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だから言ったのに
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何かが始まった気がする。今なら、何でもできて。そして、夢すらも叶えてしまいそう。しかし、これが終わればまた私を無くす。
人は言った。休めと。しかし、私は休むことなど覚えた事がない。そして自身の体は、なにか不思議な力がどうにかしてくれると。
不可解だ。自分がどうにかなってしまったのだろうか。ただ、自分である事を続ければ、自分は不滅であると私が信じてやまない。
街頭の下。切れかかった電球はその生涯をまるで楽しんだかのようにケラケラと点滅を繰り返した。
ごめんな。俺なんかが最後の通行人なんて。とさえ思える。
夜風は、撫でるように通っていく。慈悲なんてこれぐらい、と言わんばかりに。
橋の上を歩く。水面に輝く満月はまるで、どこかへ続く扉に見える。水の下、土の下。知らない場所に安堵の地があると誘っているようにも見える。
眼の前の褒美すらも億劫に思える世界。そんな世界からのギフトなど、一体何だろうか? 命だろうか。それとも慈愛の死だろうか。
そんな扉の前でも私は、「自分なんか」と地に根を張る。まさに中に浮いた感覚とはこのことだろうか。自尊心? そんなの学生間の流行語だろうか。
偽善ですら思える。何気ないただの石を、宝石だ。と馬鹿騒ぎしなければ自分で居られない環境で。本物の宝石を前にして、自身が宝石だ。と胸を張れるだろうか。先人は必ず先を行く。当たり前だ。自分探しなんて、それで得られた事実さえ、結局は二番煎じ以降の世界。笑えた話だ。
評論家は笑う。先人と私を比較して。意味のないことと評価された事柄を続ける事すら否定され、常に最前線をいく。
鉄橋に車が差し掛かった。足元が小刻みに震え、私を扉へ急かした。
ふと自分以外に人がいる事に気づいた。女だ。私にはそう見える。
夜間、こんな錆びれた鉄橋に足を運ぶ者など指折りで事が足りる。
女は、私を知っているようだった。話しかけているようだが私の耳には言葉として認識できない。
「…くん。貴方は何をしているの?」
そう問いかける。濃い金木犀の匂い。甘くも柔らかい。そんな。
女は、「美玲」と名乗った。中学の頃の友人であることにも言及した。
私に記憶はない。只管に、人と喋った事が懐かしく思える。会社のロボットと話すとは違う。どこか、人間らしい不格好さの残った。
「様子変わったね。昔と」
貴女は言った。
「思い詰めた顔して、どうしたの?」
貴女は言った。
答えた。
「うん。大丈夫」
貴女は言った。
貴女は言った。
貴女は言った。
何を話したかなんて覚えていない。いや、思い出したら戻れない気がする。
目が覚めれば、濡れた目元と布団の妙な温もりだけがあった。
死ぬ事すら後回しな世界。言葉だけでは快晴な世界で、私は何を感じ、何を遺し、何になるのだろうか。
ただの石ころの私が。
社会に縛られたアラームが、申し訳なさそうに喚いている。仕事をしなければ殺されると言わんばかりに。
数年後、私は「死ぬ事すら後回しな世界」をどう解釈するのだろうか。
看板な笑顔を描いて、私は。私は。
私は情けない。そして弱っちい。
雀は輝かせた眼差しで飛び去っていく。
烏も笑うように人間の上を飛んでいる。
一方で人間は、主のいない奴隷のように、際限も無く社会で精神を擦り削っている。ただ目立った役割すら無く、只管に野ざらしにされ痩せ朽ちていく。主と呼び難い貴族を滑稽に待ちわびて。
あの人は、私とどのような関係だったのだろうか。忌々しさすら感じる私にとって歪な優しさ。
また一日が始まる。書きかけの原稿用紙が寂しそうに机で照らされていた。
不幸を嘆けば馬鹿にされ、幸を祝えば妬まれ咎められ。弱音も吐けない独り身で。
臓腑は、もうやめてとべそをかく。
鳥籠の小鳥も泣き叫ぶ。
身を起こす。
小さな丸机にあった食べかけのパックご飯にソースをかけ、胃に掻き込む。冷蔵庫から甘いミルクティーを取り出し、豪快に胃に流し込む。脾臓は大粒の涙で泣いている。
笑える。心底笑える。己は大丈夫。全てが知られきった世界で、自分らしさで唄う。
服を着替える。身支度をする。会社に向かう。ケラケラ建付けの悪い鳥籠で笑いながら。
自分よ。逃げちゃえばいいじゃないか。逃げれば楽になるぞ。いい感じの扉も見つけて、お前は何を思った。出口だぞ。こんな終わっている生きていることすら滑稽な世界の出口だぞ。出る為には少しの勇気だけでいい。そうだろ?
面倒だ。家の鍵を閉める。
駅、通過電車はまるで矢のようだった。当たれば終わり。触れる場所に流れている。それを見て、体は何を思ったのか、小刻みに震え楽しみにしているようだった。書いて字の如く、手に汗握る光景を見れると。
電車は止まった。吐瀉物の勢いで人を吐き出し、空いた空間にまた人を飲み込む。
中は人の匂い。香水の濃い臭い。混ざった人生の物語みたいだ。
私は、何をしに行くのだろうか。自分の知ったことではないな。
終わり、人気のない電車に揺られている。視界に映る全てが色褪せ、形しかわからない。内臓が落ちていくような身体の重たさ。
なぜか笑える。カラカラ、乾いた音。情けない自分を笑って誤魔化そうとしているのだろうか。誰かの責任を負い、負わされ疲弊していく自分は誰の為に生きるのだろうか。
私は、何も考えず徘徊している。明日の事なんてどうでもいい。そう思って。静かな世界を旅したくて、誰もいない街を。終電から飛び出して。
堤防で寝転がる。
「こんばんは」
貴女の声がする。
「今日は、何があったの?」
答
え
た。
「大丈夫、大丈夫。貴方は大丈夫」
頭を撫でられた。
貴女の声がする。
今は自分に笑えない。日中あれだけ笑えた事が、不思議と笑えない。
無理やりハグをされた。頭を抱えられ、背中を擦り、温かい人に埋まっていくような。そんな。感覚。
人はこれを、優しさと言うのだろうか。不思議と落ち着く。
また意識の糸が切れる。
目覚めれば、変わらぬ部屋と布団。いや、手を握った温もりと、頭の触れられている感覚がはっきりと残っている。
身を起こし、昨日の出来事が本当か自分に問いかけるも、幻影のように答えは形をなさない。
立ち上がり、また仕事に行く。でも、まだ今日は気分が良かった。
変わらぬ日常が終わり、私は堤防や橋で貴女を探したが、そこには居ない。
ちゃんと話をしてみたい。そう思った。優しさの理由や何故そこに居るのか。
川岸を歩き、石を投げ水切りをする。
光りの切れた街灯で少々見えにくいが、二回三回と跳ねていく。
濡れた両足を川から上げようと持ち上げる。でも、気づけば空を見上げていた。そして貴女が居た。まるで求めるように探していた貴女を、呆気なく見つけてしまった。
「人の死ってさ。他の生物と違うよね」
貴女は言う。
「だから大丈夫、君は死なない。死なせてくれない」
貴女は遠い川岸を見て言う。
可哀想な小動物を見る目。そこにはどことなく紫を絶望を裏返した鮮やかな黄色が見え、背筋が凍る。スリガラスみたいに拡散しては意味も無くして散っていく。
「生きる意味は、他者に自分を波及させる事。そうでなければ、君は君である必要がない。私も私である必要がない」
頬に温かい涙が落ちてきた。
「だから君は、貴男は、いつまでたっても。漂ったまま。君は、君として死ぬ資格すら無くして」
僕は泣いていた。ただ只管に死んでもなお縛られた君を見て。月夜の漂う川を見て。
彷徨った海月は笑う。
鯊すらも分かったように、目を見開く。
鵜は眠る。
湿った息を吐く肺は、信じたくないように小刻みに震える。
ただ只管に、君は生きた意味を探して。廻って廻って。同じ日で探す。
君は思った。君がいなくなっても何も支障がないと。君は君である必要すらない。代わりはいる。だから君は君じゃなくていいと。そう悲観して。自分である必要がないのに辛い思いもして。自分は何の為に生きていたのか。何かのスペアとして。
何故? 何故? 何故?
「だから言ったのに。だから貴男は」
自分らしさなど手に入れた人間が愚かと言わんばかりに、空は綺麗なまま。
集団の中で個を手に入れた人間が悪いと言わんばかりに、魚は眠ったまま。
貴方は、それを見たまま。
貴方は、貴方である必要はあるの?
貴方は、貴方は。
貴方は、自分が死んだ時、人から何を取り上げられるだろうか。
貴方は、自分が死んで誰かに支障をきたせるだろうか。
先に待っています。
人は言った。休めと。しかし、私は休むことなど覚えた事がない。そして自身の体は、なにか不思議な力がどうにかしてくれると。
不可解だ。自分がどうにかなってしまったのだろうか。ただ、自分である事を続ければ、自分は不滅であると私が信じてやまない。
街頭の下。切れかかった電球はその生涯をまるで楽しんだかのようにケラケラと点滅を繰り返した。
ごめんな。俺なんかが最後の通行人なんて。とさえ思える。
夜風は、撫でるように通っていく。慈悲なんてこれぐらい、と言わんばかりに。
橋の上を歩く。水面に輝く満月はまるで、どこかへ続く扉に見える。水の下、土の下。知らない場所に安堵の地があると誘っているようにも見える。
眼の前の褒美すらも億劫に思える世界。そんな世界からのギフトなど、一体何だろうか? 命だろうか。それとも慈愛の死だろうか。
そんな扉の前でも私は、「自分なんか」と地に根を張る。まさに中に浮いた感覚とはこのことだろうか。自尊心? そんなの学生間の流行語だろうか。
偽善ですら思える。何気ないただの石を、宝石だ。と馬鹿騒ぎしなければ自分で居られない環境で。本物の宝石を前にして、自身が宝石だ。と胸を張れるだろうか。先人は必ず先を行く。当たり前だ。自分探しなんて、それで得られた事実さえ、結局は二番煎じ以降の世界。笑えた話だ。
評論家は笑う。先人と私を比較して。意味のないことと評価された事柄を続ける事すら否定され、常に最前線をいく。
鉄橋に車が差し掛かった。足元が小刻みに震え、私を扉へ急かした。
ふと自分以外に人がいる事に気づいた。女だ。私にはそう見える。
夜間、こんな錆びれた鉄橋に足を運ぶ者など指折りで事が足りる。
女は、私を知っているようだった。話しかけているようだが私の耳には言葉として認識できない。
「…くん。貴方は何をしているの?」
そう問いかける。濃い金木犀の匂い。甘くも柔らかい。そんな。
女は、「美玲」と名乗った。中学の頃の友人であることにも言及した。
私に記憶はない。只管に、人と喋った事が懐かしく思える。会社のロボットと話すとは違う。どこか、人間らしい不格好さの残った。
「様子変わったね。昔と」
貴女は言った。
「思い詰めた顔して、どうしたの?」
貴女は言った。
答えた。
「うん。大丈夫」
貴女は言った。
貴女は言った。
貴女は言った。
何を話したかなんて覚えていない。いや、思い出したら戻れない気がする。
目が覚めれば、濡れた目元と布団の妙な温もりだけがあった。
死ぬ事すら後回しな世界。言葉だけでは快晴な世界で、私は何を感じ、何を遺し、何になるのだろうか。
ただの石ころの私が。
社会に縛られたアラームが、申し訳なさそうに喚いている。仕事をしなければ殺されると言わんばかりに。
数年後、私は「死ぬ事すら後回しな世界」をどう解釈するのだろうか。
看板な笑顔を描いて、私は。私は。
私は情けない。そして弱っちい。
雀は輝かせた眼差しで飛び去っていく。
烏も笑うように人間の上を飛んでいる。
一方で人間は、主のいない奴隷のように、際限も無く社会で精神を擦り削っている。ただ目立った役割すら無く、只管に野ざらしにされ痩せ朽ちていく。主と呼び難い貴族を滑稽に待ちわびて。
あの人は、私とどのような関係だったのだろうか。忌々しさすら感じる私にとって歪な優しさ。
また一日が始まる。書きかけの原稿用紙が寂しそうに机で照らされていた。
不幸を嘆けば馬鹿にされ、幸を祝えば妬まれ咎められ。弱音も吐けない独り身で。
臓腑は、もうやめてとべそをかく。
鳥籠の小鳥も泣き叫ぶ。
身を起こす。
小さな丸机にあった食べかけのパックご飯にソースをかけ、胃に掻き込む。冷蔵庫から甘いミルクティーを取り出し、豪快に胃に流し込む。脾臓は大粒の涙で泣いている。
笑える。心底笑える。己は大丈夫。全てが知られきった世界で、自分らしさで唄う。
服を着替える。身支度をする。会社に向かう。ケラケラ建付けの悪い鳥籠で笑いながら。
自分よ。逃げちゃえばいいじゃないか。逃げれば楽になるぞ。いい感じの扉も見つけて、お前は何を思った。出口だぞ。こんな終わっている生きていることすら滑稽な世界の出口だぞ。出る為には少しの勇気だけでいい。そうだろ?
面倒だ。家の鍵を閉める。
駅、通過電車はまるで矢のようだった。当たれば終わり。触れる場所に流れている。それを見て、体は何を思ったのか、小刻みに震え楽しみにしているようだった。書いて字の如く、手に汗握る光景を見れると。
電車は止まった。吐瀉物の勢いで人を吐き出し、空いた空間にまた人を飲み込む。
中は人の匂い。香水の濃い臭い。混ざった人生の物語みたいだ。
私は、何をしに行くのだろうか。自分の知ったことではないな。
終わり、人気のない電車に揺られている。視界に映る全てが色褪せ、形しかわからない。内臓が落ちていくような身体の重たさ。
なぜか笑える。カラカラ、乾いた音。情けない自分を笑って誤魔化そうとしているのだろうか。誰かの責任を負い、負わされ疲弊していく自分は誰の為に生きるのだろうか。
私は、何も考えず徘徊している。明日の事なんてどうでもいい。そう思って。静かな世界を旅したくて、誰もいない街を。終電から飛び出して。
堤防で寝転がる。
「こんばんは」
貴女の声がする。
「今日は、何があったの?」
答
え
た。
「大丈夫、大丈夫。貴方は大丈夫」
頭を撫でられた。
貴女の声がする。
今は自分に笑えない。日中あれだけ笑えた事が、不思議と笑えない。
無理やりハグをされた。頭を抱えられ、背中を擦り、温かい人に埋まっていくような。そんな。感覚。
人はこれを、優しさと言うのだろうか。不思議と落ち着く。
また意識の糸が切れる。
目覚めれば、変わらぬ部屋と布団。いや、手を握った温もりと、頭の触れられている感覚がはっきりと残っている。
身を起こし、昨日の出来事が本当か自分に問いかけるも、幻影のように答えは形をなさない。
立ち上がり、また仕事に行く。でも、まだ今日は気分が良かった。
変わらぬ日常が終わり、私は堤防や橋で貴女を探したが、そこには居ない。
ちゃんと話をしてみたい。そう思った。優しさの理由や何故そこに居るのか。
川岸を歩き、石を投げ水切りをする。
光りの切れた街灯で少々見えにくいが、二回三回と跳ねていく。
濡れた両足を川から上げようと持ち上げる。でも、気づけば空を見上げていた。そして貴女が居た。まるで求めるように探していた貴女を、呆気なく見つけてしまった。
「人の死ってさ。他の生物と違うよね」
貴女は言う。
「だから大丈夫、君は死なない。死なせてくれない」
貴女は遠い川岸を見て言う。
可哀想な小動物を見る目。そこにはどことなく紫を絶望を裏返した鮮やかな黄色が見え、背筋が凍る。スリガラスみたいに拡散しては意味も無くして散っていく。
「生きる意味は、他者に自分を波及させる事。そうでなければ、君は君である必要がない。私も私である必要がない」
頬に温かい涙が落ちてきた。
「だから君は、貴男は、いつまでたっても。漂ったまま。君は、君として死ぬ資格すら無くして」
僕は泣いていた。ただ只管に死んでもなお縛られた君を見て。月夜の漂う川を見て。
彷徨った海月は笑う。
鯊すらも分かったように、目を見開く。
鵜は眠る。
湿った息を吐く肺は、信じたくないように小刻みに震える。
ただ只管に、君は生きた意味を探して。廻って廻って。同じ日で探す。
君は思った。君がいなくなっても何も支障がないと。君は君である必要すらない。代わりはいる。だから君は君じゃなくていいと。そう悲観して。自分である必要がないのに辛い思いもして。自分は何の為に生きていたのか。何かのスペアとして。
何故? 何故? 何故?
「だから言ったのに。だから貴男は」
自分らしさなど手に入れた人間が愚かと言わんばかりに、空は綺麗なまま。
集団の中で個を手に入れた人間が悪いと言わんばかりに、魚は眠ったまま。
貴方は、それを見たまま。
貴方は、貴方である必要はあるの?
貴方は、貴方は。
貴方は、自分が死んだ時、人から何を取り上げられるだろうか。
貴方は、自分が死んで誰かに支障をきたせるだろうか。
先に待っています。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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