絶対に好きって言わせてやる!

ヒマリ

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瑞季の胸の内

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<翌日の朝、学校にて>
あれから、すぐに私と瑞季は別れ、私は家まで司に送ってもらった。
瑞季の表情は言うまでもなく、悲痛で歪みまくっていた。
そうしたのは私。
罪悪感があり、良心は傷つくけど後悔はしていない。
むしろ、瑞季を私という存在から解放できたことに喜びすら感じている。
「おはよ、トモ」
「おはよう、亜美」
彼女は荷物をササッと机に置くと、すぐに目を輝かせて私の元へ来た。
はぁー。やれやれ。
「それで、昨日の放課後デートはどうだったのよ!?」
「デパート行って、文房具店行って、カフェ行って、そこで元カレと遭遇。ヨリ戻した。以上」
彼女は驚きのあまり、腰を抜かした!
ぅわっ!あっぶない!
「は?なんで?」
「元カレのことまだ好きだったし、これで瑞季も諦めがつくだろうと思ったから。なんか文句ある?」
彼女は苛立ちをあらわにして、勢いよく立ち上がった。
「あるに決まってるでしょ!?あんなに瑞季、トモのこと好きなんだよ?なんで答えてあげないの!?てか、元カレとヨリ戻すとかあり得ない!それも瑞季の目の前で!鬼!悪魔!」
亜美が何故ここまで怒ってるのか、正直理解不能だった。
だって、そうじゃん?
なんで、好きでもない人と付き合わないといけないの?
なんで、元カレとヨリを戻しちゃいけないの?
そんなの亜美には関係ないし、口出しされる意味が分かんない。
確かに瑞季の目の前で元カレとヨリを戻したことは少なからず悪かったとは思ってる。
でも、それ以外の亜美の文句は全て意味不明。
私の自由な権限のはずのことを指摘されると腹が立つ。
私の勝手じゃん!
そして、私は思考を巡らせ、一つのある結論にたどり着いた。
「ねぇ、亜美って瑞季のこと好きなの?」
彼女はツラツラと文句を言い続けていた口を閉ざした。
さっきから、聞いてれば、瑞季のことばかり気にかけているようでそうとしか思えない。
亜美の顔は少しずつ赤くなっていき、そっぽを向いた。
あぁ、図星か。
「そうだったら、なんだっていうのよ!?」
もう最後の方はヤケクソみたいで少し可愛かった。
クスクス
「ならさぁ、亜美は今瑞季を落とすチャンスだって思わないわけ?」
「はぁ!?なんでよ!?」
「だってさ、瑞季の想い人である私にはもう彼氏がいるから、瑞季は手が出せない。それに加えて、瑞季はその現場を目撃しているため、尚更心が苦しい。そこに優しい女が現れれば、瑞季だって満更でもないと思うけど?ま、この出来事をチャンスと取るかは亜美の自由だけどね」
彼女は黙ったまま何も言わない。
私的には早く誰かに瑞季の心のケアをしてほしいから、ね?
私が心のケアをしようとしても絶対に逆効果だし。
多分、私の顔何て見たくないだろうしね。
ま、それで亜美と瑞季が良い感じになって、交際をスタートしてくれると尚助かる。
私がそんな甘いことを考えている間に亜美が鬼と化していることに頭の中お花畑の私は気づけなかった。
「・・・・ざけんじゃねぇよ!!!」
え・・・・・・?
亜美に目線を移すと、完璧ブチ切れている彼女がいた。
私を睨み付け、軽蔑するかのような目につい身構えてしまう。
「瑞季がどれだけ、トモのこと好きか知ってる?毎日毎日飽きずにトモのこと目で追っかけて、トモと話した後は本当に幸せそうで、昨日の放課後デートだって放課後が待ち遠しいというように何度も何度も時計を見てた。それに昨日のデートプランだって友達から先輩や後輩までの知人全員に相談してアドバイス貰ってたんだよ!?それくらいトモのこと好きなのに!なんで、ちゃんと真摯に向き合ってあげないの!?」
・・・・・真摯に?
私、瑞季の気持ちに真摯に向き合ってなかった?
「この際だから、ハッキリ言わせてもらうけど、あんたは瑞季のことちゃんと見てない。瑞季はあんたのことちゃんと見てるのに!」
見て、ない?
「元カレと本気でヨリ戻す気なら、ちゃんと瑞季が失恋できるように思いきり振ってあげなよ!」
ちゃんと振る・・・・・?
ちゃんと振るって何?
どうやったら、そうなるの? 
わからなくなってきた。 
「瑞季とまだ友達続けたいとか思ってるなら、その考え今すぐやめな!」
え・・・・なんで?
「言っとくけど!男女間の友達関係はお互いに恋愛感情が皆無じゃないと成立しないから」
そう、なの?
流れ込んでくる新しい知識は私を責めるようなものばかり・・・・・。
いくら、瑞季が可哀想だからといって、これはひどい。
「だから、瑞季とはもう瑞季にトモへの恋愛感情がなくなるまでは本当の友達には戻れない」
キッパリと言われた現実味をおびた言葉に胸がざわつく。
友達じゃなくなる・・・・!?
そんなの嫌だ!絶対に嫌っ!
そんな私の気持ちを感じとったのか、亜美はさっきとはうってかわって、まるで駄々っ子をあやすような困った母親のような表情を浮かべ、私の肩に手を乗せた。
「いい?よく聞いて。瑞季がまだトモに恋愛感情を向けているのに友達のままだったら、あなたは満足するかもしれないけど、瑞季は酷く疲れ、ストレスが溜まる。要するに瑞季が壊れてしまう。あんたにそんな気がなかったとしても結果的にそうなってしまうの!分かってあげて、瑞季がどれたけ苦しくて、でもあなたを裏切れない、どうしようもない気持ちを」
初めて、瑞季の胸の内を知って、私はただ呆然と立ち竦んだ。
私はなんて甘いことを考えていたのだろう?
友達のままでいられる?
そんな訳あるはずない。
私は瑞季に最も残酷で最も辛い道を歩ませてきたのかもしれない。
そう思うと胸が痛んで居ても立ってもいられなかった。
早く・・・・・早く瑞季を見つけて謝ろう!そして、改めて振るんだ瑞季のことを・・・・今度はちゃんと瑞季が失恋できるように。
淡い期待すら、抱けないくらいのハッキリとした物言いで。
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