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◆まさか…どうして? sideダーヴ
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俺とブランシュはあの黒髪の移民、保護対象者に不埒な行いをしたとして、ラマルク班長に殴られ牢に入れられ反省するようにと言われた。
そのせいで俺は昇格試験を受け損なってしまった。
あのあと、団長に言われたように何度か黒髪の移民に面会して謝罪したが相手にしてもらえなかった。
俺達への罰は宙ぶらりんになってしまった。
そのまま仕事はしていたが班長達に会うと稽古をつけてやろう、としごかれた。
そして…本来、異国人重要犯罪者の自白用に使われる言語理解の魔法薬で、意思疎通出来るようになった移民娘の訴えで、俺たちのもっともらしい言い訳は覆された。
あの娘の股間を故意に見た挙げ句、触ったと暴露されてしまった。
その上、俺は犯罪者を確保する時に使うような、脱臼させるという荒業で抑え込んだ。
俺たちの行いがバレるのを恐れ黙らせるつもりで暴行したのではないか?脅すつもりだったのでは?と班長に問われた時には確かに…無意識だったがそうだったかもしれないと思った。
俺もブランシュも本当に反省している。
そうしているうちに…あの娘が副団長に引き取られた。
そして…俺たちに罰が下った。
騎士団からの出向だ。
左遷だった。
3年間、騎士服は着れないことになった。
班長たちの並ぶ中、副団長の前に立たされた。
「お前達の出向先は領主邸だ。ムリガニーの城に使用人として入り、領主の犯罪の証拠を見つけ出せ。収賄、違法売買何でもいい。そうすれば3年待たずとも騎士団に戻してやる。勿論、階級は新人団員からやり直しだが。領主も一応、騎士団団長であるからお前たちの顔ぐらい知っているだろう。だから、最新の注意を払ってやり遂げろ。」
つまり、敵に顔が割れているのに犯罪の証拠を掴めと?
確かに領主には良くない噂はあるが…本当の事だというのか?
俺とブランシュが目を見合わせていると副団長が俺を見た。
何故だ?足元が妙に冷たい。
ふと下を見ると俺たちの膝から下が氷に包まれて床に貼り付いていた。
「ダーヴ。お前、保護対象者を裸にしただけでなく触ったそうだな?私も男だからお前たちの気持ちが全くわからないわけではない。女性に接する機会は少ないからな。だが彼女は保護対象者でお前達は騎士だろう?入団する時に誓った騎士の誇りを忘れてはならない。それに、言っておこう。彼女は近く私の妻となる。正式に婚姻を結ぶ。」
勿論、俺とブランシュは口々に謝罪をした…必死に。
俺たちを包みながら伸びてくる氷が胸に来るまで、副団長はガタガタ震える様を表情無く無言で見つめていた。
「あ、副団長…。そろそろ解放しないと凍傷になって使い物になりません。いや死ぬかもしれません。」
ゲーネ班長がそう言ってくれてやっと解放された。
しかし俺は三発も、副団長から張り手をされたのだ。
身体が冷え切っていたせいか余計に痛みが大きく膝をついて暫く動けなかった。
ブランシュは荷受けの仕事をあてがわれ通用門や倉庫の辺りをウロウロしている。
何度か領主と言葉を交わしたことのある俺は東棟2階に常駐することになった。
東棟は公の仕事場にあたる。
執務室の前に立っているのが主な仕事で退屈だ。
領主が執務室を出て食堂に行くときは食事が終わるまでその前で待機し、住居棟に戻る時は見送って礼をして従者の仕事は終わるのだ。
領主が留守の時には俺は使用人の雑務を手伝う。
それにしても、団長のくせに騎士団に出向く気は全く無さそうだな。
領主は城にいる時は、殆ど執務室にいるのだが夫人の侍女が呼びに来ると、書類を放っていそいそと夫人の部屋に向かう。
住居棟には近づくなと言われているので、時間によってはそのまま本日の仕事は終わって別の従者と交代する。
ただ、領主が居なくても執務室には文官達がいるので俺はまだ、中を探ることさえできていない。
そして…俺が初めて見る男が執務室の前に現れた。
「領主様に、取次を頼む。」
「用件と名前は?」
「私はXと言います。領主様のご注文された商品が手に入ったので参りました。」
「X?なんだそれは?ちゃんと名乗れ!それで、商品は何処だ?手ぶらではないか。」
「…。貴殿とお目にかかるのは初めてですね。ご注文された商品は大きいのでこちらにはお持ちできないのですよ。それにXと言ってもらえれば十分お分かりになります。領主様とは何年も前からお取引させて頂いていますので。」
俺は名乗りもしないこの茶色の髪で赤い目の胡散臭い男を注視しながら、待つように言って領主に伺いを立てるが領主は嬉しそうに迎え入れた。
また、夫人に贅沢品を注文したのか?
昨日も贈り物を積んだ馬車が3台も来たとブランシュが言っていたのに。
領民の血税を何に使ってやがるんだ!
ブランシュは事細かく通用門を通るものや品々をチェックしている。
ドアが開いて領主とXが出てきた。
俺もすぐに後ろに付こうとしたが「お前はいい。ついてくるな。」と言って2人は足早に階段の方に消えた。
俺は直感で、禁制品の売買だと思った。
走って通用門まで行き、Xの容貌を伝え奴の馬車を見張るようにブランシュに伝えた。
しかし、その男は辻馬車で一人で来ていたと。
ちゃんと商人の許可札は持っていた。
それに男は昨日も来ていたらしく、その時は荷馬車で大柄な紺色の髪の男二人と倉庫で荷下ろしをしていたが、1つの木箱だけ丁寧に担いで城内に直接運んだらしい。
何でもとても高価な壺なので倉庫に入れず直接城の中に運ぶと。
中を改めようとしたがきっちり箱が釘打ちされその場では開けられず、押し問答しているうちに次々と通用門に商人の馬車が溜まっていき…そのまま通してしまったと。
どこに運ぶのかと聞いたら4階の調度品用倉庫だと言ってたそうだ。
そういえば俺は4階に行ったことが無いなあ…。
確かに調度品室や家具置き場があると聞いたことがある。
俺が一応執務室の前で待機していると、いつも来る夫人付きの侍女が息を荒げ大慌てでやって来た。
「ご当主様にお取次ぎ下さい。」
「今、執務室にはおられません。」
「まあ、どうしましょう!奥様が産気づかれましたが難産になりそうなのです!」
「わかった。探してすぐに奥様の所へお越しになるように伝えます。」
俺は文官達に当主の行き先を知らないかと聞いたら、一番年配の男が商人と一緒ならば調度品室ではないかと言った。
俺は4階に上がって順番にドアをノックして西側の一番奥の部屋まで行った。
やっと応答がありドアを開けて部屋を覗いた。
Xがドアの前にいたので…チラッとしか見えなかったが室内には天井まで届く鉄の柵があって中には鞭を手にした領主とベッドに横たわる女。
黒髪?
「奥様が産気づかれました!すぐにお越しください!」
領主は鞭を投げ捨てると急いで檻から出て俺に続いた。
俺がこの国に生まれて黒髪の女を見たのはあの娘が初めてだった…。
???
確かめてみなければ…。
そのせいで俺は昇格試験を受け損なってしまった。
あのあと、団長に言われたように何度か黒髪の移民に面会して謝罪したが相手にしてもらえなかった。
俺達への罰は宙ぶらりんになってしまった。
そのまま仕事はしていたが班長達に会うと稽古をつけてやろう、としごかれた。
そして…本来、異国人重要犯罪者の自白用に使われる言語理解の魔法薬で、意思疎通出来るようになった移民娘の訴えで、俺たちのもっともらしい言い訳は覆された。
あの娘の股間を故意に見た挙げ句、触ったと暴露されてしまった。
その上、俺は犯罪者を確保する時に使うような、脱臼させるという荒業で抑え込んだ。
俺たちの行いがバレるのを恐れ黙らせるつもりで暴行したのではないか?脅すつもりだったのでは?と班長に問われた時には確かに…無意識だったがそうだったかもしれないと思った。
俺もブランシュも本当に反省している。
そうしているうちに…あの娘が副団長に引き取られた。
そして…俺たちに罰が下った。
騎士団からの出向だ。
左遷だった。
3年間、騎士服は着れないことになった。
班長たちの並ぶ中、副団長の前に立たされた。
「お前達の出向先は領主邸だ。ムリガニーの城に使用人として入り、領主の犯罪の証拠を見つけ出せ。収賄、違法売買何でもいい。そうすれば3年待たずとも騎士団に戻してやる。勿論、階級は新人団員からやり直しだが。領主も一応、騎士団団長であるからお前たちの顔ぐらい知っているだろう。だから、最新の注意を払ってやり遂げろ。」
つまり、敵に顔が割れているのに犯罪の証拠を掴めと?
確かに領主には良くない噂はあるが…本当の事だというのか?
俺とブランシュが目を見合わせていると副団長が俺を見た。
何故だ?足元が妙に冷たい。
ふと下を見ると俺たちの膝から下が氷に包まれて床に貼り付いていた。
「ダーヴ。お前、保護対象者を裸にしただけでなく触ったそうだな?私も男だからお前たちの気持ちが全くわからないわけではない。女性に接する機会は少ないからな。だが彼女は保護対象者でお前達は騎士だろう?入団する時に誓った騎士の誇りを忘れてはならない。それに、言っておこう。彼女は近く私の妻となる。正式に婚姻を結ぶ。」
勿論、俺とブランシュは口々に謝罪をした…必死に。
俺たちを包みながら伸びてくる氷が胸に来るまで、副団長はガタガタ震える様を表情無く無言で見つめていた。
「あ、副団長…。そろそろ解放しないと凍傷になって使い物になりません。いや死ぬかもしれません。」
ゲーネ班長がそう言ってくれてやっと解放された。
しかし俺は三発も、副団長から張り手をされたのだ。
身体が冷え切っていたせいか余計に痛みが大きく膝をついて暫く動けなかった。
ブランシュは荷受けの仕事をあてがわれ通用門や倉庫の辺りをウロウロしている。
何度か領主と言葉を交わしたことのある俺は東棟2階に常駐することになった。
東棟は公の仕事場にあたる。
執務室の前に立っているのが主な仕事で退屈だ。
領主が執務室を出て食堂に行くときは食事が終わるまでその前で待機し、住居棟に戻る時は見送って礼をして従者の仕事は終わるのだ。
領主が留守の時には俺は使用人の雑務を手伝う。
それにしても、団長のくせに騎士団に出向く気は全く無さそうだな。
領主は城にいる時は、殆ど執務室にいるのだが夫人の侍女が呼びに来ると、書類を放っていそいそと夫人の部屋に向かう。
住居棟には近づくなと言われているので、時間によってはそのまま本日の仕事は終わって別の従者と交代する。
ただ、領主が居なくても執務室には文官達がいるので俺はまだ、中を探ることさえできていない。
そして…俺が初めて見る男が執務室の前に現れた。
「領主様に、取次を頼む。」
「用件と名前は?」
「私はXと言います。領主様のご注文された商品が手に入ったので参りました。」
「X?なんだそれは?ちゃんと名乗れ!それで、商品は何処だ?手ぶらではないか。」
「…。貴殿とお目にかかるのは初めてですね。ご注文された商品は大きいのでこちらにはお持ちできないのですよ。それにXと言ってもらえれば十分お分かりになります。領主様とは何年も前からお取引させて頂いていますので。」
俺は名乗りもしないこの茶色の髪で赤い目の胡散臭い男を注視しながら、待つように言って領主に伺いを立てるが領主は嬉しそうに迎え入れた。
また、夫人に贅沢品を注文したのか?
昨日も贈り物を積んだ馬車が3台も来たとブランシュが言っていたのに。
領民の血税を何に使ってやがるんだ!
ブランシュは事細かく通用門を通るものや品々をチェックしている。
ドアが開いて領主とXが出てきた。
俺もすぐに後ろに付こうとしたが「お前はいい。ついてくるな。」と言って2人は足早に階段の方に消えた。
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中を改めようとしたがきっちり箱が釘打ちされその場では開けられず、押し問答しているうちに次々と通用門に商人の馬車が溜まっていき…そのまま通してしまったと。
どこに運ぶのかと聞いたら4階の調度品用倉庫だと言ってたそうだ。
そういえば俺は4階に行ったことが無いなあ…。
確かに調度品室や家具置き場があると聞いたことがある。
俺が一応執務室の前で待機していると、いつも来る夫人付きの侍女が息を荒げ大慌てでやって来た。
「ご当主様にお取次ぎ下さい。」
「今、執務室にはおられません。」
「まあ、どうしましょう!奥様が産気づかれましたが難産になりそうなのです!」
「わかった。探してすぐに奥様の所へお越しになるように伝えます。」
俺は文官達に当主の行き先を知らないかと聞いたら、一番年配の男が商人と一緒ならば調度品室ではないかと言った。
俺は4階に上がって順番にドアをノックして西側の一番奥の部屋まで行った。
やっと応答がありドアを開けて部屋を覗いた。
Xがドアの前にいたので…チラッとしか見えなかったが室内には天井まで届く鉄の柵があって中には鞭を手にした領主とベッドに横たわる女。
黒髪?
「奥様が産気づかれました!すぐにお越しください!」
領主は鞭を投げ捨てると急いで檻から出て俺に続いた。
俺がこの国に生まれて黒髪の女を見たのはあの娘が初めてだった…。
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確かめてみなければ…。
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