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呪われたエザリア
ギルドの闇
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森の中にあるセインの店には、今ブラスと彼の鑑定士イベロアが来訪し、魔法薬の鑑定を行っていた。
「これを、本当にEランクでギルドに?」
「はい」
イベロアに訊ねられたセインが、ギルドが二年前に発行したランク証明書を引っ張り出して見せに来る。
「このあと、更新されてないのですか?魔法薬、毎月ギルドに卸されてるんですよね?」
「はい。決まった種類と本数を」
それを聞きながらイベロアの手からランク証明書を受け取ったブラスも、隅々まで目を通して首を傾げている。
窓際で陽の光に紙を透かし・・・。
「この証明書偽造じゃないか?」
「やっぱりそう思われましたか」
「ぎ、偽造?って本当ですか?」
セインも驚愕の顔だ。
「でもギルドがそんなこと」
「うむ。ギルドがではなく、ギルド職員の誰かだろう。担当は決まっているのかね」
「は、ええ?でもそんなまさか?」
それからブラスとイベロアはセインといくつかの薬をサリバー家の馬車に乗せ、ギルドへ向かった。
「私はサリバー男爵だ。至急ギルドマスターを呼んでくれ」
普段は商人らしく腰の低いブラスだが、今日は男爵を表に押し出し、貴族然と受付に告げる。
「失礼ですがお約束は」
「していないし先触れも出していないが、至急の用件で・・・」
顔を寄せ、小さな声で何か囁くと「確認して参ります」と受付係と札をつけた男は階段を上って行く。
数秒のち。
「これはサリバー男爵!お久しぶりですね」
ギルドマスターのロブナ・シーラントが軽い足取りで下りてくると、奥の応接に誘った。
ブラスとイベロア、セインの三人がシーラントと部屋に入るとき、いつもセインを担当していたイーノ・サリュールは食事に出ていて、死神が自分の首を刈りに来ているとは知らずにいた。
「なっ!二年もランクの変更がない?」
ブラスに渡されたランク証明書を見たシーラントは驚き、もう一度じっくりと睨むように証明書を検分し始めた。
窓辺で日に透かして見たあと、酷く深刻そうな表情で「暫く席を外します」と告げて部屋を出ていく。
それを見送ってすぐ、シーラントに指示されたらしい職員が熱い茶と菓子を持って来て、ブラスたちに勧めた。
半時も待っただろうか。
青い顔で戻って来たシーラントが、いきなり頭を下げる。
「申し訳ありません!調べたところ、うちの職員が抜き取っていたことが判明しました。
セイン・デール殿のレベルをわざと上げずに安く買い上げ、ギルドには適正な価格で買い取ったように記録し、量を少なく申告して調整していたとわかりました」
腰を直角に曲げたままで。
「今、デール殿を担当しておりました職員を探させておりますが、食事のため町に出ているようです。戻りましたらすぐに謝罪と、厳正な調査の上本来支払うべき報酬と・・・当然ご迷惑をおかけした慰謝料をギルドの責任でお支払いすることを約束致します」
焦ったセインは思わず「迷惑なんて」と言いかけたが、ブラスに腕を掴まれて口を閉じる。
ここは任せておけと、視線でセインを制したブラスがシーラントと交渉に入った。
「報酬は当然だが、慰謝料はその担当からだけでなくギルドからも出してもらえるのだろうな?」
「は?」
「うむ、職員の管理不行き届きなのだからギルドにも責任があるだろう?担当個人が出せる慰謝料などたかが知れている。誠意を見せるというならギルドからも慰謝料の支払いがされて然るべきと考えるが」
「は・・・い。その、そのつもりでございました」
「そうか!それを聞いて私も安心した。この魔法医薬師セイン・デールは我がサリバー男爵家が後援している。
それにサリバー商会の専属魔法医薬師でもあるからな、不当な扱いをそのままに見過ごすことなど許されんことだ。なあシーラント殿」
本来ギルドは相手が貴族だろうが干渉を許すことはない。しかし、今回は明らかにギルドに非があり、シーラントは頭を垂れるしかなかった。
「それで、本当のセイン・デールのランクは?」
「はい」
ギルド内に保管されていた、シーラントが書いたランク証明書の写しがテーブルに差し出されると、Bと書かれている。
「おお、すごいじゃないかデール殿!」
「ほ、本当に?僕がBランクなんですか?」
「はい。一回の納入数は多いとは言えませんが、いつも品質の良いポーションで安定していることと、デール殿のポーションを指名買いする冒険者が多いことで今年の夏にはBランクに昇級していました」
「ちょっと聞きたいんだが、指名買いする客がいるなら、そいつらはセインの店に行ったりしないのか?」
「あ、ええ。ギルドの収入を守るために作成者の個人名は出さないのです。このように」
シーラントが指差した証明書には、セインの名の横にSD22D9と書かれており、冒険者はこのIDで指名するため、偶々森の店でポーションを買いでもしない限り、SD22D9がセイン・デールだと知られることはなかった。
「ギルドも随分とせこい真似をするんだな」
「その仕組みも悪用されたのかもしれません」
「ギルドは今までもこうやって魔法医薬師のランクを不当に下げてきたんじゃないだろうな?そうでなければ、これほど必要とされている魔法医薬師の成り手が、こんなにも少ない理由がわからない」
「いや、そんなことはないです!絶対に」
ブラスはふと思いついたことを口にしただけだったが、慌てるシーラントを見て、それが真実ではないかと直感する。
「イベロア」
鑑定士をそばに呼んで何かを言いつけたブラスは、
「まだここは時間がかかりそうだからな。商談に遅れると私の代わりに詫びてくれ」
そう言って、先にイベロア一人だけを商会に帰らせた。
「これを、本当にEランクでギルドに?」
「はい」
イベロアに訊ねられたセインが、ギルドが二年前に発行したランク証明書を引っ張り出して見せに来る。
「このあと、更新されてないのですか?魔法薬、毎月ギルドに卸されてるんですよね?」
「はい。決まった種類と本数を」
それを聞きながらイベロアの手からランク証明書を受け取ったブラスも、隅々まで目を通して首を傾げている。
窓際で陽の光に紙を透かし・・・。
「この証明書偽造じゃないか?」
「やっぱりそう思われましたか」
「ぎ、偽造?って本当ですか?」
セインも驚愕の顔だ。
「でもギルドがそんなこと」
「うむ。ギルドがではなく、ギルド職員の誰かだろう。担当は決まっているのかね」
「は、ええ?でもそんなまさか?」
それからブラスとイベロアはセインといくつかの薬をサリバー家の馬車に乗せ、ギルドへ向かった。
「私はサリバー男爵だ。至急ギルドマスターを呼んでくれ」
普段は商人らしく腰の低いブラスだが、今日は男爵を表に押し出し、貴族然と受付に告げる。
「失礼ですがお約束は」
「していないし先触れも出していないが、至急の用件で・・・」
顔を寄せ、小さな声で何か囁くと「確認して参ります」と受付係と札をつけた男は階段を上って行く。
数秒のち。
「これはサリバー男爵!お久しぶりですね」
ギルドマスターのロブナ・シーラントが軽い足取りで下りてくると、奥の応接に誘った。
ブラスとイベロア、セインの三人がシーラントと部屋に入るとき、いつもセインを担当していたイーノ・サリュールは食事に出ていて、死神が自分の首を刈りに来ているとは知らずにいた。
「なっ!二年もランクの変更がない?」
ブラスに渡されたランク証明書を見たシーラントは驚き、もう一度じっくりと睨むように証明書を検分し始めた。
窓辺で日に透かして見たあと、酷く深刻そうな表情で「暫く席を外します」と告げて部屋を出ていく。
それを見送ってすぐ、シーラントに指示されたらしい職員が熱い茶と菓子を持って来て、ブラスたちに勧めた。
半時も待っただろうか。
青い顔で戻って来たシーラントが、いきなり頭を下げる。
「申し訳ありません!調べたところ、うちの職員が抜き取っていたことが判明しました。
セイン・デール殿のレベルをわざと上げずに安く買い上げ、ギルドには適正な価格で買い取ったように記録し、量を少なく申告して調整していたとわかりました」
腰を直角に曲げたままで。
「今、デール殿を担当しておりました職員を探させておりますが、食事のため町に出ているようです。戻りましたらすぐに謝罪と、厳正な調査の上本来支払うべき報酬と・・・当然ご迷惑をおかけした慰謝料をギルドの責任でお支払いすることを約束致します」
焦ったセインは思わず「迷惑なんて」と言いかけたが、ブラスに腕を掴まれて口を閉じる。
ここは任せておけと、視線でセインを制したブラスがシーラントと交渉に入った。
「報酬は当然だが、慰謝料はその担当からだけでなくギルドからも出してもらえるのだろうな?」
「は?」
「うむ、職員の管理不行き届きなのだからギルドにも責任があるだろう?担当個人が出せる慰謝料などたかが知れている。誠意を見せるというならギルドからも慰謝料の支払いがされて然るべきと考えるが」
「は・・・い。その、そのつもりでございました」
「そうか!それを聞いて私も安心した。この魔法医薬師セイン・デールは我がサリバー男爵家が後援している。
それにサリバー商会の専属魔法医薬師でもあるからな、不当な扱いをそのままに見過ごすことなど許されんことだ。なあシーラント殿」
本来ギルドは相手が貴族だろうが干渉を許すことはない。しかし、今回は明らかにギルドに非があり、シーラントは頭を垂れるしかなかった。
「それで、本当のセイン・デールのランクは?」
「はい」
ギルド内に保管されていた、シーラントが書いたランク証明書の写しがテーブルに差し出されると、Bと書かれている。
「おお、すごいじゃないかデール殿!」
「ほ、本当に?僕がBランクなんですか?」
「はい。一回の納入数は多いとは言えませんが、いつも品質の良いポーションで安定していることと、デール殿のポーションを指名買いする冒険者が多いことで今年の夏にはBランクに昇級していました」
「ちょっと聞きたいんだが、指名買いする客がいるなら、そいつらはセインの店に行ったりしないのか?」
「あ、ええ。ギルドの収入を守るために作成者の個人名は出さないのです。このように」
シーラントが指差した証明書には、セインの名の横にSD22D9と書かれており、冒険者はこのIDで指名するため、偶々森の店でポーションを買いでもしない限り、SD22D9がセイン・デールだと知られることはなかった。
「ギルドも随分とせこい真似をするんだな」
「その仕組みも悪用されたのかもしれません」
「ギルドは今までもこうやって魔法医薬師のランクを不当に下げてきたんじゃないだろうな?そうでなければ、これほど必要とされている魔法医薬師の成り手が、こんなにも少ない理由がわからない」
「いや、そんなことはないです!絶対に」
ブラスはふと思いついたことを口にしただけだったが、慌てるシーラントを見て、それが真実ではないかと直感する。
「イベロア」
鑑定士をそばに呼んで何かを言いつけたブラスは、
「まだここは時間がかかりそうだからな。商談に遅れると私の代わりに詫びてくれ」
そう言って、先にイベロア一人だけを商会に帰らせた。
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