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第1章 新たな旅立ち

8話 筋肉

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……朝だ。天井が……無い!

『そりゃそうだよ、ここダンジョンだもの』

ダヨネーワカッテマシタ。ネコ、パメラは何処だ?

『少し奥で弓の練習をしてるよ。じゃましない方がいいと思うけど』

と、ネコが熱心に語っている間、のそーっと近づいてたりする。分かれ道の奥にはいつもと少し雰囲気が違うパメラが一生懸命弓を射っていた。

遡ること数日前。俺とネコが”継承”についての説明を聞いていたころ、1人残されたパメラは村長の息子から弓の手解きを受けていた。
きっかけは村長からパメラの護衛という任務を受けていた息子が、たまたまパメラが背中に背負っていた弓を見たことから始まる。息子(※ゴリマッチョな黒猫獣人です。以後ゴリマッチョと呼ぶ。)は村一番の弓使いで、そのゴリマッチョが見るにパメラが背負っていた弓はこの世界でも有数の匠によって作られた物だった。さらにゴリマッチョが知っている中でパメラの弓は5本の指に入るほどの業物だった。ゴリマッチョはパメラにそれを何処で手にいれたのかを聞いたところ、自我が芽生えたころにはもう持ってたが使い方があまり詳しくないと言われ、そこからゴリマッチョの弓講座が始まったのであった。




6時間後、パメラはゴリマッチョの技を吸収し、自分の物して、更に応用の域にまで達したそうだ。ちょうど俺達が帰って来たのを感じたゴリマッチョは「反復練習は欠かさないように」とだけ言って1人虚しく帰路に着いた。という悲しいオスの末路はどうでもいいとして……

『なんかゴリゴリ煩かった』

メタ発言やめい。ん?後ろに何かの気配が……敵か!

振り向くと目の前に筋肉があった。間違えた、ゴリマッチョがいた。何故名前?を知っているかって?

実は”継承”を終えて地上に戻ってからパメラに会うまでの道で、俺達はどんよりしたマッチョ獣人とすれ違っていたのだ

その獣人は「化け物がいる……」と何度も繰り返し呟きながらこちらに気づく事もなく歩き去っていったのだ。

その獣人こそがゴリマッチョだ。

「拙者はゴリマッチョという名では無い。拙者の名はガウラだ。」

…喋り方がオジマッチョだった。ガウラさんは何でここにいるんだ?

「いや、パメラ殿の成長を末永く見たいと思いましてな。是非拙者もパーティーに入れて頂きたい」

?…パーティーって?

『あ、ごめん説明し忘れてた』

どうやら俺はこの世界についてネコからもう一度説明を受けなければいけないようだった

『次回、説明会の巻~』

最後にメタぶちかますなや
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