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終わりなき始まり
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人は愚かに見えるけど、実際は美しい。ただ、水に溺れる羽虫のように波紋を広げ、とても言葉には表せない彩りや歪みを生む。
花のようだ。
甚だしい花だ。
生きるという事は、水面に藻掻くこと。飛ぶことのできず、ただ溺れることを怖がり終われば楽なのに、自身が溺れ消える想像がつかずして、ただ花を広げ続ける。
浮くことを知った虫はつまらない、動かなくなった虫もつまらない。電池の無くなった玩具のように無能な顔をしてもどかしさを植え付ける。
人間は醜い。しかし作り出すものは美しい。自己の正義ですら、誰かが作った法という罪の定義で振り翳す事ができず、強い自己正義を持ちながら、犬のように指を加えて乞い待つ姿は惨めで可愛らしい。愛おしさすら覚える。
暗く湿った洞窟だ。水面を揺らす水粒が天から落ち、恵みだと嘲笑している。五分の赤い液が体外に流れ、首を絞められるかのような息苦しさを齎す。
戦争孤児、いや、ただの孤児だ。自己紹介の内容すらない、ただの児。
虫は動く。
鳥は羽撃く。
人は藻掻く。
やっぱり、人は。いややめておこう。
花のようだ。
甚だしい花だ。
生きるという事は、水面に藻掻くこと。飛ぶことのできず、ただ溺れることを怖がり終われば楽なのに、自身が溺れ消える想像がつかずして、ただ花を広げ続ける。
浮くことを知った虫はつまらない、動かなくなった虫もつまらない。電池の無くなった玩具のように無能な顔をしてもどかしさを植え付ける。
人間は醜い。しかし作り出すものは美しい。自己の正義ですら、誰かが作った法という罪の定義で振り翳す事ができず、強い自己正義を持ちながら、犬のように指を加えて乞い待つ姿は惨めで可愛らしい。愛おしさすら覚える。
暗く湿った洞窟だ。水面を揺らす水粒が天から落ち、恵みだと嘲笑している。五分の赤い液が体外に流れ、首を絞められるかのような息苦しさを齎す。
戦争孤児、いや、ただの孤児だ。自己紹介の内容すらない、ただの児。
虫は動く。
鳥は羽撃く。
人は藻掻く。
やっぱり、人は。いややめておこう。
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