また君に会うために

城石えお

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*突然の出会い

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なんなんだ、僕は熱があるのか。
いや、多分あるのだろう。そうでなければこんな女の子が僕の部屋にいるわけがない。いるわけが…ないのだが。見えてしまうのだから仕方がない。

「えーと、大丈夫ですか?」

大丈夫なわけがない。まぁそんなこと素直に言えるわけもなく。

「だ、大丈夫…です。」

僕の心配をしてくれるのはいいが、君が誰だか教えてくれないものか。正直なぜ僕の家の中にいるのかわからない。


「あの、君は…誰?」

朝起きたら目の前にいたのだ。いや、正確には朝起きたらものすごい物音がして、あ、思い出した。

あれはなん分前だろう。おそらく20分ほど前。



~20分前~

「…眠い」

まだ6:08じゃないか。なぜ僕はこんな早起きをしてしまったのだろう。大学が始まるまでにはまだ時間もあるし僕の準備を考えてもまだ52分は寝てられる。

「…寝るか」

布団をかぶったその時。


「こんにちはー!!いますか!?いるんでしょ!!あけてくださーーい!あけろ!!」

僕が感じたもの…

まぁ驚きもあっただろう。
でも一番は。


____恐怖____



「きっと夢だ。開けてみよう。声からしたら女の子だ。うん。殺されたりなんてしないさ。」

そんなことを自分に言い聞かせドアをあけた。


瞬間___
頭にすごい衝撃があった。
すぐに僕は倒れて、今に至る…のかな?



「あっ!」

女の子は声も漏らした

「え、と、こんにちは。とりあえず"はなこ"とでも呼んでください!」

「はなこ…さん?」

なんてありがちな名前だ。

「本名…?」

「へっ?えっ?そ、そうですよ~?なんでわざわざ嘘の名前教えるんですかー!ははは。」

嘘だ。

「へ、へぇ。はなこはんね。よろしく」

「はいっ!よろしくお願いします!」

いや、まてまて。僕は何を言っているんだ。よろしく?その前にこの子は誰なんだ?そもそもなぜ僕はドアをあけた瞬間に倒れた?

「あ、あの、なんで僕は倒れてたんですかね?」

「あっあぁ…それは…」

この子のせいか。

「あけて欲しくてドアを叩いてたんです。で、聞こえてないのかなーと思って強く叩こうとした瞬間…あなたがでてきて…」

なるほど。

「!!忘れてました!あなたの名前は?」

「うーん。じゃあたろうとでも言っておこうかな。」

「たろうさんか!いい名前ですね!」

「ところで君は何しに来たの?」

「私は…」

と言って大きな目を伏せる。
よく考えたらこの子はすごく…顔はかわいい。
大きな目にサラサラの黒いストレートの髪。
そしてこの夏によくあうワンピース。
今は夏休みだから。
僕は医師を目指しているので夏休みも大学で勉強ずけなのだが…。

「あの…大学…おくれませんか?」

あっ。忘れていた。まぁ勝手に勉強しに行ってるわけだし1日くらい休んでも平気だろう。ちょうど少し休みも入れたいと思ってたところだ。

「今日は、大丈夫。」

「で、僕に何かようがあるんだっけ?」

このまま流されてはいけない。
この子は何しに来たのか。家出?

「あー・・・えっと、はい、そ、それで~…」

きまづそうに目を背ける。

「それで、あなたにお願いがあってきました。」

いや。なんのお願いだ。

「なんの?」

「それは秘密、です!」

秘密…

「と!とにかく私は1ヶ月と4日はここにいられるので!ま、またきます!今日のところは…これで!」

と言って帰っていた。

「突然来たと思ったら突然帰るんだな…」

そんなこと言ってぼけっとしてるとガチャン、とドアの音が聞こえた。

「お邪魔しました!」

風が入ってきたと思ったらはなこさんの声が聞こえた。そのあとまたすぐガチャン、という音とともに風は途切れた。

「まるで嵐だな…」
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