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アレクシオスとの結婚式のドレスが仕立て上がり、いよいよその日が近づいて、ライラはオートリアスに別れを告げようとした。
しかし、エイリズに諦めてはいけないと諌められた。
自分はふたりの真実の愛を応援すると。
金銭的な支援を続けるからふたりで逃げるよう言ってくれたのだ。
ライラもオートリアスも恋に溺れて、愚かにもそれがエイリズの罠だとは気づかなかった。
まさかエイリズがオートリアスの婚約者を狙っており、オートリアスの後釜に座ることを狙っていたなんて。
エイリズが用意してくれた市井の小さな家にふたりで逃げ延びた時、あまりに幸せで、自由と愛を貫いたことに酔い痴れていた。
平民の暮らしはとても質素だったので、エイリズが渡してくれる金があれば働かなくても十分にやっていけたほどだ。
最初は追手を警戒してふたりとも家から一歩も出なかったが、一月二月と日が経つうちにもう大丈夫だと注意が疎かになっていく。食事も我慢の反動か、平民街にしては高級なレストランで食べるようになった。
出歩くようになってまもなく、エンダラインの赤い犬と二つ名で呼ばれる軍人に愛の巣を暴かれてしまう。
「逃げて、オーティ貴方だけでも!」
ライラの求めに応じるように、オートリアスはライラを、そして訪ねてきていたエイリズを残して人混みに紛れ、姿を消した。
「よかった、オーティだけでも逃げてくれて」
そう思っていた。
逃してやれた自分に満足していた。
「ええ?何その男、ライラを助けもしないで自分だけ逃げたわけ?最低じゃない!」
修道院で初めて親しくなったルルに言われるまでは。
「でも私が逃げてって言ったのよ」
「あのねえ!女に庇われてその女を見捨てて逃げるなんてクズよクズ!男の方が身を挺してライラを守らなくてどうするのよ」
ルルの言葉はライラに衝撃を与えた。
「クズ?オーティが?」
平民のルルは、あまりの貧しさに行き倒れて修道院に救われた少女だ。以来修道院で働いている下女である。おっとりと貴族令嬢として育ったライラより世に長け、はるかに疑り深いのは間違いなかったが、自分より若いルルに呆れたように見られて恥ずかしくなった。
「あったりまえ!クズ以外の何者でもないね!だいたいそういうクズ男に限って、あたしがついてて支えてあげないとダメなの!とか言って勘違いした女が支えてるもんなのよ」
ライラがルルにオートリアスの話をする度、ルルはライラの思い出を打ち砕く。
素敵なオートリアス、優しいオートリアスと言うたび、ルルはカッコだけの薄っぺらい男だと切って捨てた。
「ねえライラ、あたしライラがここに来て本当によかったと思うよ。そんなになんでもすぐ信じちゃって、人が良すぎてさ。修道院くらいしか安心して生きられないと思うもの」
季節がいくつも変わる頃、ライラは漸くオートリアスとの真実の愛という夢から覚め、現実を受け入れられるようになっていった。
ライラは長い間、たとえ買い物でも修道院から出ることが叶わなかった。
オートリアスと無理矢理引き離されて連れて来られたと、反抗的で脱走が心配されていたから。
ルルのおかげでオートリアスを想う気持ちが消え、自分の犯した過ちに気づき、傷つけられた家名を背負いながら莫大な慰謝料を払っただろう家族への贖罪の気持ちを抱くにつれ、一修道女として生きる覚悟ができた。
態度が落ち着いてきたライラが、修道院に連れて来られてから初めてルルと買い物に出ることが許され、町に出たときのこと。
「ずいぶんと活気があるのね」
「ああ、少し前に大きな宿ができたんだよね」
「宿?」
「ほら、ここ街道が三本交差するから宿が足りなかったんだ。それで領主様が」
「領主様が宿を建てたの?」
「違う違う。宿をたくさん建てて経営している貴族に頼んで、ここにも建ててもらったんだよ」
ルルが帰りに見に行こうとライラを誘う。
「少しくらいの寄り道なら大丈夫。宿にある土産屋がね、王都の石鹸とかも売ってて、見るだけでも楽しいよ」
「え?こんなところで王都の石鹸?」
「ああ、この町の土産物ももちろんあるけど、他国からの旅人にこの国の土産を知ってもらうために置いてあるんだって」
買い物を済ませ、ルルに手を引かれてその宿に向かう。
看板が見えたとき、ライラの胸が掴み上げられたように痛んだ。
─エンダライン─
オートリアスの婚約者だった令嬢が、確かエンダライン家の令嬢だった。
そういえばあのあと、その令嬢はどうなったのだろう。そしてアレクシオスは・・・。
自分が踏みにじったふたりの存在に今頃気づくなんて、なんて酷い人間なのだろうと俯きかけたとき。
目の前を美しい銀髪の男が通り過ぎた。
「アレクシオス様、パルティア様が到着されたらお呼びしますから中でお待ち下さい」
侍従がそう男に声をかける。
─アレクシオス?え?まさか!─
「いや、待ち切れないんだ。こどもたちにも会うのも久しぶりだし、ああ、大きくなっただろうなあ」
「いやいや、三週間じゃそんな驚くほど大きくもなりませんよ」
─やっぱりアレクシオス様だわ─
小さな声でおどおどと話していたあの頃とはまったく違う、横目で盗み見ると今も美しいまま、堂々と自信に満ち溢れた瞳をしていた。聞こえてきた話では妻と子を大切にしているようだ。
立派な紋章が彫られた馬車が滑り込んでくると歓声があがる。
「おとうしゃまー!」
アレクシオスが自分に良く似たとびきりの美少女を馬車から抱きおろして。
「ああ、かわいいリリ!久しぶりだね、お父様も会いたかったよ」
やさしくやさしく、とっても幸せそうに頬を寄せて抱きしめる。
「おとうしゃま、リリばっかりずるい!僕たちも会いたかったのに」
「ラリー、ルーももちろん会いたかったぞ」
三人のこどもを抱き寄せると、最後に奥方が下りてきた。
「ショー、ご機嫌いかが?」
「ああ私のパーチィ!家族に会えて最高だよ」
深く俯いた修道女がそばを通り過ぎたことなど誰一人気づかずに、その家族は幸せそうに笑い声をあげながら宿へ入っていった。
その夜。
ライラはもの思いに耽った。
自分が嫌っていたアレクシオスは、ライラが憧れる堂々と、そして颯爽とした貴族に変貌していた。
本当なら自分が彼の隣りにいたはずだったのだ。あのこどもたちは自分の子だったかもしれない。
しかし修道女となった自分には二度と叶わぬ夢だと思い知らされる。
修道院の冷えた小さな部屋の中、高い窓から差し込む月の光を見上げたライラは、いままでで一番深い後悔に苛まれたのだった。
──────────────────
これにて完結です。
お気に入りにしてくださった方、しおりを挟んでくださった方、感想をくださった方、いつも励みになっています。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
新作はクリスマス頃から掲載できそうな予感です。
初めて異世界転生話、こちらもよろしくお願いいたします。
しかし、エイリズに諦めてはいけないと諌められた。
自分はふたりの真実の愛を応援すると。
金銭的な支援を続けるからふたりで逃げるよう言ってくれたのだ。
ライラもオートリアスも恋に溺れて、愚かにもそれがエイリズの罠だとは気づかなかった。
まさかエイリズがオートリアスの婚約者を狙っており、オートリアスの後釜に座ることを狙っていたなんて。
エイリズが用意してくれた市井の小さな家にふたりで逃げ延びた時、あまりに幸せで、自由と愛を貫いたことに酔い痴れていた。
平民の暮らしはとても質素だったので、エイリズが渡してくれる金があれば働かなくても十分にやっていけたほどだ。
最初は追手を警戒してふたりとも家から一歩も出なかったが、一月二月と日が経つうちにもう大丈夫だと注意が疎かになっていく。食事も我慢の反動か、平民街にしては高級なレストランで食べるようになった。
出歩くようになってまもなく、エンダラインの赤い犬と二つ名で呼ばれる軍人に愛の巣を暴かれてしまう。
「逃げて、オーティ貴方だけでも!」
ライラの求めに応じるように、オートリアスはライラを、そして訪ねてきていたエイリズを残して人混みに紛れ、姿を消した。
「よかった、オーティだけでも逃げてくれて」
そう思っていた。
逃してやれた自分に満足していた。
「ええ?何その男、ライラを助けもしないで自分だけ逃げたわけ?最低じゃない!」
修道院で初めて親しくなったルルに言われるまでは。
「でも私が逃げてって言ったのよ」
「あのねえ!女に庇われてその女を見捨てて逃げるなんてクズよクズ!男の方が身を挺してライラを守らなくてどうするのよ」
ルルの言葉はライラに衝撃を与えた。
「クズ?オーティが?」
平民のルルは、あまりの貧しさに行き倒れて修道院に救われた少女だ。以来修道院で働いている下女である。おっとりと貴族令嬢として育ったライラより世に長け、はるかに疑り深いのは間違いなかったが、自分より若いルルに呆れたように見られて恥ずかしくなった。
「あったりまえ!クズ以外の何者でもないね!だいたいそういうクズ男に限って、あたしがついてて支えてあげないとダメなの!とか言って勘違いした女が支えてるもんなのよ」
ライラがルルにオートリアスの話をする度、ルルはライラの思い出を打ち砕く。
素敵なオートリアス、優しいオートリアスと言うたび、ルルはカッコだけの薄っぺらい男だと切って捨てた。
「ねえライラ、あたしライラがここに来て本当によかったと思うよ。そんなになんでもすぐ信じちゃって、人が良すぎてさ。修道院くらいしか安心して生きられないと思うもの」
季節がいくつも変わる頃、ライラは漸くオートリアスとの真実の愛という夢から覚め、現実を受け入れられるようになっていった。
ライラは長い間、たとえ買い物でも修道院から出ることが叶わなかった。
オートリアスと無理矢理引き離されて連れて来られたと、反抗的で脱走が心配されていたから。
ルルのおかげでオートリアスを想う気持ちが消え、自分の犯した過ちに気づき、傷つけられた家名を背負いながら莫大な慰謝料を払っただろう家族への贖罪の気持ちを抱くにつれ、一修道女として生きる覚悟ができた。
態度が落ち着いてきたライラが、修道院に連れて来られてから初めてルルと買い物に出ることが許され、町に出たときのこと。
「ずいぶんと活気があるのね」
「ああ、少し前に大きな宿ができたんだよね」
「宿?」
「ほら、ここ街道が三本交差するから宿が足りなかったんだ。それで領主様が」
「領主様が宿を建てたの?」
「違う違う。宿をたくさん建てて経営している貴族に頼んで、ここにも建ててもらったんだよ」
ルルが帰りに見に行こうとライラを誘う。
「少しくらいの寄り道なら大丈夫。宿にある土産屋がね、王都の石鹸とかも売ってて、見るだけでも楽しいよ」
「え?こんなところで王都の石鹸?」
「ああ、この町の土産物ももちろんあるけど、他国からの旅人にこの国の土産を知ってもらうために置いてあるんだって」
買い物を済ませ、ルルに手を引かれてその宿に向かう。
看板が見えたとき、ライラの胸が掴み上げられたように痛んだ。
─エンダライン─
オートリアスの婚約者だった令嬢が、確かエンダライン家の令嬢だった。
そういえばあのあと、その令嬢はどうなったのだろう。そしてアレクシオスは・・・。
自分が踏みにじったふたりの存在に今頃気づくなんて、なんて酷い人間なのだろうと俯きかけたとき。
目の前を美しい銀髪の男が通り過ぎた。
「アレクシオス様、パルティア様が到着されたらお呼びしますから中でお待ち下さい」
侍従がそう男に声をかける。
─アレクシオス?え?まさか!─
「いや、待ち切れないんだ。こどもたちにも会うのも久しぶりだし、ああ、大きくなっただろうなあ」
「いやいや、三週間じゃそんな驚くほど大きくもなりませんよ」
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小さな声でおどおどと話していたあの頃とはまったく違う、横目で盗み見ると今も美しいまま、堂々と自信に満ち溢れた瞳をしていた。聞こえてきた話では妻と子を大切にしているようだ。
立派な紋章が彫られた馬車が滑り込んでくると歓声があがる。
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アレクシオスが自分に良く似たとびきりの美少女を馬車から抱きおろして。
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「おとうしゃま、リリばっかりずるい!僕たちも会いたかったのに」
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三人のこどもを抱き寄せると、最後に奥方が下りてきた。
「ショー、ご機嫌いかが?」
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深く俯いた修道女がそばを通り過ぎたことなど誰一人気づかずに、その家族は幸せそうに笑い声をあげながら宿へ入っていった。
その夜。
ライラはもの思いに耽った。
自分が嫌っていたアレクシオスは、ライラが憧れる堂々と、そして颯爽とした貴族に変貌していた。
本当なら自分が彼の隣りにいたはずだったのだ。あのこどもたちは自分の子だったかもしれない。
しかし修道女となった自分には二度と叶わぬ夢だと思い知らされる。
修道院の冷えた小さな部屋の中、高い窓から差し込む月の光を見上げたライラは、いままでで一番深い後悔に苛まれたのだった。
──────────────────
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