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第7話 白蛇と女
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これは、私が保育園児の頃に実際に体験したことです。
まだ保育園児という、記憶だって満足に残りそうもない時のことなのですが、あの時のことだけは大人になった今でも忘れられません。
私が当時住んでいた一軒家はオンボロで、冬はあちこちから隙間風が吹き込んでくるとても寒い家でした。父は二階で、私と三つ年上の兄は居間の隣の部屋で母子三人でいつも眠っていました。家はボロで寒かったけど、母や兄と身を寄せ合って眠るのは気持ちよくて、小さい頃の私は毎晩ぐっすりだったと聞いています。
そんなある日のこと。
私はいつものように、母の隣に潜り込みました。入りたての布団はまだひんやりと冷たくて、暖房にあたって暖まっていたはずの身体はすぐに冷えてしまいます。少しでも身を暖めようと、足で反対側の脛をさすったりしていました。
「……? おかあさん、足、やめて」
「なに? 何もしてないよ?」
「うそだぁ」
私の足に、何かが絡んできました。どうせお母さんだろうと思って文句を言うけれど、お母さんは不思議そうな顔をするばかり。
お母さんがウソをついているんだ。そう思った私は、横たえたばかりの身体を起こして布団をまくりました。
「ひいッ!?」
すると、布団の中にはぐにゃぐにゃに絡んだ大きな白蛇と、その蛇が胴体に巻き付いた白い服の女の人が這うようにして横たわっていたのです。私は思わず引き攣った声を洩らしてお母さんにしがみつきましたが、お母さんには見えていないらしく「何を騒いでるの」と逆に怒られてしまいました。
白い服のお姉さんは白蛇を身体に巻き付けたまま、青白い顔で私を見つめてニィ……と口角を引き上げて笑いました。そして、そのまま空気に溶けるようにして消えていったのです。
私があまりにもぎゃんぎゃん泣くものだから、お母さんからはゲンコツを喰らいました。
その白蛇とお姉さんを見たのはその時が最初で最後で、それ以降は一度たりとも目にすることはありませんでした。
あの時、私が見たものはいったいなんだったのでしょうか。
まだ保育園児という、記憶だって満足に残りそうもない時のことなのですが、あの時のことだけは大人になった今でも忘れられません。
私が当時住んでいた一軒家はオンボロで、冬はあちこちから隙間風が吹き込んでくるとても寒い家でした。父は二階で、私と三つ年上の兄は居間の隣の部屋で母子三人でいつも眠っていました。家はボロで寒かったけど、母や兄と身を寄せ合って眠るのは気持ちよくて、小さい頃の私は毎晩ぐっすりだったと聞いています。
そんなある日のこと。
私はいつものように、母の隣に潜り込みました。入りたての布団はまだひんやりと冷たくて、暖房にあたって暖まっていたはずの身体はすぐに冷えてしまいます。少しでも身を暖めようと、足で反対側の脛をさすったりしていました。
「……? おかあさん、足、やめて」
「なに? 何もしてないよ?」
「うそだぁ」
私の足に、何かが絡んできました。どうせお母さんだろうと思って文句を言うけれど、お母さんは不思議そうな顔をするばかり。
お母さんがウソをついているんだ。そう思った私は、横たえたばかりの身体を起こして布団をまくりました。
「ひいッ!?」
すると、布団の中にはぐにゃぐにゃに絡んだ大きな白蛇と、その蛇が胴体に巻き付いた白い服の女の人が這うようにして横たわっていたのです。私は思わず引き攣った声を洩らしてお母さんにしがみつきましたが、お母さんには見えていないらしく「何を騒いでるの」と逆に怒られてしまいました。
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私があまりにもぎゃんぎゃん泣くものだから、お母さんからはゲンコツを喰らいました。
その白蛇とお姉さんを見たのはその時が最初で最後で、それ以降は一度たりとも目にすることはありませんでした。
あの時、私が見たものはいったいなんだったのでしょうか。
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