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13.ぼくのばか 〜少年サイド〜
手脚が震える。心臓はバクバクで、露出した下半身を意識すると全身かぁっと熱くなって、お腹の臍の下辺りが何だかそわそわする。
っ、やっぱり、よく見えないくらい小さくなってるっ……。
視線を落とすと案の定、いつもなら二つの膨らみの谷間からちょこんと覗いている筈の小さなモノが見当たらない。異変の箇所も、イマイチ確認出来ない。
恥ずかしいけど……私ちゃんの方からなら見えるだろうし、この女の子みたいな身体だもん。女の子なら何か、分かるかもしれないよね……おっぱいの時の前科があるから、気を付けないといけないけど。
「ぁっ、言っておくけど、見るだけだからね! 触るのは、ナシだからっ……」
でも、ホントは優しいって分かった今なら、もう____
「…………」
彼女は驚いた様に目を見開いたまま動かない。と、その様子を見て今更変な所で後悔する。
あ……待った、幾ら見せてみろって言われてるにしても、女の子に対してこれって相当な、ドン引きされるヘンタイ行為なんじゃ……?
不安でそんな当たり前のことが頭から抜け落ちてしまっていた。見せる事が解決の近道だなんて思い込んで、怪我した所を見せるみたいについ。
「ぁっ、ぅっ……」
ちがう。そんなのは自分を取り繕う為に吐いた嘘だ。いや、全部が嘘って訳じゃないけど……本当は、何でも良いから彼女の気を引きたくて、少しでも長く話がしたくて、こんな空回りを……いや、これすらも言い訳で、ああ、ぼくのばかっ。わけが分かんないよっ。
「………………」
此方のパニックを知ってか知らずか、彼女は無言でじっと股の方を見つめ続けてくる。何だか如何わしい雰囲気だ。間が保たず、動揺を隠す為に「っ、ねぇっ、教えてってばっ、どうなってるの?」と今一度催促する。
「そうね……」
やっと口を開いてくれた。しかし、後に続く言葉は、警戒した通りの物だった。
「……ちょっと、触ってみても良い? てか触らせろ」
「えっ、ちょっ、とぉっ⁉︎」
問答無用。彼女は瞳をぎらりと鈍く光らせると一瞬で間合いを詰めて、僕の股の間に手を差し込んだ。身構えていたお陰で太腿と手で一度防ぐ事は出来たものの、太腿は柔らかく手は非力。無力で、あまり意味は無かった。
どふ。ベッドに沈められると共に強引に防御は崩されて、ぴとり。触れられた。
「んぅっ⁉︎」
こそばゆさが背筋を昇って、恥ずかしい声が上がると共に身体が跳ねる。悶え捩って抵抗するけれど、彼女柔道でもやっていたんだろうか。またしてもあっという間に組み敷かれてしまって動けなくなった。
ただ、それでも触れるその手の上に両手を重ね当てて、その動きだけは邪魔をする。
「っ、手邪魔。退かして」
「ふっ……みぃっ! っ、んっみるだけっ! 見るだけって言ったじゃんっ! へんたいっ⁉︎」
「何言ってんの? おっぱい揉まれた相手にこんな事してるアンタも十分仲間ってか、圧倒的格上だよっ。誘ってんでしょ? 分かっててやってんでしょ?」
「そんなのっ、ぅっ、ううっ」
否定したかったのに、し切れなかった。僕の心の中には確かに、彼女に責められたいという欲求があった。昨日植え付けられてしまった快感が、ずっと身体と心を苛んでいた事は紛れもない事実だ。彼女が突然訪ねて来るまで、思い返してオナニーだってしていた。
今だってそうだ。彼女の匂いに覆い被さられて、ハスキーで艶のある声にあてられて興奮してしまっている。
「まあ、それならこうするわ」
股で押さえられた右手を満足に動かせないと悟った彼女は、鼻息荒くもう一方の手を服の中に突っ込んで、がら空きの胸を乱暴に鷲掴みしてくる。
「うぁっ!」
「えっ、何これ陥没してる……前もそうだったの?」
どうやら胸の先がまだ出て来て無い事に気付いたらしい。でも、訊いてる意味が分からない。少し考えてから「これっ、そういうものじゃ……」と答えた。すると
「……何なんだよほんと。私こんなので興奮する人間じゃ無かったのに、どうしてくれんの? 責任とってよ」
「そんなっ、つもりじゃっ……」
「うそつきめっ」
ギュッと胸の先、乳輪をまみ潰されて、器用に乳首を穿り出された。強引なやり方に小声で待ってと繰り返したけれど、当然止まらない。出されたそれを強く抓られてしまい、「い゛っ……!」と痛みで声が漏れ、涙が溢れる。
「またウソついて、また泣くの? 泣き虫ヘンタイメス男が」
「う゛っ、うそじゃないっ……ほんとはやさしいって、わかったからっ、しんじて、おしえてって、いっただけでっ……」
「それが本当だとしても下半身露出する? そんな事したらどんな優しい人間だって歪むって。わかんないの?」
「ひうっ、ごめんな゛さっ……」
「ごめんで済んだら警察要らないっつの」
「ぐっ、いあ゛ああぁっ!」
怒りの混じった冷ややかな言葉で心が、強い力で身体が痛め付けられる。やめてと言ってもやめてくれず、謝っても許してくれず。一方的にうそつき、ヘンタイと罵られ、痛みと恐怖を与えられる。酷い。なんて酷いんだろう。
____なのに。
なのに。嫌なのに、好きな人にこんな事されるなんて辛くて、涙だって出てるのに____ゾクゾクする。こんなのおかしいのに、止まってくれない。
しかし、それを自覚した所で「はぁーあ……まあ許さないとして」と彼女。深く嘆息してから、抓っていた乳首を開放した。かと思えば、
「あなたの言う通り、私は優しいからね。お願いはちゃんときいてあげるよ。えーっと、何だっけ?」
と、冷たい表情を崩さず、少し声を和らげてそう尋ねて来た。対して僕が息も絶え絶えに「っーー……股の、ところ……どうなってるか……」と返事すると、そのまま淡々と言う。
「あーそっかそうだったね。じゃあ教えるから、手退かして?」
「…………」
いやだと弱々しく睨みを返した。けれど、それは恥ずかしいからであって、彼女にこれ以上されるのが嫌だからじゃない。最早抵抗の意思は希薄で、何処か虚な返事になってしまっている。
「教えて欲しいんでしょ? 調べなきゃ分かんないから、教えて欲しいなら退かして」
揺れる僕にすかさず彼女は理由を与えた。それを理由に委ねて良いんだよ、と。そう言われた気がした。
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