1 / 1
1
しおりを挟む
ここは、廃墟の中だ。
今、俺はトイレの中に入りヤツが離れる時を待っている。
ヤツは、人間の塊だ。人間の体の部位がいくつも存在し、それが絶えず動いている。運動速度は人間と同じか、それ以上で逃げ切る事は難しい。
今だ。
ドアを開け地面を蹴る。肌寒い空気を切り前に進む。
当然ヤツは俺に気づいた。この世の物とは思えない声を上げ、後をつけてくる。
ここは、地下二階。階段を駆け上がり、ヤツを振り切ろうとする。だが、思った以上に体力が持ってかれる。
絶えず鳴る喉を抱えて、俺は走る。そして探索が一割すらも終わっていないこの施設を後にしようとしている。
背後の気配を感じ、反射的に振り向く。そこにはヤツがいた。同僚だった人間の顔を浮かべ、笑いながら走ってくる。
俺は走った。冷や汗なのか分からない汗を流し、涙を堪え走る。
地下一階。ここには本棚がたくさんある。これをうまくぶつければ、逃げ切る事ができるかもしれない。
ヤツとの距離は十メートルほど。俺は、本棚の縁に指を掛け、思いっきり力を入れた。
ガタガタと音を鳴らし、中に入っていた本が落ちる。
もう少しで倒れる。しかし俺の視界には、ヤツの手が映っていた。しかし俺を捕まえようとした手は紙切れ一枚の距離で挙動を変えた。
倒れかけた本棚がヤツの体を挟み込んでいる。今にも届きそうな距離で食らった攻撃だったからか、ヤツの顔は黒く濁っていた。
ぐちゃと音がする。
完全に本棚が倒れた。そこには濁った同僚の顔は地面に転がり、赤黒い血をばら撒きながら、萎んでいくヤツの姿があった。
それを尻目に、俺は階段を登った。
地上一階。出口まで、数十メートルの所で、壊れた体を見せた何かが追いかけてきた。
人間の顔に手が二本生えた、ソレはヤツと同じ黒い液体を纏っていた。
これはヤツなのか? 一瞬、疑問が頭に過った。
ヤツだ。
追いついたソレは、俺めがけて飛び跳ねた。
ソレは腕に触れるとからみつき、離そうとしない。
どうにかして、外そうと格闘していると、階段から大きな影が現れた。ヤツの本体だ。
俺は、絡みついたソレに妨害されながら、扉に向かった。
この速度では、ヤツに追いつかれると知りながら、走った。
扉まで、一メートル。
ドアノブに手をかけた瞬間に扉を開ける。
ヤツとの距離も一メートルを切っていた。手を伸ばし、捕らえようとする、姿を最後に扉を閉める。
これで終わった。
今、俺はトイレの中に入りヤツが離れる時を待っている。
ヤツは、人間の塊だ。人間の体の部位がいくつも存在し、それが絶えず動いている。運動速度は人間と同じか、それ以上で逃げ切る事は難しい。
今だ。
ドアを開け地面を蹴る。肌寒い空気を切り前に進む。
当然ヤツは俺に気づいた。この世の物とは思えない声を上げ、後をつけてくる。
ここは、地下二階。階段を駆け上がり、ヤツを振り切ろうとする。だが、思った以上に体力が持ってかれる。
絶えず鳴る喉を抱えて、俺は走る。そして探索が一割すらも終わっていないこの施設を後にしようとしている。
背後の気配を感じ、反射的に振り向く。そこにはヤツがいた。同僚だった人間の顔を浮かべ、笑いながら走ってくる。
俺は走った。冷や汗なのか分からない汗を流し、涙を堪え走る。
地下一階。ここには本棚がたくさんある。これをうまくぶつければ、逃げ切る事ができるかもしれない。
ヤツとの距離は十メートルほど。俺は、本棚の縁に指を掛け、思いっきり力を入れた。
ガタガタと音を鳴らし、中に入っていた本が落ちる。
もう少しで倒れる。しかし俺の視界には、ヤツの手が映っていた。しかし俺を捕まえようとした手は紙切れ一枚の距離で挙動を変えた。
倒れかけた本棚がヤツの体を挟み込んでいる。今にも届きそうな距離で食らった攻撃だったからか、ヤツの顔は黒く濁っていた。
ぐちゃと音がする。
完全に本棚が倒れた。そこには濁った同僚の顔は地面に転がり、赤黒い血をばら撒きながら、萎んでいくヤツの姿があった。
それを尻目に、俺は階段を登った。
地上一階。出口まで、数十メートルの所で、壊れた体を見せた何かが追いかけてきた。
人間の顔に手が二本生えた、ソレはヤツと同じ黒い液体を纏っていた。
これはヤツなのか? 一瞬、疑問が頭に過った。
ヤツだ。
追いついたソレは、俺めがけて飛び跳ねた。
ソレは腕に触れるとからみつき、離そうとしない。
どうにかして、外そうと格闘していると、階段から大きな影が現れた。ヤツの本体だ。
俺は、絡みついたソレに妨害されながら、扉に向かった。
この速度では、ヤツに追いつかれると知りながら、走った。
扉まで、一メートル。
ドアノブに手をかけた瞬間に扉を開ける。
ヤツとの距離も一メートルを切っていた。手を伸ばし、捕らえようとする、姿を最後に扉を閉める。
これで終わった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妹は悪役令嬢ですか?
こうやさい
ファンタジー
卒業パーティーのさなか、殿下は婚約者に婚約破棄を突きつけた。
その傍らには震えている婚約者の妹の姿があり――。
話の内容より適当な名前考えるのが異様に楽しかった。そういうテンションの時もある。そして名前でネタバレしてしまうこともある(爆)。
本編以外はセルフパロディです。本編のイメージ及び設定を著しく損なう可能性があります。ご了承ください。
冷静考えると恋愛要素がないことに気づいたのでカテゴリを変更します。申し訳ありません。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
後で消すかもしれない私信。朝の冷え込みがまた強くなった今日この頃、パソコンの冷却ファンが止まらなくなりました(爆)。ファンの方の故障だと思うのですが……考えたら修理から帰ってきたときには既におかしかったからなー、その間に暑くなったせいかとスルーするんじゃなかった。なので修理とか出さずに我慢して使い続けると思うのですが、何かのときは察して下さい(おい)。ちょっとはスマホで何とかなるだろうけど、最近やっとペーストの失敗回数が減ってきたよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる