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第2章 王女兼冒険者の世界を巡る旅
33 旅からの帰還
光が収まると王都のお店の3階の居住区にいた。
(初めての転移だったけど成功ね…それにしても、あの氷の魔剣使いは帝国4大将軍の1人ね。噂には聞いていたけど、かなりの強さだった。剣術だけでも互角、魔剣ありだと仮に1対1でも厳しいわね…それに1対多の戦闘になったときも、私が狙われるならともかく通さないように戦うのも難しいところ…今のうちに準備をしておくのと、もっと強くならなきゃ。)
私は、次の目標を決めて王城に戻った。
「ただいま。リーナ。」
「おかえりなさいませ!ラティアーナ様。」
離宮に帰ってリーナの顔を見て。毎日通信で話していたけど、直接顔を見るのは約1年ぶりだ。
やっと家に帰ってきた。そんな気がした。
そこからは、しばらくゆっくりした時間が過ごしていく。
孤児院に遊びに行ったりアリアたちと出掛けたり、アドリアスとも稽古という名の模擬戦をしたりする。
お店に顔を出した時は、売り子として接客もした。
また最近の日課として、日々の素振りの他に刀へ魔力を纏わせるといえものが増えた。というのも、ドルマさんの工房に手入れに行った時のことだ。
その日私は刀たちの手入れのため工房を訪れていた。
「ドルマさん。刀の手入れに来ました!」
「おう!久しいなティア!刀はどんな感じだ?」
「いい感じですよ。より馴染んだもきましたし。あと、旅に出た中で新しい刀を得まして…刀を鞘から抜くと危ないんですけど、どう手入れした方が良いですかね?」
私は、工房で作って貰った刀と夜月を見せた。
「どれどれ、こいつは…一体どこで手に入れたんだ?こいつは元々魔剣だったものから、今までの担い手の魔力やらを喰らって変質しているな。」
「見ただけでそこまでわかるって凄いですね。なんでもこの夜月は、今までの所有者の思念に染まっていて、鞘から抜くと私を染めようとしてくるんですよね。元々は、担い手の力を糧にして、刀の強度と斬撃を強化するらしいですけど。」
「ここまで変質した刀は、鍛治職人じゃ手入れできねえな。ティアの魔力を馴染ませていくのが1番だと思うぞ?前にも言った通り、お前さんの魔力によって唯一の刀に育てるのが1番だ。それからここで作った刀にも名前をつけたらどうだ?いつまでも、この刀、とかじゃ可哀想だからな。」
言われてみて気づいたが、今までは刀が1本だったため、この、とか、あの、でも通じていたが、2本になった今わかりづらい。
「名前…白銀の刀身だから、銀月にしようかな?」
「銀月か…良いんじゃねえか?」
ということがあって、それから毎日刀に魔力を纏わせるのが日課になっていた。
そんな日々を過ごしていると、建国祭の時期がやってくる。
今年の建国祭も王女として近隣諸国との面会や貴族たちとのお茶会をこなしていく。今年からは妹のローザリンテも王族として参加する。前回は話す機会がなかったため、まともに話すのは今回が初めてだ。
なお、他の家族もそれぞれで動いている。お父様は国王として常に面会を受けていて、レティシア様もお父様に付き添ったり、支持してくれている貴族のお茶会に参加したりしている。
第1王子のガイアスお兄様は、お父様の子の中で唯一成人しているため今年も忙しそうにしている。第2王子のギルベルトお兄様も今年から学園に通っているため、貴族たちとも社交が今までよりも多くなっている。私の場合は、支持とか特別関係を持つとかはないので満遍なくといった感じだ。そのためローザリンデと共に動くことが多かった。
「ラティアーナお姉様は、意外と器用ですよね?面会にしてもお茶会にしてもなんというか…上手だと思います。お母様から聞いてた印象と違っていたので、新鮮です。」
「あら、わたくしは王族として普通のことをやってるだけですよ。印象というのは人によって変わるものであり、見方によってその人にとっての真実が変わります。たとえそれが人によって違っていても、別に間違いというわけじゃないですよ?人は、多面体です。見る角度によって、見られる角度によって形が違いますからね。」
「そういうものなのですね…勉強になりますわ。」
ローザリンデと他愛もない話をしながら時間が過ぎていく。レティシア様とガイアスお兄様は私のことを嫌っているが、ローザリンデは嫌うどころか慕ってもくれていた。若干ぎこちないところからも本音だということが伝わってくる。
さて、貴族たちとの話を聞いていると、今年は帝国の話題が多い。確かに獣公国シャスタニアとの件もそうだが、何かしらの思惑で動きが活発になっているようだ。
今までも国境沿いで、小規模の衝突が頻発していてお互いに睨み合いが続いている。
良いか悪いかはともかくとして、もしかしたら状況が動き出すかもしれない。
今年の建国祭も無事終了した。
(初めての転移だったけど成功ね…それにしても、あの氷の魔剣使いは帝国4大将軍の1人ね。噂には聞いていたけど、かなりの強さだった。剣術だけでも互角、魔剣ありだと仮に1対1でも厳しいわね…それに1対多の戦闘になったときも、私が狙われるならともかく通さないように戦うのも難しいところ…今のうちに準備をしておくのと、もっと強くならなきゃ。)
私は、次の目標を決めて王城に戻った。
「ただいま。リーナ。」
「おかえりなさいませ!ラティアーナ様。」
離宮に帰ってリーナの顔を見て。毎日通信で話していたけど、直接顔を見るのは約1年ぶりだ。
やっと家に帰ってきた。そんな気がした。
そこからは、しばらくゆっくりした時間が過ごしていく。
孤児院に遊びに行ったりアリアたちと出掛けたり、アドリアスとも稽古という名の模擬戦をしたりする。
お店に顔を出した時は、売り子として接客もした。
また最近の日課として、日々の素振りの他に刀へ魔力を纏わせるといえものが増えた。というのも、ドルマさんの工房に手入れに行った時のことだ。
その日私は刀たちの手入れのため工房を訪れていた。
「ドルマさん。刀の手入れに来ました!」
「おう!久しいなティア!刀はどんな感じだ?」
「いい感じですよ。より馴染んだもきましたし。あと、旅に出た中で新しい刀を得まして…刀を鞘から抜くと危ないんですけど、どう手入れした方が良いですかね?」
私は、工房で作って貰った刀と夜月を見せた。
「どれどれ、こいつは…一体どこで手に入れたんだ?こいつは元々魔剣だったものから、今までの担い手の魔力やらを喰らって変質しているな。」
「見ただけでそこまでわかるって凄いですね。なんでもこの夜月は、今までの所有者の思念に染まっていて、鞘から抜くと私を染めようとしてくるんですよね。元々は、担い手の力を糧にして、刀の強度と斬撃を強化するらしいですけど。」
「ここまで変質した刀は、鍛治職人じゃ手入れできねえな。ティアの魔力を馴染ませていくのが1番だと思うぞ?前にも言った通り、お前さんの魔力によって唯一の刀に育てるのが1番だ。それからここで作った刀にも名前をつけたらどうだ?いつまでも、この刀、とかじゃ可哀想だからな。」
言われてみて気づいたが、今までは刀が1本だったため、この、とか、あの、でも通じていたが、2本になった今わかりづらい。
「名前…白銀の刀身だから、銀月にしようかな?」
「銀月か…良いんじゃねえか?」
ということがあって、それから毎日刀に魔力を纏わせるのが日課になっていた。
そんな日々を過ごしていると、建国祭の時期がやってくる。
今年の建国祭も王女として近隣諸国との面会や貴族たちとのお茶会をこなしていく。今年からは妹のローザリンテも王族として参加する。前回は話す機会がなかったため、まともに話すのは今回が初めてだ。
なお、他の家族もそれぞれで動いている。お父様は国王として常に面会を受けていて、レティシア様もお父様に付き添ったり、支持してくれている貴族のお茶会に参加したりしている。
第1王子のガイアスお兄様は、お父様の子の中で唯一成人しているため今年も忙しそうにしている。第2王子のギルベルトお兄様も今年から学園に通っているため、貴族たちとも社交が今までよりも多くなっている。私の場合は、支持とか特別関係を持つとかはないので満遍なくといった感じだ。そのためローザリンデと共に動くことが多かった。
「ラティアーナお姉様は、意外と器用ですよね?面会にしてもお茶会にしてもなんというか…上手だと思います。お母様から聞いてた印象と違っていたので、新鮮です。」
「あら、わたくしは王族として普通のことをやってるだけですよ。印象というのは人によって変わるものであり、見方によってその人にとっての真実が変わります。たとえそれが人によって違っていても、別に間違いというわけじゃないですよ?人は、多面体です。見る角度によって、見られる角度によって形が違いますからね。」
「そういうものなのですね…勉強になりますわ。」
ローザリンデと他愛もない話をしながら時間が過ぎていく。レティシア様とガイアスお兄様は私のことを嫌っているが、ローザリンデは嫌うどころか慕ってもくれていた。若干ぎこちないところからも本音だということが伝わってくる。
さて、貴族たちとの話を聞いていると、今年は帝国の話題が多い。確かに獣公国シャスタニアとの件もそうだが、何かしらの思惑で動きが活発になっているようだ。
今までも国境沿いで、小規模の衝突が頻発していてお互いに睨み合いが続いている。
良いか悪いかはともかくとして、もしかしたら状況が動き出すかもしれない。
今年の建国祭も無事終了した。
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