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229 それぞれのできること
シエルドのみならず、ローザリオもイナゴールの殺虫ポーションは捗々しくなかった。
効かないか、死なば皆諸共の劇薬か。
極端過ぎて使えないものばかりが積み上げられていく。
「空中に飛散した場合、ある程度の強さが必要だからと思うと、強くなりすぎて」
その過程で、王家に知られたら謀叛を疑われて拙いだろうというほどの新しい毒物が発見されたが、錬金術師たちはそれには目もくれず、ひたすらイナゴールを殺虫することのみに夢中になっている。
「取り込み中のところ申し訳ないのですが、ドリアン様がお呼びでございます」
シエルドの研究室に呼びに来たのはマドゥーン。
その顔を見たローザリオは嫌な予感に襲われ、シエルドの首を摘むと部屋を出た。
「しっ、師匠!」
「おまえも聞いたほうがいいだろう」
ローザリオの予感どおりなら。
「そうですか・・・」
まだ殺虫ポーションは使用に耐えるものの目星もないというのに、イナゴールの群れは間違いなく公爵領に近づいており、このままではあと二日ほどで到着してしまうらしい。
「空中散布が間に合わないようなら、うむ・・・例えば布に殺虫ポーションを塗って、植物にそれをかけたらどうだ?」
ドリアンも領主として、何か良い提案をしたいと捻り出す。
「そうですね・・・まわりを柵で囲ってそれに掛ければ、多少は守れるかもしれませんが、そんなに大きな布がありません」
一瞬おっ!という顔をしたドリアンが、珍しくしゅんとしたのを見て、ローザリオが慌ててフォローする。
「あっ、でも、小さな布でもないよりはいいでしょう!縫い合わせれば」
「そうか?」
「ええ、そうです!早速やりましょう、どんなことでも諦めずに」
「もっと早くに気づけばよかった!近隣の農会にも報せて、布と殺虫ポーションの用意を手伝ってやってくれ!費用は公爵家で持つので心配不要と」
ローザリオの目が見開かれた。
─さすがだな。王家がエリンバー子爵に出した支援なんて雀の涙らしいのに─
ドリアンが国王ならよかったと、不敬なことが頭をちらつき、ふるふると首を振るローザリオを、シエルドが不思議そうに見上げていた。
「では頼む」
当初考えていた殺虫ポーションを空から降らすというのは、他の生物への危険が解決できず、今はイナゴールによく効く殺虫ポーションのうち、布に塗って効果が認められた物を量産しなくてはならない。
そしてなるべく多くの布に染み込ませ、柵囲いを作って畑を覆う作業をしなければならないが。
「膨大過ぎる・・・」
かなり楽天的なローザリオから弱気な発言が出るのは、相当追い詰められていることにほかならない。
「ミルケラに連絡してくれないか」
公爵邸に常駐するギルド員を捕まえて頼むと、既にあちらこちら駆け回っていて、とても捕まらないだろうという。
「そんな!私たちだけでどこまでやれるか・・・」
落ち込む時間すらない。
ローザリオは光の鳥で王都の店にいる錬金術師も呼び寄せ、シエルドの背中を押して研究室へと駆け戻って行った。
ドレイファスは神殿でもらった自分の銅板を見て、改めて自分の土魔法の適性について考え込んでいた。学院で習っている土魔法は、まだ土埃を巻き上げて目眩ましにする程度のもの。
しかしタンジェントたちが今、限界を超えながら、濁りガラス小屋を土魔法で補強し続けている。魔法属性のある自分が多少でも手伝えないものかと。
「ああっ、一人で考えていてもダメだな。とりあえずタンジーに聞いてみよう」
公爵家の三人の土木師たちはロプモス山や領内の支援を求めてきた農会などで、タンジェントは離れで、フル回転中だ。
ドレイファスが見たのは、ミルケラ一派が以前建てまくった濁りガラス小屋の木枠に、指先から細く砂を吹き出して石化させ、コーティングしていくタンジェント。
最初は濁りガラスを嵌め込む木枠を土魔法で作っていたが、枠がほんの少しでも大きいとガラスが外れてしまい、疲れてくるほどに失敗が続いた。
そこで今ある小屋の木枠を砂で固めて、少しでも多くの作物を覆うことにしたのだ。
恐ろしいほど集中して作業を続けているのだとドレイファスにもわかる。
ポタポタと汗が落ちる音と荒い息遣いが聴こえ、話しかけるのが躊躇われるほどの緊張感が畑に満ちているが、敢えてドレイファスは足音を立て、カサカサと葉を踏みしめてタンジェントに近付いていった。
「っ!ドレイファス様」
足音に顔を上げたタンジェントの頬はげっそりと痩けて、ドレイファスは決意を固めた。
「タンジー、僕も魔法属性に土魔法があるんだ。学院では土埃を巻き上げるくらいしかやってないけど、何か手伝いたい!」
「気持ちはありがたいが、ドレイファス様にできることは」
「何でもいいんだ!ここは僕と僕の庭師たちの畑なんだっ!絶対に守りたいっ」
碧い目はタンジェントが見たことがないほど真剣で、邪魔だとはとても言えず。
しかし魔法を教える暇もないと困惑したタンジェントに、ドレイファスは言った。
「タンジー、砂をかけるのと固めるの、どっちがやさしいかな?」
「え?・・あ、なるほど!そのまま固めるほうがやさしい。やったことは?」
「授業で一度だけ」
「うまくできた?」
あれがうまくできたかと聞かれると答えづらい。ほんの少しの間が空いたことでタンジェントは理解したが、何しろ時間がないのだ。
「よし、私が砂をかけたところをとりあえず固めてもらおう!かっちり固まらなくとも、少し石化しているだけでイナゴールには十分だから」
木枠の上に砂をかけるのは魔力のコントロールが必要だが、既にある砂の石化なら。カチカチでなくとも、魔虫イナゴールの歯が立たないくらいでいいのだ。
ドレイファスは習ったとおりに土魔法を発動させた。
砂はどろりと溶けたようになり、そのまま固まって石化する。
よく見ると石というにはかなり薄っぺらいが、タンジェントはニヤリと笑って。
「うん、いいと思う!ドレイファス様、私のあとについて、石化して」
「勿論!ま、まかせて?」
少し自信がなさそうなドレイファスの、両肩にはヌコが乗っており、爛々と輝くゴールドルチーラの瞳をタンジェントに向けていた。
─ヌコは確か・・・ドレイファス様の土魔法を支援してくれるといいのだが─
そう思いながらタンジェントはドレイファスに背を向け、少し軽くなった作業に没頭していった。
ガラス小屋のようやく四分の一くらいにコーティングできたかという頃、ローザリオとシエルドが木材を抱えたコバルドと畑に下りてくるのが見えた。
「ドレイファス様!何をしているんです?」
「土魔法でタンジーを手伝ってます」
「なんと!」
ローザリオはタンジェントを見、タンジェントは頷き返す。
「素晴らしい!さすがドリアン様の後継者だけありますね!私たちは殺虫剤を塗布した布をかけにきました。全部は無理ですが、少しは守れるかもしれない」
コバルドは早くも布をかけるための柵を作り始めている。
「シエルド!手袋を嵌めて、布の端を持て!」
出来立ての柵に布の端を縛り付け、それで植物の上を覆っていくのをドレイファスはチラリと見た。
目の端に何かが映る。
「え?な・・・んだアレ?」
ドレイファスが指を差した先にもくもくと、災害を齎す悍ましい雨雲のような黒い影が現れた。
効かないか、死なば皆諸共の劇薬か。
極端過ぎて使えないものばかりが積み上げられていく。
「空中に飛散した場合、ある程度の強さが必要だからと思うと、強くなりすぎて」
その過程で、王家に知られたら謀叛を疑われて拙いだろうというほどの新しい毒物が発見されたが、錬金術師たちはそれには目もくれず、ひたすらイナゴールを殺虫することのみに夢中になっている。
「取り込み中のところ申し訳ないのですが、ドリアン様がお呼びでございます」
シエルドの研究室に呼びに来たのはマドゥーン。
その顔を見たローザリオは嫌な予感に襲われ、シエルドの首を摘むと部屋を出た。
「しっ、師匠!」
「おまえも聞いたほうがいいだろう」
ローザリオの予感どおりなら。
「そうですか・・・」
まだ殺虫ポーションは使用に耐えるものの目星もないというのに、イナゴールの群れは間違いなく公爵領に近づいており、このままではあと二日ほどで到着してしまうらしい。
「空中散布が間に合わないようなら、うむ・・・例えば布に殺虫ポーションを塗って、植物にそれをかけたらどうだ?」
ドリアンも領主として、何か良い提案をしたいと捻り出す。
「そうですね・・・まわりを柵で囲ってそれに掛ければ、多少は守れるかもしれませんが、そんなに大きな布がありません」
一瞬おっ!という顔をしたドリアンが、珍しくしゅんとしたのを見て、ローザリオが慌ててフォローする。
「あっ、でも、小さな布でもないよりはいいでしょう!縫い合わせれば」
「そうか?」
「ええ、そうです!早速やりましょう、どんなことでも諦めずに」
「もっと早くに気づけばよかった!近隣の農会にも報せて、布と殺虫ポーションの用意を手伝ってやってくれ!費用は公爵家で持つので心配不要と」
ローザリオの目が見開かれた。
─さすがだな。王家がエリンバー子爵に出した支援なんて雀の涙らしいのに─
ドリアンが国王ならよかったと、不敬なことが頭をちらつき、ふるふると首を振るローザリオを、シエルドが不思議そうに見上げていた。
「では頼む」
当初考えていた殺虫ポーションを空から降らすというのは、他の生物への危険が解決できず、今はイナゴールによく効く殺虫ポーションのうち、布に塗って効果が認められた物を量産しなくてはならない。
そしてなるべく多くの布に染み込ませ、柵囲いを作って畑を覆う作業をしなければならないが。
「膨大過ぎる・・・」
かなり楽天的なローザリオから弱気な発言が出るのは、相当追い詰められていることにほかならない。
「ミルケラに連絡してくれないか」
公爵邸に常駐するギルド員を捕まえて頼むと、既にあちらこちら駆け回っていて、とても捕まらないだろうという。
「そんな!私たちだけでどこまでやれるか・・・」
落ち込む時間すらない。
ローザリオは光の鳥で王都の店にいる錬金術師も呼び寄せ、シエルドの背中を押して研究室へと駆け戻って行った。
ドレイファスは神殿でもらった自分の銅板を見て、改めて自分の土魔法の適性について考え込んでいた。学院で習っている土魔法は、まだ土埃を巻き上げて目眩ましにする程度のもの。
しかしタンジェントたちが今、限界を超えながら、濁りガラス小屋を土魔法で補強し続けている。魔法属性のある自分が多少でも手伝えないものかと。
「ああっ、一人で考えていてもダメだな。とりあえずタンジーに聞いてみよう」
公爵家の三人の土木師たちはロプモス山や領内の支援を求めてきた農会などで、タンジェントは離れで、フル回転中だ。
ドレイファスが見たのは、ミルケラ一派が以前建てまくった濁りガラス小屋の木枠に、指先から細く砂を吹き出して石化させ、コーティングしていくタンジェント。
最初は濁りガラスを嵌め込む木枠を土魔法で作っていたが、枠がほんの少しでも大きいとガラスが外れてしまい、疲れてくるほどに失敗が続いた。
そこで今ある小屋の木枠を砂で固めて、少しでも多くの作物を覆うことにしたのだ。
恐ろしいほど集中して作業を続けているのだとドレイファスにもわかる。
ポタポタと汗が落ちる音と荒い息遣いが聴こえ、話しかけるのが躊躇われるほどの緊張感が畑に満ちているが、敢えてドレイファスは足音を立て、カサカサと葉を踏みしめてタンジェントに近付いていった。
「っ!ドレイファス様」
足音に顔を上げたタンジェントの頬はげっそりと痩けて、ドレイファスは決意を固めた。
「タンジー、僕も魔法属性に土魔法があるんだ。学院では土埃を巻き上げるくらいしかやってないけど、何か手伝いたい!」
「気持ちはありがたいが、ドレイファス様にできることは」
「何でもいいんだ!ここは僕と僕の庭師たちの畑なんだっ!絶対に守りたいっ」
碧い目はタンジェントが見たことがないほど真剣で、邪魔だとはとても言えず。
しかし魔法を教える暇もないと困惑したタンジェントに、ドレイファスは言った。
「タンジー、砂をかけるのと固めるの、どっちがやさしいかな?」
「え?・・あ、なるほど!そのまま固めるほうがやさしい。やったことは?」
「授業で一度だけ」
「うまくできた?」
あれがうまくできたかと聞かれると答えづらい。ほんの少しの間が空いたことでタンジェントは理解したが、何しろ時間がないのだ。
「よし、私が砂をかけたところをとりあえず固めてもらおう!かっちり固まらなくとも、少し石化しているだけでイナゴールには十分だから」
木枠の上に砂をかけるのは魔力のコントロールが必要だが、既にある砂の石化なら。カチカチでなくとも、魔虫イナゴールの歯が立たないくらいでいいのだ。
ドレイファスは習ったとおりに土魔法を発動させた。
砂はどろりと溶けたようになり、そのまま固まって石化する。
よく見ると石というにはかなり薄っぺらいが、タンジェントはニヤリと笑って。
「うん、いいと思う!ドレイファス様、私のあとについて、石化して」
「勿論!ま、まかせて?」
少し自信がなさそうなドレイファスの、両肩にはヌコが乗っており、爛々と輝くゴールドルチーラの瞳をタンジェントに向けていた。
─ヌコは確か・・・ドレイファス様の土魔法を支援してくれるといいのだが─
そう思いながらタンジェントはドレイファスに背を向け、少し軽くなった作業に没頭していった。
ガラス小屋のようやく四分の一くらいにコーティングできたかという頃、ローザリオとシエルドが木材を抱えたコバルドと畑に下りてくるのが見えた。
「ドレイファス様!何をしているんです?」
「土魔法でタンジーを手伝ってます」
「なんと!」
ローザリオはタンジェントを見、タンジェントは頷き返す。
「素晴らしい!さすがドリアン様の後継者だけありますね!私たちは殺虫剤を塗布した布をかけにきました。全部は無理ですが、少しは守れるかもしれない」
コバルドは早くも布をかけるための柵を作り始めている。
「シエルド!手袋を嵌めて、布の端を持て!」
出来立ての柵に布の端を縛り付け、それで植物の上を覆っていくのをドレイファスはチラリと見た。
目の端に何かが映る。
「え?な・・・んだアレ?」
ドレイファスが指を差した先にもくもくと、災害を齎す悍ましい雨雲のような黒い影が現れた。
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