16 / 126
呪われたエザリア
信じられない!
「セイン、エザリアお嬢様は?」
「そこにいるだろ」
と言って、すっと視線を逸らすセイン。
「そこ?そこって誰もいないじゃないか!おまえ俺を騙したのか?」
「騙してない。本当にいるんだよ」
セインが指さした先にいるのは、真っ白い猫だ。
「はぁ?」
文句を言おうとしたスミルだが。
猫と目があい、その違和感に気づく。
「ニャッ」
猫はなぜか文字盤の前に座っている。
『すみる』
白い前足が文字を指した。
その意味に気づいたスミルは、「おおおおおーっ」と叫んで腕にボツボツと鳥肌を晒し、2メートルは飛び退いた。
「なっ、何だこの猫っ!なんのトリックだっ」
なんだかわからないが怖気を感じて目が離せない。エザリアと同じ瞳の白猫が、自分から目を離さないから。
「うん、だからエザリアなんだその猫がね」
スミルはエザリアが考えたようには、この状況を面白がったりはしなかった。
あまりのことにしばらく気絶し、セインが商品の気付け薬を使うまで目を覚ますこともなかった。
「う、うう」
「目覚めた?大丈夫かい?」
「大丈夫じゃない・・・。何言ってるんだよ、おかしいだろう?何故エザリアお嬢様がなんで、なんで猫なんだよありえんだろうがっ」
ソファーに横たわったまま、スミルは呟いた。
「うん、わかるよ。僕にも完璧な猫にしか見えないからね」
テーブルの上から横たわるスミルをじっと見つめている白猫に、セインが話しかける。
「エザリア、僕からある程度話してもいいかな?」
「ニャッ」
猫は一言鳴いてこくりと頷いた。
「うう、頭が混乱する」
「うん、これからもっと混乱するかもしれないんだけど、僕も乗り越えてきたことだから安心して。
まず、この白猫はたぶん本当にエザリア・サリバーだと思う」
スミルは目を見開いて、セインに食ってかかる。
「たぶんってなんだよ、たぶんって!」
「じゃあ、本当にそうってことで」
「はああ?」
「とにかくエザリアが言うには、後妻に呪いをかけられて、ある日目が覚めたら猫になっていたそうなんだ」
スミルは完全にフリーズした。
「おーいスミル、聞こえるかーい?」
目の前で手を振って見ると、少し眼球が動く。意識的にシャットダウンしたようだ。
「スミル?落ち着いたら戻ってきて」
「・・・・信じがたい。どうにも信じがたい。これをセイン、おまえはどうやって信じたんだ?」
気弱そうにくしゃっと笑ったセインは、文字盤を振った。
「僕も最初からすんなりイケたわけじゃないよ。
じゃあ君とエザリアしか知らないことを聞いてみたらどうかな。ああそうだ!エザリアは面倒臭がって差さない文字があるから、わかりにくいことがあるかもしれない。そこだけ気をつけてね」
セインの忠告に、白猫が文句をつけるようパタパタパタと尻尾を打ち付けてみせた。
■□■
お読み頂きありがとうございます。
当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
※【最新話を読む】機能を使うと読み飛ばす可能性がありますので、【しおりから読む】をお勧めします。
【お気に入り】にも是非ポチっとお願いいたします(_ _)
「そこにいるだろ」
と言って、すっと視線を逸らすセイン。
「そこ?そこって誰もいないじゃないか!おまえ俺を騙したのか?」
「騙してない。本当にいるんだよ」
セインが指さした先にいるのは、真っ白い猫だ。
「はぁ?」
文句を言おうとしたスミルだが。
猫と目があい、その違和感に気づく。
「ニャッ」
猫はなぜか文字盤の前に座っている。
『すみる』
白い前足が文字を指した。
その意味に気づいたスミルは、「おおおおおーっ」と叫んで腕にボツボツと鳥肌を晒し、2メートルは飛び退いた。
「なっ、何だこの猫っ!なんのトリックだっ」
なんだかわからないが怖気を感じて目が離せない。エザリアと同じ瞳の白猫が、自分から目を離さないから。
「うん、だからエザリアなんだその猫がね」
スミルはエザリアが考えたようには、この状況を面白がったりはしなかった。
あまりのことにしばらく気絶し、セインが商品の気付け薬を使うまで目を覚ますこともなかった。
「う、うう」
「目覚めた?大丈夫かい?」
「大丈夫じゃない・・・。何言ってるんだよ、おかしいだろう?何故エザリアお嬢様がなんで、なんで猫なんだよありえんだろうがっ」
ソファーに横たわったまま、スミルは呟いた。
「うん、わかるよ。僕にも完璧な猫にしか見えないからね」
テーブルの上から横たわるスミルをじっと見つめている白猫に、セインが話しかける。
「エザリア、僕からある程度話してもいいかな?」
「ニャッ」
猫は一言鳴いてこくりと頷いた。
「うう、頭が混乱する」
「うん、これからもっと混乱するかもしれないんだけど、僕も乗り越えてきたことだから安心して。
まず、この白猫はたぶん本当にエザリア・サリバーだと思う」
スミルは目を見開いて、セインに食ってかかる。
「たぶんってなんだよ、たぶんって!」
「じゃあ、本当にそうってことで」
「はああ?」
「とにかくエザリアが言うには、後妻に呪いをかけられて、ある日目が覚めたら猫になっていたそうなんだ」
スミルは完全にフリーズした。
「おーいスミル、聞こえるかーい?」
目の前で手を振って見ると、少し眼球が動く。意識的にシャットダウンしたようだ。
「スミル?落ち着いたら戻ってきて」
「・・・・信じがたい。どうにも信じがたい。これをセイン、おまえはどうやって信じたんだ?」
気弱そうにくしゃっと笑ったセインは、文字盤を振った。
「僕も最初からすんなりイケたわけじゃないよ。
じゃあ君とエザリアしか知らないことを聞いてみたらどうかな。ああそうだ!エザリアは面倒臭がって差さない文字があるから、わかりにくいことがあるかもしれない。そこだけ気をつけてね」
セインの忠告に、白猫が文句をつけるようパタパタパタと尻尾を打ち付けてみせた。
■□■
お読み頂きありがとうございます。
当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
※【最新話を読む】機能を使うと読み飛ばす可能性がありますので、【しおりから読む】をお勧めします。
【お気に入り】にも是非ポチっとお願いいたします(_ _)
あなたにおすすめの小説
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
【完結】断頭台で処刑された悪役王妃の生き直し
有栖多于佳
恋愛
近代ヨーロッパの、ようなある大陸のある帝国王女の物語。
30才で断頭台にかけられた王妃が、次の瞬間3才の自分に戻った。
1度目の世界では盲目的に母を立派な女帝だと思っていたが、よくよく思い起こせば、兄妹間で格差をつけて、お気に入りの子だけ依怙贔屓する毒親だと気づいた。
だいたい帝国は男子継承と決まっていたのをねじ曲げて強欲にも女帝になり、初恋の父との恋も成就させた結果、継承戦争起こし帝国は二つに割ってしまう。王配になった父は人の良いだけで頼りなく、全く人を見る目のないので軍の幹部に登用した者は役に立たない。
そんな両親と早い段階で決別し今度こそ幸せな人生を過ごすのだと、決意を胸に生き直すマリアンナ。
史実に良く似た出来事もあるかもしれませんが、この物語はフィクションです。
世界史の人物と同名が出てきますが、別人です。
全くのフィクションですので、歴史考察はありません。
*あくまでも異世界ヒューマンドラマであり、恋愛あり、残業ありの娯楽小説です。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
幸せなお飾りの妻になります!
風見ゆうみ
恋愛
私、アイリス・ノマド男爵令嬢は、幼い頃から家族のイタズラ癖に悩まされ、少しでも早く自立しようと考えていた。
婚約者のロバート・デヴァイスと、家族と共に出席した夜会で、ロバートから突然、婚約破棄を宣言された上に、私の妹と一緒になりたいと言われてしまう。
ショックで会場を出ようとすると引き止められ、さっきの発言はいつものイタズラだと言われる。
イタズラにも程があると会場を飛び出した私の前に現れたのは、パーティーの主催者であるリアム・マオニール公爵だった。
一部始終を見ていた彼は、お飾りの妻を探しているといい、家族から逃げ出したかった私は彼の元へと嫁ぐ事になった。
屋敷の人もとても優しくて、こんなに幸せでいいの?
幸せを感じていたのも束の間、両親や妹、そして元婚約者が私に戻ってこいと言い出しはじめて――。
今更、後悔されても知らないわ!
※作者独自の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。