閨から始まる拗らせ公爵の初恋

ボンボンP

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初夜 *

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私がボニーに起こされたのは23時を過ぎた頃だった。
あまりにも眠たくて私は機嫌が悪かった。

どうして明日にしてくれないんだろう?
初夜って何が何でも結婚式当日にしなければならない決まりでもあるのかしらね…。
ベッドから出てサイドテーブルにある果実水を飲む。


夫婦の寝室に行くと、カットされたフルーツがあったのでりんごを一切れ食べてまた水を飲んだ。

そして間もなく現れるであろう夫の事を考えると大きなため息が出た。
ベッドに腰掛けて自分の寝室に戻りたいという気持ちと闘っていた。


ノックもなく当主部屋側のドアが開くとアルベール様が入って来た。
彼はガウンを羽織っていたが下は既に裸のようだった。

浴室から出て間もないのか金の髪は濡れていた…。
嫌だなあ、濡れてる髪の毛が肌に触れるのは気持ち悪いし、ベッドが湿気るわ。
ますます私の気分は荒ぶってくる。

夫は何も言葉を発しなかったので私も黙っていた。

夫は私の前まで来ると目線だけで私にベッドに上がれとあごを上げて示した。
家庭教師の言葉通りに私は大人しくベッドに横たわった。

すると夫は顔を見ることもなく、私の夜着を脱がせることもなく、いきなり裾を腰までめくり上げて下着を脱がした。
夫はガウンの紐を解いただけ。

そして私の両膝を持ち上げると脚の間に入ってきて、すっかり勃ち上がっている思ったより大きな陰茎を押し付けてきた。


はぁーっ!!信じられない。

私は処女よ、濡れてもいないのにそんなものをいきなり押し込もうというの!
そんなにぐりぐりしても入るわけないでしょ、こっちはめっちゃ痛いって!
何なの、コイツ。

「ちょっと!何するのよ!止めなさいよ!」
私はすっかり前世モードになっていた。

夫は面倒くさそうに片手で私の口を塞いで、もう片手で私の腰を掴み無理矢理に挿入しようと押し付けて来る。

私は痛みに耐えながら枕の下に手を入れると先ほど隠した果物フォークを取って、口を押さえている夫の左手にできる限りの力を込めて刺してやった。

この体勢で片手だったし、たいして攻撃できたとは思わないが、驚いた夫の手が離れた。

私は大きく息を吸い込んで思い切り叫んだ。
「火事よ!火事よ!誰かー!早く来て、火がー!」

夫が呆然とする中、ドアが次々と開く。

夫の部屋側から夫の従者が、私の部屋側からボニーが、寝室正面の大きな扉からは家令のハロルドとメイド長のメリッサが。

「旦那様、奥様ご無事ですか?」
「火はどこですか?すぐ避難してください!」
「お嬢様、早くお逃げ下さい!」

口々に叫んでいた使用人達はふと気がついたようだ。
ベッドの上の私達に…。

みんなの位置からは夫の着たままのガウンや私の脱いでない夜着のおかげで大事な部分は多分見えてないはず…まあ、私の足ぐらいはサービスね。

そして使用人達は主人たちを見ないように『火』を探すが…。

「火は無いわ。私この人に強姦されそうだったの!ボニー逃げるから手を貸して。」
ボニーは残念そうな顔で私を見た。

メリッサが進み出て「奥様、この人ではなく貴女の旦那さまですよ。今日は初夜の…。」と少し諫めるような口調で言った。

家令は腕を組んで下を向いているし、夫の従者は見たことがないくらい眉間に皺が寄っていた。

私は何とか肘をついて肩の辺りまで身体を起こした。

しかしこんなに人がいるのに夫はまだ私の脚の間にいるし陰茎は勃ったままだ。
もしかして従者や家令の手を借りて無理矢理事を成すつもりでは?

私は急に恐ろしくなって震えたが、ドアが開けっぱなしだったのでバケツを持った使用人らがやって来るのが見えた。
部屋の中の人間は私達に集中しているから気がついていない。

私は夫を睨んで、はっきりと聞こえる声で言ってやった。
「いいえ!あれは夫婦の初夜の閨事ではありませんでしたわ。それなら私も受け入れましたが明らかに強姦、凌辱、乱暴されるところでした!話をしたこともないこの人に。」


ガタン、ザーと音がして皆がドアの方を向くと、バケツを落とした使用人が恐ろしく動揺した様子でこちらを見ていた。

メイド達もこちらを青い顔で黙って見ていた。
使用人は10人近くはいたようだが家令は何か指示をするとドアを閉めた。

夫はやっとノロノロと動き私を一瞥すると一言も発せず出て行った。
従者のユーゴも後に続く。
私は布団を胸まで上げると家令に向かって聞いてみた。

「あの人は、口が聞けないの?」
「?」

「私はあの人と会ったのは今日で2回目です。そして初めてお会いした時に挨拶をしましたが、それ以来全く会話をしたことがございませんわ。もちろん、今もです。こんな時間までお仕事をされていたのでお疲れかもしれません。ですが私も早朝からたった半時間の式の為に準備をして緊張の1日を過ごして、こんな時間までずっと待っていたのですから、何か一言あってもよかったのでは?妻となる私に労いの言葉もかけられないなら無理に結婚しなくても良かったんじゃないかしら。それなのに初夜だけはしたいなんて。本当に酷いと思うわ。」

家令とメイド長は深々と頭を下げた。

「本当に申し訳ございません。ご当主はその…職務を重視されるあまり私生活においては少々気を使えないところがございまして…。」
「どうか奥様、広いお心で何とかお怒りを治めてくださいませ。」

ボニーが私の肩をそっと抱いてくれた。
「お嬢様、どんなに嫌でも3年は離婚できません。法律で決まっております。」
それを聞いた家令とメイド長の顔色が変わった。
青い方に。

3度目の離婚となると、たとえ公爵とは言えど今後マトモな結婚相手と巡り合うのは難しいだろう。

「私はまだ19歳です。でも結婚したからには出来るだけ良い関係を築きたいとは思っております。ですが31歳で結婚も3度目の公爵様には夫婦としてやっていけるように導いていただきたい、最低限の気遣いをしていただきたいと思いますわ。」


いつの間にか夫の従者まで加わり3人がベッドの前で膝をつき頭を垂れていた。






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