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第12章 私を見つけるための旅
3 獣人の脅威
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「紫陽様!ティアを!」
黒羽は追ってきた敵の姿を見ると脇目もふらずに桜陽を抜刀して斬り下ろそうとした。敵の腕と刃が衝突して火花を散らせながらも力尽くで押し切ろうとする。
黒羽が敵の足止めをしている間に紫陽が慌てて駆け寄ろうとしてくる。
「ごほっ……っ!!」
雨のせいで血が流れていくのが普通よりも速い。急いで血を凍らせて傷口を無理やり塞いだ。
「大丈夫ですか!?今、治療を」
「きずは塞いだから、大丈夫。はぁっ……それよりも、黒羽の、助けにけほぅ」
内臓をやられたせいか呼吸や話すたびに痛みに襲われて口から血が零れる。
普段であれば絶対に感じたくはない傷み。しかし、今の私にとってはありがたかった。痛みによって意識を失うことはないし、生きているのだと実感できるからだ。
「それよりも……お願いが、あるの」
私は紫陽だけに聞こえるくらいの声でお願い事をした。
一方で黒羽と獣人の戦いは、二人の想定どおり黒羽の劣勢となっていた。
黒羽が刀を全力で振るうが敵は余裕を持った動きで防ぎ、いなし、弾いていく。
逆に黒羽は敵の攻撃に素早く反応することができずに後手に回っていた。
「無駄だ。どこへ行こうとも俺からは逃げられん!」
何度も刀を振るう中、敵は桜陽の刀身を掴んで引き寄せる。そしてもう片方の腕で黒羽の身体を薙ぎ払った。あまりの力強さに刀から手が離れて黒羽の体が地面へと叩き落される。
「ぐっ……フリーダ。同調!」
敵の視線が紫陽とティアに向いているのを見て、黒羽は慌てて精霊と同調して魔力を底上げした。
このままでは全滅してしまう。最早、後先のことを考えていられる状況ではなく今のこの瞬間に全身全霊をかけなければ生き残れない。そう感じたからだ。
黒羽は風によって刀を手元に引き寄せると、刀に暴風を纏わせて突きを放った。圧縮した空気の刃が集束してできた竜巻は槍のようになって敵に襲い掛かる。
「凄まじい力だ。だが効かない」
けれど、敵が腕を払うと暴風の突きが霧散した。逆に此方の番だと言うかのように踏み込んでくると、黒羽の死角から爪を突き刺してくる。
黒羽は大技を放った反動でさらに反応が遅れた。しかし、寸での所で顔を捻り距離を取る。僅かに避けきれなかったのか肩から血が滲み出していた。
「水牢」
すると後方から紫陽の声が響き渡る。同時に敵の周囲に水が集まって大きな水球による牢獄と化した。
「お待たせしました……」
紫陽も既に精霊との同調を行い魔力を引き上げている。さらに力を周囲に浸透させて大量の水を集めると水の牢獄に向けて一斉に放った。
水の精霊と契約し自身も水の霊術を得意とする紫陽にとって、この雨の天候は武器となる。
「ティアは?」
「木陰まで運びました。ティア自身が止血をしたのでしばらくは大丈夫だと思います」
「そうか。できる限り早く安全な場所に運ばないとな」
傷の治療もそうだが体力の消耗も問題だ。雨風が凌げて暖かい場所で休ませる必要があるだろう。
そのためには目の前の敵をどうにかしなければいけない。
そう考えて黒羽が刀を握りなおすが、紫陽の手が黒羽の腰に添えられる。少しして黒羽の瞳が驚きで揺れた。
「……本当に情けなく感じるな」
「ですが後はもう何もできないので任せるとも」
「分かっている。考えるのは後だ。今は……」
黒羽と紫陽の二人は共に精霊との同調を解除すした。するとほぼ同じタイミングで水の牢獄が破裂する。
二人が視線を向けると敵が何ともない様子で歩いてきて「どうした?話はまとまったか?」と問いかけてくる。
「ああ。私たちがお前を倒す。それだけだ」
「手も足もでないくせに面白いことを言う……それにさっきまで感じていた圧力が消えたがいいのか?その程度の力で俺から逃げられるとでも?」
「逃げるのではなく倒すと言ったはずだ!」
「願うは運命を砕く力。身体強化付与!」
黒羽はそう答えると同時に斬りかかった。紫陽による支援も合わさって今までよりも速い速度で刀を振るう。
敵も拳や蹴りによる反撃と刀がぶつかり合ってガキンと金属同士が激突した音が響いて衝撃波が発生する。
ここまでは先ほどまでの焼き直しだ。
「ほう?動きが変わった……無駄がなくなり反応も早くなったか」
「ようやくお前の動きに慣れた。もう負けんぞ!」
何度も近接戦闘を繰り返したおかげで慣れてきたのも嘘ではなかった。それに加えてティアからのアドバイスも大きく影響している。
ティアが紫陽にお願いごとに合わせて魔力感知に頼らないほうがいいと伝言を伝えていたからだ。
戦闘時、人の多くは視覚と魔覚に頼っている。そして戦いなれている人ほど魔覚によって相手の動きを把握することが多い。視覚では速い速度についていけず、背中などの死角からの攻撃に対応できないからだ。
けれど、この法則が成り立つのは人間同士の戦いなどの場合。
例外はあるが強い人間ほど魔力を強く感じる。身体強化にしろ魔装にしろ消費魔力に応じて効果が上昇するからだ。
だが、獣人は違う。
種の特徴として人間よりも魔力が少なく魔術をあまり使えない。代わりに身体能力や自然治癒力など身体性能が高く、種族によっては特殊能力を受け継いでいることもある。
つまり魔力を薄っすらとしか感じないため感覚が鈍る。
今の黒羽は敵の動きに対応するために魔覚だけでなく六感の全てに集中している。そこに慣れが加わって漸くまともに打ち合えるようになった。
「なるほど。確かに動きは良くなった。だが、俺に攻撃をあてても傷つけられないようでは結果は変わらない。諦めろ!」
幾ばくにも及ぶ打ち合いの中で黒羽の放つ斬撃が何度か敵の身体を捉えていた。手足のように銀の剛毛に覆われていない場所だが皮膚が硬くて刃が通らない。
けれど、黒羽は諦めずに刀を連続で振るっていく。
「全ての水よ我が元に集え。雨は槍となって降り注げ!五月雨槍」
さらには紫陽の霊術によって周囲の雨粒が凝縮して小さな槍と化していく。全方位から降り注ぐ雨の槍は、傷を与えられないものの敵の動きを縛り付けた。
「桜陽」
同時に黒羽が距離をとって桜陽に蓄えられた魔力を解放する。桜色の魔力が刀身を包み込むように広がり、その全ての力を刃へと集めていく。
「なるほど。時間を稼ぎ、大技を用意して動きを封じ、一点特化した攻撃を繰り出す。人間らしいやり方だ。だが、効かん!」
敵は雨の槍が降り注ぐ中無理やり進みだした。流石に無傷ではすまない様で薄っすらとかすり傷を負うが、敵は気にも留めずに黒羽の元へ距離を詰める。
そして、黒羽の身体に爪を突きたてようと腕を伸ばそうとした。
「なっ!?」
だが、敵の攻撃が黒羽に届く手前で動きを止める。全身を縛り付けるかのように赤い糸のようなものが巡っているからだ。
「はぁはぁ……漸く捕まえたわ」
「馬鹿な!?どうしてその怪我で動くことができる!?」
敵はおもむろに身体を起こしたティアに対して理解できないとでもいうような声を上げた。
黒羽は追ってきた敵の姿を見ると脇目もふらずに桜陽を抜刀して斬り下ろそうとした。敵の腕と刃が衝突して火花を散らせながらも力尽くで押し切ろうとする。
黒羽が敵の足止めをしている間に紫陽が慌てて駆け寄ろうとしてくる。
「ごほっ……っ!!」
雨のせいで血が流れていくのが普通よりも速い。急いで血を凍らせて傷口を無理やり塞いだ。
「大丈夫ですか!?今、治療を」
「きずは塞いだから、大丈夫。はぁっ……それよりも、黒羽の、助けにけほぅ」
内臓をやられたせいか呼吸や話すたびに痛みに襲われて口から血が零れる。
普段であれば絶対に感じたくはない傷み。しかし、今の私にとってはありがたかった。痛みによって意識を失うことはないし、生きているのだと実感できるからだ。
「それよりも……お願いが、あるの」
私は紫陽だけに聞こえるくらいの声でお願い事をした。
一方で黒羽と獣人の戦いは、二人の想定どおり黒羽の劣勢となっていた。
黒羽が刀を全力で振るうが敵は余裕を持った動きで防ぎ、いなし、弾いていく。
逆に黒羽は敵の攻撃に素早く反応することができずに後手に回っていた。
「無駄だ。どこへ行こうとも俺からは逃げられん!」
何度も刀を振るう中、敵は桜陽の刀身を掴んで引き寄せる。そしてもう片方の腕で黒羽の身体を薙ぎ払った。あまりの力強さに刀から手が離れて黒羽の体が地面へと叩き落される。
「ぐっ……フリーダ。同調!」
敵の視線が紫陽とティアに向いているのを見て、黒羽は慌てて精霊と同調して魔力を底上げした。
このままでは全滅してしまう。最早、後先のことを考えていられる状況ではなく今のこの瞬間に全身全霊をかけなければ生き残れない。そう感じたからだ。
黒羽は風によって刀を手元に引き寄せると、刀に暴風を纏わせて突きを放った。圧縮した空気の刃が集束してできた竜巻は槍のようになって敵に襲い掛かる。
「凄まじい力だ。だが効かない」
けれど、敵が腕を払うと暴風の突きが霧散した。逆に此方の番だと言うかのように踏み込んでくると、黒羽の死角から爪を突き刺してくる。
黒羽は大技を放った反動でさらに反応が遅れた。しかし、寸での所で顔を捻り距離を取る。僅かに避けきれなかったのか肩から血が滲み出していた。
「水牢」
すると後方から紫陽の声が響き渡る。同時に敵の周囲に水が集まって大きな水球による牢獄と化した。
「お待たせしました……」
紫陽も既に精霊との同調を行い魔力を引き上げている。さらに力を周囲に浸透させて大量の水を集めると水の牢獄に向けて一斉に放った。
水の精霊と契約し自身も水の霊術を得意とする紫陽にとって、この雨の天候は武器となる。
「ティアは?」
「木陰まで運びました。ティア自身が止血をしたのでしばらくは大丈夫だと思います」
「そうか。できる限り早く安全な場所に運ばないとな」
傷の治療もそうだが体力の消耗も問題だ。雨風が凌げて暖かい場所で休ませる必要があるだろう。
そのためには目の前の敵をどうにかしなければいけない。
そう考えて黒羽が刀を握りなおすが、紫陽の手が黒羽の腰に添えられる。少しして黒羽の瞳が驚きで揺れた。
「……本当に情けなく感じるな」
「ですが後はもう何もできないので任せるとも」
「分かっている。考えるのは後だ。今は……」
黒羽と紫陽の二人は共に精霊との同調を解除すした。するとほぼ同じタイミングで水の牢獄が破裂する。
二人が視線を向けると敵が何ともない様子で歩いてきて「どうした?話はまとまったか?」と問いかけてくる。
「ああ。私たちがお前を倒す。それだけだ」
「手も足もでないくせに面白いことを言う……それにさっきまで感じていた圧力が消えたがいいのか?その程度の力で俺から逃げられるとでも?」
「逃げるのではなく倒すと言ったはずだ!」
「願うは運命を砕く力。身体強化付与!」
黒羽はそう答えると同時に斬りかかった。紫陽による支援も合わさって今までよりも速い速度で刀を振るう。
敵も拳や蹴りによる反撃と刀がぶつかり合ってガキンと金属同士が激突した音が響いて衝撃波が発生する。
ここまでは先ほどまでの焼き直しだ。
「ほう?動きが変わった……無駄がなくなり反応も早くなったか」
「ようやくお前の動きに慣れた。もう負けんぞ!」
何度も近接戦闘を繰り返したおかげで慣れてきたのも嘘ではなかった。それに加えてティアからのアドバイスも大きく影響している。
ティアが紫陽にお願いごとに合わせて魔力感知に頼らないほうがいいと伝言を伝えていたからだ。
戦闘時、人の多くは視覚と魔覚に頼っている。そして戦いなれている人ほど魔覚によって相手の動きを把握することが多い。視覚では速い速度についていけず、背中などの死角からの攻撃に対応できないからだ。
けれど、この法則が成り立つのは人間同士の戦いなどの場合。
例外はあるが強い人間ほど魔力を強く感じる。身体強化にしろ魔装にしろ消費魔力に応じて効果が上昇するからだ。
だが、獣人は違う。
種の特徴として人間よりも魔力が少なく魔術をあまり使えない。代わりに身体能力や自然治癒力など身体性能が高く、種族によっては特殊能力を受け継いでいることもある。
つまり魔力を薄っすらとしか感じないため感覚が鈍る。
今の黒羽は敵の動きに対応するために魔覚だけでなく六感の全てに集中している。そこに慣れが加わって漸くまともに打ち合えるようになった。
「なるほど。確かに動きは良くなった。だが、俺に攻撃をあてても傷つけられないようでは結果は変わらない。諦めろ!」
幾ばくにも及ぶ打ち合いの中で黒羽の放つ斬撃が何度か敵の身体を捉えていた。手足のように銀の剛毛に覆われていない場所だが皮膚が硬くて刃が通らない。
けれど、黒羽は諦めずに刀を連続で振るっていく。
「全ての水よ我が元に集え。雨は槍となって降り注げ!五月雨槍」
さらには紫陽の霊術によって周囲の雨粒が凝縮して小さな槍と化していく。全方位から降り注ぐ雨の槍は、傷を与えられないものの敵の動きを縛り付けた。
「桜陽」
同時に黒羽が距離をとって桜陽に蓄えられた魔力を解放する。桜色の魔力が刀身を包み込むように広がり、その全ての力を刃へと集めていく。
「なるほど。時間を稼ぎ、大技を用意して動きを封じ、一点特化した攻撃を繰り出す。人間らしいやり方だ。だが、効かん!」
敵は雨の槍が降り注ぐ中無理やり進みだした。流石に無傷ではすまない様で薄っすらとかすり傷を負うが、敵は気にも留めずに黒羽の元へ距離を詰める。
そして、黒羽の身体に爪を突きたてようと腕を伸ばそうとした。
「なっ!?」
だが、敵の攻撃が黒羽に届く手前で動きを止める。全身を縛り付けるかのように赤い糸のようなものが巡っているからだ。
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