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第2章 王女兼冒険者の世界を巡る旅
31 刀に眠る思念
私は真っ暗の闇の中にいた。
私の中に、膨大な思念が流れ込む。
これは刀の担い手と刀で殺された者の思念と最後の瞬間。それは…
ー大切な人を目の前で殺された記憶。
ー信頼していた友人に裏切られて殺される記憶。
ー家族に捨てられた記憶。
ー怒りや憎しみのままに復讐する記憶。
「痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。助けて。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。許せない。苦しい。死にたくない。助けて。辛い。痛い。許せない。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。死にたくない。怖い。許せない。辛い。痛い。熱い。許せない。怖い。寒い。辛い。助けて。熱い。苦しい。怖い。寒い。助けて。死にたくない。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。」
こういった、振り切れた様々な負の感情や痛み、衝動が実際の感覚として私の中に入ってくる。
この衝動に飲み込まれて、私に力のままに全てを破壊しろと告げてくる。
本能のままに全てを斬れと告げてくる。
私自身がまるで様々な負の感情の海の中にいて、激流にさらされているようだった。
楽なほうを選べとなにも考えずに身を投げ出せとも告げてくる。
けれど…
(私はもう決めている。この先どうしたいのかどうするのか。この力は、私のために私の意志で私の夢と理想のために使う!目の前でもう二度と誰かを失わないために、大切な人たちを護るために!)
私は信念をもって、すべてを否定する。
「ほう、これだけの思念に晒されても己を持つか。たいした精神力だ。」
真っ暗な中で誰かが話しかけてくる。
「…私は私が信じる道を進む。何を見せられても何をされても、これだけは変わらないってもう決めているの。…そういうあなたは?」
「この刀に宿る思念たちの集合体…ただの残像だ。意志はなくただ見ているだけのもの。力を使いたければ勝手に使えばいい…ただし、すこしでも隙があればお前も取り込まれるだろう…」
それだけ伝えると私は暗闇から放り出された。
「私は一体…」
気が付くと元の洞窟に戻っていた。刀も手に取ったままだ。
「大丈夫か!?その…刀を握っているが…」
どうやら時間は全く進んでいなかったようで、依頼者が男の人を担いで近づいてきた。
「ええ。大丈夫です。ご心配かけました。少し失礼して…では戻りましょうか。」
簡単な回復魔術を男の人にかける。
私たちは洞窟を出て、集落に戻る。すると、住民たちが集まってくる。
「「「「おお!戻ったか!」」」」
「意識こそ失ってますが、少しすれば目覚めると思います。」
すると集落の長が前に出てくる。
「内の者を助けてくれてありがとうのぅ。なんとお礼をすればいいか…」
そのあと、長からあの刀について説明があった。
なんでもあの刀は、昔この集落に泊まった人が代金の代わりに置いて行ったものらしい。
名刀であったが、担い手の力を糧にするらしく誰も使えなかった。それでも使おうとした人がいたが、担い手が亡くなることが相次いだことで最期の思念が刀に移り呪われた刀になってしまったようだ。
「もしよければですじゃが、この刀『夜月』を貰ってはくれないかの?お主なら扱えそうじゃ。もちろん曰くつきじゃから、良ければじゃが。」
「そうですね。いただけるのであれば嬉しいですが、本当にいいんですか?」
「いいんじゃよ。ここにあっても誰も使えないしの。」
私は、『夜月』を貰い受けて、一泊したあとこの集落を去った。
少し寄り道をしたが、冒険者ギルドの本部の街グロリアスへの旅は続く。
私の中に、膨大な思念が流れ込む。
これは刀の担い手と刀で殺された者の思念と最後の瞬間。それは…
ー大切な人を目の前で殺された記憶。
ー信頼していた友人に裏切られて殺される記憶。
ー家族に捨てられた記憶。
ー怒りや憎しみのままに復讐する記憶。
「痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。助けて。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。許せない。苦しい。死にたくない。助けて。辛い。痛い。許せない。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。熱い。死にたくない。怖い。許せない。辛い。痛い。熱い。許せない。怖い。寒い。辛い。助けて。熱い。苦しい。怖い。寒い。助けて。死にたくない。熱い。苦しい。怖い。寒い。辛い。痛い。」
こういった、振り切れた様々な負の感情や痛み、衝動が実際の感覚として私の中に入ってくる。
この衝動に飲み込まれて、私に力のままに全てを破壊しろと告げてくる。
本能のままに全てを斬れと告げてくる。
私自身がまるで様々な負の感情の海の中にいて、激流にさらされているようだった。
楽なほうを選べとなにも考えずに身を投げ出せとも告げてくる。
けれど…
(私はもう決めている。この先どうしたいのかどうするのか。この力は、私のために私の意志で私の夢と理想のために使う!目の前でもう二度と誰かを失わないために、大切な人たちを護るために!)
私は信念をもって、すべてを否定する。
「ほう、これだけの思念に晒されても己を持つか。たいした精神力だ。」
真っ暗な中で誰かが話しかけてくる。
「…私は私が信じる道を進む。何を見せられても何をされても、これだけは変わらないってもう決めているの。…そういうあなたは?」
「この刀に宿る思念たちの集合体…ただの残像だ。意志はなくただ見ているだけのもの。力を使いたければ勝手に使えばいい…ただし、すこしでも隙があればお前も取り込まれるだろう…」
それだけ伝えると私は暗闇から放り出された。
「私は一体…」
気が付くと元の洞窟に戻っていた。刀も手に取ったままだ。
「大丈夫か!?その…刀を握っているが…」
どうやら時間は全く進んでいなかったようで、依頼者が男の人を担いで近づいてきた。
「ええ。大丈夫です。ご心配かけました。少し失礼して…では戻りましょうか。」
簡単な回復魔術を男の人にかける。
私たちは洞窟を出て、集落に戻る。すると、住民たちが集まってくる。
「「「「おお!戻ったか!」」」」
「意識こそ失ってますが、少しすれば目覚めると思います。」
すると集落の長が前に出てくる。
「内の者を助けてくれてありがとうのぅ。なんとお礼をすればいいか…」
そのあと、長からあの刀について説明があった。
なんでもあの刀は、昔この集落に泊まった人が代金の代わりに置いて行ったものらしい。
名刀であったが、担い手の力を糧にするらしく誰も使えなかった。それでも使おうとした人がいたが、担い手が亡くなることが相次いだことで最期の思念が刀に移り呪われた刀になってしまったようだ。
「もしよければですじゃが、この刀『夜月』を貰ってはくれないかの?お主なら扱えそうじゃ。もちろん曰くつきじゃから、良ければじゃが。」
「そうですね。いただけるのであれば嬉しいですが、本当にいいんですか?」
「いいんじゃよ。ここにあっても誰も使えないしの。」
私は、『夜月』を貰い受けて、一泊したあとこの集落を去った。
少し寄り道をしたが、冒険者ギルドの本部の街グロリアスへの旅は続く。
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