親に飼われた日本

鵜海喨

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 今朝、駅前で選挙立候補者が空論を並べていた。
 私はその内容に耳を傾けながら、居ないかように無視を続けた。

 内容は聞いた限り、「高齢者の住みやすい町作りへ」の一点だけであった。通勤者が多い中、垂れ流す内容ではないように思えるが、それは風船のヘリウムみたいに漏れ出ていた。
 親に飼われた町だと思った。我々若者は、誰か知らない親に無理な親孝行を強いられ苦しい思いをする。まさに実際に起こっている事実だと。

 私は、この町周辺のドラックストアで働いていた経験がある。客は実に半数以上、ここで言う高齢者であった。
 
 政治家は、一種の改善厨、効率厨でなければならない。そして多い者の味方だ。好奇心で、数の少ない若者の味方をする者など居ない。故に、今まで、整備されていなかった現状より多くの者が利用する福祉を、改善、効率、開拓する。

 そう高齢者への福祉だ。

 無駄に必要な、親孝行。これから親孝行という名目で一人子供なのに両親の生活費、医療費を払う羽目になる。
 私は正直に言って目障りだ。別に高齢者がいる事に対して目障りだと言っている訳では無い。ただ親孝行を強いる政治家が蝿に見える。

 新鮮な果実より、より熟れた果実を好む蝿。政治家にぴったりだな。嗤えて仕方ない。

 しかし、こんな事はどうでも良い。上記はただの愚痴に過ぎない。これからだ。これから、我々がどう生きるか。これを読んでいる高齢者がいるならば、即刻クタバレとは言わない。ただ若者に道を譲ってほしい。
 難しい話だろうか? 鉢植えに被さっている分厚く腐らない枯れ葉を退かせと言っているだけだ。

 今、鉢植えは汚く、手入れされず廃屋のように佇んでいる。

 これが難しいだろうか? 難しいと言うならば貴方はラフレシアだ。

 老人が尊い時代は、バナナの価値が下がったように終わったのだ。
 

 さて無駄な話は一旦どかして本題へ入ろう。
 今、乗っている鉄道運転手の操縦が、控えめに言って下手だ。私には何ができるだろうか?
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