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コーテズにて
第4話
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強引にケリンガンに支援を約束させたカーラは、翌日機嫌よく王都目指して旅立った。
ケリンガンが敷き始めた石畳はローリスのメイン通りを覆い、まだ街中だけだが、埃をたてることなく馬車は先を行くことができるようになっていた。
「どれだけ早く仕事させているのかしら、ケリンガン様ってば鬼ね」
カーラの呟きを聞いたら、ケリンガンはきっと、おまえの方が鬼だと言ったことだろう。
シルベスの職人たちは睡眠時間をけずり、カーラに頼まれた膨大な量のピンをせっせと作り続けているのだから。
王都につくと、自分の店に帰る。
まだ内装も外装も中途半端なので、建物をすっぽり覆う布がかけられていて、秘密の匂いが漂うそれを通りすがる人々が噂しながら歩いていた。
「いいわね、噂は大切よ。みんな気になって仕方がないって顔しているわ」
裏口から中に入ると、グレージュとシアーピンクに塗られた可愛らしい室内はまだガランとしている。
アルトスがカーラに手招きされてやってきた。
「ここにね、ほらこうして」
怒涛のように頭に詰まっていたアイデアをアルトスに話し出すカーラ。
すぐに手帳を出し、メモを取り、質問しながらカーラが欲しいものをアルトスは感じ取っていく。
「全部作るのにどれくらいかかって?」
「え・・・三月くらいですか」
「ええ?三月?だめだめ、ひと月でやって頂戴」
アルトスはその言葉の意味がわからなかった。
「ひ、ひと月ですか?」
「ええ。だって開店が遅れてしまうもの。中の準備ができたら、ヘアサロンで接客の練習と確認もしなきゃだし」
「しかし、私と弟子だけでは」
「家具職人を雇えばいいわ。ローリスを発つ前にギルドに書状を出して依頼してあるから、アルトスが面談して良さそうな人を雇って頂戴。そうね、今後の家具の生産も考えたらまず一人前の職人を三人くらいともうひとり見習いを雇えばいいのではなくて?」
まるで工房主のように、一人前の職人ができる仕事量をほぼ正確に捉え、ディスプレイに使う分と商品分を生み出すのに必要な人員を割り出したカーラに、アルトスは舌を巻く。
「それとアルトス、あなたの工房と店なのだけど、裏通りにはなるけどここから近いところに一軒探しておいてもらった建物があるのよ。私もまだ見てないけど、今から一緒に行きましょう!」
(工房と、み・・せ?)
アルトスが首をひねる間もなく、カーラはサッサと外に出てしまった。
急いで後を追うと、護衛騎士たちが周りを囲み、ザクザクと足音を立てて歩かされる。
護衛に囲まれるのも、平民のアルトスには人生初の出来事でまだ慣れない。
それを見透かしたのか、ルブが気安く声をかけてきた。
「なあ、アルトスさんでいいか?」
「はあ」
「カーラ様の言うことやることの意味を稽えたり、やりやすいように制御するのは無理だから、早く慣れたほうが楽だぞ。護衛されるのもな」
ケリンガンが敷き始めた石畳はローリスのメイン通りを覆い、まだ街中だけだが、埃をたてることなく馬車は先を行くことができるようになっていた。
「どれだけ早く仕事させているのかしら、ケリンガン様ってば鬼ね」
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王都につくと、自分の店に帰る。
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「ここにね、ほらこうして」
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すぐに手帳を出し、メモを取り、質問しながらカーラが欲しいものをアルトスは感じ取っていく。
「全部作るのにどれくらいかかって?」
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アルトスはその言葉の意味がわからなかった。
「ひ、ひと月ですか?」
「ええ。だって開店が遅れてしまうもの。中の準備ができたら、ヘアサロンで接客の練習と確認もしなきゃだし」
「しかし、私と弟子だけでは」
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まるで工房主のように、一人前の職人ができる仕事量をほぼ正確に捉え、ディスプレイに使う分と商品分を生み出すのに必要な人員を割り出したカーラに、アルトスは舌を巻く。
「それとアルトス、あなたの工房と店なのだけど、裏通りにはなるけどここから近いところに一軒探しておいてもらった建物があるのよ。私もまだ見てないけど、今から一緒に行きましょう!」
(工房と、み・・せ?)
アルトスが首をひねる間もなく、カーラはサッサと外に出てしまった。
急いで後を追うと、護衛騎士たちが周りを囲み、ザクザクと足音を立てて歩かされる。
護衛に囲まれるのも、平民のアルトスには人生初の出来事でまだ慣れない。
それを見透かしたのか、ルブが気安く声をかけてきた。
「なあ、アルトスさんでいいか?」
「はあ」
「カーラ様の言うことやることの意味を稽えたり、やりやすいように制御するのは無理だから、早く慣れたほうが楽だぞ。護衛されるのもな」
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