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若頭(敦史)
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今日は、学校帰りに斗亜が本部に遊びに来ている。
そもそもここは遊び場じゃあないんだがな…
ここに来たって結局する事なんか無いであろう斗亜は、革張りのソファーに寝っ転がり、棒の付いた飴玉を舐めながらずっと携帯をいじっている。
斗亜をこの世界に近付けないようにと、わざわざ龍士の家に居候させたのに、これじゃあんまり意味がないな…
まぁ、そろそろ龍士との生活も慣れてきた頃だろうし、せっかくだから少し様子を伺ってみるとするか。
「斗亜、龍士との共同生活はどう?」
「うん、龍士優しいし楽しいよ?」
「そっか。何か羨ましいなぁ」
「え?何で?」
「斗亜と一緒に暮らせるなんてさ」
本当なら俺が面倒見てやりたかったんだ。
だけど、『若頭が面倒見てる高校』なんて変なレッテル貼られたり、逆に必要以上に目をかけられたり、もし何かあった時にターゲットにされちゃたらたまったもんじゃあないから身を引いたんだけど…
「なんだよそれ…あっくんが面倒見てくんなかったからこうなったんだろ?」
「おいおい、見てくんなかったは言い過ぎだろ」
「そうだけどぉ…」
「なに?龍士とじゃ不満なの?」
「ううん。むしろありがとうだけど…」
「ふふっ、なら良かった」
照れた顔がまだ子供妻ぽくて可愛いよなぁ。
もう17…いや、今年で18か…?
初めて会ったのが斗亜がまだ小学生の頃だから、10年くらい前だろうか。
あの頃は本当に恥ずかしがり屋で、ノブさんの後ろに隠れて挨拶するのがやっとだったよなぁ…
その何年か後だったかな?
ノブさんがあの人と離婚したの…
もし斗亜に何かあったら力になってやって欲しいって、ノブさんに頼まれたんだ。
それから俺は、陰ながら斗亜を支えてきた。
せっかくこの世界から離れたのに、戻ってきちゃうなんてな。
「そういや俺、バイト始めたんだ!」
「バイト?する必要ある?」
「それ龍士にも言われた」
「ははっ、だろうね」
「自分の小遣いくらい自分で稼ぐって言ったらさぁ?小遣いだってやるからいくら欲しいの?だって!この業界ってそんな儲かんの?」
「さぁ?どうかなぁ…」
「この前、俺が欲しいって言ったゲームも買ってくれたしさ」
龍士は面倒みはいい方だと思ってたから任せてみたけど、思っ待てた以上に入れ込んでて正直ちょっとびっくりした。
それに人見知りの斗亜がここまで懐くのも珍しいし、何より龍士の斗亜愛が結構凄いな…
「ねぇ、あっくん…」
「ん?」
「龍士の妹ってなんで死んだの?」
思いがけない質問に、さすがの俺もドキッと心臓が跳ねた。
知らない訳では無いけれど、いくら斗亜だからって簡単に話せることでは無い。
「あぁ、聞いてないの?」
「うん、なんか聞きずらくて…」
「でもそういう事はいくら斗亜でも俺からは話せないかな。本人から聞いた方がいいんじゃないか?」
「うん…そうだよね…」
「気になる?」
「うん。龍士が泣いてるの見るのはしんどい」
「泣いてた…の?」
「うん、写真見ながら。でもなんか悲しそうってより悔しそうな感じで… 何があったんだろうって思って…」
あながち斗亜の洞察力は間違ってないと思う。
けど俺も本人からきちんと本当の話を聞いたことは無いから、どっちにしても余計な事は何も言えない…
「まぁ、あんまり詮索していいことでもないからな」
「うん…そうだよね。でもめっちゃお世話になってるからさ?何か龍士の為に出来ることないかなって…でも俺、龍士の事なんも知らないから…」
斗亜も龍士が好きなんだ。
この場合、ただの好意だとは思うけど、このまま二人一緒にいさせて大丈夫だろうか。
仲がいいに越したことはないけれど、色んな意味でちょっと心配も出てきたな。
斗亜が高校出るまでと思っていたけれど…
「あっくん?聞いてる?」
「あぁ、うん。そうだな。これから少しづつ知っていけばいいんじゃない?」
「うん…」
ソファーに座り直し、俯く斗亜は少し寂しそうだった。
龍士の過去に関する事は、この組に入る際に大方調べさせては貰っている。
確か小さい頃に両親は離婚し、その後母親の行方は不明、父親は傷害で刑務所行き。
その間父親の両親、龍士の祖父母が妹と二人を育てたと聞いている。
そして、父親の出所後…
あの痛ましい事件が起きたらしい。
もし、本当の事を斗亜が知ってしまったら、斗亜は今のままでいられるだろうか。
そして、同時にもうひとつの真実にも目を向けなきゃいけない事になるだろう。
そうなったらいよいよ二人の関係がどうなるか分からない。
斗亜だけじゃない、龍士だってきっと辛いはずだ。
俺のこの選択は間違っていなかったのだろうか…
そもそもここは遊び場じゃあないんだがな…
ここに来たって結局する事なんか無いであろう斗亜は、革張りのソファーに寝っ転がり、棒の付いた飴玉を舐めながらずっと携帯をいじっている。
斗亜をこの世界に近付けないようにと、わざわざ龍士の家に居候させたのに、これじゃあんまり意味がないな…
まぁ、そろそろ龍士との生活も慣れてきた頃だろうし、せっかくだから少し様子を伺ってみるとするか。
「斗亜、龍士との共同生活はどう?」
「うん、龍士優しいし楽しいよ?」
「そっか。何か羨ましいなぁ」
「え?何で?」
「斗亜と一緒に暮らせるなんてさ」
本当なら俺が面倒見てやりたかったんだ。
だけど、『若頭が面倒見てる高校』なんて変なレッテル貼られたり、逆に必要以上に目をかけられたり、もし何かあった時にターゲットにされちゃたらたまったもんじゃあないから身を引いたんだけど…
「なんだよそれ…あっくんが面倒見てくんなかったからこうなったんだろ?」
「おいおい、見てくんなかったは言い過ぎだろ」
「そうだけどぉ…」
「なに?龍士とじゃ不満なの?」
「ううん。むしろありがとうだけど…」
「ふふっ、なら良かった」
照れた顔がまだ子供妻ぽくて可愛いよなぁ。
もう17…いや、今年で18か…?
初めて会ったのが斗亜がまだ小学生の頃だから、10年くらい前だろうか。
あの頃は本当に恥ずかしがり屋で、ノブさんの後ろに隠れて挨拶するのがやっとだったよなぁ…
その何年か後だったかな?
ノブさんがあの人と離婚したの…
もし斗亜に何かあったら力になってやって欲しいって、ノブさんに頼まれたんだ。
それから俺は、陰ながら斗亜を支えてきた。
せっかくこの世界から離れたのに、戻ってきちゃうなんてな。
「そういや俺、バイト始めたんだ!」
「バイト?する必要ある?」
「それ龍士にも言われた」
「ははっ、だろうね」
「自分の小遣いくらい自分で稼ぐって言ったらさぁ?小遣いだってやるからいくら欲しいの?だって!この業界ってそんな儲かんの?」
「さぁ?どうかなぁ…」
「この前、俺が欲しいって言ったゲームも買ってくれたしさ」
龍士は面倒みはいい方だと思ってたから任せてみたけど、思っ待てた以上に入れ込んでて正直ちょっとびっくりした。
それに人見知りの斗亜がここまで懐くのも珍しいし、何より龍士の斗亜愛が結構凄いな…
「ねぇ、あっくん…」
「ん?」
「龍士の妹ってなんで死んだの?」
思いがけない質問に、さすがの俺もドキッと心臓が跳ねた。
知らない訳では無いけれど、いくら斗亜だからって簡単に話せることでは無い。
「あぁ、聞いてないの?」
「うん、なんか聞きずらくて…」
「でもそういう事はいくら斗亜でも俺からは話せないかな。本人から聞いた方がいいんじゃないか?」
「うん…そうだよね…」
「気になる?」
「うん。龍士が泣いてるの見るのはしんどい」
「泣いてた…の?」
「うん、写真見ながら。でもなんか悲しそうってより悔しそうな感じで… 何があったんだろうって思って…」
あながち斗亜の洞察力は間違ってないと思う。
けど俺も本人からきちんと本当の話を聞いたことは無いから、どっちにしても余計な事は何も言えない…
「まぁ、あんまり詮索していいことでもないからな」
「うん…そうだよね。でもめっちゃお世話になってるからさ?何か龍士の為に出来ることないかなって…でも俺、龍士の事なんも知らないから…」
斗亜も龍士が好きなんだ。
この場合、ただの好意だとは思うけど、このまま二人一緒にいさせて大丈夫だろうか。
仲がいいに越したことはないけれど、色んな意味でちょっと心配も出てきたな。
斗亜が高校出るまでと思っていたけれど…
「あっくん?聞いてる?」
「あぁ、うん。そうだな。これから少しづつ知っていけばいいんじゃない?」
「うん…」
ソファーに座り直し、俯く斗亜は少し寂しそうだった。
龍士の過去に関する事は、この組に入る際に大方調べさせては貰っている。
確か小さい頃に両親は離婚し、その後母親の行方は不明、父親は傷害で刑務所行き。
その間父親の両親、龍士の祖父母が妹と二人を育てたと聞いている。
そして、父親の出所後…
あの痛ましい事件が起きたらしい。
もし、本当の事を斗亜が知ってしまったら、斗亜は今のままでいられるだろうか。
そして、同時にもうひとつの真実にも目を向けなきゃいけない事になるだろう。
そうなったらいよいよ二人の関係がどうなるか分からない。
斗亜だけじゃない、龍士だってきっと辛いはずだ。
俺のこの選択は間違っていなかったのだろうか…
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