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「やっぱり俺は、花音のことが好き」
「……」
俺の言葉に花音は何の反応も示してくれなかった。もしかしたら少しくらい表情は変えてくれたのかもしれないけど、彼女の顔を見るのが怖くて遠くに見える海を凝視しているから、今彼女がどんな表情をしているかは俺には分からない。
俺と花音が訪れているのは俺たちが住んでいる地域にある、地元民しか知らない小さい公園だった。高台にあって海を眺めることができる、割と素敵な場所である。ただ、見えている海は主に工業地帯だから美しいオーシャンビューかと言われるとちょっと違うけど。
「今回もダメだったらちゃんと諦めるからさ、もう一度だけ言わせて」
「……うん」
そこまで言って俺は、意味もなくずっと凝視していた海から視線を外した。そして俺の隣に並ぶように立って一緒に海を眺めていた花音の方に体を向けた。俺の動きに合わせるように花音も俺の方に振り向いてくれた。
「神戸花音さん、あなたのことが好きです。俺と付き合ってくれませんか」
頭を下げて、右手を彼女の方に差し出す。普通というか、古風というか、ちょっと典型的すぎる言葉かもしれないけど、でも俺にはこの言葉しか思い浮かばなかった。
花音のことが好き。誰よりも彼女のことが好き。はじめて彼女に会った瞬間からずっと彼女のことが好きだった。三年間、彼女のことだけを見ていた。彼女のことしか考えられなかった。
お嬢様なのに気さくなところが好き。仕草は上品なのに話す内容は意外とお茶目で面白いところが好き。笑った時に目が細くなるのが好き。同じ相手に何年も片思いを続けてしまう一途なところが好き。
……その片思いの相手が俺じゃないことが悔しくて仕方がないけど。
「ごめんなさい」
謝罪の言葉とともに、花音は俺に深く頭を下げてきた。残念ながら彼女の答えは今回も俺の予想通りのものだった。
そうだよな。花音もやっぱり好きな相手のこと、諦められないよな。俺が彼女のことを諦められなかったのと全く同じだよな。
「本当にごめんね? ずっと好きでいてくれたのは嬉しい。すごく嬉しいんだけど……。でもやっぱり私もまだ諦められなくて」
「……うん、わかるよ。俺も同じだ…ったから。だから気にしないで」
「ごめん……」
予想通りの答えとはいえ、ショックがない訳ではない。というか正直、ショックを通り超してもはや絶望している。
でも、仕方がない。自分の気持ちはちゃんと伝えた。しかも二回も。そして花音に俺のことを好きになってもらえるように、自分にできる努力はすべてしてきたつもりだ。
それでもダメだったんだから、最初から俺にはチャンスがなかったんだ。彼女は最初から俺の手には届かない存在だったんだよ。
「今度こそちゃんと、諦めるから」
「……」
「花音が好きな人とうまくいくことを、心から願ってるよ」
「…ありがとう」
自分の最後の言葉が本心だったのか強がりだったのかは自分でもよく分からない。でも彼女に幸せになってほしいという気持ちに嘘偽りはなかった。
いずれにしてもこれで終わり。終わった。本当に終わった。終わってしまった。俺の初恋。三年間もよく頑張ったよ。めげずにね。自分を褒めてあげよう。そして自分を慰めてあげよう。
さようなら、花音。今までありがとう。
……幸せになってな。
「……」
俺の言葉に花音は何の反応も示してくれなかった。もしかしたら少しくらい表情は変えてくれたのかもしれないけど、彼女の顔を見るのが怖くて遠くに見える海を凝視しているから、今彼女がどんな表情をしているかは俺には分からない。
俺と花音が訪れているのは俺たちが住んでいる地域にある、地元民しか知らない小さい公園だった。高台にあって海を眺めることができる、割と素敵な場所である。ただ、見えている海は主に工業地帯だから美しいオーシャンビューかと言われるとちょっと違うけど。
「今回もダメだったらちゃんと諦めるからさ、もう一度だけ言わせて」
「……うん」
そこまで言って俺は、意味もなくずっと凝視していた海から視線を外した。そして俺の隣に並ぶように立って一緒に海を眺めていた花音の方に体を向けた。俺の動きに合わせるように花音も俺の方に振り向いてくれた。
「神戸花音さん、あなたのことが好きです。俺と付き合ってくれませんか」
頭を下げて、右手を彼女の方に差し出す。普通というか、古風というか、ちょっと典型的すぎる言葉かもしれないけど、でも俺にはこの言葉しか思い浮かばなかった。
花音のことが好き。誰よりも彼女のことが好き。はじめて彼女に会った瞬間からずっと彼女のことが好きだった。三年間、彼女のことだけを見ていた。彼女のことしか考えられなかった。
お嬢様なのに気さくなところが好き。仕草は上品なのに話す内容は意外とお茶目で面白いところが好き。笑った時に目が細くなるのが好き。同じ相手に何年も片思いを続けてしまう一途なところが好き。
……その片思いの相手が俺じゃないことが悔しくて仕方がないけど。
「ごめんなさい」
謝罪の言葉とともに、花音は俺に深く頭を下げてきた。残念ながら彼女の答えは今回も俺の予想通りのものだった。
そうだよな。花音もやっぱり好きな相手のこと、諦められないよな。俺が彼女のことを諦められなかったのと全く同じだよな。
「本当にごめんね? ずっと好きでいてくれたのは嬉しい。すごく嬉しいんだけど……。でもやっぱり私もまだ諦められなくて」
「……うん、わかるよ。俺も同じだ…ったから。だから気にしないで」
「ごめん……」
予想通りの答えとはいえ、ショックがない訳ではない。というか正直、ショックを通り超してもはや絶望している。
でも、仕方がない。自分の気持ちはちゃんと伝えた。しかも二回も。そして花音に俺のことを好きになってもらえるように、自分にできる努力はすべてしてきたつもりだ。
それでもダメだったんだから、最初から俺にはチャンスがなかったんだ。彼女は最初から俺の手には届かない存在だったんだよ。
「今度こそちゃんと、諦めるから」
「……」
「花音が好きな人とうまくいくことを、心から願ってるよ」
「…ありがとう」
自分の最後の言葉が本心だったのか強がりだったのかは自分でもよく分からない。でも彼女に幸せになってほしいという気持ちに嘘偽りはなかった。
いずれにしてもこれで終わり。終わった。本当に終わった。終わってしまった。俺の初恋。三年間もよく頑張ったよ。めげずにね。自分を褒めてあげよう。そして自分を慰めてあげよう。
さようなら、花音。今までありがとう。
……幸せになってな。
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