鵜海 喨

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海の山道

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 少女は船着場に立っていた。
 風に飛ばされそうな麦藁帽子を手で押さえ、水玉のワンピースをなびかせていた。
 真っ青な空には、雲一つない。時間は正午。燦燦と照り付ける太陽は加減を知らない。
「男が待たせてどうするの。最低」
 少女が言った。
 僕は「ごめんごめん」と頭を下げる。
 彼女は悪戯に笑い、「私の事が好きなのにいい所見せられなかったね」と呟く。
「で、今回呼んだのは、もう時が満ちたって思ってね。言いたい事があるの。情報元は友達なんだけど、彼方私の事好きらしいじゃん」
 彼女が言葉を発した瞬間、顔がじんわり温かくなるのを感じた。鼓動が高鳴り耳まで赤くなっている事がわかった。恥ずかしいのだ。
「だ、誰だよ。そそんな事言ったやつ。嘘だよ。真っ赤な嘘!」
 すると彼女は足を進め、僕に近づいてくる。
「真っ赤なのは彼方の顔だよ。図星でしょ?」
 彼女は足を進め続ける。しかし、キスそする距離感で立ち止まった。
「私も好きなんだけどな」
 そう、誰にも聞こえない声で微笑んだ。
 吐息が耳にかかる。ゾワゾワっと鳥肌が全身に広がっていく。
「本当はこうやって手を繋いだりキスしたり、抱きついたりしたいんじゃないの? 今本当の事を言えば、全部やらせてあげられるのに、それを真っ赤な嘘だって? 悲しいね。自分の気持ちに素直になれなくて。もしかしたら体の方がすなおなんじゃんかな」
 と視線を落とす。
 そんな彼女の隙をついて、僕は抱きついた。
「ほらやっぱり」
 笑った。
 彼女も抱き返してくる。彼女の体と密着しいていく。
「好きだよ」
 僕が言う
「私も」
 と彼女が言う。
 


「あのさ。キスしようよ」
 と言ったのは、クーラーの効いた僕の部屋、昼下がりだった。
 突然近づいてきた彼女は、手を繋いで顔を近づけた。
 柔らかい唇が触れ合う。
 その後、離れたかと思えば僕に馬乗りになり再び唇を奪った。
 今度は舌が僕の中に入ってきた。唾を啜り口の中を舐め回した。舌は何に例えたらいいのかわからない程に口の中を駆け回った。
 舌と舌が絡まり唾液が混ざる。
 しかし、彼女は唇を、舌を引き抜いた。
「はい。おしまい。今度は彼方の番」
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