45 / 45
彩華ルート
彩華エピローグ
しおりを挟む
「ただいま…っ!?」
「おかえり」
部屋に入った瞬間、驚きで目を見開く俺の様子を見て、彩華さんはいたずらに成功した子供のように得意げな笑みを浮かべた。
俺が驚いた理由は二つ。一つ目は部屋がまるで誰かの誕生日会でもあるかのようにおしゃれなバルーンで飾られていたこと。二つ目は俺を出迎えてくれた彩華さんがなぜか本気で着飾った姿であったこと。
今日の彩華さんは在宅勤務日だったはずで、在宅勤務日の彩華さんは基本的にラフな格好をしているけど……、今日の彩華さんはなぜかホテルのディナーにでも行くような気合いの入った服装とメイクをしていた。
……やば、完全に見惚れてしまった。もちろん普段のラフな格好の彩華さんも綺麗だけど、やっぱりフル装備の彩華さんはちょっと近寄りがたいほどの美しさがある。ちょっとこの世のものとは思えないくらい。
「お疲れ様。手洗ってきて。ご飯できてるよ」
「……!? わかった」
彩華さんにそう言われて一瞬ダイニングテーブルを確認した俺は、またしても驚かされてしまった。
そこには豪華なディナーが用意されていた。しかもおそらくほとんどが彩華さんの手作りなんだと思う。
彩華さん、料理ができない訳じゃないけど好きじゃないから、基本的に食事は元飲食店従業員の俺の方が担当しているんだけど……。これ、明らかに時間をかけて作ってくれてるよな。
ど…どうしたんだろう?
「そろそろ本題に入るね」
彩華さんが作ってくれた食事を終えてしばらくしてから、彩華さんはやや緊張した様子でそう切り出した。
ちなみに彩華さんの料理はとても美味しかった。本人は「颯太くんが普段作ってくれている料理の足元にも及ばないと思うけど」と謙遜していたけど、絶対にそんなことはない。少なくとも俺にとっては世界一美味しい料理だった。
「私から言うべきかどうか最後まで迷ったけど……、でも今までずっと颯太くんにもらってばかりだったから、今度はどうしても私から伝えたかったの。もし颯太くんも何か考えてくれていたならごめんね?」
「う、うん……」
「では、言いますね。…えっと、あと一か月で颯太くんと一緒に暮らすようになって一年になりますけど……、私、毎日すごく幸せです。自分がこんな毎日を過ごしているのが信じられないくらい幸せ。いつも本当にありがとう。……私はもう、颯太くんがいないと生きていけないくらい颯太くんのことを愛しています」
えっ? ちょっと待って。これってもしかして……!?
「予定より少し早いし、あの時『颯太くんの気持ちが変わらなければ』とか言っていたくせに私の気持ちを押し付けるような形になっちゃうけど……。それでも言わせてください」
「……はい」
「汐見颯太さん。これからもずっとあなたと一緒にいたいです。あなたに相応しい妻になれるように努力しますので、私と結婚してください」
これは予想外。いくらなんでも予想外。
二人で暮らすようになって一年になる日にまた俺からプロポーズしようと思ってたし、正直今まで一筋縄ではいかなかった経験があるからその返事が「やっぱりまだ自分自身のことを信じられないからもう少し時間がほしい」になることも覚悟してた。
それが、まさかの一か月前倒しの逆プロポーズだなんて。何これ、俺は夢を見ているのか? それとも何か脳に問題が発生して自分にとって都合の良い幻覚が見えるようになったのか?
…いや、そんなこと今はどうでも良い! それよりも今の彩華さんの言葉にちゃんと返事をしないと! もちろん俺の返事は決まっている。
「はい、俺でよければ喜んで!」
「おかえり」
部屋に入った瞬間、驚きで目を見開く俺の様子を見て、彩華さんはいたずらに成功した子供のように得意げな笑みを浮かべた。
俺が驚いた理由は二つ。一つ目は部屋がまるで誰かの誕生日会でもあるかのようにおしゃれなバルーンで飾られていたこと。二つ目は俺を出迎えてくれた彩華さんがなぜか本気で着飾った姿であったこと。
今日の彩華さんは在宅勤務日だったはずで、在宅勤務日の彩華さんは基本的にラフな格好をしているけど……、今日の彩華さんはなぜかホテルのディナーにでも行くような気合いの入った服装とメイクをしていた。
……やば、完全に見惚れてしまった。もちろん普段のラフな格好の彩華さんも綺麗だけど、やっぱりフル装備の彩華さんはちょっと近寄りがたいほどの美しさがある。ちょっとこの世のものとは思えないくらい。
「お疲れ様。手洗ってきて。ご飯できてるよ」
「……!? わかった」
彩華さんにそう言われて一瞬ダイニングテーブルを確認した俺は、またしても驚かされてしまった。
そこには豪華なディナーが用意されていた。しかもおそらくほとんどが彩華さんの手作りなんだと思う。
彩華さん、料理ができない訳じゃないけど好きじゃないから、基本的に食事は元飲食店従業員の俺の方が担当しているんだけど……。これ、明らかに時間をかけて作ってくれてるよな。
ど…どうしたんだろう?
「そろそろ本題に入るね」
彩華さんが作ってくれた食事を終えてしばらくしてから、彩華さんはやや緊張した様子でそう切り出した。
ちなみに彩華さんの料理はとても美味しかった。本人は「颯太くんが普段作ってくれている料理の足元にも及ばないと思うけど」と謙遜していたけど、絶対にそんなことはない。少なくとも俺にとっては世界一美味しい料理だった。
「私から言うべきかどうか最後まで迷ったけど……、でも今までずっと颯太くんにもらってばかりだったから、今度はどうしても私から伝えたかったの。もし颯太くんも何か考えてくれていたならごめんね?」
「う、うん……」
「では、言いますね。…えっと、あと一か月で颯太くんと一緒に暮らすようになって一年になりますけど……、私、毎日すごく幸せです。自分がこんな毎日を過ごしているのが信じられないくらい幸せ。いつも本当にありがとう。……私はもう、颯太くんがいないと生きていけないくらい颯太くんのことを愛しています」
えっ? ちょっと待って。これってもしかして……!?
「予定より少し早いし、あの時『颯太くんの気持ちが変わらなければ』とか言っていたくせに私の気持ちを押し付けるような形になっちゃうけど……。それでも言わせてください」
「……はい」
「汐見颯太さん。これからもずっとあなたと一緒にいたいです。あなたに相応しい妻になれるように努力しますので、私と結婚してください」
これは予想外。いくらなんでも予想外。
二人で暮らすようになって一年になる日にまた俺からプロポーズしようと思ってたし、正直今まで一筋縄ではいかなかった経験があるからその返事が「やっぱりまだ自分自身のことを信じられないからもう少し時間がほしい」になることも覚悟してた。
それが、まさかの一か月前倒しの逆プロポーズだなんて。何これ、俺は夢を見ているのか? それとも何か脳に問題が発生して自分にとって都合の良い幻覚が見えるようになったのか?
…いや、そんなこと今はどうでも良い! それよりも今の彩華さんの言葉にちゃんと返事をしないと! もちろん俺の返事は決まっている。
「はい、俺でよければ喜んで!」
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
彼氏がヤンデレてることに気付いたのでデッドエンド回避します
八
恋愛
ヤンデレ乙女ゲー主人公に転生した女の子が好かれたいやら殺されたくないやらでわたわたする話。基本ほのぼのしてます。食べてばっかり。
なろうに別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたものなので今と芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
一部加筆修正しています。
2025/9/9完結しました。ありがとうございました。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
主人公の汐見くんがかわいいです。
とてもかわいいです。
不憫属性がつきそうでつかないところがまたヨシです。
ありがとうございます。
可愛いと言っていただけて嬉しいです…!
失恋スタートだけとピュアな気配がします。
続きが楽しみです。
今回も読んでいただき、ありがとうございます。
雨沢様のためにも最後まで投稿できるよう頑張ります。