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chapter1 黒き萌芽と執行者
第14話 恐るべし若鷹
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ワタシは、特異班「SEED」の最高責任者として選ばれる半年前の事、彼の―――
壱原琉輝の詳細情報を集めていた。
その中でも、私に入ったある情報―――彼にまつわる情報が、公安警備局の人間から直々に呼び出された。
「……Sランク指定人物ですか?」
「ああ。個人データから参照して、奴はADv200超えの超級危険人物。つまるところ、奴一人であらゆる国家軍力に匹敵する異能偏差値を叩き出す。これは、人類の脅威といっても差し支えない成長異分子を孕む存在なのだ。」
ADv。Anomalous Deviation valueの略称。
異能《エネミー》因子によって引き起こされた能力の強大さ、それらの能力を利用した犯罪行為の件数を比例し、それらを合計した、異能犯罪者の『危険因子』判別システムでもある。
基本的なモンスターには、このADvは75付近の物。…これでもAランクとまだ優しい方。
一般的にサイコパスや、凶悪犯とされるモンスターのADvの数値はせいぜいが100程度。1000人に一人はこのADv100を持つ特Aランクが一般的に認知されてる最悪のADv保有者とされている。
―――だが、公安内部でしか公開されない特Aランク以上の危険性を持つ存在。
それが、世界の脅威と認知される『Sランク』。
その判断基準は、ADvの数値が、200を超えて初めて認定されるという異様なもの。
ADv100とされる特Aランクでも、最大検知量は199とされていた。
統計学上、その数値を観測されたのは、歴史上最悪の連続殺人事件を引き起こした、『ジャック・ザ・リッパー/ジル・ザ・リッパー』のみとされている。
性別や雰囲気、能力すら書き換えることの出来る最悪の異能愉快犯であり、歴史上の事件などは、異能力を使用した邪悪なモンスターの所業であり、この切り裂きジャック/ジルはその代表例とも言えるだろう。
我々公安―――いや、特異班は昔から存在する。
このような邪悪なモンスター達を人知れず検挙、抹消することで、平穏を守り続けた。
時には、違法行為スレスレの操作も行うことがある。
―――私は葛飾警察署長『大葉啓二』として、さらには芸能界の事情を知るため、20年前からメイクアップアーティスト『ミルフィーユ景虎』としても活躍しつつ、公安警備局所属の特異班の一員『鷲尾景虎』として、人知れず暗躍している。
言わば二足の草鞋ならぬ、三足の草鞋を履いた男でもあり、私の正体を知る者は、昔馴染みの厳一朗、穢虚盧、千尋さん。
そして、私の上司である公安警備局特異班の特異班長、影政勇成《かげまさゆうせい》しかいない。
そのため、署内を空けることが多いが、覚吏君の双子の姉―――雛沢赫李《ひなざわあかり》君に代理を任せることが多い。
…といっても、彼女にも偽名で活躍してもらい、名前も白柳寧々《はくりゅうねね》とし、警視総監『雛沢穢虚盧』の補助の下に行動している。
…ちなみに今回の件とは関係ないが、赫李君もSランクの人間であるため、穢虚盧が正体を隠蔽し、私が教育係を努めていた。
穢虚盧曰く、「覚吏と赫李を引き合わせるわけにはいかない」「覚吏には生き別れの姉がいる事とし、因子の暴走を防ぐ」とのこと。
それほどまで、赫李君の異能因子は強力であることを示唆しているのが分かる。
これらのようにSランクの人物は、存在するだけで影響を与える程の強さを持つことが分かる。
しかし、彼の能力である液状人間は、せいぜい自身を液体化することだけで、それ以外に何か能力を秘めているわけではない。
「どうして彼がSランク認定されたんですか?」
私は、私の持つ素朴な疑問を上司にぶつけた。
そして、次の通りの答えが返ってきた。
「奴の成長性と汎用性の高さ。そして、内部告発されたデータでは、―――多数の殺人を犯している。」
「!?」
厳一朗の息子が多数の殺人をしている。
それは私に衝撃を与えるには十分過ぎる情報だった。
「当時の彼が在校していた生徒が、殺害リストの半数以上を占めている。」
「き、きっと彼も、何かの理由があったのでしょう。彼が虐めを受けていて、その正当防衛として殺してしまったのかと・・・」
「―――確かに、中学校時代には正当防衛としての殺害が多かった。だが、高校時代となると、彼は『彼とは関係がない、他人に対して虐めを行っていた生徒』の殺害が大半を占めるようになった。」
「!?」
自身とは関係ない他人に対して虐めを行っていた生徒の殺害!?
一体どうなれば彼がそんな凶行に出るのか。
当時の私には理解すら出来なかった。
「・・・これが揺るがぬ証拠だ。」
そういって、班長は私に、ある映像を見せてきた。
「・・・これは。」
「5年前に起きた、西条会大量猟奇殺人事件。これは、その事件発生当時の映像だ。」
西条会大量猟奇殺人事件。
多くの政治家に支援を行っていた指定異能暴力団、西条会の飲み会とされる食堂で、突如として停電した室内に、点灯後には西条会の関係者の見るも無惨な変死体が大量発生した衝撃的事件。
ある死体からは大量に穴が空き、ある死体は水死体と同じ症状であり、またある死体は、四肢を無惨に引き千切られたりと、それぞれが死因を同じくしないという、奇怪かつ残酷な惨状であった。
警察内部からは、『史上最悪かつ残忍な事件』『突如として現れた邪悪な死神による犯行』とまで言われており、今もなお犯人の情報や目撃証言すらなく、ネット上においては『現代のジャック・ザ・リッパーによる犯行』とすら噂される史上最悪の殺人事件である。
「しかし、それと彼が、どういう関係を持っているというのですか!?」
問題は、その現場が貸し切りであったこと。
そしてその時期には、彼は実家に籠もりきりであったこと。
どうあがいても、彼がそのような凶行に及ぶとは考えられないのだ。
「・・・厳一朗氏との厳重談義によると、『その頃には自身の能力を完全に把握していて、その性質を利用して犯行に及んだ』・・・と私は推測している。」
「能力の性質・・・?」
「液体化した肉体は、例え一部分が喪失しても、液体状のものであれば復元するという特性を確認した。」
「それってつまり…」
「―――奴は物理的攻撃では死なない。液体状の物質がある以上、その性質を取り込み、さらに強くなる。―――例え、他人の血液であってもな。」
物理的攻撃で死ぬことはない。それは実質的な不死身となんら変わりはしない。
そして何より、液体状の物質を取り込み、その性質を得るという、どのような異能力ですら可愛く見えるレベル。
言ってしまえば、反則。チート。不条理にも程がある異能力である。
・・・成程。Sランクか。
確かに理には適った判断ではある。
「・・・それで、わざわざ私にこの情報を伝えるメリットはあるのですか?」
しかし、それとこれは話は別。
問題は、何故あるはずのアリバイにもかかわらず、彼が犯行に及べたのかを問いている。
それこそ―――
「―――それこそ、二人にならなければ不可能だ。・・・と、お前は考えているのだろうな。」
「・・・お見通しでしたか。」
「伊達に12年間、お前の面倒を見ていないからな。・・・突然だが、『ジキルとハイド』という作品を知っているか?」
「はい。医者であるジキル博士は、『人間の善悪の心を切り離す薬』を作り、それを服用したジキル博士は、自身の邪心の具現であるハイドが発現し、己が暴力によって女は陵辱され、ジキル博士の勤める病院の最高理事会のメンバーは、悉くハイドによって虐殺され、最後はジキル博士が毒薬を服用しハイドもろとも、その生涯を終えた。というものですね。」
「最後まで説明ありがとう、鷲尾。」
こうして語りすぎるのは、私の悪い癖だな。
「つまり、壱原琉輝はそのジキルとハイドと同じように、自身の善悪を分断した・・・ということですか!?」
結論を出すと、このようになる。
しかし、班長はこう言った。
「・・・少しだけ差異があるのならば、彼の悪性の強さにある。」
「悪性の差異・・・?」
「直に君も分かるだろう。あの男は正義に燃える恐るべし若鷹であると同時に、何者であろうとも犯し、殺し、意のままにする悪魔の冬虫夏草だということに。」
当時の私は何も分からなかった。
何故凶行に至ったか。何故鷹と冬虫夏草に例えられるか。
その時は分かるはずがなかった。
―――そして、現在。
彼はとある病院で今もなお昏睡状態。
ティアさんのライヴコントロールで延命出来なかったら、彼は間違いなく死んでいたという。
―――ティアさんもまた、Sランクの存在である可能性が高くなってきた。・・・いや、間違いなくSランク指定人物だろう。
あれから一週間も経ち、今はもう12月。
厳重な警戒態勢を取り、いつ目覚めてもおかしくないように対応している。
初任務から暫くの後、世界中のギャングやテロリスト、多くの異能犯罪者の殺害事件は減少していった。
・・・想起したくはないのだが、それと同時に日本に留まらず、世界中の女性が、記憶喪失の後、幼児退行ともとれる異変が多数証言されるという異常現象を引き起こされている。
嗚呼…考えるだけでもおぞましい!
一刻も早く、彼には安全に目覚めてもらわないと困る!
彼がジキルだとすれば、ハイドは今彼の心の中にいるはずだ。
小説通り、彼は薬物の服薬によって死に掛けたが、妹の帝亜がエマの奇跡で一命を取り留めた。
ロバート・ルイス・スティーヴンソンですら、この展開はなかったのでないだろうか。
早く目覚めてくれ・・・恐るべし若鷹よ・・・!
―――ピッ。
「脈拍の回復を確認!意識が回復してます!」
―――嗚呼、ついに来たか!待ちかねたぞ琉輝よ!
「……」
医療用カプセルから目覚めた彼は、髪が伸びきっており、右目の色も青くなり火傷の痕のようなものも遺っていた。
「オレは返ってきたぞ…深淵《オレ》という名の地獄からな…!」
その言葉に、殺意というのが宿っているのが分かった。
若鷹と冬虫夏草。
二つが合わさった時、運命はさらなる回転を続ける。
壱原琉輝の詳細情報を集めていた。
その中でも、私に入ったある情報―――彼にまつわる情報が、公安警備局の人間から直々に呼び出された。
「……Sランク指定人物ですか?」
「ああ。個人データから参照して、奴はADv200超えの超級危険人物。つまるところ、奴一人であらゆる国家軍力に匹敵する異能偏差値を叩き出す。これは、人類の脅威といっても差し支えない成長異分子を孕む存在なのだ。」
ADv。Anomalous Deviation valueの略称。
異能《エネミー》因子によって引き起こされた能力の強大さ、それらの能力を利用した犯罪行為の件数を比例し、それらを合計した、異能犯罪者の『危険因子』判別システムでもある。
基本的なモンスターには、このADvは75付近の物。…これでもAランクとまだ優しい方。
一般的にサイコパスや、凶悪犯とされるモンスターのADvの数値はせいぜいが100程度。1000人に一人はこのADv100を持つ特Aランクが一般的に認知されてる最悪のADv保有者とされている。
―――だが、公安内部でしか公開されない特Aランク以上の危険性を持つ存在。
それが、世界の脅威と認知される『Sランク』。
その判断基準は、ADvの数値が、200を超えて初めて認定されるという異様なもの。
ADv100とされる特Aランクでも、最大検知量は199とされていた。
統計学上、その数値を観測されたのは、歴史上最悪の連続殺人事件を引き起こした、『ジャック・ザ・リッパー/ジル・ザ・リッパー』のみとされている。
性別や雰囲気、能力すら書き換えることの出来る最悪の異能愉快犯であり、歴史上の事件などは、異能力を使用した邪悪なモンスターの所業であり、この切り裂きジャック/ジルはその代表例とも言えるだろう。
我々公安―――いや、特異班は昔から存在する。
このような邪悪なモンスター達を人知れず検挙、抹消することで、平穏を守り続けた。
時には、違法行為スレスレの操作も行うことがある。
―――私は葛飾警察署長『大葉啓二』として、さらには芸能界の事情を知るため、20年前からメイクアップアーティスト『ミルフィーユ景虎』としても活躍しつつ、公安警備局所属の特異班の一員『鷲尾景虎』として、人知れず暗躍している。
言わば二足の草鞋ならぬ、三足の草鞋を履いた男でもあり、私の正体を知る者は、昔馴染みの厳一朗、穢虚盧、千尋さん。
そして、私の上司である公安警備局特異班の特異班長、影政勇成《かげまさゆうせい》しかいない。
そのため、署内を空けることが多いが、覚吏君の双子の姉―――雛沢赫李《ひなざわあかり》君に代理を任せることが多い。
…といっても、彼女にも偽名で活躍してもらい、名前も白柳寧々《はくりゅうねね》とし、警視総監『雛沢穢虚盧』の補助の下に行動している。
…ちなみに今回の件とは関係ないが、赫李君もSランクの人間であるため、穢虚盧が正体を隠蔽し、私が教育係を努めていた。
穢虚盧曰く、「覚吏と赫李を引き合わせるわけにはいかない」「覚吏には生き別れの姉がいる事とし、因子の暴走を防ぐ」とのこと。
それほどまで、赫李君の異能因子は強力であることを示唆しているのが分かる。
これらのようにSランクの人物は、存在するだけで影響を与える程の強さを持つことが分かる。
しかし、彼の能力である液状人間は、せいぜい自身を液体化することだけで、それ以外に何か能力を秘めているわけではない。
「どうして彼がSランク認定されたんですか?」
私は、私の持つ素朴な疑問を上司にぶつけた。
そして、次の通りの答えが返ってきた。
「奴の成長性と汎用性の高さ。そして、内部告発されたデータでは、―――多数の殺人を犯している。」
「!?」
厳一朗の息子が多数の殺人をしている。
それは私に衝撃を与えるには十分過ぎる情報だった。
「当時の彼が在校していた生徒が、殺害リストの半数以上を占めている。」
「き、きっと彼も、何かの理由があったのでしょう。彼が虐めを受けていて、その正当防衛として殺してしまったのかと・・・」
「―――確かに、中学校時代には正当防衛としての殺害が多かった。だが、高校時代となると、彼は『彼とは関係がない、他人に対して虐めを行っていた生徒』の殺害が大半を占めるようになった。」
「!?」
自身とは関係ない他人に対して虐めを行っていた生徒の殺害!?
一体どうなれば彼がそんな凶行に出るのか。
当時の私には理解すら出来なかった。
「・・・これが揺るがぬ証拠だ。」
そういって、班長は私に、ある映像を見せてきた。
「・・・これは。」
「5年前に起きた、西条会大量猟奇殺人事件。これは、その事件発生当時の映像だ。」
西条会大量猟奇殺人事件。
多くの政治家に支援を行っていた指定異能暴力団、西条会の飲み会とされる食堂で、突如として停電した室内に、点灯後には西条会の関係者の見るも無惨な変死体が大量発生した衝撃的事件。
ある死体からは大量に穴が空き、ある死体は水死体と同じ症状であり、またある死体は、四肢を無惨に引き千切られたりと、それぞれが死因を同じくしないという、奇怪かつ残酷な惨状であった。
警察内部からは、『史上最悪かつ残忍な事件』『突如として現れた邪悪な死神による犯行』とまで言われており、今もなお犯人の情報や目撃証言すらなく、ネット上においては『現代のジャック・ザ・リッパーによる犯行』とすら噂される史上最悪の殺人事件である。
「しかし、それと彼が、どういう関係を持っているというのですか!?」
問題は、その現場が貸し切りであったこと。
そしてその時期には、彼は実家に籠もりきりであったこと。
どうあがいても、彼がそのような凶行に及ぶとは考えられないのだ。
「・・・厳一朗氏との厳重談義によると、『その頃には自身の能力を完全に把握していて、その性質を利用して犯行に及んだ』・・・と私は推測している。」
「能力の性質・・・?」
「液体化した肉体は、例え一部分が喪失しても、液体状のものであれば復元するという特性を確認した。」
「それってつまり…」
「―――奴は物理的攻撃では死なない。液体状の物質がある以上、その性質を取り込み、さらに強くなる。―――例え、他人の血液であってもな。」
物理的攻撃で死ぬことはない。それは実質的な不死身となんら変わりはしない。
そして何より、液体状の物質を取り込み、その性質を得るという、どのような異能力ですら可愛く見えるレベル。
言ってしまえば、反則。チート。不条理にも程がある異能力である。
・・・成程。Sランクか。
確かに理には適った判断ではある。
「・・・それで、わざわざ私にこの情報を伝えるメリットはあるのですか?」
しかし、それとこれは話は別。
問題は、何故あるはずのアリバイにもかかわらず、彼が犯行に及べたのかを問いている。
それこそ―――
「―――それこそ、二人にならなければ不可能だ。・・・と、お前は考えているのだろうな。」
「・・・お見通しでしたか。」
「伊達に12年間、お前の面倒を見ていないからな。・・・突然だが、『ジキルとハイド』という作品を知っているか?」
「はい。医者であるジキル博士は、『人間の善悪の心を切り離す薬』を作り、それを服用したジキル博士は、自身の邪心の具現であるハイドが発現し、己が暴力によって女は陵辱され、ジキル博士の勤める病院の最高理事会のメンバーは、悉くハイドによって虐殺され、最後はジキル博士が毒薬を服用しハイドもろとも、その生涯を終えた。というものですね。」
「最後まで説明ありがとう、鷲尾。」
こうして語りすぎるのは、私の悪い癖だな。
「つまり、壱原琉輝はそのジキルとハイドと同じように、自身の善悪を分断した・・・ということですか!?」
結論を出すと、このようになる。
しかし、班長はこう言った。
「・・・少しだけ差異があるのならば、彼の悪性の強さにある。」
「悪性の差異・・・?」
「直に君も分かるだろう。あの男は正義に燃える恐るべし若鷹であると同時に、何者であろうとも犯し、殺し、意のままにする悪魔の冬虫夏草だということに。」
当時の私は何も分からなかった。
何故凶行に至ったか。何故鷹と冬虫夏草に例えられるか。
その時は分かるはずがなかった。
―――そして、現在。
彼はとある病院で今もなお昏睡状態。
ティアさんのライヴコントロールで延命出来なかったら、彼は間違いなく死んでいたという。
―――ティアさんもまた、Sランクの存在である可能性が高くなってきた。・・・いや、間違いなくSランク指定人物だろう。
あれから一週間も経ち、今はもう12月。
厳重な警戒態勢を取り、いつ目覚めてもおかしくないように対応している。
初任務から暫くの後、世界中のギャングやテロリスト、多くの異能犯罪者の殺害事件は減少していった。
・・・想起したくはないのだが、それと同時に日本に留まらず、世界中の女性が、記憶喪失の後、幼児退行ともとれる異変が多数証言されるという異常現象を引き起こされている。
嗚呼…考えるだけでもおぞましい!
一刻も早く、彼には安全に目覚めてもらわないと困る!
彼がジキルだとすれば、ハイドは今彼の心の中にいるはずだ。
小説通り、彼は薬物の服薬によって死に掛けたが、妹の帝亜がエマの奇跡で一命を取り留めた。
ロバート・ルイス・スティーヴンソンですら、この展開はなかったのでないだろうか。
早く目覚めてくれ・・・恐るべし若鷹よ・・・!
―――ピッ。
「脈拍の回復を確認!意識が回復してます!」
―――嗚呼、ついに来たか!待ちかねたぞ琉輝よ!
「……」
医療用カプセルから目覚めた彼は、髪が伸びきっており、右目の色も青くなり火傷の痕のようなものも遺っていた。
「オレは返ってきたぞ…深淵《オレ》という名の地獄からな…!」
その言葉に、殺意というのが宿っているのが分かった。
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