十六夜の月

むらさきおいも

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鑑定結果(敦史)

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斗亜とあ龍士りゅうじの鑑定結果が送られてきたのは、あれから一週間が経った頃だった。

圭吾けいごと一緒にその封筒を開けて確認すると、結果は俺たちが思っていた物とは全く違かったのだ。


「これ…って…」

「血縁の関係は低いってことだな。でもどうして…」

「斗亜の父親が、別の山崎だったって事?」

「いや、母親が話した感じからすれば龍士の父親の山崎に間違いないと思う。だけどここに血縁関係がないとするなら…」

「…あっ、龍士の父親が山崎じゃないって事は!?」

「そんなはずないだろ?あいつは龍士が殺したんだ。別の山崎も別の息子に殺されたとかありえないだろ…」

「んぅ…でも…」


でも、結果は兄弟ではないと出ている。
生みの親が違うのは確定的であり、父親に関する情報だけが曖昧ならば父親が違うとしか言いようがない。

山崎とのDNA鑑定が出来れば一番良いのだが、今となっては無理だ。


「ねぇ、もしかしたら龍士が知らないだけで、龍士は連れ子だったって事は無い?」

「…確かに。それなら父親が違うってことも有り得るな。それを知ってるのは龍士の母親か…蒸発して行方が分からないって言ってたな」

「龍士に直接聞いてみる?違うならもう悩む心配もないし。それか充彦みつひこくんなら何か知ってるかも…?」

「そうだな、龍士と斗亜にはこっちで調べてから報告しよう」


そして俺と圭吾はまず充彦に連絡を取り、龍士の幼少期の話を知らないか聞いた。

だが充彦は、龍士の中学より前の事は知らないし、父親に関してはの実の父親だって認識だった。

ただ、山崎が刑務所に入り母親も蒸発した後から例の事件があった頃はまで、龍士と妹は山崎の両親の所にいたらしい。

今でも祖父母が生きているなら…
そう思って圭吾と俺は早速、龍士の祖父母の家まで車を走らせた。


その日の夜、俺は龍士を呼び出し斗亜に連絡をした。
龍士は大輝に連れられて酔っ払いながら渋々本部に来たが、斗亜と連絡が取れない。

バイトだとしてももう終わってる時間だし、念の為バイト先に連絡を入れるも真琴まことと一緒に帰ったと言う。

バイト先の友達の真琴の事は、合コンの件が絡んでていくら騙されていたとは言え、番号や家をよく調べておかなかった事を後悔した。

もしかしてまた何かあったんじゃ…


「龍士、真琴の連絡先知らない?」

「知らない…」

敦史あつしさん、俺知ってます!」

大輝たいき?何で知ってるの?」

「俺、真琴と友達なんで。かけてみますか?」

「あぁ、頼む」


大輝が真琴と友達?
なんだかよく分からないけど大輝がいてくれて良かった。

暫くコールを鳴らしてみるが、真琴も全然電話に出ない。
そして、3回目の発信でやっと繋がった。


「真琴!?今、斗亜くんと一緒?」

(大輝さんっ、斗亜くんが…斗亜くんがぁ…)

「どうした、真琴。落ち着いて。斗亜くんがどうかしたの?」

(ストーカーの女の子に刺されて…っ、今救急車に乗って…心臓マッサージしてて…っ)

「何…それ…」

「大輝、どうした?」

「斗亜くんが刺されて搬送されてるって…」

「…っ!?大輝、病院だ。どこの病院か聞け」

「はいっ」

「圭吾、ノブさん呼んで」

「はい!」


何が起きた!?
また、何かに巻き込まれたのか!?
でも奴らの組織は潰したはず…

何で―――

俺は自分の不甲斐なさに頭を抱えた。

そして、大輝が病院を聞き出し圭吾がノブさんに連絡している最中に、圭吾が龍士の異変に気が付き駆け寄った。


「あっ、龍士!?『…ノブさん、とにかくタクシー掴まえて病院に向かって!』龍士!?大丈夫!?」

「はぁ…はぁ…っ」


龍士は胸元のシャツを掴み虚ろな表情で一点を見つめ、苦しそうに膝から崩れ落ちた。


「龍士っ、大丈夫、大丈夫だから落ち着いて!」

「斗亜がっ…何で…っ」

「今はとにかく病院に行こう」


俺は自ら車に乗りこみ、みんなを乗せて言われた病院まで車を走らせた。

とにかく無事でいてくれ!!
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