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モリアさん、燃える
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「本当に、色々気付かなくてすまなかった。」
朝食の席に着くなりランブランさんが謝ってきた。
「何の事ですか?」
「昨日、カプリスの妻から手紙を受け取った。ココアに必要な物が全然、足りてないと。商人を呼んで直ぐに揃えるようにと。」
「いえ、充分なのですが…。」
「ココア、私はある程度は資産を持っているし騎士団の給料は平民の中だったらかなりの高級取りだよ。だから、本当に遠慮せずに何でも欲しいものは買って欲しい。でも、私はこの3日ほどは休みが取れないからマダム・リンカには連れていけない。エドリと行くかい?店を屋敷に呼ぶこともできるがそうなると人気店だからすぐには無理かもしれない。」
「いえ。ランブランさんの次のお休みの日に連れて行ってください。」
「そう?分かった。でも、もっと…」
「もっと?」
「私はココアに甘えてもらいたい。何でもねだって欲しいんだ。私は、ココアが可愛くて仕方ないんだから。」
照れたように言うランブランさんが可愛い。
そして私は気恥ずかしい。
昼食を終えて、部屋に戻ろうとした時、エドリが来て来客を伝えた。
昨日に引続きモリアさんだった。
でも今日はその後ろに、大きなトランクを持った男の人達を従えた小綺麗な中年の女性と一緒だった。
「ココア様、急に来てしまい申し訳ありません。紹介いたします。私の実家が懇意にしておりますポーセリアン服飾店の者です。」
「初めてお目にかかります。私はポーセリアン服飾店の店主ミランダと申します。マダム・リンカの店には及ばないまでも、このビダール領内の女性専用服飾店の中では良いものを取り揃えていると自負しております。本日はお嬢様の為に色々、持ってまいりましたのでぜひ、ご覧くださいませ。」
私がエドリの方を見ると大きく頷いているので、買い物しなさいということなんだ。
客間にてトランクが次々と広げられた。
その横では私はミランダさんに細かく採寸される。
モリアさんはドレスのカタログを捲っては私を見てうーむと考えている。
「ヒベルニカ様もココア様の物を選びたいでしょうから、今回は必要最低限な物を揃えましょう。」
「モリア様に伺っていたので、できるだけサイズの小さな物を持ってまいりましたがそれでもサイズ治しは必要ですわね。本当に華奢でいらっしゃるわ。それなのに胸は十分おありになるし腰回りの女らしい曲線も素敵ですわ。」
そして、持ってこられた洋服を次々と着せられモリアさんとミランダさんが選び、私はどうしても着たくない物だけを弾くという作業が始まった。
リハビリも順調な私は前開きの服なら自分で着れるのでクリーム色で首周りと袖にふんだんにレースのあしらったAラインのドレスのウエストを幅広のリボンで結んで丈を合わせた。
レースの飾りに隠れるように前釦になっていてこれなら自分で十分着れる。
「まあ、とてもお似合いですわ。せっかくですからねちゃんと、髪も整えましょうね。」
「ココア様が綺麗にされているとヒベルニカ様も喜ばれますよ。アタシが保証します!
」
私は髪型を整えてもらい、できるだけ薄くしてと化粧もしてもらいい姿見の前に立たされた。
成人式以来だな…そんな事を考えていたが…。
浮きまくるかと思っていたらちゃんと髪型を整え、化粧をするとドレスでも大丈夫なんだと実感した。
「今日はこのままヒベルニカ様をお迎えしてはどうですか?きっと喜ばれますよ。」
「そうですね。そうします。あの、皆さんこういったドレスを普段から着るものなんですか?」
「ええ。そうです。平民でも皆、靴が見えるかどうかぐらいの長さのものを着ています。ただ、一人で着るのが難しい物も御座いますしヘアメイクもしなければなりませんので、お嬢様専任の使用人を付けた方が良いですね。」
途中、退席していたエドリがいつの間にかドアの前あたり立っていて、何やらメモをしていた。
そうして、現在2人の女性から早く結婚相手を見つけなさいと言われている。
「きっとお嬢様が人前に出ることがございましたら直ぐに縁談がまとまるでしょう。それほど人目を引くお姿ですわ。」
「ココア様は今はヒベルニカ様預かりとなっておりますが、身分が証明できない他国者は移民扱いになり、領主の匙加減でどうにでもなってしまいます。多分、私の勘では領主様はココア様を移民局に送るのではなく…女好きと噂のあるお方ですから。」
「お嬢様、あの出過ぎたことを申しますが…もしもご領主様とお会いになる時には出来るだけ地味に、不健康そうに装って…病人風でも構いません。健康な女性では無いように装ってください。私からの忠告で御座います。」
「それは目をつけられないようにと言うことですか?」
「そうです。良くない話を聞いたことが御座いますので…。最悪の場合、何処かに幽閉されてその…欲の捌け口にされるかもしれないからです。そして、それを他の権威ある方々に提供して何らかの利を得ていると言う恐ろしい噂話があるのですよ。」
「え~っ。本当に?ミランダ夫人。そんな事、初めて聞いたわ!最悪ね。そんな人が領主だなんて。だから、あんな酷いことが出来たんだわ!」
「酷いこと?他にも何か悪い噂があるんですか?とにかく気を付けます。移民だから呼びつけられる可能性があるって事なんですよね?」
「ココア様、アタシも夫も思っているのですが…いえ、ココア様が会ったことのある騎士団員はヒベルニカ様とココア様が結婚されるのが一番良い方法だと思っております。この国で暮らすための身分が手に入りますし、ヒベルニカ様は結婚相手として申し分の無いお方だからです。ココア様を守ってくださるでしょうから。」
朝食の席に着くなりランブランさんが謝ってきた。
「何の事ですか?」
「昨日、カプリスの妻から手紙を受け取った。ココアに必要な物が全然、足りてないと。商人を呼んで直ぐに揃えるようにと。」
「いえ、充分なのですが…。」
「ココア、私はある程度は資産を持っているし騎士団の給料は平民の中だったらかなりの高級取りだよ。だから、本当に遠慮せずに何でも欲しいものは買って欲しい。でも、私はこの3日ほどは休みが取れないからマダム・リンカには連れていけない。エドリと行くかい?店を屋敷に呼ぶこともできるがそうなると人気店だからすぐには無理かもしれない。」
「いえ。ランブランさんの次のお休みの日に連れて行ってください。」
「そう?分かった。でも、もっと…」
「もっと?」
「私はココアに甘えてもらいたい。何でもねだって欲しいんだ。私は、ココアが可愛くて仕方ないんだから。」
照れたように言うランブランさんが可愛い。
そして私は気恥ずかしい。
昼食を終えて、部屋に戻ろうとした時、エドリが来て来客を伝えた。
昨日に引続きモリアさんだった。
でも今日はその後ろに、大きなトランクを持った男の人達を従えた小綺麗な中年の女性と一緒だった。
「ココア様、急に来てしまい申し訳ありません。紹介いたします。私の実家が懇意にしておりますポーセリアン服飾店の者です。」
「初めてお目にかかります。私はポーセリアン服飾店の店主ミランダと申します。マダム・リンカの店には及ばないまでも、このビダール領内の女性専用服飾店の中では良いものを取り揃えていると自負しております。本日はお嬢様の為に色々、持ってまいりましたのでぜひ、ご覧くださいませ。」
私がエドリの方を見ると大きく頷いているので、買い物しなさいということなんだ。
客間にてトランクが次々と広げられた。
その横では私はミランダさんに細かく採寸される。
モリアさんはドレスのカタログを捲っては私を見てうーむと考えている。
「ヒベルニカ様もココア様の物を選びたいでしょうから、今回は必要最低限な物を揃えましょう。」
「モリア様に伺っていたので、できるだけサイズの小さな物を持ってまいりましたがそれでもサイズ治しは必要ですわね。本当に華奢でいらっしゃるわ。それなのに胸は十分おありになるし腰回りの女らしい曲線も素敵ですわ。」
そして、持ってこられた洋服を次々と着せられモリアさんとミランダさんが選び、私はどうしても着たくない物だけを弾くという作業が始まった。
リハビリも順調な私は前開きの服なら自分で着れるのでクリーム色で首周りと袖にふんだんにレースのあしらったAラインのドレスのウエストを幅広のリボンで結んで丈を合わせた。
レースの飾りに隠れるように前釦になっていてこれなら自分で十分着れる。
「まあ、とてもお似合いですわ。せっかくですからねちゃんと、髪も整えましょうね。」
「ココア様が綺麗にされているとヒベルニカ様も喜ばれますよ。アタシが保証します!
」
私は髪型を整えてもらい、できるだけ薄くしてと化粧もしてもらいい姿見の前に立たされた。
成人式以来だな…そんな事を考えていたが…。
浮きまくるかと思っていたらちゃんと髪型を整え、化粧をするとドレスでも大丈夫なんだと実感した。
「今日はこのままヒベルニカ様をお迎えしてはどうですか?きっと喜ばれますよ。」
「そうですね。そうします。あの、皆さんこういったドレスを普段から着るものなんですか?」
「ええ。そうです。平民でも皆、靴が見えるかどうかぐらいの長さのものを着ています。ただ、一人で着るのが難しい物も御座いますしヘアメイクもしなければなりませんので、お嬢様専任の使用人を付けた方が良いですね。」
途中、退席していたエドリがいつの間にかドアの前あたり立っていて、何やらメモをしていた。
そうして、現在2人の女性から早く結婚相手を見つけなさいと言われている。
「きっとお嬢様が人前に出ることがございましたら直ぐに縁談がまとまるでしょう。それほど人目を引くお姿ですわ。」
「ココア様は今はヒベルニカ様預かりとなっておりますが、身分が証明できない他国者は移民扱いになり、領主の匙加減でどうにでもなってしまいます。多分、私の勘では領主様はココア様を移民局に送るのではなく…女好きと噂のあるお方ですから。」
「お嬢様、あの出過ぎたことを申しますが…もしもご領主様とお会いになる時には出来るだけ地味に、不健康そうに装って…病人風でも構いません。健康な女性では無いように装ってください。私からの忠告で御座います。」
「それは目をつけられないようにと言うことですか?」
「そうです。良くない話を聞いたことが御座いますので…。最悪の場合、何処かに幽閉されてその…欲の捌け口にされるかもしれないからです。そして、それを他の権威ある方々に提供して何らかの利を得ていると言う恐ろしい噂話があるのですよ。」
「え~っ。本当に?ミランダ夫人。そんな事、初めて聞いたわ!最悪ね。そんな人が領主だなんて。だから、あんな酷いことが出来たんだわ!」
「酷いこと?他にも何か悪い噂があるんですか?とにかく気を付けます。移民だから呼びつけられる可能性があるって事なんですよね?」
「ココア様、アタシも夫も思っているのですが…いえ、ココア様が会ったことのある騎士団員はヒベルニカ様とココア様が結婚されるのが一番良い方法だと思っております。この国で暮らすための身分が手に入りますし、ヒベルニカ様は結婚相手として申し分の無いお方だからです。ココア様を守ってくださるでしょうから。」
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