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彩華ルート
29話 方針転換
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彩華さんの気持ちはきっと変わらない。残念ながら先日のやりとりで俺はそのことを完全に理解させられてしまった。
俺と付き合えない理由が俺自身や俺たちを取り巻く環境にあったのなら、その理由を取り除けば付き合える可能性は出てきたのだろう。
でも彩華さんによると俺と付き合えない理由は彩華さんに、しかも彩華さんの過去の出来事にあるということだから、タイムトラベルでもして彩華さんの過去を変えない限り、彩華さんが俺の気持ちを受け入れてくれることはないはずだ。
悔しいし悲しいけど仕方がない。彩華さんの気持ちを尊重して、今は「期間限定のパートナー」というポジションを受け入れよう。
ここで「押してダメならもっと押せ」という感じで自分の気持ちを押し付けたところで状況は変わらないし、逆に悪くなってしまう可能性さえある。
だから俺は自分の気持ちをこれ以上、彩華さんに押し付けるべきではない。彩華さんのためにも、そして俺自身のためにも。
高校時代の初恋がうまくいかなかったことが、俺を少しは大人にしてくれたのかもしれない。あの時はこんなことを冷静に考えることができなかったから。
……とは言っても、もちろん諦めるつもりは全くない。ただ、このまま押し続けても意味がないから方針を変えるだけだ。
新しい方針は……、まあ、長期戦になるのは間違いないし、まだ大まかな方針が決まっただけで詳細は未定だからまた今度紹介するとしよう。とりあえず今はペスカトーレ・ビアンコを見栄えよく盛り付けることに集中しなければ。
「美味しい~! えっ、待って、なにこれ美味しすぎる。ヤバいよ、これ。いくらでも食べれちゃうよ!?」
「それはよかった。こんなもので良ければいつでも作るからね」
「『こんなもの』じゃないよ! イル・マーレで食べてるのと全く変わらないよ!? もうプロじゃん。自分のお店出せるんじゃない!?」
「それはちょっと大袈裟じゃない?」
「ううん、大袈裟じゃないって! これ本っっ当に美味しいよ!」
彩華さんは興奮した様子で俺の作ったパスタを絶賛してくれた。一応俺も彼女と同じものを一緒に食べているけど……。
うん、確かに美味しい。我ながら上出来だ。最近は店長から調理の方も本格的に教わっているからね。
そういえば店長も褒めてくれてたな。「もし2号店を出すことになったらそこの店長やらない? 絶対向いてるよ」って。
実際にその道を目指すかどうかはおいといて、とりあえず彩華さんに喜んでもらえてよかった。彩華さんが一番よく注文するメニューから教えてもらったのも正解だったな。
「えっ、ヤバい。ちょっと無理。幸せ。幸せすぎる……」
「喜んでもらえてよかったよ。また作るね」
「うん!」
良い返事。可愛いな、もう。よしよし、これからいくらでも作ってあげるからね。期待しててね。
俺と付き合えない理由が俺自身や俺たちを取り巻く環境にあったのなら、その理由を取り除けば付き合える可能性は出てきたのだろう。
でも彩華さんによると俺と付き合えない理由は彩華さんに、しかも彩華さんの過去の出来事にあるということだから、タイムトラベルでもして彩華さんの過去を変えない限り、彩華さんが俺の気持ちを受け入れてくれることはないはずだ。
悔しいし悲しいけど仕方がない。彩華さんの気持ちを尊重して、今は「期間限定のパートナー」というポジションを受け入れよう。
ここで「押してダメならもっと押せ」という感じで自分の気持ちを押し付けたところで状況は変わらないし、逆に悪くなってしまう可能性さえある。
だから俺は自分の気持ちをこれ以上、彩華さんに押し付けるべきではない。彩華さんのためにも、そして俺自身のためにも。
高校時代の初恋がうまくいかなかったことが、俺を少しは大人にしてくれたのかもしれない。あの時はこんなことを冷静に考えることができなかったから。
……とは言っても、もちろん諦めるつもりは全くない。ただ、このまま押し続けても意味がないから方針を変えるだけだ。
新しい方針は……、まあ、長期戦になるのは間違いないし、まだ大まかな方針が決まっただけで詳細は未定だからまた今度紹介するとしよう。とりあえず今はペスカトーレ・ビアンコを見栄えよく盛り付けることに集中しなければ。
「美味しい~! えっ、待って、なにこれ美味しすぎる。ヤバいよ、これ。いくらでも食べれちゃうよ!?」
「それはよかった。こんなもので良ければいつでも作るからね」
「『こんなもの』じゃないよ! イル・マーレで食べてるのと全く変わらないよ!? もうプロじゃん。自分のお店出せるんじゃない!?」
「それはちょっと大袈裟じゃない?」
「ううん、大袈裟じゃないって! これ本っっ当に美味しいよ!」
彩華さんは興奮した様子で俺の作ったパスタを絶賛してくれた。一応俺も彼女と同じものを一緒に食べているけど……。
うん、確かに美味しい。我ながら上出来だ。最近は店長から調理の方も本格的に教わっているからね。
そういえば店長も褒めてくれてたな。「もし2号店を出すことになったらそこの店長やらない? 絶対向いてるよ」って。
実際にその道を目指すかどうかはおいといて、とりあえず彩華さんに喜んでもらえてよかった。彩華さんが一番よく注文するメニューから教えてもらったのも正解だったな。
「えっ、ヤバい。ちょっと無理。幸せ。幸せすぎる……」
「喜んでもらえてよかったよ。また作るね」
「うん!」
良い返事。可愛いな、もう。よしよし、これからいくらでも作ってあげるからね。期待しててね。
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