【完結】呪われ令嬢、猫になる

やまぐちこはる

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恋は迷路の中

婚約パーティー

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はりきったブラスが猛烈に働いた。

まず、セインを狙う他家へのマウントを意識した、超豪華な婚約パーティーを開催しようとし、泣きそうなセインに止められた。

「そ、そんな豪華になんて、ぼ、わ、私には畏れ多くて、ね、眠れなくなりそうです」

やっぱりどこかにが残っているセイン。

「そうよお父さま!たかが婚約パーティーにそこまで使うことはないわ。セインに粉をかけようとした所だけ、選んで呼びましょうよ」

によによと笑うエザリアはどす黒かった。

「その代わりにね、セイン!結婚式は私の夢を全部叶えるから、誰がなんと言っても豪華にするわ」

いいわね!と眼力でセインを圧倒する。

自分のこれからの人生がどう仕切られていくのか、セインのはまるで未来が視えた気がした。


というわけでマウント婚約パーティーは、エザリアが目をつけた貴族や商会関係者と、絶対に呼ばねばならない相手に限定された。
エザリアの友人たちには別にお披露目することにして。




真新しい魔法薬師のマントは、通常の黒い物ではなく、陞爵や表彰、そして結婚のような祝いのときに着る艶やかな生地に刺繍入りのもの。
大金貨二枚もする非常に高価なものだが、結婚式にも着るのだからと、ブラスが気前よく買い与えた。

エザリアのドレスと料理には金をかけているが、招待客を限定したことで、当初ブラスが思っていたほどの金はかかっていないと聞き、大金を出せるわけではないセインも仕方なく頷いた。





さて。
パーティーでは、料理に舌鼓をうつ招待客たちが口さがなく噂話をしている。

「エザリア様が魔法薬師様と婚約なさるとは意外でしたな。てっきり位の高い貴族に目をつけていると思ってましたが」
「しかし大変に優秀らしいぞ」
「あの若さで、既に魔法薬師の経験が何年もあるそうだからなあ」
「それがフリーだったのか?そんな者をよく見つけ出したものだ!まったく目ざとい男だよ」
「ああ、まったく残念だ。あの男に見込まれたら手が出せんからなあ」

そんな囁きを耳にし、ブラスは機嫌よく微笑みを浮かべる。

勿論まだ油断は禁物だ。
世の中には態と冤罪の醜聞を立て、他人の婚約を壊す愚か者がいるのだ。
そのようにセインを狙う者がいないとは限らず、その場合標的になるのは間違いなくエザリアなのだから。

ブラスの目がある商会長の娘にとまった。
厚かましくもサリバー商会に来て、セインに誘いをかけていた娘だ。
エザリアを睨みつけている。

ああいうのが策を弄し、エザリアの足を引っ張るのだ。
会場の中を見渡すと、同じような視線を飛ばす娘を何人か見つけた。
ブラスがホールに散らばる使用人たちに合図をする。どの家のものかわからない者は、調べさせて警戒しなくては。





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