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10.それはダメだって! 〜少年サイド〜
えっ、どうしてそうなるの⁉︎ なんて思ったのも束の間。するりするりと自分より大きくて細長い手指がパジャマの上を這って、胸元から下の方、果ては股間を弄った。そのこそばゆさに「ふっ、んぅうっ……⁉︎」と身を捩って悶えると、上から愉しげな言葉が降り掛かる。
「んん? あれれーおかしいなぁー? 確かにこの辺にあった物が、さっきまで私に押しつけられてた気がするんだけどなぁー」
うそっ、まってっ、じょうだんっ、だよねっ……?
腕を掴んで退かそうにも、やっぱり力が足りない。そのまますりすりくしゅくしゅ、ズボンの股座部分が音を立て擦られる。
言われる通り、感触が違う。あった筈のものは明らかにそこに無くて、シルエットはなだらかだ____ある一点を除いて。
「おや?」
くにゅっ。探る指先が、服の上からその一点である小さな出っ張りを捉えた。瞬間、そこからまるで電流が流されたみたいな刺激が走って、反り跳ねた僕は「んふぅっ⁉︎」とくぐもった、甲高くて恥ずかしい声を漏らしてしまう。
「っ、えっ、もしかして……これ? ウソでしょ?」
それを見た嘲笑しながらわざとらしく、くにくにくにくに、確認して来る。しつこくねっとりと。指先で摘まれたり、転がされたりする。その度に下腹部を電気が迸って、ぴくん、ぴくんと腰が勝手に跳ねて意図せず如何わしい反応を生む。
「ちっちゃっ! 何これどんぐり? ……さっきまで私の脚に触れてた柔らかい部分どこやったの?」
「んむんぅっ……! んんんっ!」
っ、やめて! それっ、いじっちゃダメだって!
声は塞がれて形にならず伝わらない。もとい、瞳をギラつかせた彼女はただ此方の反応を愉しむばかりで、聞き届けたとしても止める気は全く無さそうだ。
「しかもちょっと硬くなってるし……ここも自分で弄った事ある感じ?」
「んっ、んふううぅっ!」
「ああ、抑えっぱなしはなんか勿体無いな。声、自分で我慢出来る? って、聞く必要無いか」
口元が解放された。僕は叫びそうになる気持ちを必死で堪えて兎に角謝る。
「ふぅっ……っ、ごめんなさいっ、押し倒した事はっ、謝るからっ……!」
「いや、いいよ別に謝んなくて。怒ってないし」
笑顔でそう返された。でも、手は全く止まる気配は無い。訳も分からず「えっ、えぇっ? じゃあっ、こんな事やめてっ」と言うと、大胆にも下着の中に侵入。いきなり大事なところを摘んで来て、根元の方へくにゅっ!
「んぃっ⁉︎」
力を入れられて、皮を剥かれてしまった。一応それは彼女にとっても大胆な行動だった様で「うひっ」と声が漏れ聞こえたけれど、すぐに冷静を取り繕って続ける。
「う……ふふっ、でも許さない。襲おうとしたのに縮んじゃったこの雑魚ちんちんはねっ」
そのまま剥いた状態をキープして、人差し指ですりすり弄られる。剥き出しの敏感な部分が擦れて痛い。擦り傷みたいにヒリッとする。
「っ! いたいっ! やめてっ、いたいよっ!」
「嘘つけっ、こうした方が気持ち良いでしょ?」
「うそじゃないっ! ほんとっ……いたいってばっ!」
「わっ、声抑えるの忘れるなってっ……!」
「いたっ、いたぃっ…………!」
痛みを訴えても中々信じて貰えない。涙を流しながら堪える。
「……ん? あれ、柔らかくなってきた……?」
徐々にタッチをソフトにしても軟化は止まらず。そこで漸く本当だと理解したのか、彼女は一度手を離す。が、
「……やっぱ直接見ないと難しいか」
やっぱり分かってないらしい。突っ込んだ手を使って、そのまま下着ごとズボンをずり下ろし始めた。対して、僕は最後の力を振り絞って抵抗を試みる。
「ゃっ、だめっ! それはだめだってばっ!」
「うっさい今更抵抗すんなっ」
「いやっ、ねっ、もうやめよっ? なれないことしてまでっ、やることじゃないよっ!」
「これからっ、慣れていけばっ、良いでしょっ、がっ!」
と、その時。コンコン、とノックが鳴って、「二人共ー? 騒がしいけどどうしたのー?」とお母さんの声が。
「っ…………!」
僕達は一瞬凍り付いた後、すぐさま大慌てでその場を取り繕った。間も無くドアが開く。
「…………? どうしたの僕君? 布団に包まっちゃって」
「えっあっ、これは、ね……」
返事が思い付かない。目が泳ぐ。と、そこへ彼女。
「あっ、あはは! 私が暑くてエアコンの温度下げたせいで、僕君が寒がってるんですよー!」
愛想笑いで機転を効かせた理由を述べた。僕はそれにすかさず「そ、そうなんだよ、ね……」と便乗する。
「さっきまでそれでちょっと言い合ってて! あは、あはは!」
「あら、そうなの。私ちゃん汗だくだったものねぇ。だからほら、お茶持ってきたの。良ければ飲んで?」
「あー、ありがとうございますー!」
「僕君の分もあるからね」
「う、ありがと……」
お母さんはお茶の入ったコップ二つの乗ったおぼんを床に置いて、そのまま直ぐ去っていくかに思われた。がしかし、ドアに手を掛けた所で「あ、そうそう」と振り返って去り際に、
「これから夕飯の買い物に行ってくるから、後は若いお二人で……」
などと含みのある笑みを浮かべて言い残してから、「ごゆっくりー」と部屋を後にした。
「…………」
もしや、バレてた? と凍り付くも、気にしていられる余裕は無くて、一先ず緊張で胸に溜まった息を大きく吐いた。彼女の方も同じ様で、丁度吐息が重なってデュエットみたいにハモる。低音は彼女で高音が自分の、捻れたデュエットだけれども。
「……何がバレて困るのはそっち、なのさ」
「いや、当たり前でしょ。こんなこと、誰だって現場はバレたくないわ……」
はぁ、と項垂れるタイミングまで揃った。こんな所で息が合わなくていいのに。
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