!」
浩雪は私の手をつかみ、私を抱きかかえ、運動場へ着地した。
「浩雪君。どうして。」
「君がまた飛ばされた気配を感じこの世界にきた。この世界にくると中学の頃の背になるが関係ない。」
「ありがとう。」
「礼はあとだ。急ぐぞ。体育館に扉がある。あそこを開けたらみんながいる。」
「行くぞ香菜ちゃん。俺の手を離すなよ。」
「うん。」
香菜梅は浩雪の手を握った。
私達は体育館の扉にたどり着いた。
私は外の扉を開けると亜由美達が立っていた。
「みんな。」
「香菜ちゃん。」
亜由美達は私を抱きしめた。
紗綾は香菜梅を抱きしめた。
「お姉ちゃん。助けに来てくれてありがとう。」
紗綾は頷いた。
「さあ、お前らここから先は俺が案内する。時間がない。急ぐぞ。」
私達は頷き、浩雪と共に友也がいる時空に向かった。
果たして香菜梅達は友也のいる時空にたどり着けるのか。
運命の物語が始まろうとしていた。
【第三話】時空神の世界
亜由美、三保、紗綾、私、浩雪は最後の扉に出会った。
「ここが最後の扉だ。感じる。友也の気配を。」
亜由美は剣を抜き、私達に言った。
「いいか。この中に友也がいるのは間違いない。だがこの中は神の力でできた空間になる。下手をすれば神様の力に吹き飛ばされる可能背がある。あるいは願い主の使い魔かセイランがいる可能性も高い。みんな気をつけろ。」
「うん。」
「俺からも一つ言うことがある。この扉を開ければ神の空だ。下手をすれば命に係わる。着地は神の空間の運動公園だ。そこにみんな着地する。だが着地する前に敵に遭遇する可能性がある。その場合、バランスを取りながら戦いをしつつ地上に降りるんだ。命を無駄にすれば帰れなくなる。いいな。」
「おう。」
「じゃあ行くわよ。」
三保は扉を開けると。空は青かった。雲もあった。
「三保。この空は何?」
香菜梅は尋ねた。
「時空の神青龍空だよ。空には青龍がいる。眠ってるわ。青龍は願い主の使い魔よ。願い主が現れたら私達を攻撃してくるから。気を付けて。」
私達は頷いた。
「行くぞ。」
亜由美は青龍空に舞い降り、手を広げ、剣を抜き、着地呪文を唱えた。
「いにしえの光よ。我を救い聖なる陸地をあの下に作り上げ、私を守りたまえ。時空蒼天光連花!」
ピカー!
亜由美が放った光は何とか地面に解き放たれ、亜由美は着地に成功した。
「亜由美ちゃん。大丈夫?」
三保は、波長術で尋ねた。
「大丈夫だ。敵の攻撃もなかった。今だ。三保。飛べ。!」
「うん。じゃあ先に行くね。香菜ちゃん。」
「うん。気を付けて。」
三保は頷き、空へと舞い降りた。その時、願い主の使い魔が現れた。
「そうはさせないわ。我が名は時空家騎士ヂュランクリステイーヌ。この前で貴様を葬る。食らえ。蒼天の波動恋歌の舞欄!」
アリスは時空術乃花の力で三保に攻撃してきた。
「くっこんなところで死んでたまるものか。」
三保は剣を抜き、呪文を唱えた。
「花の清よ。いにしえの光をこの我が身を包みこみ、邪悪な闇を打ち砕け!フラワーシュート―!」
三保が放った。花の力は三保を包み込み、ヂュランの力を無効化し、
ヂュランを打ち砕いた。
「あー、この我がやられるなんて。だが我はこれでは死なぬ。貴様を時空家で破壊し、香菜梅を王に献上し、この身を捧げさせてあげるわ。ほほほ。」
ヂュランは砕け、ピンクの結晶になり、消えた。
三保はなんとか着地に成功した。
「三保!大丈夫か。」
「うん。ちょっと願い主家の騎士に襲われたけどなんとか回避したわ。」
「よかった。」
亜由美は三保を抱きしめた。一方。香菜梅と紗綾、浩雪は両手を広げ、時空の空を飛び降りた。
「大丈夫か。香菜梅。」
「うん。お姉ちゃんは?」
「私は大丈夫よ。見て、亜由美達が見えるわ。あそこに着地するわよ。」
二人とも私の手を握って。着地するわよ。」
「わかった。浩雪君。」
「おう。」
俺と香菜梅は紗綾の手を握り、亜由美達のところに着地しようとしていた。
一方、時空家はその動きに気付いていた。
「お父様。その結晶は。」
「ヂュランだ。彼女が三保という女に敗れた。そして、セイニアも敗れ、今治療中だ。いま動けるのはお前だけだ、セイラン。だがこの父は君がやられるのは惜しい。我が娘がいなくなるのは悲しい。」
「お父様。私は何をすればいいですか?」
父は言った。
「セイラン。あの青龍空に眠る神の竜。青龍の封印を解き、奴らを破壊せよ。」
「はい。」
セイランは時空家封印の間に行き、呪文を唱えた。
「古の竜よ。汝に応え、いまこそ眠りから醒め、時空の姫を破壊せよ。目覚めよ!青龍!」
「ギャー」
青龍の封印の魔法が解かれた。その瞬間、青龍空に眠る青龍が目覚め、青い青龍の力を香菜梅達に解き放った。
香菜梅達は空の上を見上げ驚いた。
「青龍が目覚めた。このままじゃまずい。俺達どうすればいいんだ。竜の破壊がこっちに飛んできた。けどこのままじゃ死ぬ。どうすればいいんだ。」
香菜梅達は目を閉じた。その時、奇跡が起きた。
ぼおぼお
「永遠の炎発動!朱雀の剣。ファイアーバスター」
その炎の剣は青龍の力を切り裂いた。
目を開けると友也が立っていた。
「お兄ちゃん。」
「紗綾。俺を迎えに来てくれてありがとう。」
「友君。無事によかった。」
「ああ。香菜梅も無事でよかった。俺もセイニア達に遭遇したが俺の持ってる青龍の力で退治できた。けどこの世界から脱出できずにいた。だがここでお前らと会えたから帰ることができる。みんなで時空家倒して帰るぞ、未来に。」
「うん。」
「お前ら。下で仲間と待ってろ。話はそれからだ。」
「うん。浩雪、香菜梅先に行ってろ。紗綾は俺とここに残り、こいつを倒すぞ。」
「うん。二人とも後から行くから。先で待ってて。」
「おう。香菜梅、行こう。」
「うん。」
香菜梅と浩雪は亜由美達のもとについた。
「さあ。こっからは俺らが相手してやる。青龍!」
「ぎゃー」
続く
どれくらい眠っていたのだろう。目を開けると。また空を飛んでいた。
「前と同じだわ。でも着地しないと。どこがいいのかしら…あそこがいいわ。あそこはたしか五号館だわ。いきましょう。」
私は目的の場所にたどり着いた。
「ここはどこ? 校舎が多いわ。学校みたい…大学ね。料理系みたいだわ。この状況だと大学二年生ね。つまり成人式が近いってことだわ。まずは何かあったらいけないから仲間を作らないと。あいつから逃げるために。」
私が歩き続けていたとき。
声がした…。
「おはよう。」
振り返るとショートカットの髪をした少女が立っていた。
私は尋ねた。
「あなた誰?」
「何言ってるの? 私よ。人美だよ。」
「人美?」
私は現代の大学時代を思い出してみた。その瞬間、私が彼女と友たちだったということに、そして一緒にご飯食べたりしていたこと。そして、大好きな事務の職員とお話ししたり、三年の時にゼミの先生に図書館のインターシップに参加させていただいたりしたことを思い出した。
それが、私がたどり着いたこの世界と同じだということに。
「覚えてないの?」
「覚えてるよ。だって初めてできた友だちですもの。ところで香奈梅ってさ。空から降ってきたんでしょ?」
「なんで私が空から降ってきたってわかるの?」
「見たからよ、降ってくるの。それに香奈梅ちゃん、そんなシンプルな服着てないし。」
「さすが私の親友ね。人美の言うとおり、私が空から降ってきたのは確かよ。服装が違うのも。でも自分で飛びたいって思って飛んではいないの。」
「どういうこと? 私には魔法をかけられたようにしか想像がつかないんだけど。」
「確かに。魔法かもしれない。でも本当のことを言うとね。悪の魔法にかけられ現代から過去の世界に飛ばされた。」
「誰に飛ばされたの?」
「願い主」
「ひどいことをするわね。邪悪な願い主はどんなことができるわけ?」
「人を殺したり、時空へ飛ばしたりする。それ以外は知らない。だからこの世界で幼なじみを見つけ、奴らを倒し、この世界から脱出し元の世界に帰るの。」
「待って一人じゃ無理よ。」
「大丈夫。仲間がいるわ。」
「そうだけど。誰がいるの。」
「豊田先生と愛野美由紀先生と赤城先生、原井、三保、佐藤亜由美ちゃんがいるわ。私が掛け合うからついてきて欲しいの。」
「わかった。でも私たち人間よ。」
「例えそうであっても絆があれば勝てるの。そしたら私はこの世界から去り、別世界で救いを求め合い、帰ることができるから。もし足止めされたら? 誰かに私たちと力を合わせて戦っても相手が強かったらの話。その時は彼に助けてもらうわ。」
人美は尋ねた。
「彼って誰? 香奈ちゃんの恋人?」
「違うわ。幼なじみよ。幼少期の頃から一緒だった浩雪君よ。彼はね。未来から降ってきた私を助けてくれたの。」
「そうだったの。その人、今でも助けてくれてるの?」
「そうだよ。彼はね、私が別の空間に連れて行かれたときも、別の空間から救い出す道を作ってくれたの。彼は強いわ。私をこの場所に命がけで戦って、守りながら私を連れてきてくれたの。未来の世界に。」
「そうだったの。ごめんね。変な勘違いして。」
香奈梅は言った。
「気にしなくていいわ。それより仲間を集めましょう。」
「うん。ねえ、どんな奴が襲ってくるの?」
「悪魔ね。そんな悪魔、私が退治する。でも契約は結んでるの。この世界だけの恋人でいようと。それが彼との契約。」
人美は言った。
「なるほど。でも戻っても恋人でいようとは思わないの?」
「そんなことはない。友だちでいようという約束はしたわ。目印はしてるわ。」
人美は尋ねた。
「どんな目印?」
「喉に目印よ。そうしないと戻れない。だから私は彼といないといけないの。」
「じゃあその彼も後から行けるのね。」
「彼は来ないわ。」
「どうして?」
「いざという時にしかこちらに来れない。彼の力は私を守るための力。だからこの世界の時空の道に私を連れてくることしかできなかったの。」
「そうだったの。でもどういうときに現れるの?」
「私に何かあったら。だから今は自分の力で歩くしかないの。だから力を借りたい。」
「納得したわ。じゃあまずはどうしようか。」
「力を持つ少女がいるわ。その子は私がいた世界でも支えになってくれた人なの。性格はまじめで明るく、優しいけどすごく頭がいいのよね。頭脳的な力を持つ人よ。同じ学科よ。急ぎましょう。食堂にいるはずよ。」
「いいわよ。何ていう人?」
「佐藤亜由美ちゃんよ。」
「どんな力を持つの?」
「それは知らない。向こうでは普通の子よ。この世界では知らないけど…でもまじめな子は確かよ。」
「そうなんだ。」
私たちはその子がいる聖徳天にいった。
「いたいた。亜由美ちゃん。久しぶり。」
亜由美は言った。
「久しぶりじゃなくてはじめまして、でしょう?」
香奈梅は言った。
「なによ。昨日会ったのに。」
亜由美は言った。
「別人だから。それに昨日会った香奈梅はそんな格好してないし。」
「すごいね。亜由美ちゃんは」
「…別に」
「あっ、紹介するね。私の友だちの人美。教育学科の。」
人美は挨拶した。
「よろしく。」
亜由美は言った。
「はじめまして、佐藤亜由美です。よろしく。」
人美は頷いた。
香奈梅は亜由美に言った。
「早速の話だけど私、亜由美ちゃんの言うとおり別世界から来た香奈梅だよ。」
亜由美は言った。
「ほらな。」
香奈梅は言った。
「でも自分で来たわけじゃないから。」
亜由美は言った。
「確かに。誰かの攻撃で来たんでしょ。それをする奴は何でも願いどおり変える敵。願い主でしょう?」
香奈梅は驚いて言った。
「ちょっと! なんで詳しいの。まだ何も話してないのに。」
「そうだよ。」
亜由美は言った。
「決まってるだろ。私はあいつと強敵同士なんだぜ。」
香奈梅は尋ねた。
「どういうこと?」
亜由美は言った。
「簡単に言うと、あいつは時空と君を自由自在に邪悪に操ることができる。」
香奈梅は言った。
「亜由美ちゃん。話してくれてありがとう。あなたなら力になってくれるって思ってる。だから力を貸してほしい。」
亜由美は言った。
「なるほど。まずは仲間だな。私は力貸すけど。彼女の力も必要だし。」
香奈梅は言った。
「三保を探さないと。」
人美は言った。
「その人を探しに行くのね?」
香奈梅は言った。
「学生会に所属してるはずよ。この時間だと授業前よ。行きましょう、彼女を探しに。」
人美は言った。
「これで仲間が私と亜由美ちゃん、合計二人になったね。」
亜由美は言った。
「これだけじゃだめだ。まだまだ集めないと。」
人美は言った。
「そうだね。この戦い、終わること可能なの?」
亜由美は言った。
「可能だろ。今度は倒す。だって奴と同じ能力持ってるし。逆に言うと、私は時空を自由に操り、香奈梅を元の世界に戻せるってことだよ。」
人美は言った。
「なるほど。前に戦ったことあるの?」
亜由美は言った。
「あるよ、時空間で。陣取ろうとしてきたけど、私の方が強かったから。奴は撤退し新たな支配の道が作った。だから今度は私が押され、時空は半分になった。まあ時空は私が作り上げたようなものね。」
香奈梅は言った。
「それが原因で私、未来から消えたのね。」
亜由美は言った。
「うん。ごめんよ、巻き込んで。」
香奈梅は言った。
「いいよ。そのおかげで幼なじみと会えたし。」
亜由美は言った。
「まじで! じゃあ、例の救世主に!」
香奈梅は言った。
「まあね。でもまた助けてくれるの、この世界で。で、亜由美ちゃんにお願いがあるんだ。」
彼女は尋ねた。
「なに?」
香奈梅は言った。
「成人式の世界に連れて行ってほしいの。彼に会わないといけないから、帰るために。」
亜由美は言った。
「いいけど。今の私の力じゃ無理だけど、仲間と身内と君をここまで連れてきてくれた彼にも頼まないと。」
香奈梅は尋ねた。
「どうやって?」
亜由美は言った。
「まずは先生に頼んでみるんだ。きっと力になってくれる。他の奴はそれから集めればいい。先生の力は特別だから。」
香奈梅は言った。
「わかった。あと頼むね。」
亜由美は言った。
「おう。俺たち、ここで待ってる。」
香奈梅は言った。
「ちょっと待って。行く前に聞きたいことがあるの。」
人美は言った。
「なに?」
香奈梅が尋ねた。
「蘭ちゃんは、どうして言葉がおかしいの?」
人見は笑いながら、
「ああ、それね。亜由美ちゃん、兄が二人もいるからその影響かもね。でも亜由美ちゃん、女らしいところもあるから大丈夫。」
「そうなんだ。」
香奈梅は言った。
「じゃあ私、行くね。」
人美は頷いた。
私は笑って先生の元に行った。
亜由美は言った。
「私たちも行こう。私たちからも頼めば信じてくれるはず。」
人美は言った。
「そうね。行こう。」
人見と亜由美は香奈梅が向かった事務所に行った。
「こんにちは、豊田先生。」
先生は言った。
「こんにちは。あれ? 香奈梅さん、服装変わった?」
香奈梅は言った。
「うん。でも先生は変わらないね。」
先生は言った。
「ですね。それで、授業の単位は取れていますか?」
香奈梅は言った。
「まだ取れていないのが必修科目に何教科か残っています。」
先生は言った。
「卒業は難しいですね。あと半年ですよ。」
香奈梅は言った。
「知っています。」
「よろしい。それで、今日は何しに来たの?」
香奈梅は言った。
「先生に助けてもらおうと思って来たんです。」
先生は言った。
「そうですか。内容によりけりですが、私が何を助けるの?」
香奈梅は言った。
「私、時空に行きたいんです。」
先生は尋ねた。
「難しいことを言うんですね。ちなみにどうして時空のことを知ってるんですか?」
香奈梅が答えを考えていたその時、亜由美たちが来た。
「着いたぜ、人美。あの先生に声をかけてみてよ。そうすれば道は開ける。」
人美は頷いた。そして先生に声をかけた。
「…先生。」
私が後ろを振り返ると亜由美たちが立っていた。
「亜由美ちゃん。」
亜由美は先生に言った。
「私たちは彼女を助けたいと思っています。」
先生は言った。
「あなたたちは?」
亜由美は言った。
「香奈梅の友だちの亜由美と人美です。香奈梅はこの世界の人ではないです。それは先生もご存じのはずです。」
先生は言った。
「そうですね…。」
亜由美は言った。
「香奈梅は化け物により飛ばされてここに来たのです。幼なじみの助けを借りて。今も香奈梅は家族や友たちの力を借りながらここにいます。香奈梅を助けてください。私たちも香奈梅を 助けるためにここにいるんです。」
香奈梅は言った。
「みんな…。先生、お願いします。時空のことは聞いたことがあるでしょう?」
先生は言った。
「そうですか。わかりました。ではみなさんを信じて助けてあげましょう。」
香奈梅は言った。
「では助けてくれるんですね。ありがとうございます。」
先生は言った。
「けれど先生の力には難点があるんですよ。」
香奈梅は尋ねた。
「難点とはいったい何ですか?」
「先生は別の時空で瀕死状態になっている人を助け、力を与えることしかできないの。仮に、もしけがが癒えて歩けるようになっても、その世界を出ることができない。連れ出すことも。本人の力と最も大切な人の救いがないと不可能なの。ごめんなさい。」
香奈梅は言った。
「それでもいいです。助かります。」
先生は笑って言った。
「ええ。生徒のためなら何でもしますよ。ではまた連絡ください。」
香奈梅は頷いた。
亜由美は言った。
「これで一人確保ね。」
「そうね。じゃあ後は三保ね。たぶんまだ食堂にいるはず。行ってみよう。」
「先生ありがとうございました。また連絡します。」
先生は頷いた。
私たちは食堂を目指した。そして、食堂にたどり着いた。
「こんにちは、香奈梅。ずいぶん変わった服着てるね。褒めてるのよ、これ。」
振り返ると少女が立っていた。
「ちょっと気になってただけ。」
私は少女に言った。
「これ未来の服よ。」
少女は言った。
「だと思ったよ。見かけない服だから。」
亜由美たちは少女に言った。
「私たちさ、香奈梅の付き添いで動いてるんだ。」
少女は尋ねた。
「そうなんだ。それで、みんなしてどうしたの?」
亜由美は言った。
「君には関係ない。行こう。」
少女は言った。
「…わかった。」
香奈梅は頷いた。
私たちは再び事務室の前に行った。
その時、先生が再び声をかけてきた。
「香奈梅さん。」
香奈梅は言った。
「先生。先ほどはありがとうございました。」
先生は言った。
「いいえ。何かできたらと思って言っただけです。」
香奈梅は言った。
「先生。ありがとう。」
先生は言った。
「力不足ですが助っ人に沙織先生も連れて行くよ。赤城先生は扉を開けることもできるから連れて行くよ。三人先生がいれば安心でしょう?」
亜由美は言った。
「ありがとうございます。」
先生は尋ねた。
「いいえ。それで決行はいつですか?」
香奈梅は言った。
「あしたの十二時です。池の前です。扉の入口が開きそうな場所なんですが、明日お伝えします。今、亜由美ちゃんが調べてくれています。」
先生は言った。
「了解です。」
香奈梅は言った。
「それと、あと二人来ます。原井三保ちゃんと美由紀先生が来てくれます。」
人美は言った。
「赤城先生は調理の先生よ。きっと力になってくれるはず。」
香奈梅は言った。
「そうよね。」
先生が言った。
「ただし、卒業単位も取ることですよ。」
香奈梅は言った。
「わかっています。ではまた明日会いましょう、先生。」
「では、また明日。赤城先生にはあなたたちが頼みに行くといいですよ。明日は連れて行きますけど。」
人美は言った。
「わかりました。」
事務室を私たちは去った。
香奈梅は言った。
「ひとまず揃ったかな?」
人美は言った。
「いや。あと一人赤城先生が。紗綾と豊田先生は揃ったけど。三保もなんとかなるわ。」
人美は言った。
「そうね。とりあえず実習室に行こう。」
私は頷いた。
実習室にたどり着いた。
「ほら、席についてください。」
私たちは赤城先生のところへ行った。
「先生、こんにちは。あの、話があるんですが。」
赤城先生は言った。
「授業が終わってからです。」
香奈梅は言った。
「はい。わかりました。」
亜由美が来た。
「何やってるの、香奈梅?」
私は言った。
「授業を受けないと聞いてくれないみたい。」
亜由美は言った。
「わかった。人美、あんたは自分の授業を受けに行っててくれない? 終わったら合流よ。五号館で合流ね。」
人美は言った。
「わかったわ。」
授業が始まった。
亜由美は三保に授業中に尋ねた。
「三保、ちょっと聞いていい?」
「なに?」
「剣だよ。ただし、もし手伝えるなら魔法になるけど…。」
亜由美は言った。
「その魔法戦争だよ。」
三保は言った。
「じゃあやるよ。私の能力はこの剣よ。召喚魔法少女も出せるのよ。」
三保は剣を出してくれた。
「手から剣が出てきた。どうやって手から剣が?」
三保は言った。
「それはね、私は、昼間は勇者で朝は普通の学生なの。でも学生が本来の姿なのよ。」
亜由美は言った。
「へー。いろんな姿するんだ。」
三保は笑って言った。
「これは勇者の剣。人助けの剣だけど、敵を倒すのにはちょうどいいかな。」
香奈梅は言った。
「どう? 役に立つかな?」
三保は言った。
「立つわよ。」
亜由美は言った。
「三保は強い。前回の戦いも助けてくれたから。」
香奈梅は言った。
「そうね。亜由美ちゃんの言うとおりだわ。三保ちゃん、じゃあ明日、あの池の前に来て。明日詳しいことは連絡するから。」
三保は言った。
「了解。ねえ、どうしてそこまでするの?」
香奈梅は言った。
「世界を浩雪君が救ってくれるから。」
三保は言った。
「なるほどね。」
一方、反対側の世界では大学生の浩雪が空に向かって香奈梅に想いを伝えていた。
「君が望み過ぎたら君を返せなくなり、君はこの世界に閉じ込められるはめになる。そんなの僕は嫌だよ。だから俺を信じてくれ。別の空間にいるんだろう。香奈梅、もしいるのならこの場所まで名前を呼んでくれ。香奈梅…俺は君を救いたいんだ。」
一方、私は三保の話を聞きながら窓を見ていた。
誰かが私を呼んでる声が聞こえたからだ。
「浩雪君…。」
三保は私の様子が変だと思い、肩を叩いた。
「香奈梅、香奈梅!」
私は我に返った。
「なに?」
三保は言った。
「どうしたの。ボーっとして。なんか名前呼んでたけど。」
香奈梅は言った。
「なんでもない。誰かの声が聞こえたような気がして…でも、気のせいだったみたい。」
三保は言った。
「そうなんだ。それよりこのあと先生と打ち合わせよね。何があるの?」
亜由美は言った。
「明日のことだよ。」
三保は言った。
「わかった…どうすればいい、私?」
「とりあえず、授業が終わったら一緒に来て。まず授業が終わってからね。」
「わかったわ。」
「私さ、人美のところに行ってくる。明日の打ち合わせ。すぐ戻る。」
香奈梅は言った。
「うん。気をつけてね。」
亜由美はうなずき、人美のところへ行った。
人美はまだ近くにいた。
「人美。」
人美は振り返って言った。
「亜由美ちゃん。どうしたの?」
亜由美は言った。
「明日十二時に池の前で集合だ。それと先生が二人参加する。あと、原井三保も参加する。先生はこれからするところだ。」
人美は言った。
「わかった。明日、予定どおり行くね。」
亜由美は言った。
「ああ。よろしく頼む。」
「うん。あっ、香奈梅。私、子供教育の授業があるから行くね。また明日。」
亜由美は言った。
「うん。また明日。」
亜由美は人美と別れ、授業に参加した。
「今日は何作るのかな?」
亜由美は言った。
「あっ、今日はハンバーグとプリンだよ。あと炒飯かな?」
香奈梅は言った。
「じゃあ私、プリン作るよ。」
亜由美は笑って頷いた。
私は思った。
( ああ、こんな世界でみんなと過ごすのも久しぶりだな。ずーと過ごせたらいいのに。)
…声がした。
( そんなふうにのぼせたらだめだ、香奈梅。)
私はあたりを見渡しながら尋ねた。
「懐かしい声…。誰?」
彼は言った。
「俺だよ。」
「浩雪君…。」
「ああやっと連絡がきた。今、俺は君を助けるために世界を光で包み込んでる。ああ、時間がきた。また後で話す。」
私は手を伸ばし叫んだ。
「ちょっと!」
声は消えた。
三保が来て私に言った。
「香奈梅、今誰と話してたの? 叫んでたけど?」
香奈梅は言った。
「別に…話してないよ。」
三保は言った。
「いやさ。行動が止まっていたときがあったから。もしかして過去の人と話してたかなって。」
香奈梅は頷いた。
三保が尋ねてきた。
「なんて言ってたの、その声の人?」
「話はそれからだ。また後で必ず連絡するって。」
「わかった。それってなにか事件が起こりそうってことかもよ。」
「…うん」
料理とプリンが完成した。
「おいしい。香奈梅が作ったプリンも美味しいぜ。」
香奈梅は言った。
「本当? ありがとう。」
亜由美は言った。
「お菓子作るの好きなんだな。」
香奈梅は笑って言った。
「お母さんが作ってるからかな。」
三保は言った。
「親の影響か。じゃあ将来はお菓子屋にでも勤めるの?」
「違うよ。掃除だよ。」
亜由美は尋ねた。
「なんで掃除? もしかして香奈梅、未来では掃除の仕事についてるの?」
「…うん」
亜由美は言った。
「だからか。いいよ、その答えで。帰る道が開けるなら。なあ、三保もそう思わない?」
三保は言った。
「まあ、さっきも話したからいいか。」
亜由美は言った。
「…まあね。人と話してるのかなって思ってさ。」
香奈梅は言った。
「亜由美ちゃんには隠せないよ。亜由美ちゃんの言うとおり、過去の人と通じてたんだ。」
亜由美は言った。
「もしかして例の契約した幼なじみ?」
香奈梅は頷いた。
三保は言った。
「で、なに話したんだ?」
香奈梅は言った。
「まだ。でも彼は今、光をこの世界に送り続けてるの。私の帰る道ができるように。それが仕事らしいよ。」
三保は言った。
「なるほどね。で、他には?」
香奈梅は言った。
「また後で話すと。授業が終わってから。」
三保は言った。
「了解。私たちも香奈梅を助けるから、聞く権利はあると思うの。聞いてもいいかな?」
香奈梅は笑顔を振り巻きながら言った。
「もちろんよ。」
亜由美は言った。
「サンキュー!」
【授業終了後】
私たちは先生のいるゼミ室に行った。
「先生、お願いがあります。」
先生は言った。
「授業が終わってからでしたね。用件はなんですか?」
香奈梅は言った。
「私を助けてください。」
先生は言った。
「急に言われても困るわ。原因を言ってからにしてもらえない?」
亜由美は言った。
「原因ならあります、香奈梅に。根拠は香奈梅がこの世界の香奈梅でないことです。」
赤城先生は言った。
「それが原因ですか。ではどう助けてほしいの?」
香奈梅は言った。
「道を作る手助けをお願いしたいのです。」
赤城先生は言った。
「わかりました。でしたら、協力します。大した能力ではありませんがよろしいですね?」
亜由美は言った。
「構いません。」
赤城先生は言った。
「ありがとう。ではまた明日。」
私たちはお辞儀をしてゼミ室を後にした。
【帰り道】
「緊張したよ、先生と話するの。」
亜由美は言った。
「まあしょうがない。でも協力してくれるんだし、ありがたいじゃん。」
香奈梅は言った。
「うん。」
三保は言った。
「ねえ、例の幼なじみから連絡きた?」
香奈梅は言った。
「まだだよ。でももう来ると思う。」
再び声がした。
私は耳を澄ませた。
「浩雪君…。」
彼は言った。
「その声は香奈梅か。すまん、敵の影響で連絡がうまく通じなくて時間かかった。」
香奈梅は言った。
「いいよ。だって私のために動いてくれてるんだから、罪ないよ。」
彼は言った。
「ありがとう。ところで現状報告を頼めるか。今どんな様子だ?」
香奈梅は言った。
「仲間を集めたところ。で、明日みんなで別空間の入口の扉を開く予定。」
浩雪は言った。
「そうか、順調だな。今から君の援助に行く。」
香奈梅は言った。
「大丈夫だよ、私は。」
彼は言った。
「大丈夫じゃない。危険なんだ。」
香奈梅は言った。
「どういうこと?」
彼は言った。
「光の糸が出ないからだ。」
香奈梅は驚いた。
「そんな!」
「おそらく奴の仕業だ。」
香奈梅は窓を眺めながら言った。
「願い主…。」
一方、願い主は別空間の支配を考えていた。
【時空間】
「さあ我が妹よ。邪魔者は消えたわ。セイ二ア、一緒に彼女を殺し、迷宮に封印しましょう。」
セイ二アは言った。
「はい、お姉様。さあ参りましょう。おほほ…。」
その戦いは終りが来るのだろうか。未来と過去に…。
香奈梅は仲間と浩雪君とともに兄を救うことができるのであろうか。
姉と連絡を通じ合うことができるのであろうか。
運命の闘いが迫っていた…。
続く
次回 時空間編スタート
【時空間】
「さあ我が妹よ。邪魔者は消えたわ。セイ二ア、一緒に彼女を殺し、迷宮に封印しましょう。」
セイ二アは言った。
「はい、お姉様。さあ参りましょう。おほほ…。」
その戦いは終りが来るのだろうか。未来と過去に…。
香奈梅は仲間と浩雪君とともに兄を救うことができるのであろうか。
姉と連絡を通じ合うことができるのであろうか。
運命の闘いが迫っていた…。
【時空乃香菜梅】時空編
第一話 時空乃扉
願い主により過去に飛ばされた香菜梅。
中学の世界で出会った同級生の浩之達と未来に帰還するため時空で願い主家と戦う香菜梅たち。
一方、兄友也は妹を助けるため、過去の時空に車ごとタイムワープするが願い主に時空間に閉じ込められる。あきらめきれない友也は青龍の力に目覚める。
青龍の力で願い主家に立ち向かうため願い主、巫女と戦う。
一方、香菜梅は大学時代の時空にタイムワープする。
そこでであった仲間たちと時空の扉を見つけるためホテルに向かうことを決行する。果たして香菜梅は友也を助けることができるのか
運命の幕が今開ける。
願い主は別空間の支配を考えていた。
【時空乃空】
未来から過去に飛ばされた香菜梅は、幼馴染の浩之達と力を合わせ、願い主と戦いを繰り広げながらいくつもの時空を超えた。
一方、香菜梅の義理の兄、友也は妹の声が空から聞こえたことに気付き、時空乃空を見つける。時空乃糸を見つけることができた友也は、衣装をまとい、車に乗り、タイムワープするが、そこで謎の巫女と遭遇し、襲撃を受け、過去に閉じこまれるが神の力を解き放ち、巫女に立ち向かう。
一方、香菜梅は別の時空間で友也を救うため願い主と戦闘に挑む。
「みんな来たわね。これからお兄ちゃんを別の空間から救い出し、願い主をうつ。そのためにみんなの力を貸してほしい。お願い」
「了解。時空の扉を開く方法がある。三保。明日、時空乃光の探索をしてくれないかな。お前の光の透視術でできるよね。頼めるか?」
「うん。任せて。亜由美ちゃん。」
「おう。それと香菜梅は扉が開いたら君のピアノで扉をこじ開けてくれ。扉が開いたら俺は時空扉に入る。香菜梅は扉が完全に空いたら香菜梅も扉の中に入れ、おそらくその先は俺と香菜梅で行く。浩之とその先で連絡が取れるかもしれない。
だが道中は何があるかわからない。奴らがいる可能性もあるからな。」
「わかった。じゃあまた明日」
三保とあゆみはうなずいた。
翌朝、いよいよ時空乃扉を開く時が来た。私達は、あるホテルに着いた。
「ここね。」
「ああ。三保、光の術を頼む。」
「わかった。古の光よ。汝のあるべき場所を開き給え、ラートンスノーホワイト!」
バン
三保が放った光はホテルの客室すべてを包み込んだ。
「見えたわ。十六階の12号室よ。そこに扉らしきものの気配がするわ」
「十二号室だな。けど人がいる可能性もある。まず部屋に親友しないといけない。なんかいい方法があれば。」
「ひとつだけあるわ。メイドになればいい。」
「なるほど。けどホテルのチーフに開けてもらわないと入れない。それにいちいち面接してたら扉が消えるぞ。」
「そこは私に任せて。全部なんとかするから私についてきて。」
「うん。」
亜由美と三保は香菜梅と共に社員のエレベーターに乗った。
そして十六階に着いた。
私達は十六階の12号室の前に着いた。
「ここから感じる。強い光の気配。」
三保はつぶやいた。だが部屋は閉まっている。香菜梅が来るのを待とう。
一方、香菜梅はチーフに話をしに行っていた。
「あの私、未来からきた桜綾香菜梅です。私はいずれあなた達のもとに来るかもしれない。いまあの部屋には謎の扉がお客様しています。おそらくモニターではアウトになっているかもしれない。あと部屋も使われていないかもしれない。」
チーフはモニターを確認すると。12号室はアウト状態だった。
お客さんがいる気配もなかった。
「あなたの言う通り確かにお客様はいないわね。でも仮に扉のお客様がいたとしても私達は部屋を点検しないといけない。洗いもあなたはどうするの?」
チーフは香菜梅に尋ねた。
「その時は私が清掃します。たとえきれいな状態の部屋でも。」
チーフは笑って言った。
「わかりました。力をお貸ししましょう。ただしもう一人メイドを入れます。よろしいですね。」
「はい。」
チーフは香菜梅の前にメイドを連れてきた。それは戸井さんっていうメイドだった。
「はじめまして。戸井和水です。」
チーフは言った。
「戸井さんにベットメイクしてもらいます。私はのちに部屋の点検をします。気をつけて。もし会えたら未来で会いましょう。」
チーフは香菜梅に手を差し伸べた。
「はい。また未来で。」
チーフは頷いた。
香菜梅はチーフとメイドを連れ、十六階の12号室の前に来た。
「みんな。遅くなってごめん。」
「いいよ。」じゃあ行こう香菜ちゃん。」
「うん。」
「香菜梅さん。このものはあなたの仲間ですか?」
「はい。」
「いい人ね。」
チーフは微笑んでいった。
チーフはカギをあけた。
扉を開けると誰もいなく、あるのは光の扉だけ。
チーフ、メイドは驚いた。
「人がいない。あの扉がお客様なのね。あなたの言う通りだったわ。あとはお願いね。」
「はい。」
チーフは部屋を去った。
「亜由美ちゃん、三保ちゃん。扉をお願い。」
三保は呪文を唱えた。
「いにしえの光よ。汝に答え光を解き放ちたまえ。閃光光烈風光!」
ピカー
三保が放った光は扉を包み込んだ。その瞬間、黒い扉は光の扉に変化した。次の瞬間、扉が開いた。
「開いた。香菜梅、三保、こい。」
「うん。行こう三保ちゃん。」
三保は頷き、香菜梅の手を取った、
私と三保は亜由美と共に扉の中に入った。
その光景を目撃した、メイドの戸井さんは扉の方を向いて叫んだ。
「香菜ちゃん。どこ行くの?一緒にご飯食べに行こうや。」
その声を聴いた香菜梅は扉の中で彼女に言った。
「ありがとう。戸井さん。でも私この世界の人じゃないから行かないといけない。もしまた未来で私にあったら一緒に行こうね。じゃあ私行くね、未来に。また会おうね。」
戸井さんは笑って微笑んだ。
扉は閉じ、香菜梅たちは過去のホテルの部屋から消えた。
私達は、扉の中にある時空間を歩き続けた。
「糸がたくさんある。この赤い糸は、時空の扉につながっている。さっきの扉は入口だ。この時空間には扉は数々存在する。」
「じゃあ友也お兄ちゃんがいる時空の扉はどれなの?周り見ると扉がたくさんあってわからない。」
香菜梅は亜由美に尋ねた。
「奥の扉だ。だがほかの扉が開き、攻撃を受ける可能性がある。気をつけろよ。」
「うん。」
私達は赤い糸をたどり、空間の奥に進んだ。
その時、次々に時空の扉が開き、願い主のピンク光が扉から解き放たれ、
私達は吹き飛ばされた。
「危ない。時空ソード!」
亜由美は時空剣で抑えた。だが時空剣の力は扉の力に押された。
「くっ三保、香菜梅。俺の手をつかめ!」
「うん。」
三保と香菜梅は亜由美の手をつかんだ。
「よし。行くぞ!時空空間防衛ソード!」
亜由美は時空剣の防衛術を使い、三保と私を願い主の力から救った。
「大丈夫か。三保、香菜梅!」
「うん。ありがとう。」
亜由美は頷いたその時、香菜梅が消えた。
香菜梅は叫んだ。
「きゃー」
「香菜梅。誰がどこにやった。姿を出せ。時の化け物!」
「それは私のことかしら。」
現れたのは願い主家、二女の姫セイニアだ。
「セイニア。香菜梅をどこにやった。」
「お願い。私達の友達を返して。」
亜由美と三保はセイニアに尋ねた。
「残念だけどこの場所に戻って来ることはない。私が別の時空に落としたから。あなたたちにはあの子を助けることはできない。」
「くっ」
追い詰められた二人の前に少女が現れた。
「そんなことない。妹は助かるわ。」
「貴様誰だ。」
セイニアは扇子と剣を向け尋ねた。
「私は桜綾紗綾。香菜梅の姉よ。友君の波長をたどり、妹を助けるため未来から来たのよ。あなたは私達三人にやられここで死になさい。」
願い主は笑って紗代を見つめた。
「あなたたち行くわよ。あきらめるのはまだ早いわ。」
「はい。」
果たして香菜梅は助かるのか。紗代たちはセイニアを倒し、友也を助けることができるのか運命の戦いが始まる。
続く。
【第二話】 時空間の戦い
香菜梅は亜由美達と時空の扉を見つけた。
亜由美達は時空の扉の中を歩き始めた。その時、突如現れた。セイニアにより、香菜梅は別の扉の中に落とされた。一方、亜由美達は香菜梅を助けようとするが願い主に足止めを食らう。
「紗綾といったな。貴様が何をしようと。香菜梅は助からない。」
紗綾は言った。
「いいえセイニア。あなたの思う奇蹟は起きないわ。私がそれを証明してあげる。行くわよ。時空の波動。時の精霊ソード!」
紗綾が放った力はセイニアに襲いかかった。
「そうはいかないわ。時空バスター!」
セイニアは時空の波動術で紗綾の時空の力を貫いた。
「くっ」
紗綾は危機に陥った。
「そうはさせないぞ。食らえ。時空空間リバイスソード!」
バン
亜由美が放った時空剣の力は紗綾の力を吸い込み、セイニアの力を切り裂いた。
「くっ。私の力を砕くとはやるわね。ならこれはどうだ。これで終わりよ。時空乃扉よ。我が力となり。邪悪な時空の力を持つ小娘を焼き払え。時空破壊烈風ダークネス!」
バン
セイニアが解き放った力は扉の時空の力と融合し、紗綾、亜由美を破壊しようとした。
「くっ、三保、今だ。」
「うん。食らえ。時空乃光よ。汝の命にこたえ、いにしえの光を解き放て。時空紅蘭ソード!」
バン
三保が放った力は時空扉と融合したセイニアの力を打ち砕き、セイニアを砕いた。
「あーすごく痛いじゃないの。この私を砕いたのはそなたらが初めてだ。褒めてやろう。だがこれでは私は倒せない。私を倒しても彼女は倒せない。我が一族すべてを倒さないとな。だがそなたらはまだ希望がある。時空家で待ってるわ。また会いましょう。ほほほ。」
セイニアは笑いながら姿を消した。
「終わったの。?」
三保は剣をしまい、亜由美に尋ねた。
「ああ。けど香菜梅の居場所を聞けなかった。」
亜由美は悲しい顔をしながら時空の天所を見上げた。
剣をしまい。
「諦めるのはまだ早いわ。香菜梅の気配を感じる。みんな行くわよ。私について来て。それとさっきは助けてくれてありがとう。このお礼は帰る前に必ず返すわ。私は姉の紗綾。よろしく。」
「ああ。こちらこそ来てくれてありがとう。俺は亜由美。こっちは三保。よろしくな。」
「うん。じゃあ行こうか。」
二人は頷き、香菜梅の姉と共に、香菜梅の気配を感じながら香菜梅を探した。
一方香菜梅は別の扉の中の空を飛んでいた。
「くっ体が重い。このままじゃ私死んじゃう。」
香菜梅は以前落ちた過去の世界の空を真っ逆さまに落ちた。その時、浩雪が学校の窓から空へ舞い降りた。
「香菜梅!」
浩雪は私の手をつかみ、私を抱きかかえ、運動場へ着地した。
「浩雪君。どうして。」
「君がまた飛ばされた気配を感じこの世界にきた。この世界にくると中学の頃の背になるが関係ない。」
「ありがとう。」
「礼はあとだ。急ぐぞ。体育館に扉がある。あそこを開けたらみんながいる。」
「行くぞ香菜ちゃん。俺の手を離すなよ。」
「うん。」
香菜梅は浩雪の手を握った。
私達は体育館の扉にたどり着いた。
私は外の扉を開けると亜由美達が立っていた。
「みんな。」
「香菜ちゃん。」
亜由美達は私を抱きしめた。
紗綾は香菜梅を抱きしめた。
「お姉ちゃん。助けに来てくれてありがとう。」
紗綾は頷いた。
「さあ、お前らここから先は俺が案内する。時間がない。急ぐぞ。」
私達は頷き、浩雪と共に友也がいる時空に向かった。
果たして香菜梅達は友也のいる時空にたどり着けるのか。
運命の物語が始まろうとしていた。
【第三話】時空神の世界
亜由美、三保、紗綾、私、浩雪は最後の扉に出会った。
「ここが最後の扉だ。感じる。友也の気配を。」
亜由美は剣を抜き、私達に言った。
「いいか。この中に友也がいるのは間違いない。だがこの中は神の力でできた空間になる。下手をすれば神様の力に吹き飛ばされる可能背がある。あるいは願い主の使い魔かセイランがいる可能性も高い。みんな気をつけろ。」
「うん。」
「俺からも一つ言うことがある。この扉を開ければ神の空だ。下手をすれば命に係わる。着地は神の空間の運動公園だ。そこにみんな着地する。だが着地する前に敵に遭遇する可能性がある。その場合、バランスを取りながら戦いをしつつ地上に降りるんだ。命を無駄にすれば帰れなくなる。いいな。」
「おう。」
「じゃあ行くわよ。」
三保は扉を開けると。空は青かった。雲もあった。
「三保。この空は何?」
香菜梅は尋ねた。
「時空の神青龍空だよ。空には青龍がいる。眠ってるわ。青龍は願い主の使い魔よ。願い主が現れたら私達を攻撃してくるから。気を付けて。」
私達は頷いた。
「行くぞ。」
亜由美は青龍空に舞い降り、手を広げ、剣を抜き、着地呪文を唱えた。
「いにしえの光よ。我を救い聖なる陸地をあの下に作り上げ、私を守りたまえ。時空蒼天光連花!」
ピカー!
亜由美が放った光は何とか地面に解き放たれ、亜由美は着地に成功した。
「亜由美ちゃん。大丈夫?」
三保は、波長術で尋ねた。
「大丈夫だ。敵の攻撃もなかった。今だ。三保。飛べ。!」
「うん。じゃあ先に行くね。香菜ちゃん。」
「うん。気を付けて。」
三保は頷き、空へと舞い降りた。その時、願い主の使い魔が現れた。
「そうはさせないわ。我が名は時空家騎士ヂュランクリステイーヌ。この前で貴様を葬る。食らえ。蒼天の波動恋歌の舞欄!」
アリスは時空術乃花の力で三保に攻撃してきた。
「くっこんなところで死んでたまるものか。」
三保は剣を抜き、呪文を唱えた。
「花の清よ。いにしえの光をこの我が身を包みこみ、邪悪な闇を打ち砕け!フラワーシュート―!」
三保が放った。花の力は三保を包み込み、ヂュランの力を無効化し、
ヂュランを打ち砕いた。
「あー、この我がやられるなんて。だが我はこれでは死なぬ。貴様を時空家で破壊し、香菜梅を王に献上し、この身を捧げさせてあげるわ。ほほほ。」
ヂュランは砕け、ピンクの結晶になり、消えた。
三保はなんとか着地に成功した。
「三保!大丈夫か。」
「うん。ちょっと願い主家の騎士に襲われたけどなんとか回避したわ。」
「よかった。」
亜由美は三保を抱きしめた。一方。香菜梅と紗綾、浩雪は両手を広げ、時空の空を飛び降りた。
「大丈夫か。香菜梅。」
「うん。お姉ちゃんは?」
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「わかった。浩雪君。」
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「お父様。その結晶は。」
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「お父様。私は何をすればいいですか?」
父は言った。
「セイラン。あの青龍空に眠る神の竜。青龍の封印を解き、奴らを破壊せよ。」
「はい。」
セイランは時空家封印の間に行き、呪文を唱えた。
「古の竜よ。汝に応え、いまこそ眠りから醒め、時空の姫を破壊せよ。目覚めよ!青龍!」
「ギャー」
青龍の封印の魔法が解かれた。その瞬間、青龍空に眠る青龍が目覚め、青い青龍の力を香菜梅達に解き放った。
香菜梅達は空の上を見上げ驚いた。
「青龍が目覚めた。このままじゃまずい。俺達どうすればいいんだ。竜の破壊がこっちに飛んできた。けどこのままじゃ死ぬ。どうすればいいんだ。」
香菜梅達は目を閉じた。その時、奇跡が起きた。
ぼおぼお
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その炎の剣は青龍の力を切り裂いた。
目を開けると友也が立っていた。
「お兄ちゃん。」
「紗綾。俺を迎えに来てくれてありがとう。」
「友君。無事によかった。」
「ああ。香菜梅も無事でよかった。俺もセイニア達に遭遇したが俺の持ってる青龍の力で退治できた。けどこの世界から脱出できずにいた。だがここでお前らと会えたから帰ることができる。みんなで時空家倒して帰るぞ、未来に。」
「うん。」
「お前ら。下で仲間と待ってろ。話はそれからだ。」
「うん。浩雪、香菜梅先に行ってろ。紗綾は俺とここに残り、こいつを倒すぞ。」
「うん。二人とも後から行くから。先で待ってて。」
「おう。香菜梅、行こう。」
「うん。」
香菜梅と浩雪は亜由美達のもとについた。
「さあ。こっからは俺らが相手してやる。青龍!」
「ぎゃー」
続く
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