【完結】TS×4 〜突然淫らな少女のカラダにされたけど、誰にも気付かれない少年の話〜

あかん子をセッ法

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秘匿性TS被害少年の独白2. 自宅、苛む淫害

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 この身体の何が一番辛いのか。挙げるとすれば勿論、常軌を逸して敏感な点に尽きます。が、事辛さにおいて最も問題なのは、身体の変化には気付かれないのに、その影響による僕自身の行動の異変は容赦無く感知されるという所です。

 これはあの日、病院から家に帰って来てからの事。僕は母に肩を借りる形で何とか二階の自室まで辿り着いて、着の身着のまま布団に入りました。時間的にも既に夜です。母は僕に水分補給をさせた後、ゆっくり休んでと言い残し、部屋の電気を消して出て行きました。
 
 身体が酷く怠かったのは良く覚えています。気絶は睡眠の内には入らなかったらしくぼーっとしていて、眠りに付くには十分なコンディションでした。
 熱っぽい肌がじんじんして、呼吸の度、胸の先で浮き出たでっぱりが布団と擦れる事を除けば。

 「んっ…………んん……」

 些細な刺激でピクピク痙攣して、意図せず声が漏れてしまいます。呼吸を浅くせざるを得ず、これでは寝付けません。それどころか苦しくて、堪らず布団も、着せられていた体操着も捲り上げて胸を曝け出してしまいました。ただ、そうすると今度は汗で濡れた肌が空気に触れひりつきます。

 「んぅ……んんっ……」

 またお腹の芯が甘く痺れ、もどかしさに身を捩りました。その度悪化していって、結局手はまた疼く二つの突起へと伸びていきました。

 「んぁぁっ……んっ、っ……っ、ふぅっ」

 抑えているにも関わらず信じられないくらい切なげで、扇情的な声が絞り出されました。いけない事だと分かっていても一度触れ始めた手は止まりません。もう理性の出来る事といえば、大きな声が出ない様に布団を顔に当てる事だけ。後は誰かに聞かれるかもしれないスリルの中、あの弾けて真っ白になる感覚を追い求め、只管揉んでは擦ってを繰り返してしまいました。

 「んっんっんんっ、ふっ、んぅ~~~っ、んんっ」

 自室のベッドの上、丸く嫋やかなシルエットが闇の中を揺れたり弾んだりして、甘い性臭とはしたない声が慣れ親しんだ空間を蝕んでいきます。紛れも無く自分の部屋なのに、知らない存在に上書きされていく様でした。
 そんな倒錯的な環境がエッセンスになったせいでしょうか。感覚は保健室の時より早く迫り上がって来ました。ここまで来たらどうすればいいか、身体は覚えています。何の気無しに先端の突起二つに手を這わせ、キュッとつまみ上げました。

 「んっ、んんんっふう゛うぅっ……!」

 その瞬間、視界が明滅して、背中が大きく弓反りました。脳天まで通電したみたいでした。ただ、僕の蕩けた頭は満足を知らず、もっともっとと強請り、更にそのまま痼って張り詰めた先っぽを指で踊らせました。するとその瞬間、息も吐けない程の長く激しい痙攣に襲われて、最後にはまた頭が白んでフッと意識を手放してしまいました。

 気持ち良い分には良いじゃないか、なんて思う人もいるかもしれませんね。確かに、少し気持ち良いくらいなら良かったのでしょう。でも、この身体はそうじゃないんです。

 これで終わりではありません。深刻な問題は翌朝、明らかになります。

 「っ…………っ!」

 治ってないかな、などと考える間も無く、目が覚めてすぐ青褪めました。むわっと鼻をつくアンモニア臭と、布団とパンツがぐっしょり濡れた感触に。

 そうです、いつのタイミングにしたかは分かりませんが、おねしょです。盛大に漏らしてしまっていました。一体いつ以来だったでしょうか。この歳になって、こんな粗相をするなんて。恥ずかしさで今度はカーッと顔が熱くなりました。

 どうしよう、こんなの家族に、特に兄にバレたらなんて言われるか。そんな所じゃないのに、逡巡しながら慌てて身体を起こし、改めて凍り付きます。

 「ぁ…………」

 昨日から着たままの体操着の中、ふるんと揺れる女肉の感覚。僕は未だに悪夢の中なのか、それとも____軽く眩暈がしました。

 そんな時です。部屋のドアがノックされ、直後に「入るよー」と母が入って来ました。よって隠蔽の間も無く、僕の粗相は公となってしまいました。自室に未だ鍵が無い事を心底恨みたい所でしたが、いかんせんそれどころじゃありませんでした。

 「あら起きて……うそっ、大丈夫……?」

 昨日の今日です。母はとても心配そうな表情で此方に歩み寄り、「そんなお腹出しちゃって……」と捲れたままだった体操着を戻して額に手を当てました。大丈夫、なんて返せる筈もありません。口にする言葉も無く、不安と羞恥でただ唇を甘噛んで震える事しか出来ませんでした。

 「熱は……まだありそうね。トイレに行けない程具合が悪いなんて……やっぱり入院した方が良かったんじゃない?」

 否定はしませんでした。ただ病院に関しては肯定もし難いので、そう言われた所で漸く「いや……大丈夫」と返事しました。発した第一声も案の定、声変わり前の様な高い声で、言葉の割に気持ちは暗く沈みます。

 「ほんと? 昨日は歩くのも大変そうだったけど……」
 「大丈夫だよ……んっ、一日寝て、多少はマシになったから……」

 心配を振り払う為に、僕はベッドから降りて立ち上がって見せました。すると実際、寝て多少体力が戻った分余裕はあって、歩く分には問題が無い様に思えました。しかし、異様な熱は全く抜けておらず、おしっこの臭いの中に甘く鼻腔を擽るものを見つけては、お腹の奥が引き攣れてうっと腰の引けた立ち姿になってしまいます。

 「っ、無理しなくて良いのよ?」

 当然心配されました。しかしそう言われても、流石にばっちいままではいられません。

 「してないよ……シャワー、浴びてくるね……」

 僕は重い身体を引き摺って、ふらふらと部屋の外へ向かいました。心配性の母はその様を見て仕切りに「大丈夫?」と手を貸そうとして来ましたが、恥ずかしいので断って、一人で一階の浴室へと向かいました。

  「はぁっ……はぁっ……」

 熱に浮かされた肌は相変わらずでした。体操着は汗や諸々の体液なんかでびっしょり濡れていて、一歩足を前に出す度に冷たい感触がその熱い肌に擦れ刺激が生じ、度々本能に訴え掛ける様な音と香りが立ちました。特に股から太腿にかけての部分なんかは濡れて張り付いた下着が擦れてしまうので、かなり変な歩き方になってしまっていたと思います。気にし始めると、冷感の中に治りかけの傷口を擦る様な熱く滑った刺激が走り、脚が震え進む事すらままならず、有ったモノが未だ無い事実をこれでもかと突きつけられ、とても気が滅入りました。
 
 フラつく度、何とか壁に手を付いて耐え凌ぎます。余りに酷くて、階段を降り始めた時点で母の手を借りればよかったな、なんて少し後悔もしました。尤も、あまりにも情け無くて助けを呼ぶ気にもなりませんでしたが。

 「はっ……ふっ、ぅ…………」

 手摺の位置ってこんなに高かったっけ、なんて思いながらも、それを掴んで慎重に、恐る恐る片足ずつ降りました。嗅覚、触覚、聴覚、五感のちょっとした刺激が異常な快感に結び付くのです。怖くて一息も付けませんでした。
 
 それでも一歩ずつ進んで、僕はやっとの思いで浴室の磨りガラスのスライドドアの前まで辿り着きました。

 「ふぅっ……ふく、脱がなきゃ…………っっ」

 濡れた体操着に押し込められた身体はもう限界でした。シャツの裾を掴み、乱暴に捲って脱ぎ捨てました。すると、例によって濃厚な性臭と共に大きな乳房が解き放たれ、ふるんと震えます。

 「っ、っ~~~……」

 それだけで快感で頭が痺れ腰が砕けました。壁を背に寄りかかって堪えますが、もう我慢なりません。今すぐ揉みしだきたい衝動に駆られました。が、その時、それ以上に異常なシグナルを発し疼く箇所がありました。

 「はーーっ……はーーっ……っ……」

 荒い息を呑んで視線を下ろし、意を決して僕はズボンとボクサータイプのパンツをどちらも一度にずり下ろしました。するとあろうことか、パンツと股座との間にはぬちゃーっと透明な糸束が引いて、はしたない涎の如く垂れていました。

 「っ…………!」

 何故かいつかエイリアンの出るSF映画で見たワンシーンを想起してしまい、思わず絶句してしまいました。自分の身体がこんな状態になるなんて。これは本格的に何かとんでもない病気に罹ったのではないかと、酷くショックを受けました。

 今すぐ母に助けを求めたかったのですが、こんな姿、正しく認識されないとしても見せる度胸はありません。声を上げて叫ぶ事も出来ず、僕は一人パニックに陥りました。

 慌てて患部を確認しようとしましたが、膨らんだ乳房に遮られて見る事叶わず。触れるのも憚られたので、鏡で見るしかありませんでした。

 覚束無い足取りで浴室のドアを開きます。中に入り、壁に寄りかかったまま姿見の前に立ちました。すると、僕はまたしても驚き言葉を失います。

 「ぁ…………」

 鏡を通し網膜に映ったのは、美しく妖艶な、それでいてまだあどけなさの多分に残った裸の少女が、艶やかな唇をぽっかり開け、くりっとした瞳を丸くして驚いている姿でした。

 汗でびっしょりと濡れた無駄な毛一つ無い陶器の様な肌に、細くしなやかな手脚。華奢でありながら出る所は出ていて、胸と尻の柔和な膨らみは幼稚な自信の思い描く理想に極めて近い豊かな曲線を描いており、それらに伴ってウエストには美しいくびれが出来ています。その胸の先、乳頭部には双方に淡い色をした艶やかな花が咲いていて____クラスで一番とか、そういう次元ではありません。誰にも内緒で隠れてスマホで検索し集めていた助平な画像のどれよりも色香があって、愛らしくて、背徳を誘う、御伽の中から飛び出して来たかの様なグラマラスな姿でした。
 しかし、同時にパッと見て少女と表現するしかない程に小柄でもありました。背丈の低い浴室の鏡に全身が収まっていましたから、自分が小学生の頃位の身長でしょうか。それくらいしかない事が伺えましたし、何しろ秘所の毛が一切見当らず、要所要所に子供っぽさが目立っていました。
 ただその点で魅力が失われる事は無く、寧ろ精緻なアンバランスさがより目を引き、思わず見惚れてしまいました。徐に吸い寄せられる様に近寄ります。すると、鏡の向こうの彼女も同じ様に近付いて来ました。おやと右手を上げれば対面の左手が上がり、その手で頬を撫でれば向こうも同じ様に動きます。

 「うそ……」

 信じられませんでしたが、紛れもなく彼女は自分であり、自身の今の姿でした。その前提で今一度確認すると、また見える物が変わって来ます。髪型なんかはあまりに黒く艶やかに変わっていてまるで違う物に見えていましたが、よく見ると、つい先日までの自分と似た様な耳が隠れる程度のショートヘアです。その美形化された顔も輪郭から何から殆ど別人ですが、注視すると口元の黒子の位置だけは全く同じでゾッとしました。

 「これ……ほんとなの……?」

 改めて視線を落とせば、やはりと言うべきでしょうか。無かった物が有れば、有った物が無くなっています。僕の大事な、男の証。はっきり視認したのは初めてですが、それがやっぱり有りませんでした。漸く生え揃いかけていた陰毛と共にスッキリしてしまっていました。
 しかし、本当に何も無くなった訳ではありません。何も無くなった様に見える陰部の本当に股の下の方に、柔和な肉同士を寄せて出来た一本の皺が、まるで膿んだ切り傷の様にぐじゅぐじゅしていました。
 知識の足りない自分でもここまでの経緯からすぐ察しが付きました。これが恐らくは女性にとっての大切な場所なんだ、という事は。

 現実味の無い、あまりにショッキングな絵面に思わずそこへ手を宛てがおうとしました。と、その時です。じゅくん。お腹の奥深くから股座にかけてが疼いて、甘い痺れが頭に向かって背筋を駆け抜けました。そしてまたです。また、綺麗なお臍がそわそわ動いて、その少し下、奥の方がキューンっと切なく締まる感覚に襲われました。狂おしい衝動に身体の収まりが付かなくなって、忽ち視界は揺れ、息は乱れ、胸が苦しくなります。

 「はぁっ……はっ……っ…………」

 気もそぞろに、唇を甘噛みながら鏡の向こうの股座を再び見据えました。すると、とろーり。ほんのり薄紅がかった恥丘からぽってりと湛えた蜜が溢れて、肉付きの良い太腿を伝っていきます。

 むずむずとした疼きが一際重くなって、脚の力が抜けて浴室の床に内股でへたり込んでしまいました。瞬間、

 「ぅ゛っ! っ、っっ~~~~~⁉︎」

 床にその疼く箇所が接触して、頭上へ突き抜ける様な強烈な衝撃が生じました。たったそれだけで全身が強張って、喉からは艶っぽい苦悶の声が、瞳からは涙が溢れます。

 「っ……? ……はっ……ぅっ……?」

 全く理解が追いつきませんでした。というか、頭が一瞬でバカになりました。それまでの思考が全てトんで、何も分からなくなったのです。そのくらい常軌を逸した快感でした。息も絶え絶えで苦しいのにただただ気持ち良くて、視界は白黒して、全身が余韻でジーンとしました。

 ……いや、余韻と呼ぶのは少し語弊があるかも知れません。だって、それは呼び水でしか無かったのですから。

 「ぅぅ……っ…………んんん…………」

 悶える様な吐息が喉の奥から止めどなく絞り出される中、僕は俄かに恐怖を覚えました。快感の、底が知れませんでした。
 余韻だと思っていた熱が急速に膨れ上がって、衝動が自身を飲み込んでいきます。それが恐怖を上回るのに十秒と掛からなかったかもしれません。それすらも恐ろしかったのですが、無情にも身体は先の快感を追って前傾し始め、腰はゆっくりと前後に動き出しました。

 「んっ……ん…………」

 にゅっ、ぬりゅっ。恐らく大量に分泌されてるであろうはしたない汁で、股座は滑ります。そこでぐっと体重をかけると、

 「っ⁉︎ ぅっ、ぉっ、っ……!」

 柔らかい股座に唯一、こりこりと硬く痼ったポイントを見つけました。くちゅっ、という卑猥な音と共に、痛みの混じった鋭い痺れがそこから走って、背中が跳ねます。

 「んっ……ぁんっ、んんっ……!」

 艶っぽくて愛らしい、苦しそうで切なげな声が浴室内を反響しました。同時に甘ったるい女の子の匂いも鼻腔内に満ちて、この上無く劣情を誘われます。腰は淫らにくねり、卑猥な水音は早まっていきました。

 「んっ、んふーーっ…………んぅっ……ぅっ、ぅぅ~~~っ、ふぅっっ……!」

 身体を起こしている事も難しくなって、鏡台に顎を乗せました。すると目と鼻の先で、頬を赤く染め、涙を浮かべ、舌を放り出して涎を垂れ流す、蕩けたあられもない顔の少女が、媚びる様な艶やかな視線を此方に向けていました。ほぅっと一つ吐息を吐けば、その口元が忽ち曇ります。背筋をぞわぞわが駆け上がりました。腰を床に押し付けて、くにくにくにくに、動かして快感を享受すると、間も無く。

 「ぅ゛ぅっっ! ぁっ、ぐぅぅぅっっ!」

 膨れ上がった熱が沸点に達し、弾けて溢れました。腰は大きく波打ち、脚が床を叩いて水っぽい打音を発します。必死に抑えても、淫猥な呻き声が喉を飛び出して止まりませんでした。

 「っっ、ぅっ……ふぅぅっ…………!」

 胸の先で達した時とは違い、その時の感覚は男の頃のそれと少し似ていました。波の振れ幅は比べ物にならない位大きく別物と言っていいのですが、ぎゅっ、ぎゅーっと痙縮が訪れる度股間から熱が解き放たれる所なんかは近しく感じられて。落ち着きさえすれば、一時は安堵感の様なものが胸の内に広がりました。
 しかし余韻が冷めていく感覚も少し似ていて、その過程で如何わしさと恐怖感が上回り、これ以上は遠慮したい気持ちも大きくなります。正直なところ、鋭過ぎる上に余りにも振れ幅が大きくて、ひたすら穏やかなまま昇天していく様な胸の先の性感の方が好みでした。

 「ぅ゛ぁ……ぁ゛ーー…………」

 少しずつ頭の霧が晴れていきます。最中、漂うおしっこのニオイでふと我に返り、漸く此処に来た本来の目的を思い出しました。

 徐に手を伸ばしシャワーの蛇口を捻って水を出しました。冷水が床と自分の腕を叩きひやっとしましたが、徐々に暖かくなっていきます。僕は床に手をついて怠い身体をゆっくりと起こし、それを頭から浴びました。

 「…………っ、ふぅ……」

 暫くぼーっと、何も考えず浴び続けました。諸々の匂いが少しずつ流れていきます。それと共に頭も冷静さを取り戻していきましたが、火照りまでは中々流れてはくれませんでした。

 肌の張り詰めていた感じは取れても、下腹部奥にずーんと溜まったまま残ってしまう感じです。しかも敏感な箇所は依然にも増して鋭敏で、ちょっとした刺激でひくんと跳ねてしまうので、シャワーを直接浴びせる事が出来ませんでした。

 溜息混じりにここも流さないといけないだろうに、と不意に股座近辺を触って、絶望しました。そこはもう滑りけのある汁でぐちょぐちょでした。触った指先を目の前で開いてみると、指の間がはしたない糸を引きます。これが本当の女の子のニオイなんでしょうか。甘酸っぱいニオイがして、頭がびりびり痺れました。

 こんなのどうしようもありません。目元から涙が溢れました。しかし、後で服を着る事を考えると、放置して流さない訳にもいきませんでした。

 「ふっ…………ぅっ」

 震える手でシャワーを手に取り、覚悟を決めます。そして息を止め、一思いに当てました。その瞬間です。何とも呆気ない上情け無いのですが、身体がバラバラになりそうな程の絶え間無い刺激と痙攣に襲われ、上がる悲鳴と共に頭は明滅を繰り返し、その末またしても意識は虚白に流れ失せました。

 気付けばまた病院のベッドの上。パジャマを着せられ寝かされていました。相当はしたない姿を晒していたのかもしれません。父と兄まで馳せ参じて大丈夫かと心配し、側に居た母は涙を浮かべ、僕が浴室で意識を失って救急車で運ばれた事だけを伝えました。無論、父にも兄にも異変には気付いてもらえず、ぼーっとする中、僕もまた静かに涙を流しました。

 昨日の今日で今度はシャワーで気絶したという報告と、僕自身の「ちょっとした刺激で全身に衝撃が走ったりする」という症状報告により、医者からは原因不明の神経過敏症の一種であるという診断が下り、この後、投薬治療を試され朦朧とした入院生活を余儀なくされました。
 いっそ頭に問題が見つかれば良かったのにとすら思いました。しかし、詳細な検査を幾ら行なっても、身体に異常は見当たらず医者は首を横に振るばかり。時間が経つ事に無力感が増し、夢である様にと願うのも無理が生じてきて、何度も泣きました。もうずっとこのままなのかと、何度も心が折れて、人の道を外れ、破滅的な快感に溺れそうになりました。
 
 しかし、何と言いますか。取るに足らない僕ですが、この件に際して本当に周囲の人には恵まれていると自覚しました。皆のおかげで一人になる時間が少なくて、孤独を感じ、変な気分になる時間が最小限で済んだのです。疼いて辛い時に辛いと言えたのは非常に大きかったと思います。
 そこまでしてくれなくていいと言っているのに、世話焼きな母は日中はほぼ毎日寄り添ってくれましたし、優しい父もいつも以上に優しく語り掛けてくれて、偏屈な兄も僕を「お漏らしくん」と揶揄いつつも、度々顔を見せては気を遣ってくれました。
 更に、入院中何度か、幼馴染であり片想いの相手でもある女の子と、中学からの親友である男子が見舞いに来て、親身に励ましてくれたのですが____

 「おいおい、ラ○ンに幾らメッセージ送っても返事無いと思ったら……そんなしんどい事になってたのか」
 「ごめん……」

 親友は何があったかを分かった上で、僕が来ないと学校で寂しい、早く治して帰って来い、なんて、柄にも無い言葉で元気の無い自分に笑いかけてくれたりしました。反対に幼馴染は、「あんな事があった後なんだから、少しは気持ちを察して励ましなさいよ」と彼を嗜めつつ、

 「まあ、私は気にして無いから。君も気にせずにね」

 と、不器用ながらも優しい気遣いをくれました。言葉少なでしたが、学校の皆は失禁を揶揄うよりもどちらかといえば心配してるとか、此方の不安になりそうな事を取り除こうと努めてくれている所なんかが伺えて、感謝せずにはいられませんでした。

 「つーか学校なんて良いから、元気に退院してまた遊ぼうぜ」
 「良くはないけど、そうね」

 皆なら、本当の事を言っても受け入れてくれるのかもしれない。そう期待して縋りそうにもなりました。流石に発言する勇気はありませんでしたが、今はそう思えるだけて十分でした。

 善事は続きます。なんと、対処療法としての投薬が効果を発揮。決まった時間に飲み続けなければなりませんが、何とか日常生活に戻れる目処が立ったのです。
 本来なら出口の見えない入院生活でした。が、経過良好につき約二週間程で退院出来て、親友へ吉報を送る事も叶いました。

 不幸に際して、これ以上無い克服でした。根本的な問題は一切解決しませんでしたが、不可能でも、何も分からなくとも、みんなの助けがあれば何とか乗り越えられると、この時はそう思っていました。

 甘く見ていました。人との感覚のズレが生む孤独を、自分に向けられた悪意を。
 僕が、僕で無くなっていく恐怖を____
 
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